愛犬の体重減少は健康に影響を与える重要なサインです。
食欲がありながら体重が減る場合、不適切な食事内容や運動過多、またはストレスなどが関わっていることがあります。加えて、病気が原因で体重が減少することも。
このような状態に気づいたら早急な対応が求められます。
この記事では、犬の体重減少に関する原因や症状、改善策について詳しく解説し、飼い主さんがわかりやすいようにご紹介します。
この記事の結論
- 食欲がある場合でも体重減少の原因を特定することが重要
- 原因不明の体重減少は病気の可能性を考え、早めに獣医師に相談する
- 日々の体重管理と適切な食事、そして適度な運動を心掛ける
- ボディコンディションスコア(BCS)で定期的に体型をチェックする
ライター/愛玩動物飼養管理士2級、猫検定 初級・中級/ペット看護師/動物介護士
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目次
犬の体重減少時に食欲はある?
犬の体重が減少する原因はいくつかありますが、大まかに分けると、食欲がある場合と食欲がない場合にわかれます。
ひとちは単純に食事を摂取できていないというケースがまず第一。
そしてもうひとつは食欲があるのに体重が減っている、というものでどちらも注意が必要な状況であることには変わりありません。
体重が減少しているということは痩せてきているということで、肥満以上に特定が難しくなります。
犬の健康状態を考えるためには、食欲と体重の変化がどのように影響しているのか簡単に解説します。
食欲がない
犬が痩せていく中で食欲がない場合、いくつか考えられる要因があります。
食欲がない場合
- ドッグフードが好みではない
- 病気やケガによって食べられない
- 運動量が少なくお腹が空いていない
ドックフードが気に入らなかったり、病気やケガで食べられない状態になっていたりすると、十分な栄養が摂れません。
また、運動量が少なくてお腹が空かないこともあるでしょう。
食欲がないと摂取カロリーが減少し、普段と同じように活動していると痩せてしまいます。
原因をしっかりと特定し、適切に対処することが必要です。
特に、体重減少が続く場合や他の症状もある場合は、まずは動物病院での診断をおすすめします。
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食欲がある
一方で食欲があるにもかかわらず痩せてしまう犬もいます。
食欲がある場合
- 運動量が多すぎて、消費カロリーが上回っている
- 病気によって痩せてしまう
上記のように必要以上に運動をしてカロリー消費が多くなっている場合や、潜在的な病気が原因であることもあります。
例えば、糖尿病や甲状腺機能亢進症といった病気があると体重減少が起こることがあります。
また、与えている食事の量や種類が愛犬のライフステージに適していない可能性も考えられます。
必要なカロリー量や適切な栄養バランスを考慮し、必要に応じて動物病院に相談しながら食事内容を調整することが大切です。
個体差や生活環境も影響するので、愛犬の状態をよく観察して対応しましょう。
犬の体重減少・痩せてしまう原因
愛犬が急に痩せてしまった場合、さまざまな要因が考えられます。
その原因を知ることで改善に進むことができるため、まずは原因の特定が重要になります。
日常生活や健康状態をチェックし、適切な対応をするようにしましょう。
食事をきちんと摂れていない
犬が痩せる原因のひとつには、食事量が十分でないことがあります。
味や好みが合わないと感じることで食べる量が少なくなる場合もあるでしょう。
また、きちんと計量せずに食事を与えていると、必要量に対して食事量が少ないことがあるので注意が必要です。
毎回、決められた量をきちんと計量し、ライフステージや体型に適した量を食べられているか確認することが重要。
また、与えているフードが合っていないと同様に食べないこともあるため、特に嗜好性や対象年齢、給与量を間違えていないかチェックしましょう。
フードが犬の嗜好に合っているか、適切な年齢に合ったものを選んでいるかを確認し、改善がみられないときは動物病院へ相談してみると良いです。
食事量に対して運動量が多すぎる
人間が痩せるためのポイントでもありますが、摂取カロリーに対して消費カロリーが上回ると痩せていきます。
これと同様に、犬も運動量が多いと消費カロリーが多くなり、摂取カロリーが追いつかなくなって痩せてしまうことがあるのです。
運動によって筋肉が増えると基礎代謝も上がるため、さらに消費カロリーが増えることもあるでしょう。
特に散歩や遊びの時間が長い場合、発情期中には消費カロリーが増える傾向があるので、適正な運動量に調整するようにしましょう。
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寒暖差による食欲不振
季節の変わり目で気温の変化が大きくなると、体調を崩して食欲不振になることがあります。
夏は暑さで夏バテのようになると食欲が落ち、冬は体温維持のため消費カロリーが増えて痩せがちになります。
こうした寒暖差には注意を払い、適切な室温や湿度をきっちり維持できるように環境を整えてあげましょう。
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発情期
女の子は発情期(ヒート)になると活発になり食欲が落ちると言われているので、一時的に痩せることがあります。
この時期に体重が減るのは一時的な生理現象の可能性が高く、様子を見て自然に戻るというのが一般的です。
男の子も発情中の女の子の近くにいると影響を受け、落ち着きがなくなり食欲が減ることがあります。
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老化
高齢になると少しずつ筋力が低下していき、筋肉量が少なくなってきます。
運動量が減少することで筋肉量が減ると、基礎代謝が低下して痩せてしまうのです。
また、消化器官の働きも老化による機能低下で栄養を十分に吸収できなくなってきます。
緩やかな体重減少は老齢による影響だと考えられますので、定期的な健康診断と獣医師の診断を受けておくと安心です。
食事内容が適しているか確認し、特にシニア犬には適したフードを選びましょう。
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病気・ケガ
もっとも気をつけなければいけないものが、病気やケガによって体重が減少しているという状態です。
口腔内の問題、腫瘍、糖尿病、消化器疾患、寄生虫、腎臓病などさまざまな疾患が考えられます。
ケガで運動できず筋肉が落ちたり、ストレスによる食欲不振も起こり得ます。
病気やケガが原因となっている場合には、外見から判断できるものが少ない可能性も十分にあります。
異常な体重減少が続く場合は、動物病院で検査を受けることをおすすめします。
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犬の体重減少時に考えられる病気
犬が急に痩せてしまった場合、背後にはさまざまな病気が潜んでいる可能性があります。
正確には動物病院を受診し、獣医師の診断を受けることが重要。
ここでは、体重減少に関連するいくつかの主な病気をご紹介します。
糖尿病
糖尿病の犬は、食事をしっかり摂っていても痩せてしまうことがあります。
飲水量が少ないよりも多少多いぐらいの方が安心ですが、糖尿病の症状には多くの水を飲むというのもあります。
これは体の中でインスリンがうまく働かず、高血糖の状態が続くために起こります。
特にシニア期に多く発症しますので注意が必要でしょう。
歯周病
食べたい様子があるのに食事ができず痩せていく原因には、口腔内の病気でもある歯周病が考えられます。
歯周病は細菌による歯周組織の破壊で、多くの犬にみられる病気です。
初期症状は歯茎の赤みなど、口腔内を中心とした症状が多く見られるでしょう。
ただ、重症化すると鼻炎や心臓病、腎臓病を起こすリスクもあるので、歯磨きやケアを欠かさず定期的な検診を受けましょう。
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寄生虫感染
寄生虫が犬の消化管にいる場合、腸内で必要な栄養を十分に吸収できなくなり、体重が減少します。
寄生虫は感染している犬の糞便などから侵入することが多く、室内飼いを基本としていても感染するリスクのある病気です。
糞便検査で確認し、適切な駆虫薬で比較的短期間で改善できる可能性が高いので、気になる場合は病院で検査を受けることをおすすめします。
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消化器疾患
慢性的な腸炎など、消化器系に疾患がある場合も栄養が十分に吸収されず痩せてしまいます。
嘔吐や下痢の症状があれば特に疑わしいですが、慢性の場合はそうした症状がなく体重減少のみの可能性もあります。
食事をしても栄養を吸収できないため、やせ細っていってしまうのです。
高齢による消化機能の低下や、アレルギー、膵炎、ホルモン疾患なども消化吸収不良の原因となります。
しっかり食べているのに痩せるようであれば、早期に動物病院で原因を検査してもらうことが大切です。
健康状態は日ごろからチェックしておきましょう。
犬の体重減少時の症状
犬の体重が減少する際には、行動や日常の様子に変化が現れることがあります。
定期的に体重を計測することがなによりも大事である一方、ほかの症状として見られるようになることもあるのです。
体重減少の症状をしっかり観察し、早めに対応するようにしましょう。
散歩を嫌がる、運動をしない
犬が老化すると徐々に散歩の距離が短くなり、運動量が減っていきます。
運動量が減れば消費カロリーも低下し、体重が減る原因になります。
明らかに歩行を嫌がるようであれば何らかの病気が隠れている可能性がありますので、動物病院で診てもらうことをおすすめします。
もともと散歩が大好きな性格の犬が、急に散歩を嫌がるようになった場合も要注意です。
個体差はありますが、そういった変化は病気のサインかもしれません。
睡眠時間が以前より増えている
犬の睡眠時間が以前より増えている場合、体調の変化が背後にある可能性があります。
老化が進むとフレイルサイクルという悪循環が始まることがあります。
これは食事量の低下から体重減少へとつながり、その結果エネルギー消費量がさらに低下するという流れです。
早めに対処することで、この悪循環を予防し、犬の健康を維持することができます。
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愛犬の体重減少時に飼い主さんがすべきこと
愛犬の体重が急に減少した際、飼い主さんは早めに状況を把握し、適切な対応をとることが重要です。
多少の変動は毎日の生活の中であり得ますが、毎日のように急激に体重が減少していくようであれば危険です。
いつ頃から何kg痩せたのか把握する
日頃から愛犬の食事量や残し量、体重を細かく記録しておくことが重要です。
体重は1~2週間に1回は計測し、飼い主が抱っこして一緒に乗って測るのが分かりやすい方法です。
記録を付けていれば、いつ頃から体重減少に気付けたのかが分かります。
減少傾向が見られたら、記録を持って動物病院に相談しましょう。
元気がない、併発する症状があるならすぐ病院へ
体重減少以外にも、元気がなかったり他の症状が見られる場合は、早めに動物病院を受診することをおすすめします。
嘔吐、下痢、脱毛など、体調の変化を示す症状が出ていれば、何らかの病気が潜んでいる可能性があるためです。
以下の症状がみられたら早めに対処するようにしましょう。
症状 | 可能性のある原因 | 対策 |
---|---|---|
嘔吐 | 消化器系の病気、ストレス | 続く場合は早めに病院で診断 |
下痢 | 食事や環境の変化、消化器疾患、寄生虫感染 | 改善しない場合は病院で診てもらう |
脱毛 | 甲状腺機能亢進症、ホルモン異常 | 体重減少と併せて病院で診断 |
飲水量が多い | 糖尿病、腎臓病 | 体重減少と関連付けて原因を調査 |
尿の量が多い | 糖尿病、腎臓病 | 病院で病気の有無を確認 |
これらの症状は直接的に体重減少と結びつくものではないので、ほかの原因も十分に考えられます。
まずは専門家の意見を聞き、正確な判断ができるようにしましょう。
犬の体重減少を改善する方法
犬の体重が減少する要因はさまざまですが、正しい方法でアプローチすれば健康を取り戻すことができます。
基本的には原因にあわせて改善が必要になるため、まずは獣医師の診察を受けて指示を仰ぎます。
ここでは一般的に体重減少を改善するための方法についてまとめました。
愛犬に適したドッグフードに切り替える
愛犬の体重減少を改善するためには、適切なドッグフードの選択が重要です。
高品質なプロテインやビタミン、ミネラルを含むフードを選び、栄養バランスを整えましょう。
また、愛犬の年齢や活動量に応じた成分を含むフードを選ぶことも大切です。
特にシニア犬の場合は、消化が良く、タンパク質をしっかり摂れるフードを選びましょう。
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生活環境を整えてあげる
愛犬が快適に過ごせるように生活環境を整えることも、体重減少を改善する要素のひとつです。
食事の時間や場所を見直し、食器の高さを愛犬の高さに合ったものにするなど、ちょっとした工夫で食事を取りやすくしてあげましょう。
また、住まいの中でのストレスを減らすために、静かな場所を確保することも効果的です。
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散歩時間を増やしてみる
軽度の運動不足も体重減少の原因となりますので、最初は短時間の散歩から始め、徐々に時間を延ばしていくと良いでしょう。
散歩の後に食事を与えることで、食欲を増進させることも期待できます。
運動は頭のリフレッシュにもなり、心身の健康を促進します。
散歩後に息を切らす程度の散歩時間や強度が適していると言われているため、ひとつの目安にしてみてください。
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1日の食事回数を増やす
一度に多くの量を食べられない場合や食べ飽きてしまうならば、食事回数を増やすことが改善のひとつの方法です。
一般的に成犬だと1日の食事回数は朝晩の2回ですが、3回や4回に分けて少しずつ与えても問題ありません。
食べるのが遅い子や必要以上に食欲がある子などは、食事回数の変更で改善を目指せることもあります。
ただし、1回の食事の量が多くなりすぎないよう、1日に与える食事量は変更しないように注意しましょう。
ウェットフードやトッピングを利用する
食欲が低下している際には、ウェットフードやトッピングを加えることで、食事への興味を引くことができます。
ウェットフードを温めて香りを引き立たせるなど、与え方を工夫することで食いつきが良くなります。
ドライフードをお湯でふやかすのもありですが、ウェットフードはより香りが強く、水分補給もしやすくなります。
ただし、新しいフードに切り替える際には、消化に影響を与えないように徐々に変更していきましょう。
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運動量が多すぎるなら、ドッグフードで調整する
過度な運動は犬にとってストレスになる場合があるため、散歩は犬種ごとに適した強度で行うようにすると良いです。
ただ、運動量だけを調節するというのは実際にはかなり難しいので、運動量と栄養摂取量のバランスが取れるよう、フード選びを工夫しましょう。
運動が犬の楽しみであることも多いため、急激な運動制限は避け、食事内容を調整しながら体重を管理することが望ましいです。
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愛犬の体重減少に気づくためには日頃からの管理が重要
愛犬の健康維持のためには、日頃から体型や体重の変化に気を配り、適切な管理を行うことが肝心です。
犬種によって理想体重は異なるため、体型評価の指標として「ボディコンディションスコア(BCS)」を活用するのがいいでしょう。
BCSは体型を5段階で評価する方法で、BCS3が理想の体型と見なされます。肋骨が適度に触れる程度の脂肪量がベストです。
愛犬が急に痩せてくる主な原因としては、消化器系の疾患、高齢による食欲低下、過度の運動、栄養の偏りなどが考えられます。環境ストレスも体重減少を招く一因となり得ます。
そして痩せすぎを防ぐには、消化吸収に優れた高カロリーのフードを与え、食欲を引き立てることが重要です。
運動と食事のバランスを整え、過度の運動は避ける必要がありますが過剰は禁物です。
愛犬の体型を日常的に観察し、異変に早く気づくことが何より大切。体重減少がみられたら早めに対処し、必要に応じて獣医に相談しましょう。
早期発見、早期対応が愛犬の健康回復につながります。
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この記事の執筆者
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