「猫に生肉を与えると健康に良いって聞いたけど、本当かな…」「食中毒とか寄生虫が心配…」。近年、愛猫に生肉を与える「生食」が注目を集めています。
猫の祖先であるリビアヤマネコは、生肉を主食としていたため、本来の食性に近いという考え方から、生食を取り入れたいと考える飼い主さんが増えています。しかし、一方でリスクやデメリットがあるのも事実です。
この記事では、猫に生肉を与えるメリット・デメリットを分かりやすく解説し、安全に生食を取り入れるための正しい知識をお伝えします。
この記事の結論
- 猫に生肉を与えるメリットは、水分補給と消化の良さ
- 生肉には、食中毒や寄生虫のリスク、栄養バランスの偏りがある
- 生肉は人間が生食できるほど新鮮で信頼できるものを選ぶべき
- 子猫や高齢猫、持病がある猫に生肉を与えるのは推奨されない
目次
猫に生肉を与えるメリット・デメリット

猫に生肉を与える「生食」は、猫本来の食性に近い食事として注目されています。猫は完全な肉食動物ですから、「生食の方がいいのでは?」と思う人もいるでしょう。
しかし、生食にはメリットだけでなく、飼い主さんが十分に理解しておくべきデメリットやリスクも存在します。特にリスクは十分に理解しておかなければいけません。
生食の良さはもちろんあるものの、それ以上にデメリットやリスク面が大きいからこそ、普及しない現実もしっかり確認しておきましょう。
生肉を与えるメリット
水分補給と消化の良さ
生肉は水分を豊富に含んでいるため、猫の水分補給を助けるというメリットがあります。特に、水をあまり飲まない猫にとって、食事から水分を摂取できるのは大きな利点です。
また、生肉に含まれる酵素は、加熱によって失われることがなく、消化吸収を助けると考えられています。これにより、猫の胃腸への負担を軽減し、効率的に栄養を摂取できる可能性があります。
毛並みや皮膚の健康をサポート
生肉には、加熱によって失われやすい良質なタンパク質や脂肪、ビタミン、ミネラルが豊富に含まれています。これらの栄養素は、猫の毛並みや皮膚の健康を維持するために不可欠です。
生肉を主食とした猫は、毛づやが良くなったり、フケが減ったりするなど、見た目の改善が見られることがあります。
生肉を与えるデメリットとリスク
細菌や寄生虫による食中毒
猫に生肉を与える最大のデメリットは、細菌や寄生虫による食中毒のリスクです。
生肉には、サルモネラ菌や大腸菌、カンピロバクターといった細菌や、トキソプラズマなどの寄生虫が付着している可能性があります。
これらの病原菌に感染すると、下痢や嘔吐、発熱といった症状を引き起こすだけでなく、重篤な健康被害につながることもあります。
栄養バランスが偏る可能性
市販の総合栄養食は、猫に必要な栄養素がバランス良く配合されていますが、生肉だけでは栄養が偏る可能性があります。特に、カルシウムやタウリンなどの必須栄養素が不足しがちです。
猫に生食を与える際は、これらの栄養素をサプリメントなどで補う必要がありますが、現実的にサプリメントだけで補うのも難しいでしょう。
栄養バランスの偏りは、長期的に猫の健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、バランスの整った食事のためには生食だけでは実現不可能と言えるでしょう。
猫に生肉を与える際の注意点

猫に生肉を与える際は、いくつかの重要な注意点を守ることが、愛猫の健康と安全を守るために不可欠です。
ここでは、安全な生肉の選び方や与え方、特に注意すべき肉の種類について詳しく解説します。
生肉の選び方と与え方
新鮮で信頼できる生肉を選ぶ
猫に与える生肉は、人間が食べられるくらい新鮮で、信頼できる販売元から購入することが絶対条件です。
スーパーで販売されている生肉は、加工や流通の過程で細菌が付着している可能性があるため、ペット用の生肉や、人間用の馬刺し、鹿肉など、生食用の肉を選びましょう。
与える量と頻度
生肉を主食として与える場合、猫の体重や活動量によって適切な量が異なります。
一般的に、体重の2~3%程度が目安とされていますが、個体差があるため、愛猫の様子を見ながら調整することが重要です。
- 体重3kgの猫:1日あたり60g~90g
- 体重4kgの猫:1日あたり80g~120g
最初は少量から始め、便の状態や体調に異常がないかを確認しながら、徐々に量を増やしましょう。
また、与える頻度も、毎日与えるか、週に数回にするかなど、愛猫の体質や飼い主さんのライフスタイルに合わせて調整してください。
生肉で特に注意すべき種類
鶏肉や豚肉、魚の注意点
特に注意が必要なのが、鶏肉、豚肉、魚です。
- 鶏肉:サルモネラ菌やカンピロバクターが付着している可能性があるため、必ず加熱して与えるのが安全です。
- 豚肉:トキソプラズマなどの寄生虫がいる可能性があるため、生で与えるのは絶対に避けましょう。
- 魚:加熱していない魚には、チアミナーゼという酵素が含まれており、ビタミンB1欠乏症を引き起こす可能性があります。
これらの肉は、基本的に加熱して与えるようにしてください。
アレルギーに配慮すべき肉の種類
猫にアレルギーを引き起こす可能性がある肉の種類として、牛肉や鶏肉が挙げられます。これらの肉は、一般的にアレルギーの原因となりやすいとされています。
もし、生肉を与えた後に、皮膚のかゆみや下痢、嘔吐といったアレルギー症状が見られた場合は、その肉を与えるのをすぐに中止し、動物病院に相談しましょう。
猫の生食に関するQ&A
猫に生肉を与えることについて、飼い主さんが抱くことの多い疑問にQ&A形式で分かりやすくお答えします。
市販のキャットフードと併用できる?
市販のキャットフードと生肉を併用することは可能です。これを「準生食」と呼びます。例えば、朝はドライフード、夜は生肉を与えるというように、食事を分ける方法があります。
これにより、市販フードで不足しがちな栄養素を生肉で補うことができます。
ただし、生肉とドライフードを同じ皿に入れると、細菌が繁殖する可能性があるため、別の皿で与えるか、時間を空けて与えるようにしましょう。
どんな猫が生食に向いている?
生食は、すべての猫に向いているわけではありません。健康で、消化器系に問題がない成猫が生食に向いていると言えるでしょう。
特に、これまでドライフードで便が安定しなかったり、毛並みが悪かったりする猫には、生食を試してみる価値があります。
子猫や高齢猫に生肉を与えてもいい?
- 子猫:まだ消化機能が十分に発達していないため、細菌感染のリスクが高く、消化不良を起こしやすいです。
- 高齢猫:免疫力が低下しているため、細菌感染のリスクが高く、体調を崩しやすいです。
これらの猫には、加熱調理した肉や、消化吸収の良い総合栄養食を与えるようにしましょう。
この記事の執筆者
nademo編集部
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