ペットコラム

【専門家監修】ペットが亡くなったときにやるべき2つのこと

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ペットが亡くなったときにすべきことは?必要になる手続きと届け出

愛するペットが亡くなるのは、飼い主さんにとって悲しい出来事です。しばらくはショックを隠せず、動揺する方も多いでしょう。

「遺体はどうすればいいのか」「必要な手続きは何かあるのか」といった疑問や不安もあると思います。

そこで今回は、大切なペットが亡くなってしまったときに必要となる遺体の処置方法や、やるべき手続きや届け出についてまとめました。

この記事の結論

  • 愛するペットが亡くなったらすべきことは、葬儀・埋葬や必要に応じた届け出を出す
  • お別れの準備をするとともに、体勢を整えてあげて、体を清める
  • 火葬が一般的ではあるが、民営火葬と公営火葬では費用や手厚さが異なる
  • 愛犬が亡くなった場合には死亡届や犬鑑札・注射済票の提出が必要

かげさん

監修者

かげさん

ライター/人とペットの終活アドバイザー

人とペットの終活アドバイザー兼ライター。
ライフエンディング業界にて、葬儀・お墓・仏壇・供養・遺品整理・相続など、生前準備から亡くなった後まで、幅広いご相談に対応しています。

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ペットが亡くなったらすべきこと

大切なペットが亡くなってしまったときには、大きく分けて2つのすべきことがあります。それは「葬儀・埋葬」「届け出」の2つです。

いずれの動物であっても、ペットは大切な家族の一員です。丁寧に火葬や埋葬をしてあげる手順についてご紹介しますので、どうぞ参考になさってください。

さらに、ペットは種類によって手続きや届け出が必要な場合があります。飼い主としては死後の処理まで自分の責任として、しっかりと覚えておきましょう。

葬儀・火葬に向けた準備をする

ペットが亡くなって最初にすべきことは、葬儀や火葬に向けての準備です。

最愛のペットの死後は、多くの人が驚きや悲しみで何も手につかない状況に陥ってしまいがちですが、速やかに準備をしなければ、遺体は腐敗して傷んでしまいます。

いざというときに慌てないようにするためには、自分のペットの寿命をあらかじめ知っておくことが重要といえるでしょう。

種類寿命
ハムスター2~3歳程度
ウサギ5~15歳程度
セキセイインコ7~10歳程度
12~20歳程度
15~20歳程度
ミドリガメ20歳程度
オカメインコ15~25歳程度
リクガメ100歳以上生きることも
出典:ペットを飼う前に(環境省)

ペットは上記のように、種類によっておおよそ寿命が決まっています。最近では生活環境の改善や、食生活の改善によって長生きしてくれるようになってきています。

さらに、定期的な健康診断によって、健康状態を把握する習慣が大切です。健康診断の種類も多くなってきているので、日頃からの生活改善と共に検討しましょう。

自治体に死亡届を出す

ペットは亡くなった種類によって、亡くなってから30日以内に死亡届を出す必要があります。

死亡届とは、登録地の自治体に提出する書類で、次のペットが対象です。

  • 人に危害を加える可能性のある特定動物(ワニ、トラ、ライオン、鷲、鷹など)

一般的に必要となってくるのは愛犬の死亡届で、急ぐ必要はありませんが、提出期限があることを覚えておきましょう。

対して猫に関してはこうした死亡届のようなものがなく、お別れをするのみになります。

詳しくは、後述「ペットの死亡届を提出」にて解説しますので、どうぞご参照ください。

ペットとお別れの準備

愛するペットとお別れをする際には、次の3つの手順で遺体の処置をします。

  1. 早めに体勢を整えてあげる
  2. 体を清める
  3. 遺体を保冷する

いずれもペットをキレイな状態で火葬するために必要な対処法のため、愛情を込めて丁寧に行ってあげましょう。

1. 早めに体勢を整えてあげる

ペットが息を引き取ったことを確認したら、穏やかに寝ているような姿勢へと整えてあげましょう。

多くの動物は死後2時間ほど経過すると死後硬直が始まり、体を動かすことが難しくなります。

手足が伸び切っていたり、苦しんだ姿のままではペットが気の毒です。

棺に納めやすくするためにも、横向きに寝かせ、手足を寄せたり、体側へ曲げたりして、楽な姿勢にしてあげてください。

また、目や口が開いてしまっていた場合は、閉じてあげましょう。

遺体が傷つかないようにティッシュやガーゼを利用し、まぶたの上へ乗せたり口元を包んだりして、その上からテープや紐で固定しておきます。

姿勢を整えてあげるにはあまり時間がないというのが現実のため、手早く対処してあげてください。

2. 体を清める

ペットの体勢を整えたら、汚れている部分を中心に、濡らしたタオルなどで全身を拭いて清めてあげましょう。

ブラッシングで毛並みを整えてあげることも忘れないでください。

「目、鼻、口、耳、お尻」などは体液が漏れ出てくる可能性もあるため、遺体はペットシーツやタオルなどの上に乗せて処置することがおすすめです。

必要に応じて、コットンなどの詰め物を施してあげます。もし汚れてしまったら、再び濡れたタオルなどで丁寧に拭いてあげましょう。

3. 遺体を保冷する

ペットの遺体は時間が経つにつれて腐敗が進んでしまいます。そのため、遺体をキレイな状態に保つには、保冷が必要です。

保冷する際にはドライアイスや保冷剤などを使い、腹部を中心に体の周囲に敷き詰めます。その上をタオルなどで覆って、冷気が逃げるのを防ぐようにしましょう。

また、保冷効果が長続きするように、部屋の温度を下げておき、風通しの良い涼しい場所に安置します。

夏場は特に注意が必要で、保冷剤はすぐに保冷効果がなくなります。定期的に取り替えることや、室温調整にご注意ください。

ペットの火葬場を選ぶ

火葬場

ペットが亡くなった場合、火葬場には2つの選択肢があります。

  • 民営の火葬場
  • 公営の火葬場

かつては土へ遺体を埋葬する土葬が定番でしたが、現在は火葬を行うことが一般的となっています。

自分の手でペットの遺体を埋葬するのは精神的に辛いうえ、後々の臭いや野生動物の掘り起こしなど、たとえ自宅の庭でも近隣住人へ配慮しなければいけないためです。

なお、民営と公営の火葬場にはそれぞれメリットとデメリットがあるため、後々まで後悔しないために、具体的な違いについて知っておきましょう。

民営は遺骨返却が可能だが、料金は高い

民営となる民間の火葬場は料金が割高な一方、手厚い供養が行えるほか、メリットが多数あります。

メリットデメリット
・業者数が多く、比較して選択できる
・予算に応じてプランが選択できる
・遺骨をキレイに残して返却してくれる
・火葬の前に葬儀ができる
・火葬の後に納骨や供養ができる
・料金が割高になる

一方で、火葬業者は数多くあるため、家族の意向やペットに合った業者やプランを選択できるよう、違いを比較して検討することがおすすめです。

手厚くなればなるほどに料金は上がっていくものですが、愛するペットの最期としては妥協できない部分ではないでしょうか。

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遺骨は細かく粒状にする「粉骨(ふんこつ)」を依頼することがおすすめです。

  • 骨壷を約1/3程度の小さなサイズにできる
  • 粉骨した遺骨はネックレスやキーホルダーなどにして手元供養ができる
  • 粉骨した遺骨なら自宅の庭へ埋葬しても土に還りやすい

粉骨の費用は、無料~1万円以内が目安です。希望する際は、粉骨代を含んだ見積を取得しましょう。

また、とても重要なのが遺骨に関する要素。民営の業者では丁寧に扱ってくれるため、小鳥やハムスターなどの小動物の遺骨もキレイな状態で返却してもらえます。

さらに、火葬前にしっかりとお別れをする葬儀を執り行うことや、火葬後の納骨や供養をお願いすることも可能です。

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お墓を所有していても、基本的に人間の墓地・霊園へペットの遺骨を埋葬・納骨することはできません。

ペットOKであっても、「ペット可」とする特定の区間や所定の場所のみに限られますのでご注意ください。

遺骨返却後の自宅供養

出典 :https://www.amazon.co.jp/

ご自宅で供養したい飼い主さんは、遺骨や想い出の品が収納できるペット用のお仏壇を用意するのもおすすめです。

ペットの遺骨を自宅で保管する際は、湿気による変色やカビを防ぐため、骨壷へ珪藻土やシリカゲルを入れておくと良いでしょう。

公営は遺骨返却不可能だが、料金は安い

公営の火葬場を選ぶときには、費用メリットがある反面、デメリットが多いと考えてよいでしょう。

メリットデメリット
・数千円からでも火葬できる・遺骨は戻らないことが多い
・犬猫限定といった受付が多い
・葬儀や納骨などはできない
・ゴミと一緒に焼却処分される場合がある

自治体などが運営するペットの火葬施設は、民営よりも料金の安さが大きなメリットですが、デメリットは多くあります。

火葬を目的としていることが多いため、一般的に葬儀や個別の納骨をすることが困難です。

地域によっては、複数のペットを一緒に火葬することや、清掃局の引き取りによってゴミと一緒に焼却処分されるケースもあり、業務的な流れになっています。

遺骨が戻ってこないことも多くあるため、遺骨の返却の有無や火葬方法と火葬後の対処に関しては、必ず事前に確認しておきましょう。

公営を利用する際は、後々まで後悔しないよう、慎重な判断をすることが大事です。

ペットの死亡届を提出

死亡届

ペットの種類によっては、死亡届の提出が必要なため、葬儀や火葬後は忘れないように注意しましょう。

さらに、提出方法や必要な物は自治体によって異なるためご注意ください。

届け出は愛犬には必要、愛猫には必要なし

死亡届の提出が必要になるペットは、次の2つの種類です。

  • 人に危害を与える可能性のある動物

狂犬病予防法に基づき、愛犬は飼い始めた時と死後、30日以内にお住まいの地域を管轄する市町村役場へ申請をしなければならないことが定められています。

なぜなら、生後90日を過ぎた犬には狂犬病ワクチンを接種しなければならないため、自治体ではどの家庭で犬を飼育しているかを把握する必要があるためです。

また、オオカミ、コンドル、コブラ、ワニなどの人に危害を加える可能性のある動物も、飼う前の許可と亡くなった後の届け出が必要となります。

これに反して、愛猫の場合には届け出が必要ありません。その他、うさぎやインコ、ハムスターなどの小動物も死亡届の提出は対象外です。

参考:厚生労働省 狂犬病予防法

参考:環境省 特定動物(危険な動物)の飼養又は保管の許可について

犬鑑札、注射済票を提出

死亡届を提出する際には、一緒に鑑札や注射済票を提出することが求められます。

登録している犬を特定するために鑑札が必要となり、狂犬病ワクチン接種を証明するためにも注射済票が必要です。

死亡届には「登録年、番号、生年月日、毛色」といった登録情報や、身体的特徴を記入する項目があります。犬鑑札を確認しながら、記入してください。

一般的には提出すると戻ってきませんが、窓口によってはもらえることもあります。一度相談してみても良いでしょう。

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犬鑑札
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注射済票

犬鑑札や注射済票は、地域や時期によってデザイン様式が異なります。厚生労働省の「犬の鑑札、注射済票について」のサイトで、地域名を選択してご確認ください。

なお、犬鑑札は自治体によって返却してもらえるケースもあるため、愛犬の思い出として手元に残しておきたい場合は、相談してみると良いでしょう。

他界してから30日以内に自治体へ提出する

自治体への死亡届の提出は、狂犬病予防法に基づき、死後30日以内に行わなければなりません。

違反すると、20万円以下の罰金が課せられる場合があるためご注意ください。

ペットロスの期間は短い人もいれば長い人もいます。だからといって、死亡後に必要な手続きを怠って法律違反になってしまうと、ペットもさぞ悲しむことでしょう。

死亡届の提出が義務付けられた手続きは、ペットのためにも忘れないように覚えておいてください。

届け出の方法は自治体によって異なる

死亡届は自治体によって形式が異なるため、お住まいの地域の市町村役所のホームページを確認のうえ、フォーマットをダウンロードして記入します。

この際、届け出と一緒に必要なものなども掲載されているため、しっかりと確認しておきます。不明な場合は、各自治体へお問い合わせください。

地域によっては、インターネットからも申請できるため、確認してみても良いでしょう。(申請先:Yahoo!くらし 犬の死亡届

なお、一般的に提出が必要となるものは以下のとおりです。

  • 死亡届
  • 鑑札
  • 注射済票
  • 引取料金(必要な場合)

手続きと同時に自治体に遺体を引き取ってもらう場合は引取料金も必要になり、相場費用は数千円程度となっています。

しかしながら、前述のように自治体での遺体の火葬やその後の処理方法については問題点が多くあるため、事前にしっかりと確認しておきましょう。

ペットが亡くなったときのペット死亡保険はある?

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人間同様、加入率が大幅に伸びているペット保険ですが、残念ながら死亡保険というものは存在しません。

基本的にペット保険は、愛犬や愛猫などペットの病気やケガを治療(入院、通院など)するためにかかった医療費への補償です。

人間ならば、特約で死亡保障を付けられることが多くありますが、ペット保険には死亡保障がありません。

一方で、ペット保険にも葬儀費用などを特約として付けることが可能なケースがあります。

ただし、加入時には年齢制限などの条件を伴う場合があり、葬儀費用を請求する際にも死亡診断書などが必要な場合がありますので、よく確認してから加入しましょう。

また、加入していたペット保険があれば、死亡後は速やかに解約手続きを行うことを忘れないようにご注意ください。

まとめ

最愛のペットが亡くなってしまったときは、何よりも悲しみが勝ってしてしまうものです。

しかし、ペットの死を悼み、安らかに眠れるようにするためには、適切な対応を心がけなければなりません。

特に死後硬直を迎える死後2時間以内については、迅速な行動が必要です。体が硬直してしまった状態では、処置や安置が難しくなってしまいます。

無事に安置までやり遂げることができれば、葬儀や火葬までの間はゆっくりと一緒に過ごしてあげることが可能です。

充分なお別れの時間を確保するためにも、美しい姿を保ってあげるためにも、早めの対応が必要になることをしっかりと理解しましょう。

そして、犬など一部のペットの場合には、死亡届を出すことを忘れないように注意してください。

死後の処置や手続きは、愛するペットがこの世に生きた証です。決して怠ることのないよう、事前に手続きや届け出に至るまで、手順を確認しておきましょう。

この記事の執筆者・監修者

かげさん

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かげさん

ライター/人とペットの終活アドバイザー

人とペットの終活アドバイザー兼ライター。
ライフエンディング業界にて、葬儀・お墓・仏壇・供養・遺品整理・相続など、生前準備から亡くなった後まで、幅広いご相談に対応しています。
多くの経験を生かして、皆さまのお困りごとを即解決できるよう、便利で役立つ情報を沢山お届けできたら嬉しいです。

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