猫のお迎え

猫の多頭飼いは本当に正解?失敗しないための注意点と成功のコツ

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猫の多頭飼いで大切なポイントや必要なもの、初顔合わせの手順を解説

一般社団法人日本ペットフード協会「令和5年 全国犬猫飼育実態調査」によると、猫の飼育頭数は約906万9,000匹。

猫を飼育している世帯当たりの平均飼育頭数は1.78匹だそうですから、複数飼いのお宅が相当数あることが伺えます。

「譲渡会で一度に複数の里親になったから」「愛猫の遊び相手がほしかったから」「後日また野良ちゃんと出会い、保護したから」…と、理由はさまざま。

一方で、保護猫となってしまう原因のひとつとしては、今でも多頭飼育崩壊が社会問題となっています。

そこで今回は、猫を多頭飼いするときのお迎え方法や、飼い方の注意点などについてご紹介します。

この記事の結論

  • 猫は本来、集団行動が得意な動物ではなく、先住猫にとって新入り猫は警戒すべき相手と言える
  • 相性の良い組み合わせは確立されておらず、兄弟・姉妹や年齢が近い子の方が良い
  • アイテム数は頭数分を用意しておくことで、ケンカになりづらい
  • 顔合わせはいきなり行うのではなく、別部屋からスタートして徐々に仲良くなってもらう

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目次

猫の多頭飼い前に知っておくべきポイント

犬はもともと群れで狩りをして暮らす動物でしたが、野生のネコ科動物はライオンを除けばみんな単独行動です。

そのため、猫は本来、集団行動が得意ではありません。

また、縄張り意識の強い動物ですから、後から別の猫をお迎えする場合、先住猫にとって新入り猫はテリトリーへの侵入者、いわば招かれざる客です。

こうした猫の特性や習性を考えると、初対面の猫同士がいきなり仲良くなることはむしろ稀と言えます。

多頭飼いへ踏み切る前に、注意点やリスクについても理解しておきましょう。

「寂しそうだから」はあくまでも飼い主さんの主観

1匹だけの猫を飼っていると「よく鳴いていて寂しがっているのかも」「日中は相手ができないから遊び相手がほしいのかも」と感じることがあるでしょう。

たしかに1匹だけでは遊べる限界がありますし、飼い主さんが相手をしてあげられないときは遊び相手を求めるものです。

ですがこれはあくまでも、飼い主さん目線で見たときの主観。猫からしてみれば、そのときだけ自分の欲求を満たせればよいのです。

そのときの欲求は満たせるかもしれませんが、多頭飼いにより縄張りを侵されるストレスも抱えることになるため、多頭飼いが正解とは言えません。

相性の良い組み合わせは確立されていない

考えてもみてください。もしあなたが、まったくの赤の他人と「さあ、今日から一緒に仲良く暮らしてね」と言われたら、どう思いますか?

子どもの頃から共に生活してきた親兄弟や親しい友だちならともかく、「それはちょっと難しい」「せめて心の準備をさせてくれ」と思うでしょう。

猫だって同じです。見ず知らずの猫と突然一緒に暮らすなんて、普通は戸惑います。

相性の良さそうな猫同士というのはありますが、100%うまくいくと保証できる組み合わせは確立されていません。

ただし、以下のような猫なら比較的スムーズに同居できるケースが多いとされています。

  • 子猫同士
  • 年齢が近い子同士
  • 異性同士、女の子同士
  • 兄弟、姉妹猫
  • 先住猫が飼い主さんに執着していない

特に兄弟・姉妹はせっかくなら一緒に育って欲しいものですから、うまくいくように飼い主さんが管理してあげましょう。

先住猫も新しい子もストレスを抱える可能性は高い

同時に複数の猫を飼うよりも、先住猫のいるおうちに新しい猫をお迎えするほうが難易度は高くなります。

なぜなら、先住猫にとっては自分の縄張りへ新入りが侵入することであり、新しい猫にとってもただでさえ不慣れな環境での生活はストレスになるからです。

人間だってやむなく転居しなければいけなくなった場合、地域に溶け込めるだろうか、転校先や転職先に慣れるだろうかと不安になるでしょう。

猫も過度なストレスがかかると心因性の脱毛になったり、至る所で排泄や爪とぎしてしまうといった問題行動を起こすことがあります。

深刻なストレスは猫の免疫力を低下させ、猫風邪、特発性膀胱炎、最悪の場合は猫伝染性腹膜炎(FIP)という死に至る疾病発症の原因にもなりかねません。

多頭飼いできる環境やスペースが必要

猫の多頭飼育には住居の条件も限られます。

マンションやアパートなどの集合住宅ならペットOKであることはもちろん、管理規約で飼育頭数が限られていることもあるのであらかじめ確認が必要です。

また、飼い主さんがお住まいの行政地域によっては、以下のように役所や保健所へ多頭飼育の届け出が必要となる場合があります。

大阪府埼玉県犬及び猫をあわせて10頭以上飼っている方
石川県犬・猫を合わせて6頭以上飼っている方

住まいに最低限の飼育スペースを確保することも必要です。

一般的には「猫が自由に出入りできる部屋数-1匹」が飼育に適した頭数の目安とされています。

2匹以上の猫を飼うなら、愛猫たちが自由に出入りできる部屋が3室以上は必要ということになりますね。

費用やケアをする時間が増える

一般社団法人ペットフード協会「令和5年 全国犬猫飼育実態調査」によると、フードや医療費などを含めた猫の生涯経費は1,498,728円。

フードはまとめ買いするなど多少節約の工夫もできますが、検査やワクチン接種などの医療費はそれぞれ個別にかかります。

また、多頭飼いとなると愛猫のお手入れも匹数ぶん行わなければならず、時間も手間もそれなりにかかる覚悟が必要です。

例えばブラッシング。猫はグルーミング(毛づくろい)で舐めた毛がお腹に溜まって毛球症を発症することがあり、予防にはブラッシングが効果的です。

ブラッシングは長毛種なら毎日、短毛種でも1週間に2回~3回が理想的とされています。

爪切りも月に1回~2回は行いたいケア。怠るとカーテンなどに愛猫が爪を引っ掛けてケガする恐れがあり、特に老猫は巻爪になる可能性もあります。

置き餌はしない

子猫は半日、成猫は1日以上何も食べなかったら要注意。絶食が1日半(36時間)以上になると、肝リピドーシス(脂肪肝)のリスクが高まるからです。

特に子猫は1日中なにも食べないようであれば、強制給餌をする必要性が出てくることもあるぐらいです。

また、その子に合わないキャットフードを与え続けていると、嘔吐を繰り返したリ、便秘や軟便になる可能性もあります。

置き餌はホコリや虫が入り、酸化しやすく不衛生というのもありますが、個体ごとの食事量や必要な栄養分、好みなどを把握しにくい難点もあります。

食事用の器は個々に用意し、早食いや大食いの子がほかの子のごはんを食べてしまわないよう注意が必要です。

先住猫と新しい子の健康状態をチェック

新しい子をお迎えする前に、先住猫と新入り猫、それぞれに健康診断をしておきましょう。

猫白血病は、唾液内にウイルスが分泌されるので、猫同士がグルーミングして舐め合ったり、同じ食器を使ったりするだけでも感染の可能性があります。

猫エイズ(FIV)は血液が混じり合うことで感染するので、猫同士が噛み付いたり引っ掻いたりすると移る恐れがあります。

いずれも検査で陽性の場合は免疫不全や腫瘍ができやすくなり、一生発症しない子(キャリア)もいますが、発症すれば致死率の高い怖い病気です。

また、一般に猫風邪と呼ばれる猫ウイルス性鼻気管炎は、風邪という名のため軽視されがちですが、実は感染力が強く、クシャミなどの飛沫で猫同士移ります。

いずれも同室での飼育はあまりおすすめできません。多頭飼いするのであれば、陽性の子と陰性の子は別室で暮らしてもらいましょう。

なお、上記の感染症はワクチン接種することで予防でき、人間には感染しません。

ただし、トキソプラズマ、猫回虫、ノミ、瓜実(うりざね)条虫、疥癬、猫ひっかき病は猫同士はもちろん、人間にも感染します。

事前に災害時の対処法を確認しておく

最近では、ペットと一緒に避難する「同行避難」を政府や多くの行政も推奨しており、ペットを「同伴避難」して一緒に過ごせる避難所も増えました。

災害が発生したとき、とっさに愛猫をキャリーバッグやクレートなどに入れて避難するのはなかなかに大変です。1匹でも大変なのに、複数となると…。

被災時を想定して、ご家族で誰がどの子を連れて避難するか、予め話し合ってシミュレーションしておきましょう。

できれば、愛猫たちをキャリーバッグなどに入れ、避難ルートを実際に歩いてみることをおすすめします。

環境省「ペットの災害対策」も参考にされると良いでしょう。

猫の多頭飼い前に準備するもの

猫をお迎えするに当たって、1匹にかかる初期費用は以下が目安と言われています。

グッズ(食器、トイレ、タワー、ケージ、キャリーバッグなど)購入代20,000円~50,000円程度
混合ワクチン接種費用3種3,000円~5,000円程度
5種5,000円~10,000円程度
去勢・避妊手術費用15,000円~35,000円程度

このほかに、ペットショップやブリーダーさんからお迎えすれば愛猫の購入費用、譲渡会や里親募集でお迎えする場合も譲渡にかかった実費を支払わねばなりません。

タワーやケージはサイズによっては共有できますが、そのほかは多頭飼いの場合、頭数分必要となります。

落ち着いて過ごすためのケージ

出典:Amazon

ペットショップなどの業者向けとはなりますが、環境省「動物取扱業における犬猫の適正な飼養管理に係る基準省令の概要」には以下の基準があります。

猫の寝床や休息場所となるケージ幅(体長の2倍以上)×奥行(体長の1.5倍以上)×高さ(体高の3倍以上)で、1つ以上の棚を設け、2段以上の構造とする。
複数飼養する場合各個体に対する上記の広さの合計面積と、最も体高が高い個体に対する上記の高さを確保。
猫の運動スペース分離型ケージサイズの2倍以上の広さを確保。

例えば、体長約50cm×体高約30cmの子と体長約40cm×体高約25cmの子を2匹飼っているとして、上記の基準を参考にしてみましょう。

ケージは幅100cm以上×奥行き90cm以上+幅80cm以上×奥行き50cm以上、高さ180cm以上のサイズが目安。

そして、ケージは2段以上で1つ以上棚が付いているものとなります。

そのほかに、2.6㎡ほどの運動スペースを確保しなければなりませんから、1畳=約1.824㎡と考えると1畳半ぐらいは最低限必要ということになりますね。

遊んだり休んだりできるキャットタワー

出典:Amazon

野生の猫は敵から逃れて安全な場所に身を置いたり、獲物を見張ったりするのに、木登りや穴へ潜ることをしてきました。

そのため、猫は上下運動を得意としますので、運動スペースは広い面よりも垂直方向に十分な空間を確保してあげることが大切です。

高さのあるキャットタワーを設置してあげると、運動不足解消になるだけでなく、単独行動を好む猫がひとりになれる場所を確保してあげられます。

ハンモックやボックスでお昼寝したり、台座から飼い主さんを観察したり、ポールで爪とぎしたり…と、仲間から少し距離を置いてリラックスできます。

多頭飼育の場合は、できるだけ高さと大きさのあるものを選んで設置してあげましょう。

トイレは「愛猫の頭数+1個」用意

出典:Amazon

猫は、トイレが汚いと排便や排尿を我慢してしまいます。そうすると便秘や腎臓病を発症する可能性があり、酷くなれば命にも関わります。

また、ウンチやオシッコのニオイは自分の縄張りを主張するものでもあるので、ほかの猫のニオイがするとトイレ以外の場所で排泄してしまうこともあります。

そのため、トイレの数は愛猫の頭数+1個が良いと言われます。 トイレを余分に用意すれば、掃除中などに愛猫が排泄を我慢してしまうのを防げるからです。

食器はそれぞれの愛猫分用意

食事の管理は、愛猫の健康管理においてとても重要です。猫種や年齢、個体によっても量や体質に合ったフードは異なります。

愛猫の食欲がなく、食べる量が少ないのは病気の可能性がありますから、個々の食事量を管理できるよう1匹に1つずつ器を用意して分けて与えましょう。

また、猫は単独で狩りをしてきたため、小さな獲物を捕らえてチョコチョコ食べる習性が身についています。

ライオンのように集団で大きな獲物を捕らえてガツガツ食べ、食い溜めできる大きな胃袋も持ち合わせていません。

そのため、1日分の食事量を数回に分けて食べるので、全員成猫だったら1日2回~3回、同じタイミングで与えてOKです。

ただし、子猫は1日4回~8回、消化機能が衰えたシニア猫も回数を分けたほうが良いので、成猫とは別のタイミングで与えます。

猫の多頭飼いで先住猫と新しい子の顔合わせ手順

先住猫がいるおうちに新しい猫をお迎えする場合は、段階を踏んで少しずつお互いに慣れさせるのが常道です。

新入り猫をお迎えする前に、今一度先住猫の性質を把握しておきましょう。

飼い主さんにいつもベッタリで嫉妬深い性格なら、新入り猫を攻撃してしまったり、逆にストレスから引きこもりのようになってしまう可能性もあります。

ママよりパパに懐いている猫なら、先住猫は主にパパがお世話し、新入り猫はママがお世話することで上手く愛情配分できる場合もあります。

それぞれの猫の性格や相性、様子をよく観察して確かめながら、ステップを踏んでいきましょう。

ステップ1. 別々の部屋で過ごさせる(1週間ほど)

新しい猫をお迎えしたら、いきなり先住猫と対面させて一緒の部屋で過ごさせるのはおすすめできません。

先住猫にとっては新入り猫にいきなりテリトリーを侵される訳ですから、攻撃的になったり、パニックになったりする場合もあり、新入り猫も怯えます。

まず1週間ほどは、ケージに入れて別の部屋で過ごしてもらいましょう。

ステップ2. 毛布などでお互いの匂いを交換する(数日~1週間)

新入り猫が新しいおうちに慣れてきたら、先住猫と新入り猫にお互いの匂いを覚えてもらいます。

新入り猫が使っていた毛布やタオルを先住猫のケージに入れ、先住猫が使っていた毛布やタオルを新入り猫のケージに入れ、匂いを交換します。

あるいは、飼い主さんが片方の猫を撫でた手でもう片方の猫をやさしく撫でます。

最初は警戒して嫌がるかもしれません。数日繰り返して行い、慣れてきて反応を示さなくなったら、いよいよご対面です。

ステップ3. ケージ越しで対面させる(1週間ほど)

対面の前に、先住猫も新入り猫もすべての愛猫の爪切りは済ませておきましょう。

まずは、後から来た新入り猫をケージに入れたまま対面させます。

嗅覚の優れた猫にとって体臭はいわば相手の情報を知るIDですから、ケージ越しに両者がお互いの匂いを嗅いでいるときはそっとしておきます。

シャーッやフーッと言って威嚇したら、その日の面会時間は終了。焦ってはいけません。毎日繰り返して、最低1週間はかかると覚悟しましょう。

ステップ4. ケージを開けた状態で対面させる

先住猫も新入り猫も落ち着いて対面するようになったら、新入り猫のケージの扉を開けてみます。

無理に引き合わせようとせず、新入り猫が自らケージから出てきたり、先住猫が自らケージに入ったりするのを見守ります。

威嚇してケンカが始まりそうになったら、引き離して新入り猫をケージに戻し、ご対面はまた明日に。

お互いがなじめないうちにお留守番させるときは、できれば新入り猫だけでなく、先住猫もケージに入っていてもらうほうが安心です。

同じ空間にいてもお互いに落ち着いていられるようになったら、同室での暮らしをスタートしてOK。

追いかけっこしたり、じゃれたり、お互いにグルーミングしたり、一緒に寝たりしてくれればシメたもの。きっと仲良く暮らしていけることでしょう。

愛猫同士の相性がどうしても良くならない場合の対策

人間同士でも、どうも相性が良くない、仲良くしようと思っても上手くいかないという相手はいるものです。

猫同士も同じ。いつまで経っても威嚇し合ったり、怯えて隠れてしまって出てこない子がいる場合は、下記の方法を検討しましょう。

  • 先住猫と新しい子を別々の部屋で生活させる期間を長くする
  • 無理に対面させずに時間をかけて慣れさせる

中には数年かけてケージ越しの対面を繰り返した結果、愛猫に心境の変化があったのか、成長して大人になったからか、成功したというケースもあります。

猫同士の同居が上手くいかないからと言って、先住猫または新入り猫の飼育を放棄するのは絶対タブー。

新入り猫をお迎えしたペットショップやブリーダー、保護団体やNPO法人などもアフターフォローをしてくれますので、相談してみるのも良いでしょう。

ケンカは多少の様子見も必要になる

猫同士でケンカをしてしまうこともあると思いますが、特に子猫のうちならば無理に止める必要はありません。

ケンカをすることで仲が深まるケースもありますし、どの程度ならば傷つかないか、力加減を理解できるようになっていきます。

ケンカであるかじゃれ合いであるかは最初こそわからないかもしれませんが、一方的なものであるかどうか、ケガをしてしまっているかどうかを確認してみてください。

やりすぎないよう、ケンカを始めたら目を離さないということが大切です。

ケンカがエスカレートしそうなときは制止する

猫同士のケンカが始まってエスカレートしてしまったら、どちらかがケガする前に引き離しましょう。

かと言って、興奮した猫同士の間に飼い主さんが割って入るのは、飼い主さん自身がケガを負ってしまう可能性がありますので危険です。

聴力に優れた猫は物音に敏感なので、テーブルや家具を叩いて大きな音を立て、ケンカしている愛猫たちの気をそらしましょう。

それでもケンカが止まないときは、両者の間に板状の物を立ててお互いの姿が見えないようにし、闘争心を失わせます。

猫の多頭飼いで繁殖を望まないなら去勢・避妊手術を検討する

多頭飼育崩壊は、愛犬同士や愛猫同士の交尾によって子どもが次々産まれ、飼い主さんの手に負えないほど数が増えてしまうことが主な原因です。

猫は生後8か月~12か月頃には交尾可能な体へ成長するとされ、女の子は早ければ生後4か月で妊娠可能になる子もいます。

愛猫の避妊・去勢手術は生後6か月以降、初めての発情期を迎える前が適期と言われますが、もちろん、それ以後の成猫でも可能です。

早めの不妊手術が多頭崩壊を防ぐ決め手となります。飼育できなくなって命を落とす不幸な猫を生まないためにも、繁殖を望まないなら手術はお早めに。

お住まいの区市町村から避妊・去勢手術費の補助金が出る場合もありますので、役所に問い合わせてみると良いでしょう。

猫の多頭飼いに向いているといわれている猫種

猫はもともと縄張り意識が強く、自分のテリトリーに見知らぬ存在が侵入してくると警戒します。

けれど、中には順応性が高くフレンドリーで、ほかの猫をすぐ受け入れてくれる温厚な性格の子もいます。

純血種の中でも比較的おおらかで友好的、ほかの猫とも親しくなりやすいとされる、多頭飼い向きの猫種をご紹介しましょう。

マンチカン

短い足でトコトコ走る姿が可愛らしいマンチカン。2023年発表のアニコム損害保険株式会社「人気猫種ランキング」でも3位の人気者です。

穏やかな性格で社交的、ほかの猫と一緒に遊ぶのも大好きなので、多頭飼いに向いていると言われます。

マンチカン同士はもちろん、ほかの猫種とも同居可能です。ただし、ほかの猫種の性格にもよるので、その場合はステップを踏んで慣れさせましょう。

穏やかで甘えん坊

好奇心旺盛で人懐こい

鳴き声は基本的に小さい

活発で運動能力が高い

 その他情報

原産国 アメリカ合衆国
猫種公認団体 TICA
大きさ 小型
平均寿命 11歳~12歳
なりやすい病気 椎間板ヘルニア,関節炎,毛球症,猫伝染性腹膜炎
参考価格 6万円~50万円
       

被毛

抜け毛 多い
毛質 ダブルコート
毛色 レッド,クリーム,ブラウン,ホワイト,ブルー,シルバー,ブラック,キャリコ
毛の長さ 短毛or長毛

体高

男の子16cm~20cm
女の子16cm~20cm

体重

男の子3kg~4.5kg
女の子2.5kg~3.5kg

アメリカンショートヘア

「アメショ」の愛称で親しまれ、日本では人気猫種ランキング10位以内の常連。原産国アメリカはもちろん、世界中で大人気の猫種です。

人懐っこく愛嬌があり、好奇心旺盛。争いを好まない穏やかな性格のため、多頭飼いに向いています。短毛種なのでブラッシングなどのお手入れもラク。

ただし、ハンター気質でヤンチャな面もあるため、愛猫同士じゃれ合っているうちにケンカに発展しないよう注意しましょう。

活発でフレンドリーな性格

適応力が高く人懐こい

鳴き声は基本的に小さい

すぐれた運動能力を持つ

 その他情報

原産国 アメリカ合衆国
猫種公認団体 TICA,CFA
大きさ 中型
平均寿命 12歳~13歳
なりやすい病気 肥大型心筋症,尿路結石症,糖尿病
参考価格 6万円~40万円
       

被毛

抜け毛 多い
毛質 ダブルコート
毛色 シルバータビー,ブラウンタビー,レッドタビー,ブルータビー,クリームタビー,カメオタビー,パッチドタビー,バイカラー,トッティー
毛の長さ 短毛

体高

男の子24cm~25cm
女の子24cm~25cm

体重

男の子4kg~7kg
女の子3kg~6kg

メインクーン

世界一ビッグな猫種と言われ、体長は100cmくらいまで成長するメインクーンですが、「穏やかな巨人」の別名で呼ばれるほど温厚な性格でフレンドリー。

メインクーン同士で多頭飼いする飼い主さんも多く、ほかの猫種や犬との相性も良いと言われます。

ただし、体が大きいため食費や医療費などの年間飼育費が3万円~10万円ほどかかり、多頭飼育は経済的負担も大きいことを覚悟しなければなりません。

温厚で従順な性格

適応力が高く人懐こい

あまり鳴かない

優れた運動能力を持つ

 その他情報

原産国 アメリカ合衆国
猫種公認団体 CFA,FIFe,GCCF,TICA
大きさ 大型
平均寿命 11歳~14歳
なりやすい病気 股関節形成不全,ピルビン酸キナーゼ欠乏症,尿路結石症,肥大型心筋症,慢性腎臓病
参考価格 10万円~30万円
       

被毛

抜け毛 多い
毛質 シングルコート
毛色 ブラック,ホワイト,レッド,ブルー,シルバー,クリーム
毛の長さ 長毛

体高

男の子27cm~30cm
女の子27cm~30cm

体重

男の子6kg~8kg
女の子4kg~6kg

アビシニアン

野性味のあるワイルドな見た目とは裏腹に、フレンドリーな性格のアビシニアン。

アビシニアン社交的で好奇心旺盛なので、多頭飼いにも比較的しやすい猫種と言われています。

ただし神経質で嫉妬深い側面もあるので、先住猫との相性などをしっかり考慮してから迎え入れを検討しましょう。

穏やかで親しみやすい性格

甘えん坊で人懐っこい

鳴いても静かな鳴き声

活発で運動量も多い

 その他情報

原産国 エチオピア
猫種公認団体 CFA,FIFe,GCCF,TICA
大きさ 中型
平均寿命 10歳~14歳
なりやすい病気 拡張型心筋症,慢性腎臓病,進行性網膜萎縮症(PRA),ピルビン酸キナーゼ欠乏症,アミロイドーシス
参考価格 15万円~30万円前後
       

被毛

抜け毛 多い
毛質 ダブルコート
毛色 レッド,ブルー,フォーン,ライラック,シルバー,チョコレート,ルディ
毛の長さ 短毛

体高

男の子24cm~27cm
女の子24cm~27cm

体重

男の子3kg~5kg
女の子3kg~5kg

猫の多頭飼いは新しい子と先住猫、どちらにも配慮してお世話を

新しい子をお迎えしたら、先住猫との対面は焦らず時間をかけて、愛猫たちの様子を見ながら行うことが重要です。

いきなり新入り猫を同じ部屋に入れると、それまで良好な関係だった先住猫同士に争いが起きることもあります。

先住猫にはなるべくこれまで通り暮らしてもらえるよう、ごはんのタイミング、ベッドやトイレの場所などを変えないようにしましょう。

新しい猫には、まずは飼い主さんを信頼してもらうことが肝心。そして、お迎えしたおうちの環境に慣れてもらうこと。先住猫との対面はそれからです。

大好きな愛猫たちに囲まれて、あなたが幸せな多頭飼いライフを送れますように。nademo編集部も心から願っております。

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