猫の病気・健康

猫の吐き戻しは大丈夫?心配な飼い主さんへ送る原因特定と安心ケア方法

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猫の吐き戻し

愛猫が突然吐いてしまうと、とても心配になりますよね。猫の「吐き戻し」には、心配いらない生理的なものも多いですが、中には病気のサインが隠れていることもあります。

この記事を読めば、吐き戻しの原因の見分け方、ご自宅でできるケアや予防策、そして動物病院へ行くべきかの判断基準が分かります。

飼い主さんの不安に寄り添い、大切な猫のために正しい知識を身につけ、日々の安心につなげるお手伝いをします。

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目次

猫の「吐き戻し」と「嘔吐」の違いを理解しよう

愛猫が突然、食べたものや液体を口から出す姿を見ると、飼い主さんとしてはとても心配になりますよね。

しかし、猫が「吐く」という行為には、大きく分けて生理的な「吐き戻し」と、病気のサインかもしれない「嘔吐」の2種類があります。

この違いを正しく理解することが、愛猫の健康状態を把握し、適切な対応をとるための第一歩となります。

まずは、この2つの違いについて詳しく理解しておくことが、愛猫の健康管理を行ううえで重要なポイントになるのです。

生理的な「吐き戻し」とは

「吐き戻し(Regurgitation)」とは、食べたものが胃に到達する前に、主に食道から口へと逆流して排出される現象を指します。

これは、胃の内容物を吐き出す「嘔吐」とは異なり、比較的穏やかなプロセスで起こることが多いです。吐き戻しは、腹筋を強く使うことなく、食べたものがそのままの形で出てくるのが特徴です。

主な原因としては、急いで食べ過ぎてしまったり、食道に毛玉が詰まったりすることが挙げられます。猫はもともと吐きやすい動物と言われており、特に長毛種の猫では毛玉を吐き出す行為はよく見られます。

吐き戻しの場合、吐いた後に猫自身はケロッとしていて、すぐに普段通りの様子に戻ることが多いです。そのため、頻繁でなければ過度に心配する必要はないケースがほとんどです。

  • 食べた直後に起こりやすい
  • 吐く前の「えずき」などの苦しそうな様子があまり見られない
  • 吐瀉物は未消化のフードや毛玉が固形のまま出てくることが多い
  • 吐いた後は比較的元気で、食欲もある

病的な「嘔吐」との見分け方

一方、「嘔吐(Vomiting)」は、胃や小腸の内容物が、脳にある嘔吐中枢からの指令によって、腹筋などが強く収縮することで強制的に排出される現象です。こちらは体の防御反応や、何らかの病気のサインである可能性が「吐き戻し」よりも高くなります。

嘔吐の場合、吐く前に吐き気を感じているサインが見られることが多いです。例えば、よだれを大量に垂らす、落ち着きなくウロウロする、お腹を波打たせるような「えずき」を繰り返す、といった行動です。

吐瀉物も、消化がある程度進んだフードや、胃液(透明または泡状)、胆汁(黄色い液体)などが混じっていることが多いのが特徴です。

また、吐いた後にぐったりしたり、食欲がなくなったりするなど、体調の変化が見られる場合も少なくありません。

吐き戻しと嘔吐は、そのメカニズムや猫の様子、吐瀉物の状態によって見分けることができます。以下の表で主な違いを確認してみましょう。

項目生理的な「吐き戻し」病的な「嘔吐」
メカニズム食道からの受動的な逆流脳の指令による胃からの能動的な排出
吐く前の様子前兆がほとんどないか、短いよだれ、落ち着きのなさ、繰り返す「えずき」などが見られることが多い
腹筋の動きあまり使われない強く収縮する
吐瀉物の状態未消化のフード(形が残っている)、毛玉など消化されたフード、胃液(透明・泡状)、胆汁(黄色)、血液、異物など
吐いた後の様子ケロッとしていて元気なことが多いぐったりする、元気がない、食欲不振などが見られることがある
主な原因早食い、食べ過ぎ、毛玉、フードが合わない、空腹など消化器疾患、異物誤飲、中毒、腎臓病、肝臓病、甲状腺機能亢進症などさまざまな病気

このように、「吐き戻し」と「嘔吐」には明確な違いがあります。愛猫が吐いた際には、どちらに該当するのかを冷静に観察することが重要です。

もし嘔吐が疑われる場合や、吐き戻しであっても頻度が多い、吐いた後に元気がないなどの場合は、早めに動物病院を受診するようにしましょう。

猫が吐き戻す主な原因 生理的なケース

愛猫が突然吐いてしまうと、飼い主さんとしてはとても心配になりますよね。しかし、猫の吐き戻しは必ずしも病気のサインとは限りません。

ここでは、比較的心配の少ない、生理的な原因による吐き戻しについて詳しく解説します。

どのような状況で吐きやすいのかを知っておくことで、落ち着いて対応できるようになるでしょう。

早食いや食べ過ぎによる猫の吐き戻し

猫が一気にフードを食べたり、必要以上にたくさん食べてしまったりすると、胃が急激に拡張され、消化が追いつかずに吐き戻してしまうことがあります。

これは、特に食欲旺盛な猫や、多頭飼いで他の猫に取られまいと急いで食べる猫によく見られる現象です。

この場合の吐瀉物は、食べたフードがほとんど消化されずに、そのままの形で出てくることが多いのが特徴です。食後すぐに吐いてしまう傾向があります。

吐いた後にケロッとしていて、元気や食欲があるようであれば、生理的な吐き戻しである可能性が高いと考えられます。

空腹による胃液の吐き戻し

食事の間隔が長く空きすぎると、胃の中が空っぽになり、分泌された胃酸が胃の粘膜を刺激して吐き気を催すことがあります。

これを「胆汁嘔吐症候群」と呼ぶこともありますが、猫でも同様のメカニズムで吐き戻しが見られます。

吐瀉物は、無色透明な胃液や、白い泡状の唾液が混じったものであることが多いです。ときには、十二指腸から逆流した胆汁が混じり、黄色い液体を吐くこともあります。

特に、朝起きた時や食事の前など、空腹の時間が長くなったタイミングで吐く傾向が見られます。

吐いた後に食欲があるようであれば、心配しすぎる必要はないかもしれませんが、頻繁に繰り返す場合は食事の与え方を見直す必要があるでしょう。

毛玉(ヘアボール)の吐き戻し

猫は体を清潔に保つために、日常的に毛づくろい(グルーミング)を行います。その際に、舌で抜け毛を舐めとり、飲み込んでしまいます。

通常、飲み込んだ毛の多くは便と一緒に排泄されますが、胃の中に溜まってしまうと毛が絡み合って塊(毛玉、ヘアボール)を形成することがあります。

ある程度の大きさになった毛玉は、胃の不快感を引き起こし、吐き出すことで体外へ排出しようとします。これは猫にとって自然な生理現象のひとつです。

吐瀉物は、細長い形状をした毛の塊で、胃液や粘液、ときにはフードが混じっていることもあります。特に、長毛種の猫や、春や秋の換毛期には毛玉を吐く頻度が増える傾向にあります。

ただし、毛玉をうまく吐き出せずに元気や食欲がなくなったり、繰り返し吐こうとしても吐けない様子が見られたりする場合は、毛球症という病気の可能性もあるため注意が必要です。

フードが合わない場合の猫の吐き戻し

普段食べているキャットフードが、猫の体質に合わない場合にも吐き戻しが見られることがあります。

例えば、フードに含まれる特定の原材料(タンパク質源、穀物など)に対してアレルギーや不耐性がある場合、体が拒否反応を示して吐いてしまうのです。

また、急に新しい種類のフードに切り替えた際にも、胃腸が変化に対応できずに吐き戻すことがあります。フードの粒の大きさや硬さが猫にとって食べにくい場合や、脂質の含有量が高すぎる場合なども原因となり得ます。

吐き戻しだけでなく、下痢や軟便、皮膚のかゆみといった他の症状を伴う場合は、フードが原因である可能性を疑ってみましょう。

ストレスによる猫の吐き戻し

猫は環境の変化に非常に敏感な動物です。引っ越しや部屋の模様替え、新しいペットや家族の迎え入れ、来客、大きな音、長時間の留守番など、さまざまなことがストレスの原因となり得ます。

強いストレスを感じると、自律神経のバランスが乱れ、胃腸の働きに影響が出て吐き戻しを引き起こすことがあります。

ストレスが原因の場合、吐き戻しの他にも、食欲不振、下痢、過剰なグルーミング、体を隠す、攻撃的になる、トイレ以外で排泄してしまうなどの行動の変化が見られることもあります。

もし、生活環境に変化があったタイミングで吐き戻しが見られるようになった場合は、ストレスが関係している可能性も考えてみましょう。

猫が安心して過ごせる環境を整えてあげることが大切です。

注意が必要な猫の吐き戻し 病気のサインかも

猫

猫が時折吐き戻すことは、必ずしも異常ではありません。しかし、中には病気のサインが隠れているケースもあります。

愛猫の吐き戻しが「いつものこと」なのか、それとも「注意が必要なサイン」なのかを見極めることは、猫の健康を守る上で非常に大切です。

ここでは、特に注意が必要な吐き戻しの特徴や、関連する可能性のある病気について詳しく解説します。

吐瀉物の色や内容物で危険度をチェック

猫が吐いたもの(吐瀉物)の状態をよく観察することは、原因を探る上で重要な手がかりとなります。

色や内容物によって、緊急性や考えられる原因が異なります。以下の表を参考に、吐瀉物の状態を確認してみましょう。

吐瀉物の特徴考えられる原因・状態緊急度・注意点
透明や泡状の吐瀉物胃液や唾液が主成分になっていることが多いです。
空腹時に胃酸過多になったり、水を飲んだ直後、軽い胃のむかつきなどで見られます。
一時的なもので元気があれば様子見の場合が多いです。
ただ、頻繁に繰り返す、食欲不振などを伴う場合は動物病院に相談しましょう。
黄色い吐瀉物(胆汁)胆汁が胃に逆流したもので、空腹時間が長すぎると見られることがあります。
胃腸の動きが悪くなっている可能性も考えられます。
食事の時間を調整しても改善しない場合や、元気がない、食欲がないなどの症状があれば受診を検討してください。
未消化のフード食後すぐに、食べたものが消化されずにそのままの形で出てくる状態。
早食い、食べ過ぎ、フードが体に合わない、食道や胃の機能低下などが考えられます。
早食い防止策やフードの見直しで改善することがあります。
続く場合や他の症状がある場合は、消化器系の病気の可能性も考慮します。
血が混じっている吐瀉物 鮮やかな赤い血(鮮血)は、口の中、喉、食道からの出血の可能性があります。
黒っぽい血(コーヒーかす状)は、胃や十二指腸など、消化管の奥からの出血が胃酸によって変色したものです。
緊急性が高いサインです。
出血の原因(潰瘍、腫瘍、異物による損傷など)を特定し、適切な治療を受ける必要があります。
すぐに動物病院を受診してください。
異物が混じっている吐瀉物おもちゃの破片、ビニール、紐、植物、骨などの誤食。
食べ物以外のものを誤って飲み込んでしまった誤飲可能性があります。
吐き出せたとしても、一部が体内に残っている、消化管を傷つけている可能性があります。
特に紐状の異物は腸に絡みつきやすく危険です。
何を誤飲したか、吐いた後も苦しそうにしていないかなどを確認し、速やかに動物病院を受診しましょう。
茶色い吐瀉物食べたフードの色がそのまま出ている場合もあります。
消化管からの出血(古い血が混じっている)や、便のような臭いがする場合は腸閉塞などの可能性も考えられます。
フードの色か判断がつかない場合や、異臭がする、元気がないなどの場合は注意が必要です。
獣医師に相談することをおすすめします。

吐き戻し以外の症状も確認しよう

吐き戻しだけでなく、猫の全身状態や他の症状も合わせて確認することが、病気の早期発見につながります。以下のような変化が見られないか、注意深く観察しましょう。

元気がない・食欲不振

いつもより活動量が少ない、お気に入りのおもちゃで遊ばない、名前を呼んでも反応が鈍い、食欲がない、または全く食べない、水を飲まないといった変化は、体調不良の重要なサインです。

吐き戻しと合わせてこれらの症状が見られる場合は、何らかの病気が隠れている可能性があります。

下痢や便秘

吐き戻しと同時に、下痢や便秘といった排便の異常が見られる場合、消化器系全体に問題が起きている可能性が考えられます。

便の色(黒色便、血便など)、硬さ、回数などもチェックし、獣医師に伝えるようにしましょう。

体重減少

見た目では分かりにくいかもしれませんが、慢性的な吐き戻しや食欲不振が続くと、徐々に体重が減少していきます。特に、食欲はあるのに痩せていく場合は、甲状腺機能亢進症などの病気も疑われます。

定期的に体重を測定し、記録しておくと変化に気づきやすくなります。

頻繁な猫の嘔吐

1日に何度も吐く、あるいは数日にわたって吐き戻しが続く場合は、生理的な範囲を超えている可能性が高いです。

脱水症状を引き起こす危険もあるため、早めの対応が必要です。

猫の吐き戻しに関連する可能性のある病気

単なる吐き戻しだと思っていても、背景に次のような病気が隠れていることがあります。

もちろん、これらの病気が必ず吐き戻しを引き起こすわけではありませんし、吐き戻しがあるからといって必ず病気というわけでもありません。しかし、可能性として知っておくことは大切です。

正確な診断は、動物病院での検査に基づいて獣医師が行いますので、自己判断はしないようにしましょう。

消化器系の病気(胃腸炎 膵炎など)

ウイルスや細菌感染、食事性の問題、ストレスなどが原因で起こる胃腸炎や、消化酵素を分泌する膵臓の炎症(膵炎)は、嘔吐の一般的な原因です。

炎症によって消化管の機能が低下し、吐き気を引き起こします。

腎臓病や肝臓病

腎臓や肝臓は、体内の老廃物を処理する重要な役割を担っています。これらの臓器の機能が低下すると、体内に毒素が溜まり、それが吐き気や嘔吐を引き起こすことがあります。

特に高齢の猫では注意が必要です。

甲状腺機能亢進症

甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気で、主に中高齢の猫に見られます。

代謝が異常に活発になるため、食欲が増すにも関わらず体重が減少したり、活動性が亢進したり、嘔吐や下痢が見られたりします。

異物誤飲

猫が食べ物以外のものを飲み込んでしまうと、それが消化管を物理的に塞いだり(閉塞)、傷つけたりすることで嘔吐を引き起こします。

完全に詰まってしまうと命に関わる緊急事態となります。

寄生虫感染

回虫や条虫などの消化管内寄生虫が、胃腸を刺激して嘔吐の原因となることがあります。

子猫や保護された猫でよく見られますが、成猫でも感染の可能性があります。便検査で診断できます。

中毒

猫にとって有毒な植物(ユリ科など)、人間の食べ物(チョコレート、玉ねぎなど)、殺虫剤、不凍液などを誤って摂取してしまうと、中毒症状のひとつとして嘔吐が見られることがあります。

原因物質によっては命に関わるため、迅速な対応が必要です。

猫が吐き戻したときの飼い主の対応とケア

猫

愛猫が突然吐いてしまうと、飼い主さんはとても心配になりますよね。しかし、まずは慌てず、冷静に対応することが大切です。

猫の安全を確保し、落ち着いて状況を把握することで、適切なケアにつながります。

まずは落ち着いて猫の様子を観察

猫が吐いた直後は、飼い主さんも動揺してしまうかもしれませんが、深呼吸して落ち着きましょう。そして、猫の様子を注意深く観察してください。

猫は体調が悪くても隠そうとすることがあります。些細な変化も見逃さないようにしましょう。

観察すべきポイントは以下の通りです。

  • 吐いた後の元気はありますか?ぐったりしていたり、隠れて出てこなかったりしませんか?
  • 呼吸は普段通りですか?速かったり、苦しそうだったりしませんか?
  • 歩き方や行動におかしな点はありませんか?ふらついたり、何度も吐く素振りを見せたりしていませんか?
  • 吐いたのはいつ頃ですか?食事の直後、空腹時、遊んでいる最中など、状況も確認しましょう。
  • 吐いた回数は1回だけですか?それとも繰り返し吐いていますか?

これらの情報を整理しておくことが、後の判断や動物病院での説明に役立ちます。

吐瀉物の状態を記録 写真やメモが役立つ

猫が何を吐いたのか、その状態を確認することは、原因を探る上で非常に重要です。可能であれば、吐瀉物を片付ける前にスマートフォンなどで写真を撮っておきましょう。動物病院を受診する際に、獣医師に見せることで診断の助けになります。

記録しておきたい吐瀉物の情報は以下の通りです。

確認項目具体的な内容例記録のポイント
吐いた日時と回数〇月〇日〇時頃、〇回吐いたいつ、どのくらいの頻度で吐いたかを把握します。
透明、泡状、白っぽい、黄色、緑色、茶色、赤(血液)など胃液、胆汁、血液など、内容物を推測する手がかりになります。
内容物未消化のフード、毛玉(ヘアボール)、草、異物(おもちゃの破片、紐など)、寄生虫など何が原因で吐いたのか、直接的な原因がわかる場合があります。
少量、多量、食べたものをほとんど吐いたなど吐いた量も記録しておきましょう。
臭い普段のフードの臭い、酸っぱい臭い、便のような臭いなど異常な臭いがする場合は注意が必要です。

写真を撮る際は、吐瀉物の色や内容物がはっきりとわかるように撮影しましょう。メモには、写真だけでは伝わらない臭いや、吐いたときの猫の様子などを書き加えておくと、より詳細な情報となります。

吐瀉物を片付ける際は、感染予防のため、使い捨ての手袋などを着用し、適切に処理・消毒を行ってください。

吐いた後の猫への接し方

吐いた後の猫は、体調が悪く不安を感じているかもしれません。飼い主さんは優しく声をかけ、安心させてあげましょう。

ただし、無理に抱きしめたり、構いすぎたりするのは逆効果になることもあります。猫が落ち着けるよう、静かな環境を整えてあげてください。

猫が自分から甘えてくるようであれば、そっと撫でてあげるなど、安心できるスキンシップを心がけましょう。

多頭飼いの場合は、他の猫がちょっかいを出さないよう、一時的に別の部屋で休ませるなどの配慮も必要になることがあります。

食事や水の与え方 一時的に絶食も検討

猫が吐いた直後は、胃腸への負担を減らすために、食事や水の与え方を調整する必要があります。

基本的には、吐き気が治まるまで少し様子を見るのが良いでしょう。

水の与え方

吐いた後、1〜2時間ほど様子を見て、吐き気が落ち着いているようであれば、まずはごく少量(スプーン1杯程度)の水を与えてみましょう。

飲んでも吐かないことを確認できたら、少しずつ水の量を増やしていきます。

ただし、水を飲んですぐに吐いてしまう場合や、ぐったりしていて水を飲もうとしない場合は、脱水症状を起こす危険性があるため、早めに動物病院を受診してください。

食事の与え方

嘔吐が1回だけで、その後ケロッとして元気な場合は、普段通りの食事を与えても問題ないことが多いですが、心配な場合は数時間ほど食事を控え、胃腸を休ませることを検討しましょう。一般的には、吐いた後4〜6時間程度の絶食が推奨されることがありますが、猫の状態や年齢によって異なります。

特に注意が必要なのは、子猫や高齢猫、糖尿病などの持病がある猫です。これらの猫は絶食によって低血糖などを起こすリスクがあるため、自己判断で絶食させるのは危険です。必ずかかりつけの獣医師に相談し、指示に従ってください。

食事を再開する際は、いきなり普段通りの量を与えるのではなく、消化の良いフード(ウェットフードや、ドライフードをお湯でふやかしたものなど)を少量から与え始めます。1日の食事量を3〜4回に分けて与えるなど、少量頻回にすると胃腸への負担を軽減できます。数日かけて、徐々に普段の食事内容と量に戻していきましょう。

食事や水の与え方について判断に迷う場合は、必ず動物病院に相談するようにしましょう。

猫の吐き戻しを減らすための予防策と日常ケア

猫の吐き戻しは、飼い主さんにとって心配の種ですが、日常的なケアや環境の見直しによって、その頻度を減らせる可能性があります。

ここでは、愛猫の健やかな毎日のために、飼い主さんができる予防策とケアについて具体的にご紹介します。

食事の与え方を工夫する 早食い防止食器の活用

猫が一気にフードを食べると、胃が急激に拡張したり、十分に消化される前に食べ物が逆流したりして、吐き戻しの原因となることがあります。

特に食欲旺盛な猫や、多頭飼いで競争するように食べてしまう猫に見られがちです。

食事の与え方を少し工夫するだけで、早食いを抑え、吐き戻しを減らす効果が期待できます。

少量頻回給餌

1回の食事量を減らし、食事の回数を増やす方法です。1日に与える総量は変えずに、3~4回以上に分けて与えることで、一度に胃に入る負担を軽減します。自動給餌器を活用するのも良いでしょう。

早食い防止食器の利用

食器の底に凹凸があるものや、迷路のような形状になっている食器を使うと、猫は時間をかけて食べるようになります。

さまざまなデザインのものが市販されていますので、愛猫が気に入ってくれるものを探してみましょう。

フードの形状や置き方の工夫

粒が大きいフードを選んだり、平らなお皿にフードを広げて置いたりするだけでも、食べるスピードを緩める効果があります。

落ち着ける食事環境

多頭飼いの場合は、猫同士が距離を保てるように、食器を離れた場所に置いたり、食べる時間をずらしたりするなど、安心して食事ができる環境を整えてあげましょう。

フードの種類を見直す 消化の良いフードやアレルギー対応食

現在与えているフードが愛猫の体質に合っていない場合、消化不良を起こして吐き戻しにつながることがあります。フードの種類を見直すことも、有効な予防策のひとつです。

消化性の高いフードを選ぶ

高品質な動物性タンパク質を主原料とし、消化しやすい原材料で作られたフードを選びましょう。パッケージに「消化器サポート」「お腹の健康維持」といった記載があるものも参考になります。

獣医師に相談して、愛猫に合ったフードを推奨してもらうのも良い方法です。

食物アレルギーへの配慮

特定の原材料に対してアレルギー反応を起こし、嘔吐や下痢などの消化器症状を示す猫もいます。

アレルギーが疑われる場合は、動物病院で相談の上、アレルゲンとなり得る原材料を含まない「アレルギー対応食」や「療法食」(除去食、低アレルゲン食、加水分解タンパク食など)を試してみましょう。

自己判断での変更は避け、必ず獣医師の指示に従ってください。

フードの切り替えは慎重に

新しいフードに切り替える際は、急に変えるのではなく、1週間から10日ほどかけて、徐々に新しいフードの割合を増やしていくようにしましょう。

急な変更は、かえって消化器に負担をかけ、吐き戻しや下痢を引き起こす可能性があります。

フードの切り替え方の目安は以下の通りです。猫の様子を見ながら、ゆっくり進めましょう。

期間これまでのフードの割合新しいフードの割合
1~2日目75%25%
3~4日目50%50%
5~6日目25%75%
7日目以降0%100%

毛玉ケアをしっかり行う ブラッシングと毛玉ケア用フード

猫は毛づくろい(グルーミング)をする習性があり、その際に飲み込んだ毛が胃の中で絡まり、毛玉(ヘアボール)となって吐き戻されることがあります。

これは生理的な現象ではありますが、頻繁に吐いたり、大きな毛玉を吐いたりする場合は、ケアが必要です。

こまめなブラッシング

抜け毛を飲み込む前に取り除くことが、最も効果的な毛玉ケアです。特に長毛種の猫や、春・秋の換毛期には、できるだけ毎日ブラッシングしてあげましょう。

短毛種でも定期的なブラッシングは有効です。猫の毛質に合ったブラシ(スリッカーブラシ、コーム、ラバーブラシなど)を選び、皮膚を傷つけないように優しく行いましょう。

毛玉ケア用フードやサプリメントの活用

食物繊維が豊富に含まれ、飲み込んだ毛の排出を便と一緒に促す効果のある「毛玉ケア用フード」や「ヘアボールコントロール」と表示されたフードがあります。

また、ペースト状のサプリメント(猫草成分配合のものやオイル系のものなど)も市販されています。

これらを活用する際は、与えすぎに注意し、効果が見られない場合や不明な点があれば獣医師に相談しましょう。

猫草を与える

猫草(燕麦など)には、毛玉の排出を助ける効果があると言われています。

ただし、好んで食べない猫もいますし、食べ過ぎるとかえって胃を刺激することもあるため、様子を見ながら与えましょう。

ストレスの少ない環境づくり

猫は環境の変化に敏感な動物であり、ストレスが原因で消化器系の不調を起こし、吐き戻しにつながることがあります。

愛猫が安心してリラックスできる環境を整えることも、吐き戻しの予防につながります。

安心できる隠れ家を用意する

猫が一人になりたい時や、不安を感じた時に隠れられる、静かで落ち着ける場所を用意してあげましょう。段ボール箱やキャットタワーの個室、ベッドの下などが隠れ家になります。

適度な運動と遊び

おもちゃを使って一緒に遊ぶ時間を設け、運動不足や退屈によるストレスを解消してあげましょう。キャットタワーなど、上下運動ができる環境も有効です。

生活環境を安定させる

頻繁な模様替え、大きな音、来客、新しいペットを迎えるなどの環境変化は、猫にとってストレス要因となります。変化が必要な場合は、猫が徐々に慣れるように配慮しましょう。

清潔な環境を保つ

トイレや食器、水飲み場、寝床などを常に清潔に保つことは、猫の心身の健康にとって非常に重要です。

適切な距離感を保つ

飼い主さんとの触れ合いは大切ですが、猫が嫌がっている時に無理に構ったり、長時間しつこく撫でたりするのは避けましょう。猫のペースに合わせた関わり方を心がけてください。

多頭飼育の配慮

複数の猫を飼っている場合は、それぞれの猫が安心して過ごせるように、食事場所、水飲み場、トイレ、寝床などを十分に用意し、縄張りを確保できるように配慮しましょう。

猫同士の相性が悪い場合は、生活空間を分けるなどの工夫も必要になることがあります。

定期的な健康診断で病気を早期発見

吐き戻しの中には、病気が原因となっているケースも少なくありません。特に、頻度が増えたり、吐き戻し以外の症状が見られたりする場合は注意が必要です。

病気の早期発見・早期治療のためにも、定期的な健康診断は非常に重要です。

健康診断の頻度

健康に見える猫でも、若くて健康な成猫であれば年に1回7歳以上のシニア猫や持病のある猫の場合は、半年に1回程度の健康診断を受けることが推奨されます。

診断内容

健康診断では、体重測定、体温測定、視診、触診、聴診といった基本的な検査に加え、必要に応じて血液検査、尿検査、便検査、レントゲン検査、超音波検査などが行われます。

これらの検査により、外見からは分からない内臓の病気などを早期に発見できる可能性があります。

早期発見のメリット

腎臓病や甲状腺機能亢進症など、高齢猫に多い病気も、早期に発見し適切な治療や食事管理を開始することで、進行を遅らせ、猫の生活の質(QOL)を維持することにつながります。

日頃から愛猫の様子をよく観察し、少しでも変化に気づいたら記録しておき、健康診断の際に獣医師に伝えるようにしましょう。

これらの予防策と日常ケアを通じて、愛猫の吐き戻しを減らし、健やかな毎日をサポートしてあげてください。

こんなときはすぐに動物病院へ 猫の吐き戻し受診の目安

動物病院

猫の吐き戻しは、毛玉を出すためなど生理的な理由で起こることも少なくありません。しかし、中には病気のサインが隠れていたり、緊急性の高いケースも存在します。

愛猫の様子をよく観察し、これからご紹介するような状況が見られる場合は、自己判断せずにできるだけ早く動物病院を受診するようにしましょう。

早期発見・早期治療が、愛猫の健康を守る鍵となります。

繰り返し猫が吐く場合

一過性の吐き戻しではなく、短時間に何度も吐いたり、毎日あるいは数日にわたって嘔吐を繰り返したりする場合は注意が必要です。

頻繁な嘔吐は、猫の体力を著しく消耗させ、脱水症状を引き起こす危険性があります。

特に、吐いた後にぐったりしている、食欲もないといった様子が見られる場合は、単なる吐き戻しではなく、消化器系の病気やその他の内臓疾患など、何らかの異常が原因となっている可能性が考えられます。

1日に3回以上吐く、あるいは嘔吐が24時間以上続くようなら、速やかに獣医師の診察を受けましょう。

吐瀉物に異常が見られる場合(血 異物など)

吐いたものの色や内容物も、猫の健康状態を知るための重要な手がかりです。以下のような異常が見られた場合は、緊急性が高い可能性があります。

吐瀉物の特徴考えられる状態・注意点
鮮やかな赤色やピンク色の血が混じる口の中や食道、胃などからの新鮮な出血が疑われます。
コーヒーかすのような黒褐色・茶褐色のものが混じる胃や十二指腸で出血し、時間が経った血液が混じっている可能性があります。
緑色の液体(胆汁以外で)中毒の原因となるような色のついたものを誤食した可能性や、異物(観葉植物など)が混じっている可能性も考えられます。
おもちゃの破片、紐、ビニールなど、明らかに食べ物ではない異物異物誤飲の可能性があります。消化管を傷つけたり、閉塞させたりする危険があります。
便のような臭いがする、または便そのもの腸閉塞など、腸の内容物が逆流している深刻な状態が疑われます。
寄生虫(回虫など)が見られる寄生虫感染による嘔吐の可能性があります。駆虫薬による治療が必要です。

これらの異常が見られた場合は、吐瀉物を少量持参するか、写真に撮って獣医師に見せると診断の助けになります。

ぐったりしている 元気がない場合

嘔吐とともに、猫がぐったりとして動かない、呼びかけへの反応が鈍い、暗い場所に隠れて出てこないなど、普段と比べて明らかに元気がない様子が見られる場合は、深刻な状態に陥っている可能性があります。

食欲が全くなく、水も飲まないような状態も危険なサインです。嘔吐によって体力を消耗しているだけでなく、背景に重篤な病気が隠れていることも考えられます。

単なる吐き戻しと軽視せず、すぐに動物病院を受診してください。

吐き戻し以外の症状がある場合

嘔吐以外にも、以下のような症状が同時に見られる場合は、病気の可能性が高まります。複数の症状が出ている場合は、より注意が必要です。

併発している症状考えられる状態・注意点
下痢消化器系の炎症(胃腸炎、膵炎など)、感染症、中毒などが考えられます。
脱水症状を助長します。
便秘消化管の機能低下、脱水、異物、毛玉の詰まり、巨大結腸症などが考えられます。
食欲不振・廃絶多くの病気の初期症状として見られます。
嘔吐と併発している場合は特に注意が必要です。
体重減少慢性的な消化器疾患、腎臓病、甲状腺機能亢進症、腫瘍など、さまざまな病気の可能性があります。
腹痛(お腹を触ると嫌がる、丸まって動かないなど)胃腸炎、膵炎、腹膜炎、異物による閉塞などが疑われます。
発熱感染症や炎症性の病気が考えられます。
呼吸が速い、苦しそう心臓や肺の問題、重度の貧血、痛み、中毒など、緊急性の高い状態の可能性があります。
けいれん、ふらつき中毒、てんかん、脳疾患など、神経系の異常が疑われます。
極めて緊急性が高い状態です。
黄疸(歯茎や白目の部分が黄色くなる)肝臓や胆道系の病気が疑われます。

これらの症状が見られる場合は、嘔吐の原因となっている病気を特定し、適切な治療を行う必要があります。

子猫や高齢猫が吐いた場合

子猫(特に生後半年未満)や高齢猫(一般的に7歳以上、特に10歳以上)が嘔吐した場合は、成猫に比べて注意が必要です。

子猫は体力や免疫力がまだ十分でなく、嘔吐による脱水症状や低血糖を起こしやすいため、一度の嘔吐でも状態が急変することがあります。

また、高齢猫はさまざまな病気のリスクが高まっており、嘔吐が腎臓病、肝臓病、甲状腺機能亢進症、腫瘍などのサインである可能性も考えられます。体力も低下しているため、嘔吐による消耗も激しくなりがちです。

成猫であれば少し様子を見るようなケースでも、子猫や高齢猫の場合は、念のため早めに動物病院を受診することをおすすめします。

まとめ

猫の吐き戻しは、多くが生理的なもので心配いらないケースですが、中には病気のサインが隠れていることもあります。

吐き戻しなのか嘔吐なのかを見極め、吐瀉物の色や状態、頻度、他に症状がないかを日頃から観察することが大切です。早食い防止や毛玉ケア、ストレス軽減といった日常的な対策で予防できることもあります。

しかし、繰り返し吐く、血が混じる、ぐったりしているなど、少しでも異変を感じたら、自己判断せずに動物病院を受診しましょう。

愛猫の健康を守るためには、飼い主さんの冷静な観察と適切な対応が不可欠です。

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