高い知能と抜群の運動能力を誇るボーダー・コリーは、世界的にも人気の犬種です。しかし、その優れた資質がゆえに「飼いにくい」と感じる飼い主も少なくありません。
この記事では、ボーダー・コリーが飼いにくいと言われる理由をはじめ、性格の特徴や飼育のポイント、どんな人が飼い主に向いているのかまで詳しく解説します。
これから迎えようと考えている方も、すでに飼っている方もぜひ参考にしてください。
この記事の結論
- ボーダー・コリーは高い知能と運動量を持つが故に飼育が難しい面がある
- 子犬期からの一貫したしつけと社会化が問題行動防止に重要
- 飼い主と共に運動やトレーニングを楽しめる環境が必要
- 精神面のケアと早期の問題行動対処が良好な関係構築に不可欠
目次
ボーダー・コリーが「飼いにくい」と言われる理由

ボーダー・コリーはその美しい容姿と高い知能で多くの人に人気の犬種ですが、実際に飼育を始めると「思ったより大変」と感じる飼い主も少なくありません。
全犬種の中でも高い知能を持っている犬種として知られているからこそ、「きっと飼いやすいはず」と感じる先入観があるためです。
実際にお迎えしてみればわかるところではありますが、賢い=飼いやすいというわけではないのです。
ここでは、ボーダー・コリーが飼いにくいとされる主な理由を詳しく解説します。
非常に高い知能を持っているから
ボーダー・コリーは「世界一賢い犬」とも称されるほど高い知能を持っています。
この賢さはしつけやトレーニングにおいて大きなメリットとなる反面、適切にコントロールできないと問題行動を引き起こすことがあります。
例えば以下のような行動が見られることがあります。
- 飼い主の指示を予測して先回りする
- 自分の欲求を通すための知恵を働かせる
- 退屈だとイタズラを始める
高い知能ゆえに、常に適切な刺激や課題を与え続ける必要があり、初心者にはややハードルが高く感じられる要因となっています。
適切なしつけができれば、高い知能によって理解も早いのですが、その反面良くないことも覚えてしまうということがありえるのです。
大量の運動量を必要とするから
元々牧羊犬として活躍してきたボーダー・コリーは、非常に高い運動能力を誇ります。
毎日の散歩だけでは運動不足になりやすく、十分に体を動かせないとストレスが溜まりやすくなります。
| 運動内容 | 目安の時間 |
|---|---|
| 毎日の散歩 | 1~2時間以上 |
| ドッグラン・フリスビー | 週数回以上 |
| 知育トレーニング | 毎日15分~30分 |
運動不足は問題行動や健康トラブルの原因になるため、十分な運動時間を確保できるかが飼育のポイントとなります。
刺激が少ないとストレスを抱えやすいから
ボーダー・コリーは単なる運動だけでなく、知的な刺激も日常的に必要とします。刺激が足りないと以下のようなストレス反応が出やすくなります。
- 無駄吠えや遠吠えが増える
- 家具を噛む・破壊する
- 飼い主の注意を引くための困った行動
牧羊本能が強いため、動くものを追いかける衝動もコントロールが必要です。日々の散歩だけでなく、知育玩具やドッグスポーツ、トリック練習などで知的好奇心を満たしてあげることが大切です。
分離不安になりやすい性質もある
ボーダー・コリーは非常に飼い主への依存心が強く、長時間の留守番が苦手な個体も多いです。これが「飼いにくい」と感じる一因になります。
分離不安の主な症状には、
- 留守番中の過度な吠え
- 家具やドアの破壊行動
- トイレの失敗
- 食欲不振
などがあります。幼犬の頃から少しずつ留守番の練習をし、自立心を育てることが重要です。また、ペットカメラや知育おもちゃを活用して安心感を与えるのも効果的です。
ボーダー・コリーの性格や特徴を詳しく解説

ボーダー・コリーは非常に魅力的な性格を持つ反面、飼い主の理解と適切な対応が求められる犬種です。以下では、その特徴を詳しく解説します。
忠誠心が強く飼い主に従順
ボーダー・コリーは飼い主に対する忠誠心が非常に強い犬種です。一度信頼関係を築くと、常に飼い主の指示を待ち、従順に行動します。
このため、正しいしつけやルールを教えると、日々の生活もスムーズになります。主な特徴は以下の通りです。
- 飼い主との信頼関係を最重視する
- コマンドの理解が早く、従順に従う
- アイコンタクトが得意で常に飼い主を意識する
ただし、信頼関係が築けないと不安定になりやすいため、愛情と一貫性のある接し方が重要です。
学習能力が高くしつけは入りやすい
ボーダー・コリーは非常に賢く、しつけの吸収が早い犬種です。基本のコマンドはもちろん、複雑なトリックや競技レベルの訓練も習得可能です。短時間でも集中力が高く、トレーニングのやりがいがあります。
- 理解力が高く複雑な指示も理解できる
- 成功体験を重ねると自信を持ちやすい
- 適切な報酬によるモチベーションが高い
ただし、間違った学習も早いため、誤った行動を強化しないよう注意が必要です。
警戒心が強く神経質になりやすい一面も
忠実さや賢さの反面、警戒心の強さが神経質さに繋がることもあります。知らない人や場所、突然の音に敏感に反応しやすいため、無駄吠えや怯えといった行動が出ることがあります。
神経質さを和らげるためには、
- 子犬期から多くの経験を積ませる
- 怖がる刺激を無理に与えすぎない
- 落ち着いた環境を整える
など、バランスの取れた社会化が欠かせません。
ボーダー・コリーの飼育に必要な環境と準備

ボーダー・コリーは飼育環境によって暮らしやすさが大きく左右されます。運動・刺激・精神的ケアのバランスが取れた生活環境が理想です。
広い運動スペースが必要
牧羊犬として活躍してきたボーダー・コリーは広いスペースで自由に走り回ることを本能的に求めます。狭い室内のみの生活ではストレスが溜まり、問題行動につながるリスクがあります。
- 庭付きの一戸建て住宅
- 広い公園やドッグランへの定期的な通園
- アジリティ施設でのトレーニング
集合住宅でも広い運動場所が確保できるなら飼育可能ですが、工夫が求められます。
日々の十分な散歩と運動量を確保
ボーダー・コリーの運動量は一般的な家庭犬とは比較にならないほど多いです。毎日の運動が不足すると心身の不調につながります。
| 運動内容 | 目安時間 |
|---|---|
| 朝夕の散歩 | 各1時間以上 |
| ボール投げ・フリスビー | 30分~1時間 |
| ドッグスポーツ | 週1回以上 |
天候不良の日も室内トレーニングを工夫し、なるべく運動量を維持することが大切です。
知育玩具やトレーニングで脳を刺激する
体だけでなく、脳の活性化も重要です。知育玩具やトレーニングは、ボーダー・コリーの好奇心や学習欲求を満たし、ストレス軽減に役立ちます。
- パズル型知育トイ
- トリック(芸)練習
- 匂い探しゲーム
- アジリティやフリスビー競技
短時間でも集中することで満足感が高まります。
社会化トレーニングの重要性
ボーダー・コリーは社会化が不十分だと神経質になりやすく、知らない人や犬に対して不安を抱くことがあります。そのため、子犬の時期から積極的な社会化が重要です。
- 社会化トレーニングのポイント
- さまざまな人・犬との交流機会を作る
- 多様な音・環境に慣らす
- 無理のない範囲でポジティブな経験を重ねる
しっかり社会化されたボーダー・コリーは、落ち着きのある理想的な家庭犬に成長しやすくなります。
ボーダー・コリーの飼育に向いている人・向いていない人の特徴

ボーダー・コリーは魅力的な犬種ですが、全ての飼い主に適しているわけではありません。性格や必要なケアを理解した上で、自分のライフスタイルと照らし合わせることが大切です。ここでは、向いている人・向いていない人の特徴を詳しく紹介します。
向いているのはこんな人
ボーダー・コリーは適切な飼い主に育てられると、理想的な家庭犬になります。以下のような特徴を持つ人が向いています。
アクティブで犬との時間をしっかり取れる人
ボーダー・コリーは日々の運動やふれあいを必要とします。飼い主自身がアウトドアや運動を楽しめる性格だと、愛犬も自然と満たされます。
- 朝晩の長時間散歩を苦に感じない
- 週末はドッグランやハイキングに出かける
- 一緒にフリスビーやアジリティに取り組める
犬と一緒に体を動かす習慣がある人には理想的なパートナーになります。
トレーニングを楽しめる人
知能が高い分、日々のしつけやトレーニングは欠かせません。トレーニングを「大変」と感じるより「楽しいコミュニケーション」と捉えられる人が適しています。
- 褒めながら教える前向きな姿勢
- 新しいコマンドや芸を教える楽しみ
- 継続的に学習の機会を与えられる
こうした姿勢があれば、ボーダー・コリーのポテンシャルを最大限に引き出せます。
犬の精神面のケアを大事にできる人
ボーダー・コリーは繊細な一面を持つため、精神面の安定も重視する必要があります。
- ストレスサインに気づける観察力
- 適度な休息と刺激のバランスを取れる
- 不安を感じたときに寄り添い安心させられる
精神的なケアができる飼い主は、より深い信頼関係を築けます。
向いていないのはこんな人
反対に、以下のようなライフスタイルや性格の人には難しい場面が多くなる可能性があります。
留守が多い人
ボーダー・コリーは飼い主と過ごす時間を非常に大切にします。留守番が長くなると、ストレスや分離不安を引き起こすリスクがあります。
- 共働きで長時間家を空ける
- 出張や旅行が頻繁にある
- 留守中の見守りが難しい
こうした状況が多いと、犬の心身の健康維持が困難になります。
運動やトレーニングの時間を確保できない人
運動不足は問題行動や体調不良の原因になります。忙しくて運動時間を確保できない人は注意が必要です。
- 毎日1~2時間の運動が難しい
- トレーニングの時間も取りづらい
- 休日も多忙で犬の世話が疎かになりがち
こういった状況が続くと、犬の不満やストレスが積み重なります。
犬の行動管理に自信がない人
知能が高い分、しつけに一貫性と経験が求められます。犬の問題行動に対処する自信がないと、飼育が負担に感じられるかもしれません。
- 叱り方・褒め方に迷う
- 問題行動がエスカレートしやすい
- ルール作りが苦手
しつけに自信が持てない場合は、トレーナーの協力も検討しましょう。
ボーダー・コリーを飼う際に注意したいポイント

ボーダー・コリーは魅力的な犬種ですが、適切な対応を怠ると問題行動に繋がりやすくなります。飼育を始める前に注意点を把握し、万全の準備を整えておくことが重要です。
子犬の時期からのしっかりとしたしつけ
ボーダー・コリーは学習能力が非常に高いため、子犬の頃からのしつけがカギを握ります。
この時期にしっかりとしたルールを教えることで、成犬になった後の問題行動を大幅に減らせます。特に大事なポイントは以下の通りです。
- 基本のコマンド(おすわり・待て・呼び戻し)
- 社会化トレーニング(人・犬・環境への慣れ)
- 噛み癖や飛びつきの抑制
「間違った学習」をさせないことが重要で、できるだけ早い段階から一貫したトレーニングを行いましょう。
問題行動の早期対処が重要
どんな犬でも成長の過程で何らかの問題行動が出る可能性はあります。特にボーダー・コリーはエネルギーが高く、興奮しやすいため、放置は禁物です。
| 問題行動 | 主な原因 |
|---|---|
| 無駄吠え | ストレス・退屈・警戒心 |
| 噛みつき | 遊びの延長・支配欲 |
| 家具破壊 | 運動不足・分離不安 |
悪化する前に原因を突き止め、必要であればドッグトレーナーの指導を受けるのも有効です。
健康管理と定期的な運動習慣
運動量が多いボーダー・コリーにとって、定期的な運動は健康維持のためにも欠かせません。運動不足は肥満だけでなく、関節疾患や行動面の問題を招きます。
- 定期的な健康診断(年1回以上)
- 関節・筋肉のケア(運動後のクールダウンなど)
- 食事管理(高タンパク・高品質フードの選択)
運動と健康管理の両面からバランス良くケアしてあげましょう。
まとめ
ボーダー・コリーの最大の特徴は、その高い知能と豊富なエネルギーです。これらは正しく活かせば素晴らしい魅力となりますが、放置すれば問題の火種にもなり得ます。日々の適切な運動・学習機会の提供が欠かせません。
また、十分な運動スペース、一貫したしつけ、精神面のケア——これらが揃えば、ボーダー・コリーは非常に忠実で愛情深い理想の家庭犬になります。飼育前にしっかり準備し、迎えた後も継続的なケアを行うことが成功の秘訣です。
この記事の執筆者
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