細身の犬種は何種類か存在しますが、その代表的な犬種といえばやはりイタリアン・グレーハウンドです。
そんなイタリアン・グレーハウンドととてもよく似ているのが、今回ご紹介するスパニッシュ・グレーハウンド。
近縁種であるとも考えられており、優れた運動能力と足の速さを併せ持つ、根っからのサイトハウンドです。
難易度はやや高いものの、家庭犬としてぜひお迎えしたい理由とあわせて、気質から飼い方までご紹介します。
この記事の結論
- スペイン原産のサイトハウンドとして知られ、スピードと持久力の両方を兼ね備えている
- 体高が70cm近くある一方で、体重は最大30kg程度であるため、驚異的なスピードを出せる
- 細身な体型であるため骨折をしやすく、滑りやすい場所やジャンプなどは危険
- スペインでは一部で虐待なども起こり、保護団体に保護されるケースが多くなっている
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目次
スパニッシュ・グレーハウンドの特徴

スパニッシュ・グレーハウンド(ガルゴ・エスパニョール)は、スペイン原産のサイトハウンドで、主にウサギ狩りや競技用として飼育されてきた犬種です。
細身で優雅な体型を持ち、高いスピードと持久力を兼ね備えています。
穏やかで落ち着いた性格ですが、見知らぬ人にはやや警戒心を抱くこともあります。
家庭では愛情深く、飼い主に忠実です。走ることが大好きな一方、室内では比較的おとなしく過ごします。
子どもにも友好的で穏やか
家族に対しては懐く
ほとんど吠えることはない
運動が得意でスタミナ豊富
その他情報
原産地 | スペイン |
犬種グループ | 10G:視覚ハウンド |
大きさ | 大型 |
平均寿命 | 12歳~15歳 |
なりやすい病気 | 骨折,骨肉腫,胃拡張捻転症候群,股関節形成不全 |
参考価格 | 不明 |
被毛
抜け毛 | 平均的 |
毛質 | スムースコートorラフコート |
毛色 | フォーン,ブラック,シナモン,イエロー,レッド,ホワイト,ブリンドル |
スパニッシュ・グレーハウンドの身体的特徴
この犬種は、細長い体とスリムな四肢を持ち、非常にしなやかで俊敏です。
頭部は細長く、マズルも長いため、視野が広くなっているので、狩猟に適している体と言えるでしょう。
耳は折れた形でリラックス時は垂れており、興奮すると半立ち状態になるというのも特徴的。
尾は長く、先端に向かって細くなり、通常は下に垂れています。
他のサイトハウンド同様に筋肉質ではありますが、全体的にスレンダーな印象を与えます。
スパニッシュ・グレーハウンドのサイズ(体高・体重)
体高 | 男の子:62cm~70cm 女の子:60cm~68cm |
体重 | 20kg~30kg |
スパニッシュ・グレーハウンドの体高は男の子で62~70cm、女の子で60~68cm程度とされています。体重は約20~30kgで、非常に細身の体型を維持しています。
体高の割に体重が軽くなっているのは、狩猟の際にスピードを出すための適応と考えられます。
筋肉は引き締まっており、無駄な脂肪がほとんどありませんので、この体格によって、驚異的なスピードと持久力を発揮することができます。
スパニッシュ・グレーハウンドの毛色・被毛
被毛は短毛と長毛の2種類があり、短毛種は滑らかで密生した毛を持ち、長毛種はやや波打った毛質をしています。
毛色は多様で、フォーン、ブラック、シナモン、レッド、ホワイト、イエロー、ブリンドルなどが認められています。
単色だけでなく、斑模様を持つ個体も多く存在します。
毛は比較的短く、手入れがしやすいですが、寒さには弱いため、冬場は防寒対策が必要です。
スパニッシュ・グレーハウンドの運動能力
この犬種は高い運動能力を誇り、特に短距離でのスプリント能力が優れています。
もともと狩猟犬として活躍してきたため、長時間の運動も苦にしません。
日常的に十分な運動を確保しないとストレスを溜めやすく、問題行動につながることもありますので、ドッグランでの自由運動や長距離の散歩が推奨されます。
また、アジリティ競技やルアーコーシングなどのスポーツにも適しています。
スパニッシュ・グレーハウンドの平均寿命
スパニッシュ・グレーハウンドの平均寿命は12歳~15歳程度とされています。
比較的長寿な犬種ですが、健康を維持するためには適切な食事管理と十分な運動、定期的な健康診断により早期発見が欠かせません。
特に高齢になると関節や筋肉の衰えが目立つようになるため、適度な運動と体重管理が重要になります。
また、遺伝的な疾患に注意しながら飼育することが望まれます。
スパニッシュ・グレーハウンドの注意したい病気
骨肉腫 | 骨と軟骨から発生する悪性腫瘍で、発生する部位によって名称が変わる |
胃拡張捻転症候群 | 飲み込んだ空気やガスが胃の中に溜まり、悪化して胃がねじれてしまう病気 |
股関節形成不全 | 骨格形成期に骨が変形したり関節が緩むことから、股関節が異常形成される病気 |
この犬種は比較的健康的ですが、特に注意が必要な病気として、胃拡張捻転症候群(いかくちょうねんてんしょうこうぐん)、股関節形成不全(こかんせつけいせいふぜん)、骨折、骨肉腫(こつにくしゅ)などがあります。
胃拡張捻転症候群は深胸型の犬種に多く、食後の急な運動などが原因となるため、食事後は安静にすることが推奨されます。
また、細身な体型のため骨折しやすい傾向にあり、特に滑りやすい床や高い場所からのジャンプには注意が必要です。
エネルギッシュな走りを見せてくれる一方で、激しい遊びをすると骨折の危険性もあるということになります。
スパニッシュ・グレーハウンドの見分け方
スパニッシュ・グレーハウンドはイングリッシュ・グレーハウンドとよく混同されますが、違いは体型と顔つきにあります。
スパニッシュ・グレーハウンドはやや細身で、顔もよりシャープで鼻先が尖った印象を持ちます。
毛色のバリエーションが豊富で、特にブリンドルの個体が多いのも特徴です。
また、耳が半立ち状態になることが多く、尾が長くカーブしているのも識別ポイントのひとつです。
スパニッシュ・グレーハウンドの登録頭数
スパニッシュ・グレーハウンドはスペイン国内では狩猟犬として比較的一般的ですが、他の国ではそれほど多く飼育されていません。
特にペットとして飼われることは少なく、ほとんどが狩猟目的か競技用として飼育されているからです。
近年、動物福祉の観点から保護活動が進められ、保護犬として新しい家庭に迎えられるケースも増えています。
FCI(国際畜犬連盟)には公認犬種として登録されていますが、日本国内での登録数は非常に少ないのが現状です。
スパニッシュ・グレーハウンドの生体価格
スパニッシュ・グレーハウンドは世界的に見ても希少な犬種で、ブリーダーを見つけることすら難しいです。
そのため個体数も非常に少なく、販売という形でお迎えできるような個体はほぼいないと言っても過言ではありません。
役割をまっとうした個体は放棄されるという現実もあり、世界的には保護団体でいくつかの生存が見られます。
スパニッシュ・グレーハウンドの性格・習性

スパニッシュ・グレーハウンドは、どちらかといえばその見た目どおりの性格をしている犬種です。
特に活発で元気ということもなく、クールで落ち着いた性格、というのが一般的でもあります。
その一方で、もともとの役割でもあった狩猟は本能と共に今でも健在です。
穏やかで落ち着いた性格
スパニッシュ・グレーハウンドは、非常に穏やかで落ち着いた性格の持ち主です。
室内では静かに過ごすことが多く、無駄吠えも少ないため、家庭犬としても適しています。
ただし、見知らぬ人や環境に対してはやや慎重な一面があり、警戒心を持つこともあります。
しかし、基本的には攻撃的ではなく、家族には愛情深く接します。
特に信頼した飼い主には深い忠誠心を示し、一緒に過ごす時間を大切にします。
狩猟本能が強い
この犬種はもともとウサギ狩りのために育成されたため、強い狩猟本能を持っています。
小動物や素早く動くものを見つけると、瞬時に追いかける習性があるということは、動物好きな人なら知っておかなければいけないでしょう。
そのため、散歩中にリードを外すと急に走り出すことがあり、特に猫やリスなどの小動物が多い環境では注意が必要です。
安全のため、広いドッグランやフェンスで囲まれた場所での自由運動が推奨されます。
運動好きで活動的
スパニッシュ・グレーハウンドは高い運動能力を持ち、特に走ることを好みます。
狩猟犬としての歴史から持久力もあり、ただ瞬間的に走るだけでなく、長時間の運動にも耐えられます。
日常的に十分な運動を確保しないとストレスを溜めやすく、問題行動の原因となることがあります。
散歩だけでなく、広いスペースで思い切り走らせることが理想的です。
ルアーコーシング(ルアーを追いかけて競うゲーム)などのドッグスポーツにも向いています。
シャイで慎重な一面
この犬種は警戒心が強く、見知らぬ人や新しい環境に対して慎重に接します。
特に保護犬として迎えられた場合、過去の経験から臆病な性格を持つ個体も多いです。
そのため、急に近づいたり大きな声を出したりすると、不安を感じてしまうことがあります。
慣れてくれるまで時間がかかることもありますが、飼い主が穏やかに接し、安心できる環境を整えることで徐々に信頼を築くことができます。
スパニッシュ・グレーハウンドと繋がりのある犬種
イングリッシュ・グレーハウンド

イングリッシュ・グレーハウンドは、スパニッシュ・グレーハウンドの血統に影響を与えた犬種のひとつです。
この犬種は、スピードと持久力に優れ、主に競走犬や狩猟犬として発展しました。
スパニッシュ・グレーハウンドに比べると骨格がしっかりしており、筋肉質な体つきをしています。
また、性格は穏やかで愛情深く、家庭犬としても人気があります。
好奇心旺盛で温和な性格
家族のみ懐きやすい
しつけ次第では吠えづらくなる
足が速く、遊びを好む
その他情報
原産地 | イングランド |
犬種グループ | 10G:視覚ハウンド |
大きさ | 大型 |
平均寿命 | 10歳~13歳 |
なりやすい病気 | 膝蓋骨脱臼,アトピー性皮膚炎 |
参考価格 | 30万円前後 |
被毛
抜け毛 | 平均的 |
毛質 | スムースコート |
毛色 | ブラック,ホワイト,レッド,ブルー,フォーン,ファロー,ブリンドル |
サルーキ

サルーキは中東を起源とするサイトハウンドで、古代エジプト時代から存在していたとされる犬種です。
細身で優雅な体型を持ち、特に長く絹のような耳毛が特徴的です。
スパニッシュ・グレーハウンドと同じく狩猟本能が強く、高速で走る能力を持っています。
独立心が強い一方で、信頼した飼い主には深い愛情を示します。
穏やかで温厚
飼い主に忠実で警戒心が強く他人に消極的
無駄吠えは少ない
運動が好きで足が速い
その他情報
原産地 | 中東 |
犬種グループ | 10G:視覚ハウンド |
大きさ | 大型 |
平均寿命 | 12歳~14歳 |
なりやすい病気 | 肥大型心筋症,皮膚炎,外耳炎,骨折 |
参考価格 | 40万円~50万円 |
被毛
抜け毛 | 平均的 |
毛質 | シングルコート |
毛色 | ホワイト,クリーム,フォーン,ゴールド,レッド,ブラック&タン,トライカラー(ホワイト,ブラック,タン) |
スルーギ

スルーギは北アフリカ原産のサイトハウンドで、スパニッシュ・グレーハウンドの祖先のひとつと考えられています。
体は細長く、筋肉質でありながらスリムな体型を維持しています。
気候の厳しい砂漠地帯でも狩猟犬として活躍し、高い耐久性を持つことが特徴です。
警戒心が強く、慎重な性格を持つため、初対面の人にはやや距離を置く傾向があります。
高貴で飼い主さん以外にはよそよそしい
ほとんど懐かない
ほとんど吠えることはない
運動が得意でスタミナ豊富
その他情報
原産地 | モロッコ |
犬種グループ | 10G:視覚ハウンド |
大きさ | 大型 |
平均寿命 | 10歳~15歳 |
なりやすい病気 | 進行性網膜萎縮症(PRA),外耳炎,副腎皮質機能低下症(アジソン病) |
参考価格 | 15万円~30万円 |
被毛
抜け毛 | 平均的 |
毛質 | スムースコート |
毛色 | サンド,レッドサンド,クリーム,マホガニー |
スパニッシュ・グレーハウンドを飼うのに向いている人の特徴

スパニッシュ・グレーハウンドは狩猟を主な役割としてきたため、少し癖のある犬種といえます。
家庭犬として適しているかといえばそうではなく、少し難易度の高い犬種になるでしょう。
その点を理解して、お互いにストレスなく過ごせる人が飼い主として向いているといえます。
穏やかで忍耐強く接することができる人
スパニッシュ・グレーハウンドは警戒心が強く、特に初対面の人や新しい環境に馴染むのに時間がかかることがあります。
そのため、焦らずにゆっくりと信頼関係を築ける忍耐強い飼い主が理想的です。
特に、保護犬として迎える場合は過去にトラウマを持つ個体も多いため、無理に慣れさせようとせず、安心できる環境を整えることが大切です。
穏やかに接し、犬のペースに合わせてケアできる人に向いています。
運動を日常的に取り入れられる人
この犬種は走ることが大好きで、高い運動能力を持っています。
毎日の散歩はもちろん、広いドッグランや安全な場所で自由に走る時間を確保することが求められます。
飼い主自身がアウトドアや運動好きであれば、共にアクティブな時間を楽しめるでしょう。
ジョギングやハイキング、ルアーコーシングなどのスポーツにも適しているため、犬と一緒に運動を楽しみたい人に向いています。
長時間の留守番をさせない人
この犬種は飼い主との絆を大切にし、愛情深く甘えん坊な性格を持っています。
そのため、長時間の留守番が続くとストレスを感じやすく、問題行動につながる可能性があります。
仕事や外出が多い人よりも、自宅で過ごす時間が長い人や在宅勤務の人に向いています。
どうしても留守番が必要な場合は、事前に十分な運動をさせたり、留守中にリラックスできる環境を整えたりする工夫が必要です。
保護犬を迎える覚悟がある人
スパニッシュ・グレーハウンドは狩猟犬として使われた後に放棄されるケースが多く、保護犬として新しい家庭を探している個体が多い犬種です。
保護犬を迎える場合、過去の経験からトラウマを持っている可能性もあるため、焦らずに時間をかけて信頼関係を築く必要があります。
過去の傷を理解し、愛情をもって接することができる人に向いています。
譲渡主が愛情を持って接することで人懐っこい子になっていることもありますが、必ずしもそうとは限らないため、この点は理解してお迎えしなければいけません。
スパニッシュ・グレーハウンドの飼い方

スパニッシュ・グレーハウンドの特徴を理解したうえで、お迎えするならどんなところに気をつけるべきかまとめました。
前述の通り、少し癖のある犬種ではあるため、いくつかのポイントで注意しなければいけません。
日本の環境には適していると言えませんが、優秀な犬種であることには間違いありません。
独立心が強いため、徹底したしつけが必要

スパニッシュ・グレーハウンドは非常に知的な犬種であり、学習能力も高いです。
ただし、独立心も強いため、しつけの際には一貫した指示とポジティブなトレーニングが重要です。
怒ったり叱ったりという方法ではなく、褒めることでモチベーションを高めると効果的です。
指示に対する理解は早いものの、狩猟本能の強さから、興味のあるものに気を取られやすいため、集中力を維持させる工夫が必要です。
また、警戒心が強いため、幼犬のうちからさまざまな人や環境に慣れさせる社会化トレーニングを行いましょう。
特に他の小動物に対して強い狩猟本能を持つため、呼び戻しのトレーニングを徹底することが重要です。
信頼すると甘えん坊になるため、長時間の留守番は避ける

見知らぬ人には警戒することがあっても、一度信頼した相手には非常に甘えん坊になります。
家族とのスキンシップを好み、特に飼い主のそばにいることを安心感と感じる個体が多いです。
膝の上に乗ることは少ないですが、寄り添ったり、飼い主の足元で寝たりすることがよく見られます。
可能な限り留守番の時間を短くし、単独で過ごす時間が増える場合は、おもちゃや知育玩具を用意するなどして退屈を防ぎましょう。
また、帰宅後は愛犬としっかりコミュニケーションをとり、運動やスキンシップの時間を確保することが重要です。
高タンパクで消化の良い食事が理想的

この犬種はスリムな体型ですが、十分な筋肉を維持するために高タンパクで消化の良い食事が必要です。
食事は1日2回以上に分けて与えるのが理想的で、特に運動後はすぐに食事を与えず、落ち着いてから与えるようにします。
胃拡張捻転症候群のリスクがあるため、一度に大量の食事を与えたり、食後すぐに激しい運動をさせることは避けましょう。
成犬になったら1日2回という食事回数が一般的だと言われていますが、1日あたりの食事量を変えなければ3回でも4回でも問題ありません。
また、食事後の吐き戻しを軽減するためにも、特に背が高いため、食器の高さを調整して食べやすい環境を作ることも大切です。
1日2回各1時間程度の散歩と広い庭が理想

スパニッシュ・グレーハウンドは優れた運動能力を持つ犬種であり、毎日の散歩に加え、自由に走れる時間を確保することが重要です。
特に、安全なドッグランや広いフェンス付きの庭でのオフリード運動が理想的です。
ただし、狩猟本能が強いため、リードを外す場合は周囲に獲物のように見えてしまう動物がいないか、しっかりとした環境確認が必要です。
散歩だけでは運動量が足りないため、ルアーコーシングやアジリティなどのドッグスポーツに参加するのも良いでしょう。
寒さに弱いため、室内飼いで室温管理が重要

スパニッシュ・グレーハウンドは短毛で体脂肪が少ないため、寒さに非常に弱いです。
冬場の散歩では防寒用の服を着せたり、屋内でも暖かい場所を用意することが必要です。
長時間の寒冷地での運動は体調を崩す原因になるため、適度な運動と休息のバランスを取ることが重要です。
特に高齢になると関節の冷えによる痛みが出ることもあるため、より一層の注意が求められます。
また、雨の日はレインコートを着せることで体温低下を防ぐことができますので、ストレスを溜めないようなケアをしてあげてください。
室内でも冷えすぎないように注意し、犬用の暖かい寝床を用意することが重要です。
週に1~2回のブラッシングでお手入れする

スパニッシュ・グレーハウンドは短毛で比較的手入れが簡単ですが、抜け毛は一定量あるため、週に1~2回のブラッシングを行うと清潔に保てます。
ラバーブラシや獣毛ブラシを使用すると、皮膚を刺激しながら健康的な被毛を維持できます。
また、ブラッシングによって皮膚の異常(傷や湿疹など)を早期に発見することもできます。特に換毛期には抜け毛が増えるため、頻度を増やしてお手入れしましょう。
短毛のため毛玉はできにくいですが、皮膚が直接露出しやすいため、傷や湿疹のチェックをこまめに行うようにしてください。
歯周病を予防する毎日の歯磨きは必須

犬は虫歯になりづらいものの、歯周病にはなるため、歯周病予防のために毎日の歯磨きを習慣づけることが理想です。
慣れていない状態からいきなりは難しいものの、犬用の歯ブラシやガーゼを使い、優しく歯垢を取り除きましょう。
歯磨きが苦手な場合は、デンタルガムや歯磨きシートを活用するのも効果的です。
2~3歳で歯周病になる子は多いですし、特に高齢になると歯石が溜まりやすくなるため、若いうちからのケアが重要です。
口臭が強くなったり、歯茎が赤く腫れている場合は、歯周病の兆候かもしれないので注意が必要です。
運動によって削りきれない爪は爪切りで対応

スパニッシュ・グレーハウンドは運動量が多く、爪が自然に削れることもありますが、完全に削れないこともあるため、月に1~2回の爪切りが必要です。
長すぎる爪は歩行に影響を与え、関節に負担をかけることがあります。
爪切りが苦手な場合は、少しずつカットしながらご褒美を与えると慣れやすくなりますので、導入してみてください。
黒い爪の個体は血管が見えにくいため、少しずつ切るか、獣医やトリマーに相談するのが安全です。
運動量は多いものの、1~2か月に1回のシャンプーでOK

スパニッシュ・グレーハウンドは臭いが少なく、頻繁にシャンプーする必要はありません。
1~2か月に1回程度、汚れが目立つときにシャンプーをすると良いでしょう。
シャンプーは犬用の低刺激のものを使用し、しっかりすすぐことが大切です。
シャンプー後はすぐにタオルドライをし、ドライヤーでしっかり乾かし、寒い時期は体温が下がらないよう注意しましょう。
また、水を怖がる個体もいるため、無理に入浴させず、徐々に慣れさせることが重要です。
スパニッシュ・グレーハウンドの誕生の歴史

スパニッシュ・グレーハウンド(別名ガルゴ・エスパニョール)の歴史は非常に古く、その起源は紀元前まで遡ると考えられています。
古代エジプトの壁画や美術品には、細身で長い四肢を持つサイトハウンドの姿が描かれており、これがスパニッシュ・グレーハウンドの祖先である可能性があります。
古代の地中海東岸に住む民族フェニキア人が、貿易を通じてこのタイプの犬をイベリア半島に持ち込んだことが、スペインでの犬種発展の始まりとされています。
中世になると、スパニッシュ・グレーハウンドはスペインの貴族や王族の間で人気を博し、特にウサギ狩りに用いられるようになります。
そして、スペインの広大な平原や丘陵地帯での狩猟に適応するため、持久力と俊敏性を兼ね備えた体型へと進化していきました。
16世紀には、この犬種がイギリスにも輸出され、イングリッシュ・グレーハウンドの発展にも影響を与えたと言われています。
近代に入ると、スパニッシュ・グレーハウンドは主に競技用や狩猟用として飼育され続けましたが、20世紀後半になると動物福祉の観点からその扱いに注目が集まりました。
特に狩猟シーズンが終わると不要になった犬が放棄される問題が浮上し、保護活動が活発化。
現在では、この犬種を救済し、家庭犬として迎え入れる動きがスペイン国内外で広がっています。
この記事の執筆者
nademo編集部
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