筋肉質なスタイルで「犬のサラブレット」とも呼ばれているドーベルマン。日本ではあまり飼育されていませんが、原産地であるドイツを中心に警備犬などで活躍している犬種です。
怖い印象を持つ人もいるかもしれませんが、適切なしつけで優秀な家庭犬となってくれるのがドーベルマンです。
今回はドーベルマンの値段相場を中心にまとめ、可能なお迎え場所などをご紹介します。
この記事の結論
- ドーベルマンの値段相場は20~40万円で、やや高額な傾向にある
- 日本でお迎えできるケースが少なく、主にブリーダーからのお迎えが中心
- ドーベルマンは大型犬であるため、年間にかかる費用が大きい
- ブリーダーからお迎えするときは、信頼できる相手であることを確認する
目次
ドーベルマンの値段相場は20~40万円

ドーベルマンは大型犬の中でも特に体の大きな犬種で、日本ではあまり飼育も繁殖もされていません。そのため個体数自体がやはり少なく、値段相場は20~40万円とやや高めとなっています。
状況次第では20万円以下になることもありますが、反対に血統付きや親がチャンピオン犬だったりすると、50万円近くになることも。
値段幅が非常に広いのも特徴ですが、そもそも日本では個体数が少ないというのも大きな影響と言えるでしょう。
ドーベルマンをお迎えするときにかかる費用
ドーベルマンは子犬の頃こそ小さいものの、すぐに大きくなっていきます。
成犬になれば大型犬の中でも体の大きな犬種になるので、子犬期と成犬期では各種アイテムも切り替えていくと良いでしょう。
大まかに、お迎え初日から必要になるものが上記のアイテムです。ですが、特にケージなどは子犬期と成犬期では必要となる大きさが異なります。
基本的に買い切りのものではありますが、必要に応じて体の大きさに合わせて買い替えてあげてください。
ドーベルマンの生涯費用:総額250万円〜350万円を目安に
ドーベルマンは大型犬であり、その寿命(平均10〜13年)を通じて飼育にかかる費用はかなりの高額になります。
生体価格や初期費用だけでなく、長期的な視点で費用を把握しておくことが重要です。
年間費用例(目安)
| 項目 | 年間費用目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 食費(フード・おやつ) | 10万円〜15万円 | 大型犬のため消費量が多く、高品質なフードを選ぶと高額になりやすい。 |
| 日用品・消耗品 | 3万円〜5万円 | トイレシーツ、おもちゃ、シャンプーなど。消耗が早い。 |
| 予防医療費 | 3万円〜6万円 | フィラリア・ノミダニ予防薬、ワクチン接種、定期健康診断費用。 |
| ペット保険料 | 3万円〜7万円 | 加入年齢やプランによる。高額医療に備えるため、大型犬は特に推奨される。 |
| その他(ケア・しつけ) | 2万円〜4万円 | トリミング費用、専門的なトレーニング費用など。 |
| 年間合計 | 約21万円〜37万円 | 医療費やフードの質によって大きく変動します。 |
生涯費用のシミュレーション
ドーベルマンの生涯費用は、初期費用と年間費用から以下のように計算できます。
- 平均寿命:約12年と仮定
| 項目 | 費用目安(概算) |
|---|---|
| A. 初期費用 | 30万円〜50万円 |
| B. 年間費用 | 21万円〜37万円 |
| C. 生涯費用(A + B × 12年) | 約252万円〜444万円 |
ドーベルマンを飼育する上での生涯費用は、病気や怪我による治療費を除いても、約250万円〜350万円が一般的な目安となります。
特に、ドーベルマンは拡張型心筋症や胃拡張捻転症候群などの遺伝的疾患にかかりやすく、高額な治療費が必要になるケースも想定されます。このため、ペット保険への加入や、予備の資金を確保しておくことが、経済的な見通しを立てる上で非常に重要です。
ドーベルマンの値段が変動するポイント

ドーベルマンの値段が変動するのは、次のいくつかのポイントが影響します。いずれも、どの犬種であっても影響する部分なので、ぜひ抑えておきましょう。
ドーベルマンの生体価格は一般的に20万円〜40万円が相場ですが、以下の要因によって大きく変動します。
| 変動要因 | 価格傾向 | 備考 |
|---|---|---|
| 血統・タイプ | チャンピオン犬の直子や、輸入された「ヨーロピアンタイプ」は高額になりやすい。 | 「アメリカンタイプ」は比較的安価な傾向がある。 |
| 年齢・性別 | 生後2〜4ヶ月の子犬が最も高く、成長するにつれて価格が下がるのが一般的です。 女の子より男の子の方が高くなる場合もあります。 | - |
| 毛色 | ブラックタンが最も一般的で、希少なチョコレートタンやイザベラは高額になる傾向があります。 | - |
| 断耳・断尾の有無 | 断耳・断尾が実施済みの個体は、手術費用が上乗せされるため、価格が高くなります。 | 手術を希望しない場合は、未実施の個体を選ぶことで価格を抑えられることがあります。 |
年齢
年齢が若ければ若いほど、長く一緒にいられるため生体価格が高くなる傾向にあります。
基本的にドーベルマンもこの傾向にあるのですが、年齢が大きく影響することはないようです。
毛色
一般的な年齢よりも、ドーベルマンの場合には毛色が値段を左右することも少なくありません。
ブラック&タンがよく知られている毛色ですが、それよりもブラウン&タン(チョコレート系)などが人気な傾向にあります。
そのためブラウン系の毛色を持つドーベルマンは、やや生体価格が高いと言えるでしょう。
性別
ドーベルマンの場合、男の子と女の子では体のサイズがやや異なります。
男の子よりも女の子の方が少し小さく、ドーベルマンとしての理想としては男の子の方が近いでしょう。
その一方で、子どもを作ることができるのは女の子なので、これを加味したうえで値段が決定されます。
血統
血統はどんな犬種でも大きく影響するポイントとされており、ドーベルマンに関しても同様です。
親がチャンピオン犬であった場合、これを加味して生体価格は高くなる傾向にあります。
断耳・断尾の影響
ドーベルマンは、展覧会に出陳する目的や、犬種標準の容姿を整えるために、断耳(耳を立たせる手術)や断尾(尻尾を短くする手術)が行われることがあります。
これらの手術は子犬の時期に行われ、その費用は生体価格に大きく影響します。
| 手術の種類 | 費用目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 断耳(だんじ) | 約5万円〜10万円 | 比較的高度な技術を要するため、費用は高めです。 術後のケアや固定にも時間と費用がかかります。 |
| 断尾(だんび) | 約2万円〜3万円 | 断耳に比べると簡単な手術ですが、費用がかかります。 多くの場合、生後間もない時期にブリーダーによって行われます。 |
ブリーダーから迎える際、これらの手術が「すでに実施されている場合」はその費用が生体価格に上乗せされます。「未実施の場合」は、お迎え後に飼い主が別途、手術費用を負担し、実施できる動物病院を探す必要があります。
近年は動物福祉の観点から断耳・断尾を行わないブリーダーも増えています。どちらの状態で迎えたいかによって、最終的な総額は大きく変わるため、事前にブリーダーに確認することが非常に重要です。
ドーベルマンのお迎え場所

主な流通ルートは繁殖業者からペットショップでお迎えするものですが、ドーベルマンはペットショップでなかなか出会えません。
そのため基本的にドーベルマンをお迎えするときは、ブリーダーから直接というケースになるでしょう。
| ペットショップ | ほとんど出会えない |
| ブリーダー | 個体数は少ない |
| 保護犬 | ほとんど出会えない |
運次第では保護犬としてお迎えできるケースもありますが、ほとんどその可能性はありません。
ドーベルマンをお迎えするときの注意点

ドーベルマンは少しクセのある犬種なので、気軽にお迎えできるような犬種とは言えません。
小型犬やゴールデン・レトリーバーのような介助犬とは違い、注意したい点がいくつかあります。
特定犬のため、地域によって制限がある
特定犬にあたるドーベルマンは、一部の自治体では飼育制限や登録が求められる場合があります。
これには、飼い主が特別な訓練を受けることや、飼育環境の基準を満たすことが含まれることも。
公共の場では他の人や動物とのトラブルを防ぐことが目的で、ドーベルマンを含む大型犬に対してリードや口輪の使用が求められることがあるため、事前に理解した上で検討しましょう。
信頼できる譲渡主であるということ
大前提として、悪質な業者からお迎えすることはしない、というのがとても重要です。
劣悪な環境で繁殖をしている人も少なからず存在し、病気がちであったりお迎え前から病気にかかっていることもあります。
こうした悪質な業者からお迎えしていると、その業者が儲かってしまい、事業を続けることに繋がります。
実際に犬舎を訪れて確認してみたり、譲渡主の対応なども確認しておくと安心です。
きちんとしつけができること
ドーベルマンは警備犬としても活躍しているだけあって、しつけ方次第ではとても優秀です。
その一方で子犬期からきちんとしつけをしておかないと、攻撃的になったり咬傷事故やトラブルに繋がる可能性もあるでしょう。
大型犬なので飼い主さんのコントロールも必要不可欠。力が強いので注意しなければいけません。
ストレスにならない生活環境を整えられること
大型犬の生活スペースは小型犬とは異なり、一般的な一人暮らしの部屋だと狭く感じるでしょう。
現代では大型犬であっても室内飼いが基本となるため、十分なスペースを確保できることが前提として必要です。
狭いスペースでの生活はストレスが溜まるだけでなく、運動不足にもなってしまいます。
できる限り十分なスペースを確保したうえで、成長したあとのことを加味してお迎えを検討するほうが良いでしょう。
ドーベルマンの基本情報
ドーベルマンは、最初に繁殖した「フリードリッヒ・ルイス・ドーベルマン」という名前から取られてつけられています。
この頃からすでに警戒心が強く、護衛犬や家庭犬に加えて、警備犬や警察犬としても活躍していました。
全身はスラッとしている体型ですが、体自体が大きく筋肉質なので非常に体重は重いです。
訓練が得意で賢いため、飼い主さんと良い関係を構築することができる犬種と言えるでしょう。
穏やかで温厚
人懐っこく甘えん坊
吠え声は大きい
活発で非常に運動量が多い
その他情報
| 原産地 | ドイツ |
| 犬種グループ | 2G:使役犬 |
| 大きさ | 大型 |
| 平均寿命 | 10歳~13歳 |
| なりやすい病気 | 股関節形成不全,拡張型心筋症,胃拡張捻転症候群,フォン・ヴィレブランド病,ウォブラー症候群 |
| 参考価格 | 20万円~40万円 |
被毛
| 抜け毛 | 少ない |
| 毛質 | シングルコート |
| 毛色 | ブラック&タン,ブラウン,ブルー,イザベラ(フォーン) |
まとめ
ドーベルマンはなかなか出会えない犬種ですが、全く存在しないわけではありません。
もしどうしてもドーベルマンをお迎えしたいという場合は、ブリーダー経由で検討するようにしましょう。
ペットショップで出会える機会は少ないですし、保護犬として出会える機会も基本的にありません。
どうしても生体価格は高い傾向にありますが、それでもお迎えしたい方は確認してみると良いでしょう。
この記事の執筆者
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