猫の病気・健康

【獣医師監修】猫のワクチン完全ガイド|種類・費用相場・接種後の注意点まで

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猫のワクチン接種とは?種類や費用感、接種すべき理由

愛猫との生活が始まるタイミングでほぼ間違いなく検討することになる、猫用のワクチン接種。

猫をお迎えしたときに検討すべき、猫のワクチンとはどういうものか、必要であるのかについてまとめました。

猫にも色々な病気が感染してしまう可能性もあり、飼い主さんは猫のワクチンについてしっかり理解しておきましょう。

ワクチンを打つタイミングや費用、注意点などについても解説していますので、これから猫を飼いたい方は頭に入れておくといいですよ。

この記事の結論

  • ワクチン接種は義務ではないが、愛猫を感染症から守るためにも接種が望ましい
  • 猫のワクチンは、3種~5種の病気を予防するコアワクチンとノンコアワクチンがある
  • 成猫は1年~3年に1回ワクチンを接種するのが一般的で、費用は3,000円~7,000円前後
  • ワクチン接種後は、24時間は愛猫の様子をしっかりと観察し安静に過ごさせる

杉山 杏奈

執筆・監修

杉山 杏奈

獣医師

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、動物看護士・トリマーの専門学校で教員を行う傍らトリミングのライセンスも取得。
その後、ペット保険会社、動物病院向けの専門商社に勤務。現在は2児の母で子育て奮闘中です。

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担当執筆者

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猫のワクチン接種が必要な理由

犬とは異なり、猫に法律で義務付けられている予防接種はありません。ただ、愛猫を重篤な感染症から守るためにも、ワクチン接種が推奨されています。

多頭飼いや外出をする猫はもちろんのこと、家猫であっても感染するケースもあります。

ペットホテルなどではワクチン接種証明書の提示が必要な施設も多いので、猫のワクチン接種について知っておきましょう。

猫が病原体に感染する原因・経路

感染症になる猫の原因のほとんどは、既に感染症の病原体を持っている猫との接触です。

しかし、室内飼育で他猫と接触しない場合でも感染することがあります。主な感染ルートは接触感染、空気感染、母子感染です。

接触感染

接触感染というのは猫同士の接触によるもので、唾液や排泄物、血液などから感染します。

また、飼い主さんや来訪者が感染症を持っている猫と接触し、衣服などについた病原体に室内飼育猫が接触することで感染することもあります。

直接の接触がなかったとしても、こうした間接的な接触によっても感染する可能性はあります。

完全室内飼いだったとしても感染してしまうことがあるのは、こうした理由からです。

空気感染

ウイルスを含んだ唾液や排泄物が乾燥し空気中を漂い、その空気を吸うことで感染します。

近所に野良猫が多い環境などでは、風にのって病原体が室内に入り込むケースもあり、注意が必要です。

猫との生活では脱走対策として扉や窓を厳重に管理していたとしても、ちょっとした換気で感染の可能性が出てきます。

部屋を全く換気しないわけにはいきませんが、こうしたリスクがあることも理解しておかなければいけないでしょう。

母子感染

母猫が感染症に罹っている場合、胎盤や母乳から子猫に感染することがあります。

生まれたときにはすでに感染していたり、生まれてまもなく感染することもあるのです。

感染症を患っている猫の唾液にも病原体は含まれているので、母猫によるグルーミングによっても感染する可能性があります。

猫のワクチンの種類

種類予防できる病気3種4種5種単体
コアワクチン猫ウイルス性鼻気管炎(猫ヘルペスウイルス感染症)
猫カリシウイルス感染症
猫汎白血球減少症(猫伝染性腸炎)
ノンコアワクチン猫白血病ウイルス感染症(FeLV)
猫クラミジア感染症
猫免疫不全ウイルス感染症(FIV、猫エイズ)

猫のワクチンはコアワクチンと、ノンコアワクチンの2種類に分類されます。

コアワクチンやノンコアワクチンは、3種~5種の病気を防げる『混合ワクチン』として接種されることが多いです。

ノンコアワクチンによっては、単体で接種することができるものもあります。

コアワクチン

感染すると重篤となるものや広く蔓延している感染症に対するワクチンで、室内外の飼育問わず接種が推奨されています。

猫では猫ウイルス性鼻気管炎(猫ヘルペスウイルス感染症)、猫カリシウイルス感染症、猫汎白血球減少症(猫伝染性腸炎)があります。

これらの病気は人の手足や衣服などを介してかかることもあるため、完全室内飼いでも推奨されているのです。

猫ウイルス性鼻気管炎(猫ヘルペスウイルス感染症)

  • 症状: 突然の元気消失、食欲不振、発熱、くしゃみ、多量の鼻水(最初は透明、後に膿性)、目やに、涙目、結膜炎。重症化すると肺炎や角膜潰瘍・びらんを引き起こすこともあります。子猫で重症化しやすいです。
  • 重症度: 適切な治療が行われれば回復するケースが多いですが、子猫や免疫力の低い猫では重症化し、肺炎により命を落とすこともあります。一度感染すると神経節にウイルスが潜伏し、ストレスや免疫低下時に再発する可能性があります。
  • 感染経路: 感染猫の鼻水、目やに、唾液などの体液による飛沫感染や接触感染が主です。飼い主の衣服や手などを介した間接的な接触でも感染するため、完全室内飼いの猫でも感染リスクがあります。
  • 接種の重要性: 感染力が非常に強く、多頭飼育環境では常に流行する可能性があります。重症化すると命に関わる場合もあり、一度感染するとウイルスが体内に潜伏し続けるため、ワクチンによる予防が不可欠です。

猫カリシウイルス感染症

  • 症状: くしゃみ、鼻水といった呼吸器症状に加え、口腔内(舌や上あご)に水泡や潰瘍(口内炎、舌炎)が形成されるのが特徴的で、よだれを伴うことが多いです。発熱や食欲不振も見られます。稀に関節炎や皮膚炎、致死性の高い重度の肺炎を引き起こすこともあります。
  • 重症度: 通常はヘルペスウイルス感染症よりやや重症化しやすい傾向があります。口内炎がひどいと食事がとれなくなり、衰弱や脱水につながることがあります。稀に肺炎が命に関わることもあります。
  • 感染経路: 感染猫の唾液、鼻水、涙などからの飛沫感染や接触感染が主です。環境中でも比較的長く生存できるため、直接の接触がなくても、食器や寝具などを介して感染することがあります。無症状のキャリア猫からも感染する可能性があります。
  • 接種の重要性: 口腔内の潰瘍により猫が食事を拒否し、深刻な栄養失調や脱水状態に陥るリスクがあるため、予防が非常に重要です。また、ウイルスは環境中に排出され、比較的長く感染力を保つため、間接的な感染リスクも考慮する必要があります。

猫汎白血球減少症(猫伝染性腸炎)

  • 症状: 初期は元気食欲不振、発熱。その後、腸でウイルスが増殖し、激しい嘔吐と水様性下痢(血便を伴うことも)が主な消化器症状として現れます。血液検査では白血球の顕著な減少が見られ、免疫力低下により他の感染症を併発しやすくなります。子猫が感染すると、小脳の神経細胞が破壊され運動失調などの神経症状を示すことがあります。
  • 重症度: 非常に致死率が高い病気で、特に子猫や免疫力の低い猫では急速に重症化し、激しい脱水と衰弱により短期間で死亡に至ることが多いです。
  • 感染経路: 感染猫の糞便、尿、血液に含まれるウイルスが経口・経鼻的に摂取されることで感染します。母猫から子猫への経胎盤感染もあります。ウイルスは環境中で非常に長く(数カ月間)生存し、一般的な消毒薬(アルコールなど)にも強いため、感染力が極めて高いです。
  • 接種の重要性: 感染力と致死率が非常に高く、環境中のウイルスも強いため、予防が最も重要な感染症のひとつです。この病気を防ぐことで、猫の命を守ることに直結します。

ノンコアワクチン

罹患すると致死率が高い病原体などで、生活環境や活動範囲によって接種が必要か判断します。

猫では猫白血球ウイルス感染症(FeLV)、猫クラミジア感染症、猫免疫不全ウイルス感染症(FIV、猫エイズ)があります。

コアワクチンに対してノンコアワクチンとなるこれらの病気は、外出する機会の多い子や不特定多数の猫と接触する機会が多い子に推奨されています。

猫白血病ウイルス感染症(FeLV)

  • 症状: 発熱、元気消失、リンパ節の腫れ、貧血が初期症状として見られます。その後、一度症状が落ち着くこともありますが、数年でリンパ腫や白血病といった腫瘍性疾患、再生不良性貧血、免疫力低下による日和見感染、糸球体腎炎による腎不全(多飲多尿、食欲不振、体重減少)などに進行することがあります。妊娠中の母猫が感染すると流産や死産、子猫の早期死亡を引き起こすこともあります。
  • 重症度: 進行性で、一度発症すると完治は難しく、数ヶ月から数年で死に至る非常に重篤な感染症です。
  • 感染経路: 感染猫の唾液、涙、尿、糞便に含まれるウイルスが、口や鼻から入ることで感染します。猫同士の喧嘩による咬傷が主な感染経路ですが、グルーミング、食器やトイレの共有、交尾、母子感染(胎盤、乳汁)でも感染します。ウイルスは環境中では不安定ですが、湿った場所ではやや長く感染力を保持します。
  • 接種の重要性: 進行すると致死的な疾患を引き起こすため、特に屋外に出る猫や多頭飼育で感染猫と接触する可能性のある猫には予防が不可欠です。

猫クラミジア感染症

  • 症状: 特徴的な症状は結膜炎で、最初は片眼に始まり、進行とともに両眼に広がります。結膜の充血や腫れ、涙(最初はサラサラ、後に膿性)や黄色い目やにが出ます。ひどくなると目が開かなくなったり、視界を遮られたりすることもあります。まれに鼻水やクシャミといった軽度の呼吸器症状が見られることもあります。子猫は重症化しやすいです。
  • 重症度: 通常は目の症状が主で、適切な治療を行えば治癒しますが、放置すると慢性化したり、他の猫風邪と混合感染すると重症化することもあります。稀に死に至ることもあります。
  • 感染経路: 感染猫の目やにや鼻水などの分泌物、糞便との直接接触が主な感染経路です。クラミジアは体外では生存しにくいため、接触以外の感染経路は少ないと考えられます。人間を介して他の猫へ感染する可能性もあります。
  • 接種の重要性: 目の症状は猫にとって不快であり、放置すると視力に影響を及ぼす可能性もあります。感染猫との接触が多い環境(多頭飼育、保護猫活動など)では、他の猫への感染拡大を防ぐためにも予防が有効です。

猫免疫不全ウイルス感染症(FIV、猫エイズ)

  • 症状: 感染数週後に発熱、食欲不振、リンパ節の腫れなどの急性症状が現れます。その後、数年間は症状が見られない「無症候期」に入りますが、徐々に免疫力が低下し、慢性的な口内炎、歯肉炎、皮膚炎、下痢、リンパ節の腫れ、貧血、慢性的な鼻炎や肺炎などの日和見感染症を繰り返すようになります。最終的には腫瘍や神経症状が現れることもあります。
  • 重症度: 人のエイズウイルス(HIV)に似ていますが、人には感染しません。最終的には免疫不全により様々な疾患を併発し、命に関わることが多いです。診断されてからの平均寿命は数年と言われています。
  • 感染経路: 主な感染経路は感染猫との喧嘩による咬傷です。感染猫の唾液や血液、精液、乳汁中にウイルスが存在するため、強い咬傷を伴う接触で感染します。長期間同居しているだけでは感染しにくいとされていますが、母猫から子猫への垂直感染も報告されています。
  • 接種の重要性: FIVに感染すると免疫力が著しく低下し、様々な病気にかかりやすくなり、最終的に重篤な状態に至ります。特に屋外に出る猫や、複数の猫を飼育している環境で、感染猫と接触するリスクが高い場合には予防接種が強く推奨されます。

猫のワクチン接種ペースとタイミング

猫の初回のワクチン接種は、母乳を飲んで体内に抗体がある子猫は生後8週頃からスタートします。

そうでない子猫は生後6週頃からスタートし、2~3回の接種を行った後、最終接種は16週齢以降に行います。その後は、抗体がなくなる1~3年に1回の接種を行うことが多いです。

保護猫など成猫で飼育する場合は、獣医師に相談し接種開始日を決めます。

猫汎白血球減少症(猫伝染性腸炎)は抗体検査ができますので、抗体が残っている場合には接種をしないという選択もあります。

猫のワクチン接種・予防接種ができる場所と費用

犬とは異なり集団接種などの会場はないため、個別に動物病院で接種をしてもらいます。

何種混合を接種するかで費用が異なりますが、一般的に3,000円~7,000円前後の病院が多いです。病院ごとに費用感は異なりますので、接種前に確認しておくと安心です。

猫のワクチン接種に関する注意点

ワクチンは病原体の力を弱くしたものや感染力を無くした病原体そのものなどを使用することが多いため、体が弱っているときに接種することは避けましょう。

接種当日に発熱、嘔吐下痢食欲不振などが見られたらワクチン接種を見送ったほうがよいです。

また、健康な時であってもワクチン接種には副反応も伴います。万が一、体調変化が起こった際に動物病院に相談できるよう、予定が無い午前中にワクチン接種を行うのがベスト。

どのワクチンをどのタイミングで受けさせるかなどは、実際に愛猫を診てくれている獣医師と相談して決めましょう。

接種前に気を付けるべきこと

ワクチン接種前はよく愛猫の様子や排泄物の状況などを観察し、少しでも体調に異変があれば接種前に獣医師に接種可能かを相談しましょう。

前述の通り、体が弱っているときに接種してしまうと、より体調が悪化してしまう可能性もあります。

また、事前に愛猫を洗濯ネットなどに入れ病院に連れて行くと、ワクチン接種をスムーズに行うことができ、愛猫のストレスも最小限に抑えられます。

接種後に気を付けるべきこと

接種して30分以内にアナフィラキシーショック(痙攣、意識消失、呼吸・心停止などの生死にかかわる症状)を起こすことが多いので、特に注意してみてあげましょう。

その後、24時間は嘔吐や下痢、発熱などの副反応が出やすいため、室内で愛猫を観察できるような状態にし、気になることがあれば動物病院に相談しましょう。接種後から数日間は安静に過ごし、ストレスを与えないように気を付けてください。

また接種後、免疫が作られるまでには2~3週間かかる場合があるので、その間は他の猫との接触を避け、感染リスクのあるところには連れて行かないようにします。

軽度な副反応と自宅での観察ポイント

接種後数時間から24時間以内に現れることが多く、ほとんどの場合、特別な治療なしに1~2日で自然に治まります。

具体的な症状:

  • 元気・食欲の低下: 一時的に元気がなくなったり、食欲が落ちたりすることがあります。
  • 発熱: 体温が普段より少し高くなることがあります。
  • 痛み・腫れ: 注射した部位(首の後ろや肩甲骨の間など)が少し赤くなったり、熱を持ったり、触ると痛がる様子を見せたりすることがあります。小さなしこりのように感じることもあります。
  • くしゃみ・鼻水: ごくまれに、軽度の風邪のような症状が見られることがあります。
  • 下痢・嘔吐: 軽度の下痢や一時的な嘔吐が見られることがあります。

自宅での観察ポイント:

  • 接種後24時間は特に注意深く観察する: 特に接種当日は猫の様子をよく見てください。
  • 安静にさせる: 激しい運動は避け、ゆっくり休ませてください。
  • 食事と水分補給: 食欲不振でも、水はいつでも飲めるように用意し、脱水にならないように注意してください。
  • 触診: 注射部位に異常がないか、優しく触って確認してください。しこりの大きさや硬さ、熱感、痛がり方などをチェックします。
  • 体温チェック: 可能であれば、定期的に体温を測定し、普段の平熱と比較します(平熱は個体差がありますが、一般的に37.5℃~39℃程度)。

重度な副反応(アナフィラキシーショックなど)と緊急性が高い場合の判断基準・対処法

重度の副反応は非常に稀ですが、命に関わる可能性があるため、症状が見られたらすぐに動物病院に連絡し、指示を仰ぐ必要があります。接種後数分〜数時間以内に急激に発症することが多いです。

具体的な症状:

  • 顔面の腫れ・むくみ: まぶた、口唇、鼻の周りなどが急激に腫れ上がる(血管性浮腫)。
  • 激しい嘔吐・下痢: 複数回にわたる激しい嘔吐や下痢。
  • 呼吸困難: 口を開けて呼吸する(パンティング)、ゼーゼーと苦しそうな呼吸、舌や歯茎が青紫色になる(チアノーゼ)。
  • 虚脱・意識障害: ぐったりして立てない、呼びかけに反応しない、意識が朦朧としている、痙攣を起こす。
  • 発疹・かゆみ: 全身に赤い発疹が出たり、体を激しく掻きむしったりする。
  • 蒼白な粘膜: 歯茎が白っぽくなる(貧血のサイン)。

緊急性が高い場合の判断基準: 上記の重度な症状のいずれか、または複数が急激に現れた場合、すぐに緊急性が高いと判断してください。特に、顔面の腫れ、呼吸困難、虚脱、意識障害は生命にかかわる緊急事態です。

対処法:

  1. すぐに動物病院に電話する:
    • 症状が発生した日時。
    • 具体的な症状(何が、どの程度、いつから)。
    • 接種したワクチンの種類や接種日時(ワクチン証明書や診療明細書を手元に)。
    • 猫の現在の状態(意識があるか、呼吸はどうかなど)。 これらを簡潔に伝え、すぐに受診可能か確認してください。
  2. 冷静に行動する: パニックにならず、落ち着いて行動することが猫の命を救う第一歩です。
  3. 猫を揺らさない・無理に動かさない: 虚脱している場合などは、猫を安定した状態に保ち、体を揺らしたり無理に起こしたりしないでください。
  4. 病院へ向かう準備: 指示があれば、すぐに猫を連れて病院へ向かえるよう準備してください。移動中は猫の呼吸が妨げられないよう、通気性の良いキャリーバッグに入れ、車内を快適な温度に保ちます。

遅れて現れる可能性のある副反応

ごく稀に、接種部位に腫瘍(線維肉腫)が発生することがあります。これは「注射部位肉腫(Feline Injection Site Sarcoma; FISS)」と呼ばれ、猫のワクチン接種後に最も懸念される重度の遅発性副反応のひとつです。

  • 症状: 接種部位に固いしこりや腫れが数週間から数か月経っても消失しない、あるいは徐々に大きくなる。
  • 観察ポイント: ワクチン接種後は、定期的に接種部位を触って確認し、しこりの有無や変化に注意してください。
  • 判断基準と対処法:
    • 接種後1カ月以上経ってもしこりが残っている場合。
    • しこりの大きさが2cmを超える場合。
    • しこりが徐々に大きくなっている場合。
    • しこりが移動せず、周囲の組織に固定されているように感じる場合。 これらの場合は、獣医師に相談し、検査を受けることを強く推奨します。早期発見・早期治療が重要です。

猫のワクチン接種後の悪性腫瘍について

猫

ワクチン接種後1週間ほどで接種部位にしこりが見つかることがあります。 通常は一過性のもので、接種後1か月程度を目途に縮小・消失します。

ただ、稀にワクチン接種後3か月~2年以内に線維肉腫と呼ばれる悪性腫瘍が生じることがあります。

日常的に愛猫の健康チェックをすることはできるので、たまに体を触り、腫れている部分がないかどうかを確かめてあげましょう。

腫れていると感じた場合は、動物病院を受診して確認してもらうことをおすすめします。

この記事の執筆者・監修者

杉山 杏奈

執筆者情報

杉山 杏奈

獣医師

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、動物看護士・トリマーの専門学校で教員を行う傍らトリミングのライセンスも取得。現在は2児の母で子育て奮闘中です。

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