猫を飼っているご家庭で、お仕事や旅行、外出などで家を不在にするとなると、まず頭に浮かぶのが「猫のお世話をどうしよう?」ではないでしょうか?
そのようなときに選択肢のひとつとして浮かぶのが猫のペットホテル。飼い主としては大切な猫を預けるので、安心できるペットホテルを選びたいと思いますよね。
預けるとどのようにお世話をしてもらえるのか、料金はいくらくらいなのでしょうか。この記事では、猫のペットホテルのサービス内容や料金の目安、選び方などを解説します。
この記事の結論
- 猫は「家につく」と言われるほどで、自宅以外で過ごすことは基本的にストレスになる
- ペットホテルの種類は5つあり、ホテル専門以外にも施設がある
- ペットホテルの利用料金は、平均して1泊5,000円前後がかかる
- 1泊2日程度で家を空けるぐらいなら、成猫の場合にはお留守番でも問題ない
ライター/動物取扱責任者/愛玩動物飼養管理士
動物取扱責任者、愛玩動物飼養管理士。猫の保護活動のためにブログ「ねこねこ王国」運営をはじめた知見を活かし、現在は動物ライター&デザイナーとしても活動。
目次
猫のペットホテルってどんなところ?

猫だけに限らず、ペットホテルでは猫や犬などのペットを預けることができる施設のこと。
飼い主さんが何らかの理由で自宅を離れる際に、ひとりぼっちにさせるのが難しいときには愛猫を宿泊させます。
多くのペットホテルでは犬など他の動物と同じ空間で過ごすことになりますが、中には猫専門のペットホテルもあります。
人見知りしやすい子ならその方が安心ですし、特に子猫のうちはひとりぼっちにさせるのは不安も大きいでしょう。
ペットホテルでは自宅から持参したフードをあげ、トイレやケージの掃除をしてくれます。
最近はWebカメラなどを備えて、外出先からなどリアルタイムで猫の様子を見られるところも出てきましたよ。
自宅以外に預けることは愛猫にとって大きなストレス
「猫は家につく」と昔から言われるように、猫は普段住んでいる場所からの移動でとてもストレスを感じやすいです。
猫によっては、移動のショックで食欲がなくなってフードをしばらく食べなくなることもあるくらいです。
猫をペットホテルに預けると、中には外に出して遊ばせてくれるところもあるかもしれません。
ですがほとんどのペットホテルでは、ずっとケージの中で過ごすこととなりますのでストレスを抱えやすいです。
これは猫同士でのトラブルを防ぐためでもありますし、脱走のリスクをなくすためでもあります。
猫の場合、犬ほど気軽には利用しづらい
基本的に成猫の場合、1泊2日程度であれば留守にしていても問題ないと言われています。
留守にする間の必要なフードとお水さえ切らさなければ、ペットホテルよりも自宅で過ごす方を猫はきっと選ぶでしょう。
それぐらいに猫は外出や環境変化にストレスを抱き、知らない場所で1泊するということはストレスになるのです。
犬の場合には日頃から飼い主さんと離れる時間を作ることで、ストレスの軽減を目指すことができます。
しかし、猫にとって自宅こそが落ち着く場所。練習できるものでもないため、より強くストレスがかかりやすいのです。
これを踏まえて、ペットホテルを利用するかどうか、検討するのが良いでしょう。
猫のペットホテルとペットシッターの違い

自宅を不在にするときに、猫をペットホテルに預けるか、ペットシッターをお願いするか、迷う方も多いのではないでしょうか。
ペットホテルは前述の通り、愛猫をホテルに預けることができる施設のことです。
対してペットシッターというのは、ベビーシッターなどでも知られるように、自宅にシッターを招いてお世話をしてもらうサービスのことです。
ペットホテルは長時間の監視が必要なときに適切
ペットホテルに預けるときは、猫は普段住み慣れた環境から移動することになります。
これがストレスになってしまう子もいますが、ペットホテルだと時間単位でお願いするペットシッターよりも長時間は見てくれることになります。
例えば病気や怪我をしている状態であれば、時間が決められているペットシッターよりも病院に併設されているペットホテルが適切だと言えるでしょう。
いずれのペットホテルでも24時間監視してくれるわけではありませんが、ペットホテルによってはカメラも併設されていたりと、様子を確認することが可能です。
また、自宅の鍵を他人に預ける、留守中に他人に自宅に入られることに不安を感じるなどの理由から、ペットホテルを検討することもあるでしょう。
ペットシッターは多くの猫にとって適切
一方でペットシッターは、いつも猫が暮らしている自宅に来てお世話をしてくれます。そのため、自分のスペースを大事にし、家につく猫にとってはペットシッターの方がストレスは少ないのです。
基本的に猫は単独での生活で問題ないとされており、1泊2日程度ならばペットシッターすらも必要としないでしょう。
一度利用してみて、その後の愛猫の様子を確認し、大きなストレスがかかっていないようであれば以後もペットホテルの利用を検討してみて良いでしょう。
反対に強いストレスがかかってしまい、体調を崩してしまうようであれば、ペットシッターを優先的に利用することも検討して良いのではないでしょうか。
猫のペットホテルの種類は大きく分けて5つ

猫のペットホテルには大きくわけて5種類ほどあり、専門にしているのか併設されているのかといった違いが主です。
ペットホテル単体でやっている施設もありますし、ペットホテルが併設されている施設もあります。
どちらが良いというものではなく、そのときどきの愛猫の状況によって利用する施設を変更する方が適切です。
ペットホテル専門店
猫などペットを預かるペットホテルだけを専門にやっている施設。一般的に知られているペットホテルといえば、こうした専門店ではないでしょうか。
ペットホテルを専門としている場合には、それを専門に全スタッフが動いているわけですから、通常よりも手厚いサービスが受けられることも多いです。
24時間スタッフが常駐していたり、カメラが設置されていて愛猫の様子が見られたりなど、ペットホテルの中ではもっとも質の高いサービスになっていることが多いのです。
ただ、サービスが手厚くなればそのぶん料金が高くなりがち、ということもありますので、料金との相談も必要でしょう。
ペットショップに併設
ペットの生体や物品を販売しているところで、猫などのペットを預かる施設に併設されていることもあります。
ペットショップの併設サービスはあまり多くありませんが、同じ企業が運営しているホテルを利用することができるケースです。
ただ、あくまでペットショップを主体としている場合、専門的な知識を持っている人たちかどうか、確認するのが良いでしょう。
トリミングサロンに併設
犬のトリミングサロンで猫などのペットを預かる施設ですが、猫のトリミングをやってくれるサロンはほとんどありません。
猫の場合、自分で毛づくろいをしますし、普段から行うブラッシングで十分であることが多いからです。
トリミングサロンを利用するケース自体が、猫の飼い主さんには少ないと思いますので、利用店舗も多くありません。
動物病院に併設
動物病院で猫などのペットを預かる施設。多くは病院に入院している動物と一緒に、空いているケージで預かることが多いです。
病気がちな子や、治療中の子にとってはかかりつけの動物病院に併設されているホテルが安心できるでしょう。
愛猫の体調が悪いときにどうしても家を空けなければいけない状況ならば、動物病院での預かりを利用することになります。
また、最近では動物病院のペットホテルも進化してきており、簡単なドッグランや猫も遊べるスペースなどが用意されています。
しつけ教室などに併設
猫についてはしつけが難しいのですが、ペットホテルやトリミングサロン、動物病院などで猫の飼育方法などをアドバイスする講座の開催があります。
ただ、そもそも犬とは違って外でしつけを行う、という習慣は猫にはありません。犬を中心とした施設ならありますが、猫を対象としたこうした施設は非常に少ないです。
猫のペットホテルの主なサービス内容

犬でも猫でも、ペットホテルの基本的なサービス内容は変わりません。ただ、犬には散歩が必要なのに対して、猫の場合は短時間だけでも遊んであげる、というのが主流。その他のサービスについては、大きく異なる点などはないでしょう。
宿泊
猫にご飯をあげて(通常は1日2回)、トイレやケージの清掃などを行います。お気に入りのブランケットやグッズと一緒に宿泊できることが多いです。
一般的なペットホテルや動物病院などでは、ケージの外に出して広い空間で遊ばせるようなことは基本的にありません。
ペットホテルによっては簡単なキャットランなどが設置されており、ある程度の時間を自由に遊べる可能性もあります。
猫専門のホテルなどでは上下運動のできる縦長のケージや、猫専門の部屋でもともと広いスペースを準備している場合もあります。
一時預かり・日帰り
猫の場合にはあまり利用することがないものの、長時間にわたって飼い主さんが不在なときに利用します。
引っ越しで荷物の搬入や搬出、改装工事などで猫にストレスがかかる、あるいは猫が脱走する危険がある、来客などの場合に利用が考えられます。
一時預かりや日帰りのケースでは、下手に預けることなく自宅にいてもらう方がおすすめです。
ご飯やトイレのお世話(オプション)
通常1日2回程度のご飯をあげる、トイレやケージの清掃は基本料金に含まれていることが多いです。
ただし、投薬や給与回数が多いなど特別なケアが必要な場合は、オプションで追加料金が発生することもあります。
子猫のうちは食事の回数が多くなるので、このあたりはペットホテルごとに確認しましょう。
ボディケア(オプション)
動物病院やペットホテルなどで猫に慣れている場合、猫が落ち着いていればお願いしてもいいでしょう。
ペットホテルに預けられた猫はその多くが緊張で固まっている場合も多いため、爪を切ったりグルーミングなどで無理やり触られると、ストレスを感じる場合も多いです。
無理にお願いするのではなく、こうしたケアはお迎えしてから自宅で行うのがおすすめです。
猫のペットホテルの料金相場

ペットホテルの利用に関しては、大体1泊2日で数千円程度です。高くても1万円を超えることは非常に稀でしょう。
ペットシッターを利用する際にも、1時間で同等の値段がかかるので、料金だけで考えればどちらも大きくは変わりません。
宿泊(1泊2日) | 3,000円~6,000円 |
一時預かり・日帰り | 1,500円前後/1時間、日帰り料金 など |
猫のペットホテルの預かり料金の相場は、宿泊の場合は1泊2日で3,000円~6,000円程度となっています。
他の動物たちと同じ空間にケージがある場合から、猫専用の個室を用意してあるケースまでさまざま。スタッフの人数や常駐の時間などでも料金は変わります。
ペットホテル専門店などではより手厚いサービスが可能なケースもありますので、そうしたサービスをオプションで足していくと料金が上がります。
猫のペットホテル利用で必要なもの

猫をペットホテルに預けるとき、混合ワクチン接種証明書、食べ慣れたフードは基本的に持参するところがほとんど。
使い慣れたおもちゃや毛布も猫が安心するので持っていきましょう。
- 混合ワクチン接種証明書
- 食べ慣れたフード
- 使い慣れたおもちゃや毛布
- おしっこのニオイがついた猫砂
- 迷子札
- 飼い主さんの身分証明書 など
おしっこのニオイがついた猫砂や迷子札、飼い主さんの身分証明証などは、ペットホテルによって持参するように言われます。
1泊2日程度であればいつも食べているキャットフードぐらいで、他に必要なものは基本的にありません。
猫のペットホテルの選び方

ペットホテルを選ぶ際には、自宅から近いこともひとつのポイントですが、それ以外にも確認したいところがあります。
短時間でも1日だけであっても、愛猫が過ごす大切な場所です。できればストレスなく過ごしてほしいと思うことでしょう。
安心して過ごしてもらうためにも、事前の調査がとても大事なので、特にチェックしたいポイントをまとめました。
動物取扱業の登録している施設
ペットホテルが猫などの動物を預かるためには第1種動物取扱業の「保管」の登録が必要です。
ホームページや受付などで、動物取扱業の登録証や登録番号、有効期限などを表示しているところを選びます。
なぜ重要なのか?
動物取扱業の登録は、動物の愛護及び管理に関する法律に基づき、動物を扱う事業者に義務付けられています。
登録している施設は、最低限の飼養管理基準や衛生基準を満たしていることを公的に認められている証拠であり、信頼性の基盤となります。
無登録の施設は違法であり、万が一のトラブルの際に適切な対応が期待できません。
見学時に何をチェックすべきか?
施設の入り口や受付など、目に付きやすい場所に登録証が掲示されているかを確認しましょう。登録番号、登録年月日、有効期間、動物取扱責任者の氏名などが記載されています。
どのような質問をすべきか?
「動物取扱業の登録はされていますか?」と直接質問し、必要であれば登録番号などを控えておきましょう。
施設内が清潔に保たれている
施設に入ったときに臭いがしないか、隅々まで清掃されているかなどをチェックします。
管理上、ケージがある場所を見せてくれないことはあるものの、キャットランのような遊び場は見せてくれることが多いです。
施設内までしっかり確認することが難しいケースも多いですが、一度相談してみると良いでしょう。
なぜ重要なのか?
不衛生な環境は、猫のストレスを増大させるだけでなく、感染症のリスクを大幅に高めます。特に猫はきれい好きで、排泄環境が不潔だと我慢して健康を害することもあります。
見学時に何をチェックすべきか?
単に見た目が綺麗かだけでなく、匂い、換気、清掃方法に注目しましょう。
- 匂い: アンモニア臭や動物臭がこもっていないか。清潔な施設は不快な匂いがほとんどありません。
- 換気: 換気扇が稼働しているか、空気の流れがあるかを確認します。窓の開閉がされているかもポイントです。
- 清掃: ケージ内や共有スペースの床、壁などが定期的に消毒・清掃されているか。排泄物が放置されていないか。使用済みトイレ砂の処理方法なども確認しましょう。
- 清掃用具: 清掃用具が整理整頓され、適切に管理されているかどうかも衛生意識の高さを示します。
どのような質問をすべきか?
「ケージの清掃はどのくらいの頻度で行われますか?」「どのような消毒液を使用していますか?」「共有スペースの清掃ルーティンを教えてください。」「トイレ砂の交換頻度は?」といった具体的な質問をしましょう。
スタッフの対応が丁寧
大切なペットを預けるのに、言葉遣いや態度がぞんざいなスタッフでは不安になりますね。
飼い主の不安なことや疑問点に丁寧に答えてくれる、猫の扱いに慣れているかを確認しましょう。
受付時に心配なことは必ず聞いておき、しっかりと説明を聞き入れてくれるかどうか、確認してみてください。
なぜ重要なのか?
スタッフの対応は、愛猫が過ごす環境の質に直結します。猫は繊細な動物なので、動物への愛情や知識、経験があるスタッフがいるかどうかは非常に重要です。
対応が丁寧で質問にきちんと答えてくれるスタッフは、いざという時の連絡や相談もスムーズに行えるでしょう。
見学時に何をチェックすべきか?
- 挨拶や言葉遣い、表情、質問への対応を観察しましょう。
- 猫(他の預かっている猫でも可)への接し方に愛情が感じられるか。無理に触ろうとしていないか、猫のペースを尊重しているかなど。
- 見学者への説明が分かりやすく、疑問点に対して丁寧に説明してくれるか。
どのような質問をすべきか?
「猫の飼育経験があるスタッフは何名いますか?」「猫の扱いに慣れたスタッフが常駐していますか?」「当日の担当スタッフは決まっていますか?」など、スタッフの専門性や体制について質問しましょう。
脱走防止策が徹底されている
ケージから飛び出すことがないか、預かりエリアから脱走しない作りになっているかをチェックしましょう。
基本的には簡単に脱走できるような施設になってはいませんが、活発な子はより注意しなければなりません。
事前に受付の方へこうした情報を提供しておくことも、大事なポイントです。
なぜ重要なのか?
猫は非常に好奇心旺盛で、思わぬ隙間から脱走してしまうことがあります。一度脱走すると見つけるのが非常に困難であり、猫の命に関わる重大な事故に繋がりかねません。
見学時に何をチェックすべきか?
- 二重扉の設置: 出入り口が二重扉になっているか、または脱走防止ゲートが設置されているかを確認します。
- ケージの構造: ケージの扉が確実に施錠できるか、猫が無理やり開けられるような隙間や緩みがないかを確認します。
- 窓や換気口: 開放された窓や換気口に猫が通り抜けられないような網や柵が設置されているか。
- 従業員の出入り: スタッフが扉の開閉時に、猫の動きに常に注意を払っているか観察しましょう。
どのような質問をすべきか?
「脱走防止のためにどのような対策をされていますか?」「万が一脱走してしまった場合の対応マニュアルはありますか?」といった具体的な対策について質問しましょう。
料金設定が明確である
追加料金やオプション、複数の猫を預かる場合など、あらかじめホームページや店頭などで料金を明示し、納得できる金額であるところにしましょう。
後から追加で料金がかかってしまうようだと、思わぬ高額料金になってしまうこともあります。
緊急時の対応を除き、どれくらいの金額になるか、預け前にかならず確認しておいてください。
なぜ重要なのか?
料金が不明確だと、後から追加料金が発生したり、サービス内容に対して高額だったりするなどのトラブルの原因になります。事前に総額を把握し、安心して預けられるかを確認しましょう。
見学時に何をチェックすべきか?
- 料金表が分かりやすく提示されているか。
- 基本宿泊料に含まれるサービスと、別途料金が発生するオプションサービス(例:投薬、特別食の給餌、Webカメラ利用、送迎、長期割引など)が明確に記載されているか。
どのような質問をすべきか?
「基本料金に含まれるサービスは何ですか?」「追加料金が発生するケースを全て教えてください。」「キャンセルポリシーはどうなっていますか?」など、細かな料金体系について確認しましょう。可能であれば見積もりを出してもらいましょう。
猫専用の宿泊スペースが設置されている
どんなところに宿泊するのか、というのは預ける上でとても大事なポイントです。
ケージ | 1段~3段のケージ |
ケージレス | ケージ外のフリースペースを自由に動ける |
個室部屋 | 1匹がゆったり過ごせる広さ |
小部屋、大部屋 | 頭数に応じた広めの部屋 |
可能な限り猫専用の宿泊スペースが確保されているところをおすすめします。
普段は家に人間と猫しかいない環境にいるのに、他の動物の臭いがする、常に犬が吠えている、騒音があるなどまったく違った環境で過ごすことは猫にとっては苦痛です。
なぜ重要なのか?
猫は縄張り意識が強く、犬の匂いや鳴き声、存在自体が大きなストレスとなることがあります。
猫専用のスペースがあることで、他の動物からの刺激を最小限に抑え、猫が落ち着いて過ごせる環境を提供できます。
見学時に何をチェックすべきか?
- 猫の宿泊スペースが、犬など他の動物のスペースから物理的に隔離されているかを確認します。
- ケージの大きさ、高さ(上下運動できるか)、設置場所(他の猫と目が合いにくい配置か)なども確認しましょう。
- 猫が落ち着けるような隠れ場所や高台(キャットタワーなど)が用意されているか。
どのような質問をすべきか?
「猫専用のスペースはどのように確保されていますか?」「他の動物との接触はありますか?」「ケージのサイズは選択できますか?」など、猫の宿泊環境について具体的に質問しましょう。
愛猫の様子を確認できるWebカメラの設置
最近では、Webカメラで預けた猫の様子をいつでも見られるところも増えてきました。まだまだ導入している施設は少ないものの、様子を確認できたら安心ですよね。
自宅ならばペットカメラを導入して様子を見ることもできますが、ペットホテルでは全く状況がわかりません。
どうしてもという場合には、ペットホテルを利用する前に確認してみてください。
なぜ重要なのか?
Webカメラは、飼い主が離れていても愛猫の様子をリアルタイムで確認できるため、安心感に繋がります。特に心配性な飼い主にとって、猫がきちんと食事をしているか、落ち着いて過ごしているかなどを自分の目で確認できるのは大きなメリットです。
見学時に何をチェックすべきか?
- 実際にWebカメラの映像を見せてもらえるか。
- カメラの設置場所、映像の鮮明さ、音声の有無などを確認します。
- 接続方法や利用時間、閲覧できる期間などを確認しましょう。
どのような質問をすべきか?
「Webカメラはどのように利用できますか?(専用アプリなど)」「24時間いつでも見られますか?」「追加料金はかかりますか?」と具体的に質問しましょう。
預かる猫のワクチン接種などを義務付けている
ほかの猫や動物から感染症をもらうことをお互いに避けるためにも、1年以内にワクチン接種をしたか証明書提出を義務付けている方が安心。
ワクチン接種をしていないと、どんな子たちがいるかわからないのでとても心配でしょう。
事前のワクチン接種で予防できる病気はたくさんあるので、初めて利用するような場合は特に注意が必要です。
ノミ・ダニなどのワクチンも必要とされていることは多いため、事前に済ませておくと安心です。
なぜ重要なのか?
ワクチン接種やノミ・ダニ予防が義務付けられている施設は、感染症予防に対する意識が高い証拠です。これにより、預けられている他の猫や、自分の愛猫がホテル内で病気にかかるリスクを低減できます。
見学時に何をチェックすべきか?
チェックイン時にワクチン接種証明書や健康診断書の提示が求められるかを確認します。
どのような質問をすべきか?
「宿泊の条件として、どのようなワクチン接種や予防対策を義務付けていますか?」「未接種の猫は預かってもらえませんか?」といった詳細を確認しましょう。
深夜帯もスタッフが常駐している
特に動物病院などは24時間スタッフがいると誤解されることがありますが、ほとんどの場合、夜間は無人になります。
異変が起きた場合も対応してもらえるように、深夜帯にスタッフが常駐しているか、常駐していない場合も見守りカメラで様子を見ているかなどを聞いてみましょう。
夜間は飼い主さんでも寝ているものだと思うので、許容しても良い項目だと言えます。ただ、愛猫が痛みで鳴いていても預けているときには気付けないので、この点には注意が必要です。
なぜ重要なのか?
猫は夜行性の動物なので、深夜帯でも体調の急変や予期せぬトラブルが発生する可能性があります。スタッフが常駐していれば、異変にすぐに気づき、迅速に対応できるため、愛猫の安全性が高まります。
見学時に何をチェックすべきか?
夜間の体制について具体的な説明を求めましょう。
どのような質問をすべきか?
「夜間もスタッフが常駐していますか?」「常駐している場合、何名体制ですか?」「夜間に猫の様子をチェックする頻度はどのくらいですか?」など、夜間の管理体制について質問しましょう。
緊急時の対応が万全である
具合が悪くなったときにどこの動物病院に連れて行ってくれるのか、地震など緊急時はどのように連絡をくれるのか、対応を確認してみましょう。
常に連絡が取れる状況でなければ、1泊2日であっても心配になるものです。同時に、普段かかりつけの動物病院はどこなのか、といった情報も共有しておくと安心です。
なぜ重要なのか?
ペットホテル滞在中に愛猫が体調を崩したり、怪我をしたりする可能性はゼロではありません。迅速かつ適切な緊急対応ができる体制が整っていることは、飼い主にとって最も重要な安心材料のひとつです。
見学時に何をチェックすべきか?
- 提携している動物病院があるか、または緊急時に連れて行く動物病院がどこかを確認します。
- 動物病院への移動手段や時間を確認しましょう。
- 事前に、緊急連絡先として、かかりつけの動物病院の情報などを提出できるか確認します。
どのような質問をすべきか?
「緊急時の連絡体制はどうなっていますか?」「提携している動物病院はありますか?」「かかりつけの動物病院に連れて行ってもらうことは可能ですか?」「治療費が発生した場合の連絡・清算方法について教えてください。」など、具体的な緊急時対応について細かく質問しましょう。
猫のペットホテル利用前にやっておくべきこと

ペットホテルを利用する前には、愛猫を守るためにもいくつかの準備が必要です。
なんの準備もなく預けてしまうと、思わぬ病気をもらってきてしまったり、体調を崩してしまう可能性があります。
混合ワクチンの接種
ほとんど全てのペットホテルに猫を預ける場合は、ワクチンの接種証明書を提出するように求められるので、1年以内にワクチンをしていない場合は接種しておきます。
愛猫を守るためであることはもちろんのこと、他の猫に対して万が一、移してしまうこともないようにワクチン接種は重要です。
毎年しっかりとワクチン接種をしていれば問題ありませんので、接種証明書と一緒に持っていきましょう。
ノミ・ダニの予防対策
ノミやダニがいる猫をペットホテルに預けると、ペットホテルを介してほかの動物や家庭にまで感染してしまうリスクがあります。
ノミやダニがいると考えられる場合は、必ず動物病院などに相談してあらかじめ駆虫してください。
動物病院に預ける場合であれば、一緒にノミやダニの対策をしてくれることもあります。
駆虫しないまま預けることはできませんので、上記いずれかの対応を検討するようにしましょう。
キャリーバッグで移動する練習しておく
普段の生活で家の中から出たことがない猫は、病院に行くとき以外にも、お散歩などで外の移動になれておくといいでしょう。
移動中にケージのフタが外れたりしないように、ガムテープなどで開口部を固定するのがおすすめです。
また、どうしても暴れる子の場合には、大きめの洗濯ネットなどに入れておくと、開口部がもし開いてしまっても安心です。
ケージ内の生活やキャリーバッグに入ることに慣れさせる
普段からケージやキャリーバッグを部屋の中においておき、自分のベッドのような形で慣れさせると、移動もスムーズになります。
短時間だけでも外出に向けた訓練をしていれば、いざというときに混乱しづらくなります。
キャリーバッグは災害時などにも使用しますので、普段から慣れておいてもらうようにしましょう。
宿泊利用の前に一時預かりで様子を見る
愛猫をいきなり何泊も宿泊させると、猫自身も飼い主さんも不安になるものです。
1泊2日程度であれば難しくありませんが、外泊が初めてなのにいきなり連泊は避けたいところ。
大きなストレスがかかって体調を崩してしまう可能性もあるため、短期間で様子を見てみましょう。
動物病院で健康状態に問題ないかチェック
ペットホテルでは普段からの様子を知っている飼い主さんのようには、細やかなケアができない可能性があります。
預ける前に健康状態をチェックして、無理をさせないことが重要です。
ペットホテル側で丁寧なケアをしてくれるわけではありませんので、預ける前には自宅でケアしておいてあげましょう。
心配な場合は動物病院で利用できるペットホテルを選択するのが良いです。
猫のペットホテル利用が断られるケース

特に外出に対してストレスがかかる猫。外出だけでなく外泊も含めると、ストレスも大きなものになります。
万が一があってもいけませんので、ペットホテルによっては以下のような条件で断られることもあります。
子猫や高齢の猫、病気、妊娠中の猫などは体調が安定しないため、預けること自体を避けたいところ。
混合ワクチンを接種していないと病気を予防することができませんし、ノミ・ダニ駆除をしていないと感染を広げる可能性があるためNGです。
未去勢と未避妊の場合は、発情してマーキングや鳴き声の問題などが発生する恐れがあります。
ワクチン未接種・接種証明書の提示がない
断られる理由
感染症の蔓延を防ぐためです。ホテル内にはさまざまな猫が預けられており、ワクチンを接種していない猫がいると、猫風邪やパルボウイルス感染症など、感染力の強い病気が広がるリスクが高まります。
対処法
- 宿泊前に必ず混合ワクチンを接種しましょう。 ホテルによっては、接種後一定期間(例:1週間以上)が経過していることを条件とする場合があるので、余裕をもって接種を済ませてください。
- 接種証明書を必ず持参、または事前に提出しましょう。 ホテル側は証明書の提示を義務付けています。
ノミ・ダニ予防が済んでいない
断られる理由
ホテル内でのノミ・ダニの拡散を防ぐためです。ノミやダニは他の猫に移りやすく、一度発生すると駆除が非常に困難で、ホテル全体の衛生管理に影響を及ぼします。
対処法
- 宿泊前に動物病院でノミ・ダニ予防薬を投与してもらいましょう。 ホテルによっては、特定のブランドの予防薬を指定したり、投与時期を限定したりする場合がありますので、事前に確認が必要です。
極度の人見知りや攻撃的な性格
断られる理由
ホテルスタッフへの威嚇や攻撃、あるいは他の猫へのストレスが懸念されるためです。
猫は環境の変化に敏感で、人見知りの子や攻撃性がある子は、見慣れない場所や人に対して極度のストレスを感じ、思わぬ行動に出ることがあります。
スタッフの安全確保や他の猫への影響も考慮されます。
対処法
- 事前にホテルのスタッフに猫の性格を正直に伝え、相談しましょう。 猫の扱いに慣れたスタッフが在籍しているか、個別の対応が可能かを確認します。
- 猫専用のホテルや、ケージが完全に独立したタイプのホテルを検討しましょう。
- 宿泊前に一時預かりを利用して、猫が環境に慣れるか、スタッフと問題なく接することができるか試してみるのも有効です。
- 自宅でのお留守番が可能な場合は、ペットシッターの利用も選択肢になります。
持病や高齢による医療ケアの必要性
断られる理由
ホテルスタッフでは対応できない専門的な医療行為が必要な場合や、急な体調変化に対応しきれない可能性があるためです。
特に、投薬や点滴、特定の処置が必要な場合、ホテルでは責任を負いかねる場合があります。
対処法
- 必ず事前にホテルに猫の持病や必要な医療ケアについて詳しく伝え、対応可能かを確認しましょう。 投薬のタイミングや方法など、具体的な指示を文書で用意することも有効です。
- 動物病院併設のペットホテルを強く検討しましょう。 獣医師や看護師が常駐しているため、急な体調不良や投薬などの医療ケアにも対応してもらいやすいです。
- 専門的な知識を持つペットシッターであれば、自宅で医療ケアを受けながらお留守番できる場合もあります。
発情期の雌猫
断られる理由
発情期の雌猫は独特の鳴き声(発情声)を上げたり、フェロモンを放出したりするため、他の雄猫を刺激し、ホテル内の猫全体にストレスを与える可能性があるためです。予期せぬ交配を防ぐ目的もあります。
対処法
- 発情期を避けて宿泊計画を立てましょう。
- 避妊手術をしている猫であれば問題なく預かってもらえます。
- どうしても発情期に預ける必要がある場合は、猫専門で個室が完全に独立しているホテルなど、他の猫との接触がない環境を提供するホテルを探し、事前に相談しましょう。
極端な高齢・若齢(子猫)
断られる理由
高齢の猫や子猫は、環境変化によるストレスを受けやすく、体調を崩しやすい傾向があるためです。
特に子猫は免疫力が低く、環境適応能力も未熟なため、感染症のリスクや体調管理の難しさから断られることがあります。
高齢猫は持病を抱えていることも多く、急変のリスクが高まります。
対処法
- 事前にホテルのスタッフに年齢や健康状態を伝え、相談しましょう。 老齢猫や子猫の預かり経験が豊富なホテルを選ぶのが良いでしょう。
- 動物病院併設のペットホテルであれば、何かあった際に迅速な医療対応が期待できます。
- 短時間の利用から慣れさせる、あるいはペットシッターの利用も検討しましょう。
猫アイテムは自動化でお留守番がしやすくなる

猫用のアイテムには「自動給餌器、自動給水器、自動トイレ」など、最低限の生活に必要なアイテムは自動化されてきています。
手動のものよりも値段は高いものの、日頃から家を空けることが多い人にとっては最適なアイテムだと言えるでしょう。
使い慣れるまでに時間がかかる子もいますが、ペットホテルに預けるよりも家に居たほうがストレスなく過ごせます。
連泊する場合にも基本的には家にいてもらい、間でペットシッターさんや家族・友人に様子を見てもらう、という過ごし方も可能です。
自動給餌器
自動給餌器は家をあけることが少ない人であったとしても、日中に仕事で外出する人なら持っておきたいアイテム。
毎日決まった時間に食事を与えることができるため、体内時計の正確な猫にとっては最適です。
基本的にはドライフードのみとなってしまいがちですが、こまかく給与することができるので要求鳴きも抑えられます。
自動給水器
必ずしも必要とはしませんが、2~3日ほど給水が難しい状況ならば自動給水器がおすすめです。
給水器の汚れも清潔に保つことができますし、一般的な自動給水器でもタンクに水を溜めておけます。
ウォーターボウルだとひっくり返して飲めなくなってしまう可能性もあるため、重量がそれなりにあって安定している自動給水器はおすすめです。
自動トイレ
徹底する場合には自動トイレが最適で、システムトイレ以上に長い時間の処理が必要ありません。
システムトイレではあくまでも尿をある程度自動で処理できる一方、便に関しては残ったままです。
そんな便すらも自動で処理してくれるのが猫用自動トイレなので、家をあける時間が長い人には最適です。
そこまでの必要がなければ、すのこ状になっておりペットシーツに尿が吸われるタイプのシステムトイレで十分でしょう。
猫のペットホテルは愛猫視点で利用を検討・判断しよう

なるべくなら、猫には住み慣れた自宅でペットシッターをお願いするほうが良いと言われています。
外泊が大きなストレスにならない子もいますが、実際には預けてみなければわかりません。
どうしても難しい場合にはペットホテルで問題ありませんが、短期間であればペットシッターを検討しても良いでしょう。
猫をペットホテルに預ける場合は、猫にとってなるべくストレスが少ない環境で過ごせるように、事前に飼い主さん自身でいくつかのペットホテルを調べてから利用してくださいね。
この記事の執筆者
ライター/動物取扱責任者/愛玩動物飼養管理士
動物取扱責任者、愛玩動物飼養管理士。慶應義塾大学卒、大手企業で企業で広報、編集、校正の仕事に従事していた経験や、猫の保護活動のためにブログ「ねこねこ王国」運営をはじめた知見を活かし、現在は動物ライター&デザイナーとしても活動。
nademo編集部
編集部
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