ビション系の犬種の一種でもあるハバニーズは、日本でまだあまり見られない犬種です。
同じビション系のビション・フリーゼとはまた違った魅力があるものの、知られていないことの多い犬種。
今回はそんなハバニーズの魅力や特徴について、詳しくまとめてみました。ハバニーズはどんな子なのか、その特徴からまずは知っていきましょう。
この記事の結論
- ハバニーズはキューバ出身で、アメリカやヨーロッパで人気の犬種
- 全身の被毛はウェーブがかった毛質になっており、毛色はホワイトベースが多い
- マルチーズやボロニーズなど、ビション系の犬種と同系統である
- 飼い主さんに対して愛情深いが、同時に警戒心も強い
ハバニーズの特徴

ハバニーズはキューバを原産国とする犬種で、柔らかくウェーブがかかった被毛が特徴的です。
地中海西端地域でも人気が高く、キューバだけにとどまらずにヨーロッパでも人気のある犬種。
キューバの首都である『ハバナ』から取られたと言われており、上流階級の人たちに特に人気があった歴史も。
ヨーロッパに加えてアメリカでも人気は高いものの、その他の国ではあまり知られていません。
陽気で穏やか
友好的で人懐っこい
ほとんど吠えない
好奇心旺盛で遊び好き
その他情報
原産地 | キューバ |
犬種グループ | 9G:愛玩犬 |
大きさ | 小型 |
平均寿命 | 14歳~16歳 |
なりやすい病気 | 膝蓋骨脱臼,流涙症,進行性網膜萎縮症(PRA),白内障 |
参考価格 | 20万円~50万円 |
被毛
抜け毛 | 平均的 |
毛質 | ダブルコート |
毛色 | フォーン,ブラック,ハバナ・ブラウン,タバコ,レディッシュ・ブラウン,ピュア・ホワイト |
ハバニーズの誕生の歴史
ハバニーズの歴史は古く、基となった犬種はイタリア人の船長によってキューバへと輸入されたと言われています。その後、スペインやイタリアなどの地中海西端地域で発展していきました。
少しずつ人気を博していきますが、キューバ国内でも政治的な問題により絶滅寸前に。これによってほとんど純血種は残っていないと思われていましたが、実際にはアメリカへ数匹が渡っていたのです。
結果としてその他の小型犬種などとの交配を経て、現在のハバニーズになりました。原産国はキューバでありながら、発展していったのがアメリカでもあることから、アメリカを中心として人気の高い犬種です。
ハバニーズの身体的特徴
全身にウェーブがかかったような被毛を持ち、ホワイトベースの被毛を持つハバニーズ。
シルクのように滑らかでありながら光沢のある、とてもさわり心地の良い被毛を持っています。
手足は短めで、中でも前足がさらに少し短いため、飛び跳ねるように歩くというのも特徴的です。
ハバニーズのサイズ(体高・体重)
体高 | 21cm~29cm |
体重 | 3kg~6kg |
ハバニーズの体高は理想的とされているのが23cm~27cmで、許容されているのが21cm~29cmとなっています。
これに対して体重は3kg~6kgとされており、超小型犬に近い小型犬であることがわかるでしょう。
ハバニーズの毛色・被毛
ハバニーズの被毛は細めになっており、波状の長毛で体が覆われています。
ダブルコートではあるのですがアンダーコートは薄めで、寒さにも暑さにも弱いタイプ。
毛色はホワイトベースの子もいますし、ポイントごとに以下のような色が入っていることもあります。
- フォーン
- ブラック
- ハバナ・ブラウン
- タバコ
- レディッシュ・ブラウン
- ピュア・ホワイト
斑も許容されており、単色か2色という組み合わせになっています。
ハバニーズの運動能力
運動能力が高いわけでもなく運動量も多くありませんが、遊ぶことは好きです。
小さい子どもと一緒に遊ぶことも好きなので、家族に迎えやすい犬種だと言えるでしょう。
毎日の散歩も多く時間を確保する必要がないので、非常に飼いやすい犬種です。
ハバニーズの性格・習性
ハバニーズの主な性格は賢く愛情深い、そしてなによりも元気いっぱいといったところ。
そんな魅力的で一緒に暮らしていると楽しくなれるような、ハバニーズの性格について見ていきましょう。
とても賢く、番犬としても優秀
ハバニーズはとても賢い犬種なので、小柄ながらもとても優秀な愛犬になってくれるはずです。
室内犬が中心になってきた今ではほとんど必要とされないものの、番犬としても活躍を見せてくれるでしょう。
賢いのでしつけもすんなりと入りやすく、飼い始めでも苦労することは少ないです。
飼い主さんに対して愛情深い
小型犬は人懐っこい子も多いですが、ハバニーズも同様に飼い主さんに対して愛情深い性格です。
また、社交性が高く、警戒心が特別に強いというわけでもありませんので、飼い始めでも仲良くなりやすいでしょう。
飼い主さんとの信頼関係を構築していくにはあまり時間を必要としないため、犬を飼うのが初めての人にもおすすめです。
元気いっぱいで陽気
とにかく元気いっぱいで、いつでも遊んではしゃぎたいというハバニーズは、陽気な性格の犬種です。
子ども好きでもあるので、小さいお子さんがいる家庭でもハバニーズは中心的な存在になってくれるでしょう。
ただ遊びすぎる節もあるので、まだ体力のない子犬期にはバランスが必要になります。
ハバニーズの平均寿命
平均寿命は14歳~16歳程度と言われており、犬種平均でもかなり長生きしてくれる方です。
最新のデータでも15歳を超えてきているので、平均寿命以上は十分に長生きしてくれることでしょう。
ただ、小型犬でもあるので注意したい事故や怪我もあり、健康的に生活してもらうためには飼い主さんのサポートが重要です。
ハバニーズの注意したい病気
膝蓋骨脱臼 | 膝部分にあるお皿状態の骨である膝蓋骨が脱臼する状態 |
流涙症 | 目やにが多くなったり皮膚炎に繋がってしまう |
進行性網膜萎縮症(PRA) | 網膜が徐々に変性していくことで視力が低下していき、失明に至る |
白内障 | 目の水晶体が白く濁り、視力の低下や失明を引き起こす |
基本的には丈夫な犬種であるため、色々な病気にかかるような犬種ではありません。
ですが、進行性網膜萎縮症(しんこうせいもうまくいしゅくしょう)や白内障など、目の病気にかかる可能性は高いと言われています。
また、小型犬によく見られる膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)や流涙症(りゅうるいしょう)にも注意が必要。
目の病気は行動にも症状が現れるので、早めに気付けるように日頃から観察が重要です。
ハバニーズの見分け方
ハバニーズは同じビション系犬種の中でも、さまざまな毛色のバリエーションを持つ犬種です。
マルチーズやボロニーズ、ビション・フリーゼなどと似ていますが、これらの犬種の特徴でもあるホワイト1色はほぼ存在しません。
何かしらの色が混ざっていたり、斑だったりするので、毛色で見分けることもしやすいでしょう。
また、どちらかと言えば体格も良い方なので、似た犬種でも大きめサイズならハバニーズである可能性が高くなります。
ハバニーズと繋がりのある犬種
ビション・フリーゼ

フランス原産のビション・フリーゼは、とても陽気な性格であり、動物好きの犬種でもあります。
特徴は巻き毛と純白の被毛ですが、遺伝性疾患も特別持っておらず健康的。ビション系統の犬種の中では、唯一「ビション」の名を持っている犬種です。
陽気な性格でとても人懐っこい
人間や動物が大好きで懐きやすい
無駄吠えは少なく、しつけもしやすい
運動能力はとても高い
その他情報
原産地 | フランス,ベルギー |
犬種グループ | 9G:愛玩犬 |
大きさ | 小型 |
平均寿命 | 13歳~16歳 |
なりやすい病気 | 膝蓋骨脱臼,外耳炎,尿路結石症 |
参考価格 | 20万円~40万円 |
被毛
抜け毛 | 少ない |
毛質 | ダブルコート |
毛色 | ホワイト |
マルチーズ

マルタを原産国とし、ヨーロッパを中心として愛玩犬人気を博していたマルチーズ。
ヨーロッパにおける愛玩犬としてはもっとも古い歴史があり、とても小柄な犬種でもあります。
光沢のある純白の被毛を持っていますが、マルチーズには純白以外の毛色も存在しています。
明るい性格だが、大人しい
とても人に懐きやすい
警戒心から吠えることもある
室内だけでも十分な運動量
その他情報
原産地 | マルタ |
犬種グループ | 9G:愛玩犬 |
大きさ | 超小型 |
平均寿命 | 12歳~15歳 |
なりやすい病気 | 膝蓋骨脱臼,心臓病,流涙症,外耳炎 |
参考価格 | 20万円~40万円 |
被毛
抜け毛 | 少ない |
毛質 | シングルコート |
毛色 | ホワイト,レモン |
ボロニーズ

その名の通り、イタリアのボローニャ地方の出身でもあるボロニーズ。
生い立ちに関しては複数の説があるものの、ビション系統の犬種であることはわかっています。
ボリュームのあるシャギーコートを持っており、純白の毛色でもある犬種です。
温厚であり、臆病な面も持っている
とても人懐っこく従順
ほとんど吠えない
適度な運動量と能力
その他情報
原産地 | イタリア |
犬種グループ | 9G:愛玩犬 |
大きさ | 超小型 |
平均寿命 | 12歳~14歳 |
なりやすい病気 | 膝蓋骨脱臼,外耳炎,レッグ・カルベ・ペルテス病,アレルギー性皮膚炎,尿毒症 |
参考価格 | 10万円~30万円 |
被毛
抜け毛 | 少ない |
毛質 | シングルコート |
毛色 | ホワイト,ホワイト&ブラック |
ハバニーズを飼うのに向いている人の特徴

それぞれの犬種に特徴があるように、その特徴に合う人がやはり理想的だと言えます。
お迎えしてから「理想とは違った」ということがないよう、後悔しないために知っておきたいことはたくさんあります。
小さい子どもがいる人
ハバニーズはほかの動物だけでなく、小さい子どもとも仲良くできる性格の持ち主です。
人と仲良くなることが得意なので、新しく犬をお迎えしようとしている人や、ご家族が多い人にも向いています。
一方で家を留守にしがちだったり、どうしても単独で過ごす時間が多い場合には向いていないとも言えるでしょう。
散歩の時間を長く取れない人
犬に散歩は必要不可欠であるものの、ハバニーズはほかの犬種と比べて長い時間の散歩が必要ありません。
長く時間を取ることができない人、日中は仕事や家事で忙しい人にとって、大きなメリットと言えるでしょう。
全くしないというのは当然NGですが、1日に数時間もの散歩は必要ありません。
愛犬と一緒に遊ぶのが好きな人
長い時間の散歩は必要としないものの、遊ぶことがハバニーズにとって、大好きな飼い主さんとの時間はとても大切な時間です。
自宅であっても一緒に遊ぶことができる人、1日のうちに少しでも時間を確保できる人が向いています。
散歩とおもちゃ遊びなどはそれぞれ異なる魅力があるので、どちらも大事にすることは重要なポイントになります。
ハバニーズの飼い方

もしハバニーズをお迎えするとなったら、最初のお迎えからスムーズにケアできるように飼い方を理解しておきましょう。
ハバニーズの特徴を理解しながら、大切なケアを知っておくことは、飼い主さん自身の負担を減らすためでもあります。
愛犬の性格に合わせて最初はゆっくり仲良くなる
お迎え初日は大変なことも多いですが、無理に色々と構って時間を使う必要はありません。
ハバニーズは社交性がが高く人懐っこいですが、警戒心が強い一面もあるため、愛犬の性格に合わせてゆっくりと仲良くなることが大切。
どんな犬種にも言えることですが、最初はまず新しい環境に慣れてもらうことから始めます。
徐々に飼い主さんのことを信頼できるよう、安心して良い場所なのだということを理解してもらいましょう。
賢いのでしつけは早めに済ませておく

一度、染み付いてしまった習慣を簡単に直すことは難しく、どうしても時間がかかりがち。
ハバニーズは全犬種の中でも賢い方なので、早い段階からしつけをスタートしておきましょう。
子犬期からお迎えしているならばスムーズにしつけが入りやすいので、怠らないように注意が必要。
賢いからこそ下手にイタズラを覚えてしまわないように、適切なしつけを行いましょう。
散歩は1日2回15分~20分程度でOK

ハバニーズは小型犬なので、1日に何時間もの散歩は必要としません。
小型犬の中でもより短くても問題ないと言われており、1日2回、1回あたり15分~20分程度と想定しておきましょう。
あとは散歩後の愛犬の様子をチェックし、多少なりとも息を切らしている程度までは運動します。
散歩は健康維持だけでなく、愛犬のストレス解消にも繋がる大事な時間ですよ。
毛がもつれないよう、ブラッシングは毎日行う

ハバニーズの被毛は柔らかいだけでなく、ウェーブがかかっているのでもつれやすい毛質です。
適切なケアを行わないままでは毛が絡まってしまうようになるため、ブラッシングは頻繁に行いましょう。
優しく丁寧に行ってあげれば毎日やっていても問題なく、ツヤのある被毛を維持することができます。
肌を傷つけないブラシを適切に選び、体に負担のないブラッシングを心がけてください。
毎日の歯磨きや定期的な耳掃除に爪切り

食事やトイレなどといった必要不可欠なお世話に加えて、歯磨きや爪切りのようなケアも必要です。
特に歯磨きは意識してできていない人もいるのですが、歯磨きができていないと歯周病や歯槽膿漏の原因にもなります。
口腔内の病気だけでなく、内臓にもダメージを与える病気に繋がるので、どのケアも必要であることを覚えておきましょう。
それぞれ頻度やケアの内容には個体差があるので、愛犬に適した頻度で行うのが良いです。
関節に負担の少ない室内環境を用意する

ハバニーズは膝蓋骨脱臼などといった関節の病気にかかりやすい犬種です。
愛犬と安心して過ごすためにも関節に負担の少ない室内環境を用意することが大切。
膝蓋骨脱臼は、高い場所からの飛び降りや滑りやすい床の上で転んだりすることが原因になりやすいです。
高い段差のある場所にはスロープや踏み台を設置し、床には滑りにくいマットを敷くようにしましょう。
年間を通して室温・湿度を管理する
ハバニーズは寒さにも暑さにも弱い犬種です。熱中症や低体温症を防ぐためにも年間を通して室温・湿度を管理する必要があります。
犬が快適に過ごせる室温は25℃前後、湿度が50%前後と言われているので、エアコンを使い適切な温度・湿度を維持しましょう。
また暑い日や寒い日の散歩は、連れて行く時間帯に注意しつつ水分補給やドッグウェアなどで体温調節を行いましょう。
単独でのお留守番は苦手

前述の通り、ハバニーズは人との時間を大切にし、単独で過ごすのは苦手な犬種です。
日中は仕事で家を空けることが多いかもしれませんが、できる限り家に居てあげることが大切。
過度なストレスにより分離不安症になると、吠え続けたりトイレ以外で排泄するようになることがあります。
もし単独でのお留守番になることが多いようであれば多頭飼いもおすすめですが、犬同士の相性にも注意が必要。
飼う愛犬が増えるということは、今まで以上にお世話の時間が必要になることを念頭においた上で検討しましょう。
フードは愛犬のライフステージと目的に応じたもの

ハバニーズの成長や健康維持のためにも、毎日食べるドッグフード選びは重要です。
ドッグフードにはさまざまな種類がありますが、主食として毎日与えるものは総合栄養食や総合栄養食基準のフードがベスト。
病気を持っている場合は獣医師の指示に従って療法食を選択することになります。
また犬は成長段階によって必要なカロリー量が異なるので、ライフステージに合わせてフードを切り替えましょう。
ハバニーズの価格

ハバニーズの個体価格は幅広く、20万円~50万円程度の価格帯となっています。
極端に高すぎるということはありませんが、個体によっては50万円程度の価格になることもあるのです。
日本国内に個体数が多いわけでもありませんので、希少価値の高い犬種であるとも言えます。
ハバニーズの理解度チェック
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