イングランド北西部に位置するマンチェスターで誕生したのが、マンチェスター・テリアという犬種です。
全身がほぼ黒い被毛で包まれており、どこかクールな印象も持ってしまうようなマンチェスター・テリア。
日本ではさらに小型化されたトイ・マンチェスター・テリアの方が人気であるものの、マンチェスター・テリアにも魅力があります。
今回はそんなマンチェスター・テリアの魅力に迫り、特徴を詳しく解説していきます。
この記事の結論
- マンチェスター・テリアはネズミ狩りやウサギ狩りを目的として作出された
- 当時は断耳が主流となっており、断耳禁止以降は生息数が急減した
- 性格はとても明るく活発で、しつけもスムーズに飲み込める学習能力の高さ
- 小型化して立ち耳となったのが、トイ・マンチェスター・テリアという犬種
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目次
マンチェスター・テリアの特徴
マンチェスター・テリアはイギリスのイングランドで誕生した、テリア種の一種です。
別名ジェントルマンズ・テリアとも呼ばれており、どこかドーベルマンのようなクールな印象もあります。
日本ではマンチェスター・テリアより小型化されたトイ・マンチェスター・テリアの方が人気。
しかし、出身地であるイギリスや世界的に見てみると、マンチェスター・テリアの人気は絶大です。
好奇心旺盛で明るい性格
家族には懐くが、警戒心もある
警戒心から吠えることがある
運動量は多め
その他情報
原産国 | イギリス |
犬種グループ | 3G:テリア |
大きさ | 小型 |
平均寿命 | 15歳~17歳 |
なりやすい病気 | 水晶体脱臼,レッグ・カルベ・ペルテス病,椎間板ヘルニア,緑内障,血友病 |
参考価格 | 30万円前後 |
被毛
抜け毛 | 多い |
毛質 | スムースコート |
毛色 | ブラック&タン |
マンチェスター・テリアの身体的特徴
ウィペットの血も混ざっているため、どこかウィペットに似た特徴も持っているマンチェスター・テリア。
マズルや首、足、尾などが長いのが特徴的で、全身はしっかりと引き締まっている筋肉質な体型。
耳は耳先にかけて垂れ下がっているような形となっており、半立ち耳とも称されます。
以前は断耳をすることでドーベルマンに近い姿をしていましたが、現在では禁止されています。
マンチェスター・テリアのサイズ(体高・体重)
体高 | 男の子:40cm~41cm 女の子:38cm |
体重 | 5kg~10kg |
マンチェスター・テリアは小型犬とも中型犬とも言われており、体重は小型犬程度の重さです。
対して手足が長いので体高は40cm近くなっており、中型犬程度の大きさと言えます。
トイ・マンチェスター・テリアと比べるとその大きさがわかりますが、いずれも筋肉がしっかりしています。
マンチェスター・テリアの毛色・被毛
毛色はブラック&タンのみが認められており、鼻と鼻骨部が漆黒のような黒となっています。
たまにブラック一色という個体も存在しますが、基本的にはブラック&タンが理想的。
被毛は短めのスムースコートなので、汚れてもお手入れは簡単です。
マンチェスター・テリアの運動能力
もともと、害獣を狩るために活躍していたこともあり、運動能力は小型犬にしては十分すぎるほどあります。
性格も活発な子が多いため、元気に走り回ることができる一方、スタミナが豊富すぎることはありません。
とはいえ運動神経は非常に高い犬種なので、小動物と一緒に生活するのはリスクが高いでしょう。
マンチェスター・テリアの平均寿命
マンチェスター・テリアはとても健康的な個体なので、平均寿命は15歳~17歳程度だと言われています。
遺伝的にかかりやすい病気もありますが、ブリーディングが安定してきているため、リスクは少ないでしょう。
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マンチェスター・テリアの注意したい病気
水晶体脱臼 | 水晶体が本来の位置から外れる状態 |
レッグ・カルベ・ペルテス病 | 大腿骨の骨頭部分に分布している血管からの血液が不足・停止することにより、壊死してしまう |
椎間板ヘルニア | 背骨の骨と骨の間にある椎間板が本来の場所から飛び出して脊髄神経を圧迫し、痛みや神経症状を伴う |
緑内障 | 房水が増えることで眼圧が高くなってしまい、視覚障害を引き起こす |
血友病 | 血液を固めるタンパク質の一部が先天的に欠損しているため、血が止まりにくくなる |
基本的には健康的な犬種だと言われていますが、水晶体脱臼(すいしょうたいだっきゅう)や手足が細いため骨折などのリスクがある犬種です。
胴が少し長い体をしているので、椎間板ヘルニアにも要注意。
ほかにも緑内障や血友病などは、遺伝性疾患として注意が必要な病気だと言われています。
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マンチェスター・テリアの見分け方
マンチェスター・テリアによく似ているのが、小型化されたトイ・マンチェスター・テリアやミニチュア・ピンシャーです。
いずれもマンチェスター・テリアよりは体が小さいため、大きさを確認すればわかりやすいはずです。
また、ミニチュア・ピンシャーにはさまざまな毛色がありますが、マンチェスター・テリアはブラック&タンのみというのが一般的です。
マンチェスター・テリアの登録頭数
2023年分の調査によると、マンチェスター・テリアの国内登録頭数はゼロ。
対して小型化されたトイ・マンチェスター・テリアは117匹ほどいます。
日本においては中型犬に近いサイズ感であるマンチェスター・テリアよりも、トイ・マンチェスター・テリアの方が人気ということでしょう
マンチェスター・テリアの性格・習性
マンチェスター・テリアの魅力を知るうえで重要な性格や習性はどのようなものがあるのかまとめました。
ブラック&タンの毛色に似合う性格というよりは、陽気で活発な子が多い犬種です。
陽気で活発、イタズラ好き
元気すぎるということはないものの、基本的に明るい性格で陽気な印象を持つことが多いでしょう。
運動が好きな子ばかりですが、活発に遊んだり散歩することは得意な一方、いつまでも走り回るほどのスタミナはありません。
また、イタズラ好きな面もあるため、下手に学習してしまうとコントロールが大変なケースもあります。
家族に対して友好的でしつけがしやすい
明るいだけではなく家族に対しても友好的なので、可愛らしい人気の家庭犬となってくれるでしょう。
警戒心が高い方ではないので、見知らぬ人であっても友好的に接することができる傾向にあります。
人に対して友好的であるため、お迎え直後からのしつけも比較的スムーズに行えるでしょう。
小動物に対しては狩猟本能が働く
注意点としては、小動物に対して狩猟本能が働き、どうしても襲いがちになってしまうということ。
これはマンチェスター・テリアの習性なので、ウサギやネズミとの相性は良くありません。
同じ部屋で飼育するのはかなり厳しく、別々の部屋で過ごすことを前提としなければいけません。
マンチェスター・テリアの誕生の歴史
マンチェスター・テリアが誕生した正確な日時はわかっていないものの、18世紀頃のイングランドだと思われています。
名前にもなっているように、マンチェスター地方で作出されたと言われており、ウィペットの祖先犬やオールド・ブロークンヘアード・ブラック・アンド・タン・テリアなどと合わせて作出されています。
当時は狩猟犬を使ってウサギ狩りやネズミ狩りが流行っており、ゲームのような感覚で行われていたようです。
このゲームで活躍する犬種、そしてスポーツ面でも優れた犬種を作ろうとして、作出されました。
いずれでも活躍していたマンチェスター・テリアですが、ウサギ狩りは禁止され、ネズミ狩りも衰退すると性格が穏やかに改良されていきます。
垂れ耳が長かったこともあり断耳が一般的でしたが、断耳が禁止されると第二次世界大戦後にはわずか11匹ほどに。
人気を取り戻すため、その後は断耳をせずとも不格好にならないよう改良され、現在の姿形になりました。
アメリカンケネルクラブには1887年に認定されており、現在では海外を中心に人気のある犬種です。
マンチェスター・テリアと繋がりのある・似ている犬種
トイ・マンチェスター・テリア
マンチェスター・テリアを小型化して誕生したのが、トイ・マンチェスター・テリアという犬種です。
イングリッシュ・ブラック・アンド・タン・トイ・テリアという別名もあり、ブラック&タンは同じ特徴。
半立ち耳だったマンチェスター・テリアに対して、立ち耳となり、より俊敏な動きができるようになっています。
好奇心旺盛で明るい性格
家族には懐くが、警戒心もある
警戒心から吠えることがある
運動量は多くない
その他情報
原産国 | イギリス |
犬種グループ | 3G:テリア |
大きさ | 超小型 |
平均寿命 | 15歳~17歳 |
なりやすい病気 | 水晶体脱臼,膝蓋骨脱臼,椎間板ヘルニア,レッグ・カルベ・ペルテス病 |
参考価格 | 40万円~50万円 |
被毛
抜け毛 | 多い |
毛質 | スムースコート |
毛色 | ブラック&タン |
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ミニチュア・ピンシャー
ドイツ原産のミニチュア・ピンシャーは、非常に似た見た目を持っている犬種です。
小害獣の駆除を目的としたジャーマン・ピンシャーから派生しており、ドーベルマンに近い体型をしています。
小型犬ですが警戒心の高さから番犬としても優秀で、吠えることも多い犬種です。
自尊心が強く、気性も荒い
飼い主以外にはあまり懐かない
見知らぬ人や犬に吠えやすい
大型犬に近い運動能力と運動量
その他情報
原産国 | ドイツ |
犬種グループ | 2G:使役犬 |
大きさ | 小型 |
平均寿命 | 12歳~16歳 |
なりやすい病気 | 淡色被毛脱毛症,レッグ・カルベ・ペルテス病,パターン脱毛症 |
参考価格 | 30万円前後 |
被毛
抜け毛 | 少ない |
毛質 | シングルコート |
毛色 | ディアー・レッド,レディッシュ・ブラウン,ダーク・レッド・ブラウン,ブラック&タン,チョコレート&タン |
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マンチェスター・テリアを飼うのに向いている人の特徴
適切にしつけができる人
しつけを始めればスムーズに学習してくれるであろうマンチェスター・テリアですが、最初が肝心です。
飼い主さんとの信頼関係を築きつつ、早い段階からしつけができないとコントロールが難しくなります。
テリア気質である面は多くないですが、あくまでもテリア種なので、攻撃的にならないように管理しなければいけません。
愛犬との時間を十分に持てる人
独立心が高いように思われるマンチェスター・テリアですが、実は寂しがりやな犬種です。
飼い主さんや家族との時間を大切にする傾向があるため、お留守番ばかりでは体調を崩しがちに。
場合によっては分離不安症になる可能性もあるため、社会化トレーニングやしつけが重要です。
マンチェスター・テリアの飼い方
マンチェスター・テリアは特別、飼うことが難しい犬種ではありません。
ただ、お迎えするうえでの注意点はいくつかありますので、あらかじめ理解しておくと良いでしょう。
好奇心旺盛なうちにしつけを済ませておく
一生涯のうちで特に好奇心旺盛かつ活発に動けるのが、まだ成長期である子犬の時期です。
この頃にはさまざまなことに興味を持つ時期なので、早い段階からしつけを済ませておくことが重要です。
さまざまな状況で考えて行動することができるので、下手にイタズラを覚えてしまわないような管理も必要。
厳しくするよりも楽しく成功体験を積み重ねることが重要になるため、褒めることを重視してあげましょう。
早いうちから社会化トレーニングを行う
トレーニングの時期が遅れてしまうと、コントロールが難しくなったり、分離不安症になる可能性もあります。
定期的に見知らぬ人と会わせておいたり、ほかの動物との交流の時間を用意しましょう。
基本的なトレーニングを早めに済ませておけば、非常に優秀な家庭犬となってくれるでしょう。
小動物を追いかけることがあるため、同じ部屋では飼わない
どれだけしつけを済ませていたとしても、小動物に対する狩猟本能を完全に消すことはできません。
小さい頃から仲良くできていても、スイッチが入ってしまうと危険な状況には変わりありません。
同じ部屋では生活することがないように生活空間を分けて、それぞれが快適に過ごせるように管理してあげてください。
肥満対策として1回30分×2回の散歩を行う
活発な子なので激しい運動を好むのかと思いきや、一般的な小型犬よりやや長めの散歩時間で問題ありません。
散歩時間は1回30分程度を理想とし、朝晩の2回を目標としてあげればストレスが溜まりづらいでしょう。
十分な散歩時間を確保することができないと肥満になりやすいので、おもちゃ遊びなども取り入れるとなお良いです。
多少長く散歩をする分には問題ありませんので、愛犬とのコミュニケーション時間と考えると良いでしょう。
食事は高タンパク低糖質ドッグフードがおすすめ
基本的な食事は総合栄養食か総合栄養食基準のドッグフードとし、これらを主食にするようにします。
原材料は動物性タンパク質を中心とした高タンパク、そして肥満防止のためにも低糖質のものがおすすめです。
穀物類が多く使われているものよりも、遊ぶことが好きなマンチェスター・テリアにとっては高タンパクのものが良いでしょう。
寒さに弱いため、夏以外は服の着用も検討する
スムースコートで短毛なので、暑さには適応しますが寒さにはやや弱い犬種です。
春や秋はまだ過ごせますが、冬場は服を着用しないと散歩は厳しいぐらいだと考えてよいでしょう。
筋肉質ですが脂肪が多いわけではありませんので、室温・湿度も快適に設定してあげてください。
お手入れは頻繁に必要ないものの、汚れはすぐに拭き取る
短毛なのでブラッシングの回数は週に3~4回程度で、汚れたらすぐに蒸しタオルなどで拭いてあげてください。
半立ち耳なので外耳炎には注意しつつ、耳介を中心とした耳掃除は定期的に行います。
歯磨きをしないと歯周病の原因になりますので、子犬期から毎日きちんと行うことを推奨します。
マンチェスター・テリアにおすすめのドッグフード・アイテム
レティシアン モグワンドッグフード
ヨーロッパの栄養基準であるFEDIAF基準で作られている、大人気のモグワンドッグフード。
放し飼いチキン生肉と生サーモンを中心に、新鮮で高品質な食材をたっぷりと使っています。
穀物類が苦手な子でも食べられるように、穀物不使用で代わりにサツマイモやえんどう豆などを使用。
良質なタンパク質というだけでなく、オメガ3脂肪酸によって健康維持効果にも期待ができます。
対象年齢 | 全年齢 |
---|---|
内容量 | 1.8kg |
原産国 | イギリス |
主原料 | 放し飼いチキン生肉、生サーモン、乾燥チキン、乾燥サーモン |
その他原材料 | チキングレイビー 、サーモンオイル 、サツマイモ、エンドウ豆、レンズ豆、ひよこ豆、ビール酵母、アルファルファ、ココナッツオイル、バナナ、リンゴ、海藻、クランベリー、カボチャ、カモミール、マリーゴールド、セイヨウタンポポ、トマト、ショウガ、アスパラガス、パパイヤ、メチルスルフォニルメタン( MSM)、乳酸菌 |
注意したい原材料 | なし |
安全性の高い添加物 | コンドロイチン、ミネラル類(亜鉛、鉄、マンガン、ヨウ素)、ビタミン類 (A、 D3、E) |
注意したい添加物 | なし |
100gあたりのカロリー | 361.5kcal |
1日あたりの価格(体重5kgの場合) | 240円/86g |
定期販売 | 1個:1個あたり4,534円(税込)/2~4個:1個あたり4,282円(税込)/5個以上:1個あたり4,030円(税込) |
フード目的 | 一般食(FEDIAF基準) |
フードの種類 | ドライ |
ペティオ(Petio) プレシャンテ ラバーブラシ
マッサージと抜け毛の除毛が同時にできる、ペティオから販売されているラバーブラシ。
スムースコートなのでラバーブラシや獣毛ブラシが適しており、ラバーは除毛効果も抜群。
丸洗いできるので汚れたらサッと洗えるところも魅力的で、マッサージ用としてもおすすめできます。
本体サイズ | 3.8×10×20cm |
---|---|
本体重量 | 490g |
種類 | ラバーブラシ |
毛・ピンの長さ | - |
毛先のやわらかさ | やわらかめ |
対象年齢 | - |
素材 | エラストマー樹脂 |
適合種 | 全犬種、各猫種 |
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マンチェスター・テリアの価格
マンチェスター・テリアは日本国内にほとんど生息せず、基本的には海外からの輸入となります。
生体価格としては10万円から20万円程度ですが、諸経費をあわせると30万円前後となるでしょう。
海外のブリーダーからのお迎えとなることが一般的なので、簡単ではありません。
国内でお迎えをしたい場合には、小型化されているトイ・マンチェスター・テリアの方が可能性は高くなります。
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