愛犬にとって飼い主と触れ合うことはもちろんのこと、ご飯を食べることも楽しみのひとつ。せっかくなら、愛犬がよろこぶ美味しいドッグフードを食べさせてあげたいですよね。
ただ、ドッグフードと言っても今では非常に多くの種類があり、どれを買ったらいいのか悩んだり、値段がどれぐらいするのか気になるところでしょう。
この記事では、ドッグフードにかかる費用について解説していきます。ドッグフード代のほかに必要となる費用についてもお伝えしていくので、最後まで目を通してみてくださいね!
この記事の結論
- 犬の食事は3種類あり、シェア率が最も多いのはドライフード
- 犬の食事代は体の大きさ等によって異なり、小型犬と大型犬では約3倍の差がある
- 犬の食事代は定期購入など、工夫次第で安く抑えることも可能
- 愛犬との生活には食事代以外に、おやつ代や予防接種代、ペット保険料も必要
獣医師/登録販売者
動物病院やペットオーナー向けのセミナーや相談会の経験を活かし、愛犬や愛猫との暮らしをサポートをするため株式会社を設立。
目次
犬の食事代はサイズや犬種により大きく変わる

犬は「超小型犬、小型犬、中型犬、大型犬」に分類され、その中でもさまざまな犬種に分かれます。
当然ながら体の大きさは違ってきますし、年齢によって食べる量も変わるため食事代はそれぞれ異なってきます。
1か月、年間でどれぐらいの費用がかかるのか、犬のサイズごとに見ていきましょう。
超小型犬で1か月にかかる食事代は約1,000円~3,000円
食事代/月 | 約1,000円~3,000円 |
食事代/年 | 約12,000~36,000円 |
食事回数の目安 | 1日2回 |
超小型犬は成犬体重が4kg以下の犬のことで、「トイ・プードル、ポメラニアン、チワワ」などです。
比較的値段が安いドッグフードなら1,000円前後、無添加や原材料が良質なものであれば3,000円以上はかかるでしょう。
食事の回数が1日に1回だと、空腹の時間が長過ぎたり胃腸への負担になる場合があるので、1日に2回を目安にしましょう。
小型犬で1か月にかかる食事代は約2,500円~7,000円
食事代/月 | 約2,500円~7,000円 |
食事代/年 | 約30,000円~84,000円 |
食事回数の目安 | 1日2回 |
小型犬は成犬体重が10kg未満の犬のことで、「パグ、ミニチュア・シュナウザー、ペキニーズ」などが該当します。
安価なドッグフードであれば2,500円前後で購入できますが、質のいいものを求めると倍以上の値段が必要になるでしょう。
体の小さな小型犬では、消費カロリーより摂取カロリーが上回って肥満になりやすいため、ごはんの与えすぎは避けてください。
中型犬で1か月にかかる食事代は約4,500円~13,000円
食事代/月 | 約4,500円~13,000円 |
食事代/年 | 約54,000円~156,000円 |
食事回数の目安 | 1日2回 |
中型犬は成犬体重が10kgから25kg未満の犬のことで、「ボーダー・コリー、ビーグル、フレンチ・ブルドッグ」などです。
値段が安いドッグフードであれば約4,500円、不要な添加物を極力使用していないような高品質なものだと約13,000円かかることも。
体重や製品などによって食事量は異なりますが、中型犬の1日の食事の目安量は約150g〜400gほどです。
もし食事回数が少ないと感じるのであれば、ふやかしてボリュームアップさせてあげるのもひとつの方法です。1日に必要な摂取カロリーは超えないように、しっかりと調整してあげましょう。
大型犬で1か月にかかる食事代は約6,000円~18,000円
食事代/月 | 約6,000円~18,000円 |
食事代/年 | 約72,000円~216,000円 |
食事回数の目安 | 1日2~3回 |
大型犬は成犬体重が25kg以上の犬のことで、「秋田犬、ゴールデン・レトリーバー、ロットワイラー」などです。
大型犬ともなると体も大きいので1日の食事量は多くなり、栄養価の高い無添加のドッグフードとなると値段も非常に高くなるでしょう。
食事の量が少なすぎても栄養失調になる可能性がありますし、多すぎても肥満の原因になるので、愛犬に合った摂取量を把握してあげてください。
犬の生涯食費シミュレーション:愛犬との豊かな暮らしを経済的に計画する

愛犬との生活は喜びにあふれていますが、生涯にわたる飼育費用、特に「食費」は想像以上に大きな金額になります。
ここでは、犬の平均寿命とサイズ別の月間食費データに基づき、生涯にかかるおおよその食費をシミュレーションし、グラフのようなイメージで視覚的に提示します。
シミュレーションの前提
- 平均寿命: 超小型犬と小型犬は15年、中・大型犬は14年と仮定します。実際には、犬種や個体差により寿命は異なります。
- 月間食費: 一般社団法人ペットフード協会が行った調査データ(2024年分)を参考にします。(ドッグフード+おやつ代)
- 超小型犬: 月間平均 4,967円
- 小型犬: 月間平均 5,922円
- 中・大型犬: 月間平均 7,925円
サイズ別 生涯食費の計算結果
上記の前提に基づくと、愛犬の生涯にかかる食費は以下のようになります。
- 超小型犬の場合
- 年間食費: 4,967円/月 × 12ヶ月 = 59,604円
- 生涯食費(15年間): 59,604円/年 × 15年 = 約 894,060円
- 小型犬の場合
- 年間食費: 5,922円/月 × 12ヶ月 = 71,064円
- 生涯食費(15年間): 71,064円/年 × 15年 = 約 1,065,960円
- 中・大型犬の場合
- 年間食費: 7,925円/月 × 12ヶ月 = 95,100円
- 生涯食費(14年間): 95,100円/年 × 14年 = 約 1,331,400円
犬のサイズ別食費想定
小型犬から大型犬へ向かうにつれて食費が階段状に増加していく様子が一目で分かります。特に中・大型犬の食費は超小型犬の約1.5倍にもなるため、その差が明確に視覚化されます。
生涯食費で比較すると、その金額の大きさがより際立ち、長期的な経済的負担を具体的にイメージできるでしょう。
このシミュレーションから分かること
- 長期的な視点の重要性: 愛犬の食費は月々ではそれほど大きく感じなくても、生涯を通して見ると数十万円から百数十万円にもなる非常に大きな費用です。
- サイズによる負担の違い: 犬の体が大きくなるほど、必要とする食事量も増え、それに伴い食費も顕著に増加します。犬を飼う前に、どのサイズの犬種を選ぶかという点で、将来的な経済的負担を考慮することが重要です。
- 計画的な資金準備の必要性: このシミュレーションはあくまで食費のみの概算ですが、これに医療費、トリミング代、おもちゃ代などが加わることを考えると、愛犬との生活には計画的な資金準備が不可欠であることが理解できます。
このシミュレーションを通じて、ユーザーは愛犬を迎えることの経済的側面をより深く理解し、賢いペットライフを送るための準備を始めるきっかけとなるでしょう。
ドッグフードの種類は大きく分けて3種類ある

ドッグフードの定番といえば、ほとんど水分を含んでいないドライフード(カリカリ)の存在です。
そのほかには、ソフトドライやセミモイストと呼ばれる半生タイプに加えて、もっとも水分量の多いウェットフードがあります。
これらの主な違いは、各ドッグフードにどの程度の水分量が含まれているか、といったポイントです。

一般的には水分が含まれていることでドッグフードの香りが強くなり、嗜好性は高くなることが多いです。
それぞれ水分の含有量や与えやすさ、食べるボリュームなど特徴は異なるので、順番に見ていきましょう。
ドライフードは最も主流なフード
水分含有量が約10%以下で、最も主流なドッグフード。固形状のものがほとんどで、硬いことから「カリカリ」と呼ばれることも多いですね。
ドライフードの最大のメリットは、ラインナップが豊富で長期保存ができることです。
また、小分けにできたりフードボウル(ご飯入れ)に入れて与えるだけなので、手間がかからないこともポイントでしょう。
ただしドライフードから水分を摂取することは難しいため、愛犬にしっかり水分を摂らせてあげる必要があります。
フードボウルに入れたドライフードをお湯でふやかしてから与えれば、水分も同時に摂れてボリュームも増しますよ。
ソフトドライやセミモイストはドライとウェットのいいとこ取り
ソフトドライやセミモイストと呼ばれるものは、水分含有量が約25%~35%のドッグフードのことです。
半生タイプ、半生フードと呼ばれることもあり、大きな違いは製造過程で加熱発泡処理がされているかされていないかです。
種類 | 加熱発泡処理 | 硬さ | 香り |
---|---|---|---|
ソフトドライ | 処理済み | ドライフードよりしっとり柔らかい弾力 | 強い |
セミモイスト | 未処理 | ソフトドライより硬く噛みごたえがある | 強い |
どちらも風味が強いので食いつきがよく、水分摂取もできる点が大きなメリットです。
一方で、保水や腐敗防止のために添加物を含有しているので、気になる場合は原材料を確認したほうがいいでしょう。
未開封の状態なら数か月~2年程度持つものが多いですが、開封後は約1週間しかもたないので注意が必要です。
ウェットフードは食事と同時に水分補給もできる
水分含有量が約75%もあるので、ウェットフードを与えることで効率よく水分補給ができることが特徴。ニオイが強いことから食いつきがよく、柔らかくて食べやすいこともポイントです。
水を飲んでくれなかったり、あまりご飯を食べない愛犬におすすめのフードですが、開封後は品質の劣化が早いので1日以内に与えきる必要があります。
ただし、ウェットフードは総合栄養食でないものもあり、その場合は栄養バランスが崩れてしまうので主食として与えないよう注意しましょう。
犬の食事の購入率はドライタイプが圧倒的に多い
一般社団法人ペットフード協会の全国犬猫飼育実態調査によると、主食のドッグフードのタイプはドライフードが平均70%と圧倒的なシェアを占めています。
続いてウェットフードが約10%、ソフトドライとセミモイストの半生タイプが約7%となっています。ドライフードの割合が多い理由は、種類が豊富であることから愛犬に合ったフードを選びやすいからでしょう。
ドライフードの場合は水分をほとんど含んでいないため、長期保存がしやすいという点も、飼い主さんにとっては助かるポイントです。
加えて、ホームセンターやディスカウントストアなどで手軽に買えることも考えられますね。現代ではフレッシュフードなど、餌としてではなく、新鮮な食事として愛犬にも食生活を楽しんでもらえるものも増えてきています。
しかしドライフードに比べれば価格は高くなる傾向にあるため、まだまだこの流れが浸透しきっているわけではありません。
犬の食事代を安く済ませる方法

愛犬と一緒に生活していく中でドッグフードは必ず必要になるものですが、できるだけ安く抑えたいと考えている人もいるでしょう。
もちろん高いよりも安い方が良いでしょうが、ただ安ければ良いというものではありません。
食事は体の健康を維持するうえでとても重要な要素なので、安さだけを重視するというのはおすすめできないのです。
値段が安いドッグフードを買う
犬の食事代を少しでも安く済ませたいのであれば、値段が安いものを選ぶということになるでしょう。
ドッグフードは高品質であるほど値段は高くなりますが、値段が安いからと言って必ずしも低品質ではあるとは限りません。
1kgあたり1,000円程度のドッグフードでも食いつきがいいものもあるでしょう。
ただし、「安いドッグフードは消化が良くなかったり、人工添加物が多く使われているものが多い傾向にある」ことを理解しておいてください。

人工添加物は、成分によっては愛犬の体に影響が出るものもあります。そのことを理解したうえで、パッケージの原材料とともに公式サイトもしっかりとチェックするようにしましょう。
超小型犬、小型犬を飼う
先ほど犬の食事代はサイズや犬種によって変わることを解説しました。
大型犬は超小型犬の約6倍もの食事代が必要になり、おやつ代やその他の費用に関してもそれなりの費用がかかります。
超小型犬や小型犬の方が食費を抑えられる傾向があるため、こういった費用面もあわせて考えた上で、お迎えする犬種を選択するのもおすすめです。
日本では居住スペースも広く確保しづらい国なので、室内飼いが主流になってきている現在、大型犬よりも小型犬の方が好まれています。
大容量のものを買う
一般的に1商品あたりの内容量が少ない場合にはコスパが悪くなりがちで、大容量になればなるほどコスパが高くなる傾向にあります。
そのため、ドッグフードを購入する際には、大容量のものを初めから購入しておくことで価格を抑えられます。
ただ、ドッグフードにも賞味期限があるため、開封したものは早めに食べきる必要があります。賞味期限がきれないよう、管理する必要が出てくるでしょう。
大容量パックのものでも、中で小分けにされているものを選んだり、ドッグフードが劣化しづらいような保管方法を選ぶことが大切です。
定期便で購入する
定期便で購入することによって、割引が受けられることもあるため、これも選ぶ基準になるでしょう。
ドッグフードの定期便は昨今とても増えてきており、公式サイトはもちろんのこと、Amazonなどからも定期便で購入できるものが増えてきました。
「愛犬にはこのドッグフード」と決まっているようであれば、毎回購入する手間なども考えて定期便にすると楽ちん。
手間がかからないだけではなく、定期便購入にすることで受けられる割引を上手に活用しましょう、
犬の食事の適正量について

愛犬の食事量は少なすぎても多すぎても健康に影響するため、飼い主が調整してあげる必要があります。
しかし、実際にどのぐらいの量を与えればいいのか悩んでしまいますよね。
食事の量は肥満度合いにも関わる部分なので、食事の目安量やカロリーについてお伝えします。
パッケージに記載してある目安量を確認する
ペットの体重や年齢によって与えるドッグフードの量は、飼い主が調整してあげなければいけません。
まず、与えているドッグフードのパッケージに記載されている給与量を確認しましょう。
ただし、ここに記載されているのはあくまで体重を元に設定された「目安量」になります。
最初は目安量で与えてみて、愛犬の体重が増減していないか、適切な腰のくびれがあるかなどを確認しながら、愛犬に合った食事量へと調整してあげてください。

必要であればフードの量を少しずつ調整してあげましょう。自分で判断するのが難しいと感じたら、獣医師さんに相談してみるといいですよ。
おやつのカロリーも考慮する
愛犬におやつを与える場合、1日に必要な摂取カロリーの10~20%をおやつの量にすることが望ましいです。
例えば3kgの犬の場合、約25kcal〜30kcalを目安におやつを与えるといいでしょう。
目安量は年齢や生活スタイルによっても異なります。主食となる食事の量を減らさずにおやつを与えてしまうと、肥満になることも考えられますので注意してください。
個別に必要な量を計算したい場合
ご参考までに、愛犬の状況に応じた計算ができるよう、フード量の計算機をご用意しました!
子犬や成犬、去勢・避妊手術をした愛犬に適したフード量も割り出せるので、ぜひご活用ください。
活動係数
愛犬の1日あたりのフードの量
g
2回に分けて与える場合 g/1回
3回に分けて与える場合 g/1回
4回に分けて与える場合 g/1回
愛犬の1日あたりに必要なカロリー
kcal
愛犬の食事は体調に合わせて選ぼう

ドッグフードにはさまざまな種類があり、さらに愛犬のサイズや犬種によっても適したものは異なってきます。
選んだドッグフードによっては、それなりの費用を負担することになるかもしれません。
しかし、一緒に過ごす愛犬に少しでも長く生きてもらうためにも、ドッグフードを値段だけでは決めることは得策ではありません。
健康的に長生きしてもらうためには、健康的な食事がとても大事。良質なドッグフードを選ぶことで、愛犬も健康的に生活することができ、病気や怪我を予防することもできます。
愛犬の体調や体重をしっかりと管理しながら、愛犬にとって適切となるドッグフードを選んであげるようにしましょう。
この記事の執筆者・監修者
獣医師/登録販売者
獣医師のほか、登録販売者、薬膳・漢方検定の資格を保有。
動物病院やペットオーナー向けのセミナーや相談会の経験を活かし、愛犬や愛猫との暮らしをサポートをするため株式会社を設立。
現在は、おてんばなキャバリアと生活中。
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nademo編集部
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