人間にとっての1年は犬にとって約4年分の意味を持ち、1歳以降は1年に4歳の歳を取ります。
時間の流れが人間とは異なるため、人間よりも短い期間しか生きられませんが、寿命は少しずつ伸びてきています。
安全に生きられる環境、美味しく健康的な食事、そして飼い主さんの正しい飼い方の知識など、多くの要素がポイントです。
しかし、生まれ持って長くは生きづらい特徴のある犬種も存在するため、今回は寿命の短い犬種についてご紹介していきます。
この記事の結論
- 犬の平均寿命は14~15歳ほどで、平均寿命は年々と上昇傾向にある
- 一般的に大型犬は平均寿命が短い傾向にあり、遺伝性疾患も多く見られる
- 長生きするためには、健康的な食事や環境、生活の構築が必要不可欠
- 日頃から愛犬とのコミュニケーションを取り、体や行動の変化に気づけるようにしておく
目次
犬の平均寿命は14~15歳

最新の調査によると、犬の平均寿命は全犬種あわせて14.90歳となっており、年々上昇傾向にあります。
約15年前に比べると約1歳程度は平均寿命が伸びていることになり、これは超小型犬から大型犬まで全て同じ傾向。
ほぼ毎年のように平均寿命は伸びてきているため、今後もまだ長生きしてくれる傾向にあると言えるでしょう。
ただ、超小型犬と大型犬では平均寿命も違い、かかりやすい病気なども異なります。これらを加味して、平均寿命が短い犬種にはどんな特徴があるのかをご紹介します。
寿命が短い犬種の特徴

平均寿命が短い犬種にはある程度の傾向があり、主に大型犬であるということが広く知られています。
ただ、体が大きいからという理由だけではなく、遺伝性疾患なども原因のひとつです。
大型犬
一般的に小型犬や超小型犬と比べると、中型犬や大型犬は少し平均寿命が短い傾向にあります。
もっといえば中型犬よりも大型犬の方が平均寿命は短くなりがちで、大型犬は特に短い傾向にあるのです。
体が大きいことによって心臓や関節などに負担をかけやすく、なおかつ老化の進行も小型犬などと比べて早くなっています。
例えば小型犬や中型犬は1歳以降、1年に4歳の歳を取りますが、大型犬は1歳以降、1年に7歳の歳を取ります。
仮に20年生きたとすると、小型犬や中型犬は人間年齢で96歳ほどですが、大型犬は145歳にもなるのです。
体の大きな犬種が短命である理由
一般的に体の大きな動物は、体の小さな動物よりも長生きする傾向にあり、これは犬猫とハムスターやフェレット、モルモットなどを比べればわかることです。
しかし、犬に関して言えば、小型犬よりも大型犬の方が寿命は短い傾向にあります。これはいくつかの理由があるとされていますが、成長スピードや臓器の大きさなどが影響していると言われています。
成長スピード | 小型犬より大型犬の方が成長スピードが速い |
臓器の大きさ | 体の大きさに対して、臓器のサイズが小さい |
基礎代謝 | 基礎代謝が高いため、体へのダメージが大きい |
細胞分裂 | 細胞分裂の回数が多く、がん発生率が高くなる |
これらの理由があり、犬に限って言えば小型犬よりも大型犬の方が短命の傾向にあるのです。
遺伝性疾患がある
どのような犬種であっても純血種は特に遺伝性疾患を持っているケースが多く、生活次第では寿命に影響することがあります。
特に大型犬は成長の過程においても注意すべき病気がたくさんあり、生まれつきリスクの高い病気も複数ある点には注意が必要。
遺伝性疾患は必ず持っているものではないものの、体が大きい以上は体に負担をかけやすい身体構造になっています。
体に大きな特徴がある
体の大きさの割に手足が短かったり、体が大きく成長しすぎてしまうと、体を支えきれなくなります。
適度な運動は肥満予防のためにもストレス発散のためにも必要な一方で、体が重く苦手とする子もいます。
かといって激しい運動をすると関節や骨に負担がかかってしまうなど、さまざまな部分にハードルを感じることでしょう。
体の大きさに対して臓器が適したサイズにまで成長しないことなども、体に負担を与える要因のひとつと言われています。
寿命が短い犬種12選
No | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
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犬種 | イングリッシュ・ブルドッグ | ボルドー・マスティフ | ナポリタン・マスティフ | グレート・デーン | ロットワイラー | セント・バーナード | アイリッシュ・ウルフハウンド | バーニーズ・マウンテン・ドッグ | ブルマスティフ | レオンベルガー | ボルゾイ | ニューファンドランド | |
原産地 | イギリス | フランス | イタリア | ドイツ | ドイツ | スイス | アイルランド | スイス | イングランド | ドイツ | ロシア | カナダ | |
抜け毛 | 多い | 多い | 少ない | 多い | 多い | 多い | 平均的 | 多い | 多い | 多い | 多い | 多い | |
毛質 | ダブルコート | スムースコート | スムースコート | シングルコート | スムースコート | ダブルコート | ダブルコート | ダブルコート | スムースコート | ダブルコート | ダブルコート | ダブルコート | |
毛色 | スマット,ブリンドル,レッド,フォーン,ファロー,ホワイト,パイド | フォーン,マホガニー,イザベラ,レッド | グレー,ブラック,ブラウン,フォーン,ディープ・フォーン | フォーン&ブリンドル,ハールクイン&ブラック,ブルー,ブラック,ブリンドル,フォーン | ブラック&タン | レッドブラウン,ブラウンイエロー | グレー,ブリンドル,レッド,ブラック,ピュア・ホワイト,フォーン | トライカラー | ブリンドル,フォーン,レッド | ライオン・イエロー,レッド,レディッシュ・ブラウン,フォーン,クリーム | ホワイト,レッド,グレー,ブラック,ブリンドル,フォーン | ブラック,ホワイト&ブラック,ブラウン | |
サイズ | 体高:男の子 | 30cm~41cm | 59cm~70cm | 65cm~75cm | 80cm以上 | 61cm~68cm | 70cm~90cm | 81cm~86cm | 64cm~70cm | 63.5cm~68.5cm | 72cm~80cm | 75cm~85cm | 71cm |
体高:女の子 | 30cm~41cm | 57cm~68cm | 60cm~68cm | 72cm以上 | 56cm~63cm | 65cm~80cm | 71cm以上 | 58cm~66cm | 61cm~66cm | 65cm~75cm | 68cm~78cm | 66cm | |
体重:男の子 | 25kg | 50kg以上 | 60kg~70kg | 50kg~90kg | 43kg〜60kg | 64kg~82kg | 54.5kg以上 | 38kg~50kg | 50kg~59kg | 54kg~77kg | 34kg~48kg | 68kg | |
体重:女の子 | 23kg | 45kg以上 | 50kg~60kg | 45kg~70kg | 38kg〜52kg | 54kg~64kg | 40.5kg以上 | 36kg~48kg | 41kg~50kg | 45kg~61kg | 25kg~41kg | 54kg | |
平均寿命 | 8歳~10歳 | 5歳~8歳 | 7歳~9歳 | 7歳~10歳 | 8歳~10歳 | 8歳~10歳 | 6歳~8歳 | 6歳~8歳 | 8歳~10歳 | 8歳~9歳 | 7歳~10歳 | 8歳~10歳 | |
なりやすい病気 | 皮膚炎,チェリーアイ,突顎,閉塞性気道,短頭種気道症候群,尿路結石症 | 胃拡張捻転症候群,股関節形成不全,肘関節形成不全,てんかん,拡張型心筋症 | 股関節形成不全,外耳炎,胃拡張捻転症候群,肥大型心筋症,横隔膜ヘルニア | 胃拡張捻転症候群,股関節形成不全,拡張型心筋症,先天性心疾患,ウォブラー症候群 | 股関節形成不全,骨肉腫,胃拡張捻転症候群,外耳炎 | 拡張型心筋症,胃拡張捻転症候群,股関節形成不全,外耳炎,皮膚炎,白内障 | 股関節形成不全,胃拡張捻転症候群,拡張型心筋症,白内障,骨肉腫 | 股関節形成不全,進行性網膜萎縮症(PRA),胃拡張捻転症候群,熱中症,皮膚炎 | 胃拡張捻転症候群,レッグ・カルベ・ペルテス病,股関節形成不全,耳疥癬症 | 股関節形成不全,胃拡張捻転症候群,皮膚炎,白内障 | 胃拡張捻転症候群,外耳炎,進行性網膜萎縮症(PRA),股関節形成不全 | 股関節形成不全,鼓腸症,外耳炎,大動脈弁狭窄症,心室中隔欠損症,拡張型心筋症 | |
参考価格 | 30万円~50万円 | 20万円~50万円 | 30万円~50万円 | 15万円~40万円 | 30万円~50万円 | 15万円~30万円 | 25万円~30万円 | 15万円~30万円前後 | 25万円~40万円 | 30万円~50万円 | 30万円~40万円 | 40万円~50万円 | |
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No.1 イングリッシュ・ブルドッグ

イギリスで闘犬として活躍していたイングリッシュ・ブルドッグは、中型犬の通称ブルドッグです。大型犬ではありませんが、短頭種であることから閉塞性気道や短頭種気道症候群などに注意が必要。
ブサカワとして愛好家はたくさんいる一方で、十分なお手入れが必要な犬種でもあり、飼育ハードルが低くはないのが現状。
体の構造上、病気がちになってしまう犬種なので、平均寿命も中型犬の中では特に短めです。
ブルドッグは、短頭種であることから、呼吸器系の疾患や皮膚疾患にかかりやすいとされています。また、肥満になりやすいため、心臓病や関節疾患のリスクも高いです。
優しく大人しい性格
知らない人にも懐くほど
吠えることはほぼない
適度なお散歩で十分
その他情報
原産地 | イギリス |
犬種グループ | 2G:使役犬 |
大きさ | 中型 |
平均寿命 | 8歳~10歳 |
なりやすい病気 | 皮膚炎,チェリーアイ,突顎,閉塞性気道,短頭種気道症候群,尿路結石症 |
参考価格 | 30万円~50万円 |
被毛
抜け毛 | 多い |
毛質 | ダブルコート |
毛色 | スマット,ブリンドル,レッド,フォーン,ファロー,ホワイト,パイド |
No.2 ボルドー・マスティフ

フランス原産のボルドー・マスティフは、フランスの犬種の中ではもっとも古い犬種のひとつだと言われています。
ドッグ・ド・ボルドーやフレンチ・マスティフといった名前も持っており、数多くの絶滅の危機を乗り越えて現存しています。
もともとは闘犬として利用されていた犬種ですが、長い歴史の中で現代においては家庭犬になれる性格にまで落ち着きました。
大型犬に多い関節疾患に加えて、皮膚疾患も多く見られる犬種であるため、頻繁にケアが必要になります。
用心深く勇敢で番犬気質
家族に対して愛情深い
警戒時に吠えることがある
穏やかだが毎日の運動が必要
その他情報
原産地 | フランス |
犬種グループ | 2G:使役犬 |
大きさ | 大型 |
平均寿命 | 5歳~8歳 |
なりやすい病気 | 胃拡張捻転症候群,股関節形成不全,肘関節形成不全,てんかん,拡張型心筋症 |
参考価格 | 20万円~50万円 |
被毛
抜け毛 | 多い |
毛質 | スムースコート |
毛色 | フォーン,マホガニー,イザベラ,レッド |
No.3 ナポリタン・マスティフ

ナポリタン・マスティフはとてもいかつい見た目をしている、イタリア原産の大型犬です。
闘犬として利用されていた犬種で、闘犬自体が禁止されてからは番犬や警察犬として活躍しています。
皮膚がたるんでおり恰幅がよく、体長よりも体高の方が大きい身体的特徴となっています。
闘犬ではあったものの攻撃性は特になく、体重の重さに対して足腰の弱さが知られています。
誠実で落ち着いた性格
家族には懐くが、警戒心もある
無駄に吠えることはない
運動はあまり好まない
その他情報
原産地 | イタリア |
犬種グループ | 2G:使役犬 |
大きさ | 大型 |
平均寿命 | 7歳~9歳 |
なりやすい病気 | 股関節形成不全,外耳炎,胃拡張捻転症候群,肥大型心筋症,横隔膜ヘルニア |
参考価格 | 30万円~50万円 |
被毛
抜け毛 | 少ない |
毛質 | スムースコート |
毛色 | グレー,ブラック,ブラウン,フォーン,ディープ・フォーン |
No.4 グレート・デーン

「優しい巨人」との異名を持つグレート・デーンは、アイリッシュ・ウルフハウンドと並んでトップクラスの体高を持つ犬種です。
ドイツが原産地となっており、巨大ではありながらも性格はとても穏やかで優しいというのが魅力的。
基本的に適切なしつけを受けている個体であれば、ほかの動物や小さい子供とも仲良くできるのがさらなる魅力です。
胃拡張捻転症候群や股関節形成不全になりやすく、先天性心疾患などのリスクも考えられます。
穏やかで忠誠心が高い
非常に懐きやすい
ほとんど吠えることはない
スタミナが豊富で、十分な運動が必要
その他情報
原産地 | ドイツ |
犬種グループ | 2G:使役犬 |
大きさ | 大型 |
平均寿命 | 7歳~10歳 |
なりやすい病気 | 胃拡張捻転症候群,股関節形成不全,拡張型心筋症,先天性心疾患,ウォブラー症候群 |
参考価格 | 15万円~40万円 |
被毛
抜け毛 | 多い |
毛質 | シングルコート |
毛色 | フォーン&ブリンドル,ハールクイン&ブラック,ブルー,ブラック,ブリンドル,フォーン |
No.5 ロットワイラー

ドイツ原産のロットワイラーは小さめの大型犬といった印象の犬種で、大きすぎない体躯をしています。
最古の犬種のひとつでもあり、大きすぎない体躯でありながら力強く、耐久性だけでなく俊敏性も持ち合わせています。
警備犬として非常に優秀なため、家だけでなくお金を守るためにも利用されていた優秀な犬種。
特に腫瘍疾患にかかりやすい犬種として知られており、骨肉腫やリンパ腫など、早期発見早期治療が必要不可欠です。
素直で飼い主に忠誠を誓う
警戒心がやや強いため時間がかかることも
番犬であったため吠えやすい
強い力と優れた俊敏性を持つ
その他情報
原産地 | ドイツ |
犬種グループ | 2G:使役犬 |
大きさ | 大型 |
平均寿命 | 8歳~10歳 |
なりやすい病気 | 股関節形成不全,骨肉腫,胃拡張捻転症候群,外耳炎 |
参考価格 | 30万円~50万円 |
被毛
抜け毛 | 多い |
毛質 | スムースコート |
毛色 | ブラック&タン |
No.6 セント・バーナード

非常に大きな体高は最大90cmクラス、そして体重は最大80kgクラスと、非常に大きな体を持っています。
スイスを原産地とする犬種で、祖先は軍用犬として活躍していたり、セント・バーナード自体は介助犬として活躍しています。
雪山の救助犬としても活躍しているのは、寒い国でも生きていけるだけの厚い被毛を持っているため。
基本的に動くことは嫌いではない一方、被毛が厚く肥満が分かりづらいため、食事量や運動量に注意が必要です。
優しく穏やかな性格
飼い主に懐きやすい
攻撃性が低いので吠えにくい
運動量が多いので十分な散歩が必要
その他情報
原産地 | スイス |
犬種グループ | 2G:使役犬 |
大きさ | 大型 |
平均寿命 | 8歳~10歳 |
なりやすい病気 | 拡張型心筋症,胃拡張捻転症候群,股関節形成不全,外耳炎,皮膚炎,白内障 |
参考価格 | 15万円~30万円 |
被毛
抜け毛 | 多い |
毛質 | ダブルコート |
毛色 | レッドブラウン,ブラウンイエロー |
No.7 アイリッシュ・ウルフハウンド

アイリッシュ・ウルフハウンドは全犬種の中で、トップクラスの体高を誇る非常に体の大きな犬種です。
アイルランドが原産の犬種となっており、粗く硬い被毛とサイトハウンドならではの狩猟力が魅力。
主にオオカミを狩るために活躍してきていた犬種で、その役割とは裏腹に穏やかな性格をしています。
大型犬によく見られる股関節形成不全や胃拡張捻転症候群に加え、骨肉腫などにも注意が必要です。
優しく穏やか
飼い主に従順で友好的
あまり吠えない
運動好きでパワフル
その他情報
原産地 | アイルランド |
犬種グループ | 10G:視覚ハウンド |
大きさ | 大型 |
平均寿命 | 6歳~8歳 |
なりやすい病気 | 股関節形成不全,胃拡張捻転症候群,拡張型心筋症,白内障,骨肉腫 |
参考価格 | 25万円~30万円 |
被毛
抜け毛 | 平均的 |
毛質 | ダブルコート |
毛色 | グレー,ブリンドル,レッド,ブラック,ピュア・ホワイト,フォーン |
No.8 バーニーズ・マウンテン・ドッグ

優しく従順でやんちゃな面も持ち合わせている、スイス原産のバーニーズ・マウンテン・ドッグ。
家族との触れ合いを特に好む性格で、基本的に飼い主さんに付き従い、孤独を嫌う傾向にあります。
スイス原産ということもあって寒さには非常に強い犬種ですが、日本の真夏はとても苦手としています。
股関節形成不全や股関節脱臼などのリスクが高く、遺伝性疾患に注意が必要です。
感受性が豊かで優しく温和な性格
飼い主に忠実なのでしつけやすい
吠えることが少ない
とても活発で運動量も多い
その他情報
原産地 | スイス |
犬種グループ | 2G:使役犬 |
大きさ | 大型 |
平均寿命 | 6歳~8歳 |
なりやすい病気 | 股関節形成不全,進行性網膜萎縮症(PRA),胃拡張捻転症候群,熱中症,皮膚炎 |
参考価格 | 15万円~30万円前後 |
被毛
抜け毛 | 多い |
毛質 | ダブルコート |
毛色 | トライカラー |
No.9 ブルマスティフ

主に夜間の防犯のために番犬として作出されたのが、ブルドッグとマスティフの血を受け継いだブルマスティフです。
原産地はイギリスで、純血種として作出されるようになったのは少しあとですが、現在では固定されています。
もともとは夜間に適した毛色になるよう暗めの毛色で作出されていましたが、現在ではブリオンドルやフォーンなど明るめの毛色になっています。
大型犬に多い股関節形成不全に加えて、眼疾患や内分泌系疾患にかかりやすい点には注意が必要です。
物静かな一方で、勇敢さも持ち合わせている
飼い主や家族に対してはとても懐く
番犬だったため、吠えやすい
運動量はそれほど多くない
その他情報
原産地 | イングランド |
犬種グループ | 2G:使役犬 |
大きさ | 大型 |
平均寿命 | 8歳~10歳 |
なりやすい病気 | 胃拡張捻転症候群,レッグ・カルベ・ペルテス病,股関節形成不全,耳疥癬症 |
参考価格 | 25万円~40万円 |
被毛
抜け毛 | 多い |
毛質 | スムースコート |
毛色 | ブリンドル,フォーン,レッド |
No.10 レオンベルガー

ドイツのレオンベルク州の議員がニューファンドランドなどを基礎として作出したのが、レオンベルガーという犬種です。
名前のとおりライオンに似せて作出されている犬種であり、胸元や首周りの被毛が豊富で、たてがみのようにも見えるでしょう。
大型犬ですが家庭犬として非常に優れており、必要時以外では吠えることもなくとても飼いやすい犬種です。
股関節形成不全や肘関節形成不全など、大型犬によく見られる病気にかかりやすい点には注意が必要でしょう。
主人に忠実で落ち着いた性格
飼い主に懐きやすい
あまり吠えない
大型犬なので多めの運動が必要
その他情報
原産地 | ドイツ |
犬種グループ | 2G:使役犬 |
大きさ | 大型 |
平均寿命 | 8歳~9歳 |
なりやすい病気 | 股関節形成不全,胃拡張捻転症候群,皮膚炎,白内障 |
参考価格 | 30万円~50万円 |
被毛
抜け毛 | 多い |
毛質 | ダブルコート |
毛色 | ライオン・イエロー,レッド,レディッシュ・ブラウン,フォーン,クリーム |
No.11 ボルゾイ

ロシアが原産地で高貴な外見をしており、小動物の狩猟が得意なサイトハウンドであるボルゾイ。
非常に俊敏な身体能力を持っている犬種で、走行時速は50km/hというスピードで走ることができる犬種でもあります。
体の線はとても細く足の長い体躯をしていますが、筋肉によって引き締まっており頑丈な体つきです。
遺伝性疾患は少ない方ですが、進行性網膜萎縮症や外耳炎などの眼疾患と皮膚病には特に注意が必要と言われています。
穏やかで友好的な性格
非常に懐きやすい
ほとんど吠えることはない
スタミナと狩りの能力が高い
その他情報
原産地 | ロシア |
犬種グループ | 10G:視覚ハウンド |
大きさ | 大型 |
平均寿命 | 7歳~10歳 |
なりやすい病気 | 胃拡張捻転症候群,外耳炎,進行性網膜萎縮症(PRA),股関節形成不全 |
参考価格 | 30万円~40万円 |
被毛
抜け毛 | 多い |
毛質 | ダブルコート |
毛色 | ホワイト,レッド,グレー,ブラック,ブリンドル,フォーン |
No.12 ニューファンドランド

カナダのニューファンドランド島が原産地ということもあって、そのままの名前がついているニューファンドランドという犬種。
全身はがっしりとした体格をしており筋肉質で、皮脂の多い被毛によって泳ぎも得意です。
さまざまな作業に適した知能と体格を持っている犬種ではありますが、成長スピードは速く寿命は短め。
遺伝的には股関節形成不全がよく見られるだけでなく、心臓病などにも注意が必要な犬種です。
穏やかで慈悲深い
非常に懐きやすい
ほとんど吠えることはない
泳ぐなどの運動を好む
その他情報
原産地 | カナダ |
犬種グループ | 2G:使役犬 |
大きさ | 大型 |
平均寿命 | 8歳~10歳 |
なりやすい病気 | 股関節形成不全,鼓腸症,外耳炎,大動脈弁狭窄症,心室中隔欠損症,拡張型心筋症 |
参考価格 | 40万円~50万円 |
被毛
抜け毛 | 多い |
毛質 | ダブルコート |
毛色 | ブラック,ホワイト&ブラック,ブラウン |
短命な犬種を飼う上でのリスク

「寿命が短い」という事実は、飼い主にとって大きな不安要素です。この不安を解消し、お迎え前の心構えを促すために、短命とされる原因(病気)について、より具体的かつ実践的な対処法を理解しておくと良いでしょう。
寿命が短い犬種に多い病気とそのリスク
寿命が短いとされる犬種は、特定の遺伝的要因や体格に起因する病気にかかりやすい傾向があります。特に注意すべき代表的な病気とそのサイン、予防法について見ていきましょう。
胃捻転(巨大食道症候群)
大型犬や胸が深い犬種に多く見られる、命に関わる緊急性の高い病気です。胃がねじれることで、ガスや食べ物が溜まり、血流が悪化します。
- かかりやすい犬種: グレート・デーン、セント・バーナード、ジャーマン・シェパード・ドッグなど
- 初期のサイン:
- 食べた直後に腹部が膨らみ、固くなる
- 嘔吐しようとするが、何も吐き出せない
- よだれが異常に出る
- 落ち着きがなく、苦しそうにしている
- 予防法:
- 一度に大量の食事を与えず、1日の食事を数回に分けて与える
- 食後すぐに激しい運動をさせない
- 高さのある食器台を使用し、頭を下げずに食事ができるようにする
拡張型心筋症
心臓の筋肉が薄く、拡張してしまう病気で、心不全を引き起こします。大型犬に多く、遺伝的な要因が考えられています。
- かかりやすい犬種: ドーベルマン、グレート・デーン、アイリッシュ・ウルフハウンドなど
- 初期のサイン:
- 咳が頻繁に出る(特に運動後や興奮時)
- 疲れやすく、散歩を嫌がる
- 呼吸が荒い
- 突然失神する
- 予防法:
- 定期的な健康診断で早期発見に努める
- 適切な体重を維持する
- 獣医師と相談しながら、栄養管理を行う
高額な医療費のシミュレーション
寿命が短い犬種は、これらの病気にかかるリスクが高い分、高額な医療費が必要になるケースが多くなります。ここでは、代表的な病気の治療費の目安を提示します。
病名 | 治療内容 | 費用の目安 |
---|---|---|
胃捻転 | 緊急手術、入院、術後管理 | 30万円~70万円 |
拡張型心筋症 | 内服薬による長期的な投薬治療 | 年間15万円~30万円 (生涯にわたる治療が必要な場合が多い) |
がん(悪性腫瘍) | 手術、抗がん剤治療、放射線治療 | 50万円~200万円以上 |
股関節形成不全 | 外科手術、リハビリ、鎮痛剤 | 片足30万円~50万円 |
これらの医療費は一例であり、病状や治療方法、病院によって大きく変動します。例えば、がんは治療が長期化するケースも多く、合計で200万円を超えることも珍しくありません。
備えとしてのペット保険
このような高額な医療費に備えるため、ペット保険への加入は強く推奨されます。 若いうちに加入することで、保険料を抑えられるだけでなく、将来的に病気になった際の経済的な負担を大幅に軽減できます。
愛犬を家族に迎える際は、生涯にわたる経済的な責任を現実的にシミュレーションし、適切な備えをしておくことが大切です。
愛犬に長生きしてもらうためのポイント

平均寿命はあくまでも平均寿命であり、それがどの個体にも当てはまるというものではありません。
長生きしてくれる子であれば20歳まで生きてくれる子もいますし、反対に小型犬でも短い子だっています。
飼い主さんの飼育環境次第で長命にも短命にもなるものなので、できる限り長生きしてもらえるようなサポートをしましょう。
食事、運動、環境を最適に保つ
結局のところ普段からの生活がもっとも大事と言えて、健康的な日々の積み重ねが長寿に繋がります。
美味しく健康的で安全な食事、肥満や痩せすぎを防止しながら体への負担を軽減した運動、そして快適な生活環境です。
これらを徹底しておくことだけでも、余計な病気や怪我を防ぎつつ、生きてもらうことが可能になります。
生きていれば何かしらの病気にかかったり怪我をすることもあるかもしれませんが、それを可能な限り防ぐことが飼い主さんにできることです。
ストレスを溜めず、定期的に健康診断を受ける
全くストレスを溜めない環境作りは簡単ではありません。ですが、ストレスの原因に気づいて解消してあげることは大切です。
犬は人間では感じられないほどの小さな変化であっても、そこにストレスを感じてしまう生き物です。
愛犬が何かしらのサインを出していれば気づいてあげる、そして原因を特定して解消してあげる。これができればストレス対策は最低限できるでしょう。
また、異変があってから気づくというのはもちろんのこと、事前に気づけるような健康診断も必要不可欠です。
人間は1年に1回受けますが、犬とは時間の流れが異なるため、定期的に健康診断を受けて早期発見ができるよう心がけましょう。
触れ合い時間を多く設ける
愛犬の異変に気づくためのポイントは、愛犬のことをどれだけ観察できているかというポイントになるでしょう。
普段から観察して体の特徴や立ち居振る舞いを覚えておくことで、異変があったときに気づきやすくなります。
そのためには普段から触れ合いの時間を多く設けておき、体の特徴なども把握しておくことが大切。
「こんなしこりがあったっけ?」「この部分ってこんなに被毛が薄かったっけ?」といったような気づきが得られます。
早めに気づければ病気の初期段階で治療を開始できるため、普段から愛犬の異変に気づけるような触れ合いの時間を作っておきましょう。
適切なワクチン接種や去勢・避妊手術
ワクチン接種によって予防できる病気は複数あり、義務化されている狂犬病ワクチンはもちろんのこと、感染症を予防するワクチンなどもあります。
感染症などを予防する混合ワクチンでは、致死性の高い病気を予防するものも含まれているため、ぜひ検討してみましょう。
また、去勢・避妊手術によって防げる病気などもあり、妊娠や出産を望まないケースであればおすすめできます。
このように複数の病気を予防する方法はさまざまありますので、かかりつけの獣医師と相談して決めると良いでしょう。
まとめ|健康寿命が伸びてきている今、どんな犬種でも長生きできる
犬種の中では大型犬が特に短命と言われているものの、結局は生活環境や飼い主のサポート次第です。
より短命になる子もいれば、大型犬であっても長命である子もいますので、適切なサポートが必要不可欠。
どんな犬種でも長生きできるような環境が整いつつある今、できることはしっかりと行い、愛犬のサポートをしてあげましょう。
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