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猫はバナナを食べても大丈夫!適切な与え方や量、注意点を解説

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猫はバナナを食べても大丈夫!適切な与え方や量、注意点を解説

「#bananacat」のハッシュタグ付きでTikTokなどのSNS動画で拡散され、インターネット・ミーム化した「バナナキャット(バナナ猫)」。

「ハッピーハッピーハッピー」の歌に合わせて踊ったり泣いたりするバナナの被り物を着た猫は、今やキャラクターグッズになるほどの人気者です。

ところで、バナナって猫に毒ではないの?被っても大丈夫なの?猫にNGなフルーツはいろいろあるけど、バナナは食べさせても平気なの?

今や切っても切れない猫とバナナの関係について、nademo編集部が調べてみました。

この記事の結論

  • バナナは猫に与えても大丈夫な果物だが、必ず与えるべき食材ではない
  • バナナは多くの栄養素をバランスよく含んでいるため、食材としては優秀
  • 猫にバナナを与えるなら果肉部分を少量のみとし、皮や多量には与えない
  • バナナの成分がアレルゲンとなる猫もいるため、全ての猫にとって有益ではない

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バナナは猫が食べても大丈夫な果物

結論から申しあげると、バナナは少しくらいなら猫に食べさせても問題ないフルーツです。猫が中毒を起こすような成分が含まれていないからです。

とは言っても、猫が健康を維持するため、必要な栄養素を摂取するのに欠かせない食品という訳ではありません。

猫には猫の食べ物がありますので、人間用の食べ物でなければいけない理由はないのです。

また、猫に与えてもOKなのは果肉部分のみで、与え方にもいろいろと注意が必要です。

猫にわざわざ与える必要はない

そもそも、猫はバナナが好きなのでしょうか?SNS動画などを視聴すると、中には積極的におねだりする子もいるようです。

ただし、人間にとっては甘くておいしいバナナですが、実は猫の舌には甘味を感じるセンサーがありません。

その分、酸味には敏感です。本来肉食の猫が、主食である肉が腐っているかどうか判断するためではないかと言われています。

ですから、愛猫がバナナを食べると、甘味はまったく感じず、むしろ酸味を強く感じているはずです。そのため、酸味が苦手な子はバナナを好みません。

愛猫が飼い主さんやご家族の食べている物に興味を示すのはよくあることですが、バナナをほしがったら果肉部分をちょっとだけ与えるようにしましょう。

欲しがらない愛猫にわざわざ食べさせる必要はありません。

下手に与えていると「もっと!」状態になることも

前提としてバナナを与えても問題はありませんが、多量のバナナを食べることは推奨されていません。

カロリーが多くミネラル類も多く含んでいるため、猫にとって必要以上に摂取してしまうことがあるからです。

ですが一度バナナの味に慣れて好んでしまったら、「もっともっと!」となってしまうこともあるでしょう。

そんな状態から与えないようにするのは猫にとってもストレスですし、飼い主さんとしても心苦しいでしょう。

バナナに含まれる主な栄養素

バナナは「完全栄養食」とよく言われるように、多くの栄養素をバランスよく含んでいます。

しかも、バナナ(可食部のみ)100gのカロリーは約90kcal。エネルギー源となる糖質を多く含む割には、白米や食パンに比べると低カロリーです。

そのため、カロリー控えめな活力源として、積極的に取り入れるアスリートやダイエッターが多くいます。

ただし、猫がバナナを過剰摂取すると、糖尿病や慢性腎臓病、高カリウム血症(尿道閉塞)の原因となる成分も含まれているので要注意です。

猫が中毒を起こすような成分は含まれていないとは言え、与え過ぎには注意しましょう。

糖質

糖質とは炭水化物から食物繊維を除いたもので、体内で吸収されてエネルギー源となります。主な糖質成分はでんぷん、糖アルコール、オリゴ糖などです。

よく混同されるのですが、糖類とは糖質から多糖類・糖アルコールを除いたものを指します。甘味料として知られる、ブドウ糖、果糖、砂糖などです。

バナナには可食部100g当たりに、でんぷん3.1g、ブドウ糖2.6g、果糖2.4g、ショ糖10.5gが含まれています1 ※1。

タンパク質

タンパク質とはアミノ酸が多数結合した高分子化合物で、筋肉、臓器、血液、皮膚、髪、歯、爪など、体のあらゆる組織をつくるもととなる栄養素です。

タンパク質を構成するアミノ酸は20種類あり、このうち人間や動物が体内で合成できないため、食物からの摂取が必要なものを必須アミノ酸と呼びます。

バナナ可食部100g当たりに1.1gのタンパク質が含まれており、必須アミノ酸で筋肉のエネルギー源となるBCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)も豊富です。

食物繊維

食物繊維とは、小腸で消化・吸収されることなく大腸まで達する成分のことです。

かつては、エネルギー源や体の構成成分にならないため、いわば食物のカスのようなものとして必要な成分とは考えられていませんでした。

しかし、便秘を予防する整腸効果、血糖値上昇の抑制や血中コレステロール濃度の低下などが認められ、今では「第6の栄養素」として重視されています。

食物繊維には、水に溶けない不溶性食物繊維と水に溶ける水溶性食物繊維(可溶性食物繊維)があり、猫の便秘対策には水溶性食物繊維が良いとされます。

バナナ可食部100g当たりに1.1gの食物繊維が含まれており、うち不溶性食物繊維は1.0g、水溶性食物繊維は0.1gとなっています。

ミネラル

ミネラルとは、生物の体を構成する主要な4元素(酸素、炭素、水素、窒素)以外の必須元素を指す総称で、無機質、灰分などとも呼ばれます。

ミネラルは体内合成できないため食物から摂る必要があり、不足すると欠乏症や不調を起こし、過剰に摂取しても過剰症や中毒を起こす恐れがあります。

ミネラルは100種類以上に及びますが、中でも猫の必須ミネラルは以下の12種類とされています。

主要必須ミネラル・カルシウム
・リン
・カリウム
・ナトリウム
・マグネシウム
・塩化物(塩素、Cl、クロール)
微量必須ミネラル・鉄
・銅
・マンガン
・亜鉛
・ヨウ素
・セレン

主要必須ミネラルとは1日の必要摂取量が100mg超のもの、微量必須ミネラルとは1日の必要摂取量が100mg以下のものを指します。

バナナ可食部100g当たりには、カルシウム6mg、リン27mg、カリウム360mg、マグネシウム32mg、鉄0.3mg、銅0.09mg、マンガン0.26mg、亜鉛0.2mg、セレン1μgが含まれています。

なお、キャットフードのパッケージには、ミネラルの総量は「粗灰分」として記載されます。

ポリフェノール

ポリフェノールとは苦味や色素の成分で、ほとんどの植物に存在し、5,000種以上あるとされています。

強い抗酸化作用があり、活性酸素などの有害物質を無害な物質に変える機能性があると、近年注目されている成分です。

猫にとっても、エイジングケアや泌尿器の健康をサポートする成分として、キャットフードなどに配合されるようになりました。

ポリフェノールは栄養素には分類されないので食品標準成分表などにはありませんが、バナナのポリフェノール含有量はブドウやリンゴより高いそうです。

毎日くだもの200グラム推進全国協議会「FACT BOOK -果物と健康-(六訂版)」によると、バナナに含まれるポリフェノールの種類はフラバノール。

フラバノールには抗炎症作用があり、記憶力や認知機能の老化を抑制する作用があるとして注目を集めるポリフェノール成分です。

ビタミン

ビタミンは、生物の生存・生育に必要な栄養素のひとつです。

人間はビタミンCを体内で産生することはできませんが、健康な猫は肝臓内でビタミンCを合成することができます。

けれど、ビタミンA・B1・B2・B6・Dなど、その他のほとんどのビタミンは食事から摂取しなければいけません。

バナナ可食部100g当たりには、以下のビタミンが含まれています。

  • α-カロテン
  • β-カロテン
  • レチノール(ビタミンA1)
  • α-トコフェノール
  • ビタミンB1
  • ビタミンB2
  • ナイアシン(ビタミンB3)
  • ビタミンB6
  • 葉酸
  • パントテン酸
  • ビオチン
  • ビタミンC

α-カロテンとβ-カロテンは体内でビタミンAに変換されるプロビタミンA(ビタミンA前駆体)で、レチノールはビタミンA群の脂溶性ビタミンです。

抗酸化ビタミンとも呼ばれる ビタミンEは4種のトコフェロールと4種のトコトリエノールの化合物で、α-トコフェノールもそのひとつです。

ビタミンB群は猫の体を正常に機能させるのに欠かせない栄養素で、特にB1の必要量が多く、不足すると後足の麻痺を起こすこともあります。

葉酸、パントテン酸、ビオチンはいずれも代謝に欠かせないビタミンです。

猫へのバナナの与え方

飼い主さんがバナナを食べようとすると、必ず「ニャーン」とすり寄ってきて自分も食べたいと要求する愛猫。

可愛い愛猫のおねだりを拒否するのは、なかなかに難しいですね。

バナナは猫にとって有害な成分は含まれていないので、ちょっとぐらいなら以下のような与え方でおねだりに応えてあげてください。

必ず皮を剥いてから与える

人間は前歯と犬歯で食べ物を噛みちぎり、臼歯(きゅうし)と呼ばれる奥歯で食べ物をすりつぶします。

猫にも上下各6本の前歯(切歯)、その両側に上下各2本の大きく鋭い犬歯、さらに奥には上に6本、下に4本の前臼歯、上下各2本の後臼歯があります。

けれど、猫はもともと肉食だったため、前臼歯や後臼歯も先が尖っていて、植物やその繊維をすりつぶすのには適していません。

そのため、バナナの硬い皮やすじを与えると、丸飲みしてしまって喉に詰まらせたり、胃腸で停滞して消化不良を起こしたりというリスクがあります。

また、バナナの皮には農薬が含まれていることもありますので、愛猫に皮を舐めさせるのもNGです。

バナナの皮やすじは必ず取り除いてから、少量の果肉だけを与えましょう。

小さく切ったり、すりつぶしてから与える

猫の奥歯(臼歯)は食べ物をすりつぶすのに適していないため、バナナを与えるときは果肉部分を細かく刻んだりつぶしたりしてから与えましょう。

特に子猫やシニア猫は消化力が低いので、食べさせる際には注意が必要です。

初めてバナナを与えるときは、ほんの少しだけにしましょう。食べさせた後、下痢、嘔吐、湿疹、かゆみなどがあったらすぐ動物病院へ。

また、テーブルの上などにバナナを放置して、愛猫が皮ごと誤食しないように気をつけましょう。

おやつや食欲低下時のトッピングで与える

バナナは必ずしも猫の栄養補給に欠かせない食品という訳ではないので、食事として与えるべきものではありません。

バナナ好きの愛猫にはおやつとして与えるか、食欲がないときのフードのトッピングとして活用するのが良いでしょう。

もちろん、バナナが好きではない愛猫へ、無理やり与えるのは禁止です。

猫にバナナを与えるときの注意点

バナナは猫にとって有害な成分を含んでいないとは言え、与える際には気をつけなければいけない注意点もあります。

皮やすじは与えない、小さく刻むかすりつぶして与える、おやつやトッピング程度の少量に抑える。

…そのほかにも、以下のような点に配慮が必要です。

人用のバナナ加工品は避ける

バナナはさまざまなドリンクやスイーツに加工されていて、人間にとっては魅力的ですが、猫にとっては要注意な添加物が含まれていることもあります。

以下のような加工品は、できれば愛猫に与えるのは避けたほうが良いでしょう。

  • 市販のバナナジュース
  • 市販のバナナケーキ
  • 市販のバナナチップス など

市販の加工品にはたいてい砂糖が使われています。この砂糖に含まれるグルコースという糖分が愛猫の肥満を引き起こし、糖尿病の原因になる可能性があります。

しかも、猫の舌には甘味のセンサーがないため、人間にとって甘味は旨味に通じるおいしさですが、猫にとっては食欲を刺激するものではありません。

勘違いされがちな牛乳も猫には注意が必要

バナナのジュースやスムージーには牛乳を使いますが、猫は牛乳に含まれる乳糖を分解する酵素を持たないため、下痢や嘔吐を起こしがちです。

ジュースやスムージーなどを手作りしてあげる場合は、猫用のミルクを使用しましょう。

バナナケーキに含まれるバターも牛乳が原料で、脂分が多くてコレステロール値が高いため肥満の原因になりやすく、愛猫に与えるのはNG。

バナナチップスはノンフライで合成添加物や調味料が無使用なら、少量をおやつやトッピングするにはOK。近頃はペット用のバナナチップスもあります。

与えるバナナの量は厚さ1cm程度にとどめる

少量ならOKと言っても、具体的にどれくらいの量なら愛猫に与えても大丈夫なのか知りたいですよね。

バナナに限らず、おやつや副食などを与えたら、1日のカロリー摂取量がオーバーしないよう、その分のカロリーを差し引いて食事量を減らします。

子猫に必要な1日の摂取カロリーは体重×200kcal、成猫は体重×80kcalが目安で、おやつや副食を与える量は1日に必要なカロリー摂取量の20%以内と言われます。

仮に体重3kgの成猫なら、3kg×80kcal×20%=48kcal。バナナ1本のカロリーが約90kcalとすると、1日半分が限度。1回分は1cmほどが適量でしょう。

食物アレルギーに注意する

猫も食物アレルギーを起こすアレルゲンは個体によって異なり、バナナの成分がアレルゲンとなる子もいます。

アレルゲンの食物や食材を口にすると、嘔吐、下痢、痒み、皮膚の炎症といった症状を引き起こします。

バナナを食べさせた後、愛猫が体をさかんに舐めたり、噛んだり、引っ掻いたりしていたら、食物アレルギー発症の可能性が。

アレルギーは重症化するとなかなか治りにくいので、すぐ動物病院へ。

また、血液検査と低刺激食や除去食の投与試験により、愛猫のアレルゲンをあらかじめ特定することも可能なので、獣医師に相談してみると良いでしょう。

バナナは常温で与える

最近、冷蔵庫や冷凍庫でバナナを保存し、日持ちさせる方法がネットで紹介されていますが、冷えたバナナを愛猫に与えるとお腹を壊す原因に。

特に冷凍バナナは、あごの小さな猫にとって噛み砕きにくく、喉に詰まらせてしまう危険もあります。

愛猫にバナナを食べさせる場合は、必ず常温で与えましょう。

加熱して与える場合は、人肌以下に冷ます

冷蔵や冷凍されたバナナを、電子レンジなどで解凍・加熱して与えることも可能です。

ただし、熱くなりすぎて愛猫がヤケドしないよう注意。猫舌という言葉通り猫は熱いものが苦手で、食べやすい温度は自分の体温前後の30℃~40℃くらい。

温めて食べさせてあげるなら、人肌以下を目安にしましょう。特に電子レンジは温度ムラができやすいので、刻んだりつぶしたりしながらよく確認を。

バナナを食べた日は丁寧に歯磨きをする

猫は虫歯にはなりにくいのですが、歯周病になりやすく、悪化すると歯の周りの骨が溶けて皮膚に穴が開く「外歯瘻(がいしろう)」にもなりかねません。

粘度や糖度が高いバナナは歯間や歯茎のすき間に付着し、歯周病の原因となりやすいので、愛猫にバナナを与えた後は必ずデンタルケアしましょう。

歯磨き嫌いの成猫になってしまうとなかなか習慣化しにくいので、できれば永久歯に生え変わる生後3か月~半年頃から慣れさせておきたいものです。

持病持ちの子に与える際は獣医師に相談する

カルシウムやリンは愛猫の骨や歯に欠かせないミネラル成分ですが、過剰に摂取すると猫に最も多い疾病のひとつ「慢性腎臓病」を発症しかねません。

腎臓病の猫は低カリウム血症になることがありますが、逆に肝不全や腎不全などでカリウムの排泄が滞ると「高カリウム血症」になることもあります。

また、猫も絶食状態や過度な運動などで低血糖になると糖分を必要としますが、一方で糖分の摂り過ぎは愛猫が肥満しやすく、糖尿病の原因となります。

バナナにはミネラルや糖分が豊富に含まれていますので、持病のある愛猫に与える場合は、必ず前もって獣医師に相談しましょう。

バナナ以外に猫に与えてもいい果物、避けるべき果物

お正月になると、愛猫の頭にみかんを乗せてお供え餅に見立てる写真がSNSにあふれますが、「危険な行為」と警告する獣医師もいらっしゃいます。

みかんなどの柑橘類に含まれるリモネンは猫の肝臓では分解できず、リモネン含有の犬用皮膚剤を使用した経皮吸収による猫の死亡例もあるためです。

とは言っても、果物によって含まれる成分は多種多様で、どれが猫に有害か無害か飼い主さんご自身で判断するのも難しいですよね。

そこで、フルーツ個々の判定例を一覧表にしてみました。

◯は愛猫にとって有害な成分は含まれないとされる果物、×や△は愛猫が中毒を起こしたり、健康を損なったりする可能性のある成分が含まれる果物です。

種類判定
アケビ
×
アセロラ
アボカド×
イチゴ
イチジク×
×
オレンジ
キウイフルーツ
グレープフルーツ×
さくらんぼ
ザクロ×
スイカ
すもも(プラム)×
ドラゴンフルーツ
ドリアン
パイナップル
パッションフルーツ
パパイア×
ビワ
ブドウ×
ブルーベリー、ベリー類
プルーン×
マンゴー×
みかん
メロン
ライチ
りんご
レモン×

上記の×や△の付いた果物は、お皿の上やテーブルに置きっぱなしにして愛猫が誤食しないよう要注意です。

基本的に、肉食動物である猫にとって果物は必要な食材ではないので、食べさせる必要もないと心しておきましょう。

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  1. 参考:文部科学省「食品成分データベース↩︎

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