あまり個体数の存在しない猫種は世界中にたくさんいますが、今回ご紹介するカオマニーもその一種。
カオマニーは個体数が少ないというだけでなく、その影響もあって生体価格の高さでも知られています。
希少価値が高いだけあって知られていることもまだ少ないですが、魅力たっぷりの猫種でもあります。
現在わかっていることを含めて、カオマニーの特徴を詳しくご紹介していきます。
この記事の結論
- カオマニーは非常に希少価値の高い猫種で、生体価格は100万円を超える
- オッドアイで生まれる子も多いため、視覚障害や聴覚障害に注意が必要
- とてもやんちゃな性格の子が多く、多頭飼いにも向いている性格
- ホワイト1色であることが多いため、目だけでなく皮膚へのダメージにも注意
カオマニーの特徴
カオマニーはタイを原産地とする猫種であり、自然発生したタイプの猫種であると知られています。
数百年前から歴史を持つことが知られており、タイ語では「白い宝石」という意味を持ちます。
短毛で全身がホワイト1色というのが一般的で、中にはオッドアイも存在するのがカオマニーの魅力のひとつ。
王族によって飼育され繁殖されてきた猫種なので、生体価格が非常に高い猫種であることも知られています。
好奇心旺盛で遊び好き
誰とでも仲良くなれる
おしゃべり好きで鳴きやすい
運動が大好きで活発
その他情報
| 原産地 | タイ |
| 猫種公認団体 | CFA,TICA,GCCF |
| 大きさ | 中型 |
| 平均寿命 | 10歳~12歳 |
| なりやすい病気 | 視覚障害,聴覚障害,下部尿路疾患 |
| 参考価格 | 100万円~150万円 |
被毛
| 抜け毛 | 少ない |
| 毛質 | シングルコート |
| 毛色 | ホワイト |
| 毛の長さ | 短毛 |
カオマニーの誕生の歴史
カオマニーは古代タイに起源を持つ猫種で、タイを原産地とする猫種の中でも非常に古い歴史を持っています。記述によると1350年頃に書かれた猫詩集の中に情報が残っており、この頃にはすでに存在していたのではないかと考えられています。
タイを原産地とする猫種は、カオマニーの他にもシャムやバーミーズ、コラットなどが有名ですが、カオマニーはほとんど知られていませんでした。
カオマニーが世界的に知られるようになったのは1999年で、アメリカに輸入されたことで北米を中心に繁殖されるようになります。
かつて、タイではホワイト1色同士での交配をしていたことにより、現在のカオマニーでもホワイト1色というのが一般的に。現在ではCFAやTICAにも公認されている猫種ですが、まだまだ個体数は少ない猫種です。
カオマニーの身体的特徴
カオマニーのサイズ(体高・体重)
| 体高 | 30cm~45cm |
| 体重 | 3.6kg~5.4kg |
カオマニーは猫の平均的なサイズ感の猫種で、体重が約4kg前後と中型サイズです。
特別小さいわけでもなく、特別大きいわけでもないので、飼いやすいサイズ感をしています。
カオマニーの毛色・被毛
被毛は毛の短い短毛種で、毛色はホワイト1色というのがカオマニーの特徴です。短毛種なうえにシングルコートなので、抜け毛が多くなくお手入れも簡単です。
とても滑らかな被毛をしているので、抜け毛が少なくても毎日のブラッシングでツヤのある被毛になります。
カオマニーの運動能力
かなりやんちゃなカオマニーは、運動能力もとても高い猫種で、日常的に活発な姿が多く見られるでしょう。
子猫の頃から非常に元気な猫種なので、疲れすぎてしまわないように注意が必要なほど。上下運動も得意なので、キャットタワーなどの設置が必要になります。
カオマニーの性格・習性
カオマニーはとてもやんちゃな性格の子が多いので、飼い主さんとしては少し大変です。
ですがそれがカオマニーの魅力であり、多頭飼いをしている飼い主さんにとっては猫同士の遊び相手になってくれるでしょう。
元気いっぱい活発でやんちゃ
好奇心旺盛で元気いっぱいなカオマニーは、家の中を隅々まで探検して遊びたがる傾向にあります。
探索だけではなくボール遊びも好きですし、猫同士での遊び相手にも最適な猫種と言えます。
ただ、よく鳴いて飼い主さんとコミュニケーションを取りたがるので、環境によっては困るケースもあるでしょう。
社交性が高く、多頭飼いもOK
とても人懐っこく誰とでも仲良くできる性格なカオマニーは、社交性の高さでも知られています。
猫同士での遊び相手としても最適ですし、小さい子供とも活発に遊べるので遊び相手には困らないでしょう。
ただ、遊び好きなだけではなくイタズラ好きな一面もあります。適切なイタズラ対策が必要になります。
カオマニーの平均寿命
現在知られている限りでは、平均寿命は10歳~12歳程度と少し短いと言われています。
遺伝性疾患があるという情報はありませんが、猫種全体の平均寿命から見ても短めです。
カオマニーの注意したい病気
オッドアイもよく生まれるカオマニーは、視覚障害に注意しなければいけません。
代表的なものだと緑内障(りょくないしょう)や進行性網膜萎縮症(しんこうせいもうまくいしゅくしょう)などがあり、最悪のケースでは失明に至ります。
同時に白い被毛を持つ猫種は、聴覚障害に陥りやすく、難聴になることもあると言われています。
猫全般によく見られている下部尿路疾患としては、尿路結石症(にょうろけっせきしょう)についても注意が必要です。
カオマニーの見分け方
カオマニーには特別な身体的特徴があるわけではないため、簡単に見分けることができません。
個体の中にはオッドアイも存在しますが、オッドアイだけで判断するのも難しいでしょう。
カオマニーと同じくタイを代表する猫種
シャム(サイアミーズ)
タイを代表する猫種のひとつであるシャムは、海外ではサイアミーズと呼ばれている猫種です。
非常に人懐っこい性格をしており、飼い主さんによく懐き、常に飼い主さんと行動を共にすることが好き。
活発で動き回ることが得意なうえに、賢いため犬のようなボール遊びもできるという猫種です。
人と触れ合うことが好きな性格
心を開いた相手には懐きやすい
おしゃべり好きでよく鳴く
活発で運動量が多い
その他情報
| 原産地 | タイ |
| 猫種公認団体 | CFA,FIFe,GCCF,TICA |
| 大きさ | 中型 |
| 平均寿命 | 12歳~15歳 |
| なりやすい病気 | 慢性腎臓病,進行性網膜萎縮症(PRA),幽門狭窄,乳び胸 |
| 参考価格 | 15万円~25万円前後 |
被毛
| 抜け毛 | 少ないor多い |
| 毛質 | シングルコート |
| 毛色 | ブルー,シール,ライラック,チョコレート,レッド,トーティ |
| 毛の長さ | 短毛 |
バーミーズ
バーミーズは隣り合うミャンマー(旧ビルマ)やタイのマレー半島で見られた猫種で、自然発生したと言われています。
ただ、現在生息するバーミーズのほとんどはアメリカに輸入された猫が起源だと言われており、自然発生したバーミーズからの子孫は多くありません。
アメリカン・バーミーズとヨーロピアン・バーミーズという2種類が存在し、多少異なった外見の特徴を持っています。
愛情深く、人懐っこい
社交性は平均的で懐く
鳴き声は小さいものの、話し好き
活発ではないものの、遊び好き
その他情報
| 原産地 | ミャンマー,タイ |
| 猫種公認団体 | CFA,FIFe,TICA |
| 大きさ | 中型 |
| 平均寿命 | 13歳~15歳 |
| なりやすい病気 | 前頭鼻骨異形成,低カリウム血症,糖尿病 |
| 参考価格 | 30万円前後 |
被毛
| 抜け毛 | 少ない |
| 毛質 | シングルコート |
| 毛色 | セーブル,シャンパン,ブルー,プラチナ |
| 毛の長さ | 短毛 |
コラット
アユタヤ王朝頃まで起源が遡ると言われているコラットは、ブルー御三家の一種である猫種です。
ブルーグレーの被毛を持っており、イギリスの猫展覧会ではソリッドブルーのシャムとして登場しています。
毛先はややシルバーやホワイトの色が残っており、人懐こくマイペースな性格で知られています。
マイペースで独占欲が強い
社交性がとても高い
欲求が強く鳴くこともある
とても遊び好き
その他情報
| 原産地 | タイ |
| 猫種公認団体 | CFA,FIFe,GCCF,TICA |
| 大きさ | 小型 |
| 平均寿命 | 13歳~15歳 |
| なりやすい病気 | GM1ガングリオシドーシス,GM2ガングリオシドーシス,尿路結石症 |
| 参考価格 | 20万円前後 |
被毛
| 抜け毛 | 少ない |
| 毛質 | シングルコート |
| 毛色 | シルバー・ブルー |
| 毛の長さ | 短毛 |
カオマニーを飼うのに向いている人の特徴

カオマニーは特に飼うのが難しい猫種ではありませんが、少し注意点があります。
その点が飼い主さんの生活習慣と一致していれば、お互いにストレスなく過ごせることでしょう。
お留守番にさせる時間が少ない人
猫との暮らしをしている人は家にいる時間が多くなりがちですが、カオマニーは常に遊び相手が欲しいタイプです。
単独でも過ごすことはできますが、遊べずストレスが溜まってしまいがちな猫種と言えます。
できればお留守番にさせる時間は少なめにしてあげた方が、お互いにストレスなく過ごすことができるでしょう。
多頭飼いを検討している人
もしどうしても家をあけることが多いという人でも、多頭飼いを予定しているならば問題ないでしょう。
すでに他の猫をお迎えしていて、これから新しくカオマニーをお迎えしたいという人に向いています。
猫同士でたくさん遊べるタイプなので、カオマニーと同様に活発なタイプの猫種がおすすめです。
反対に多頭飼いであったとしても、先住猫が大人しいタイプだとストレスになるので注意が必要です。
カオマニーの価格

カオマニーはとても希少価値が高い猫種と言われており、生体価格は100万円~150万円程度と言われています。
個体数が少ない猫種であるだけでなく、王室との関わりもあることから生体価格はどうしても高め。
原産地であるタイ国内やヨーロッパでは見られますが、他の地域ではほとんど出会えることがありません。
生体価格の根拠と目安
カオマニーの生体価格が100万円から150万円、時にはそれ以上となる主要な根拠は、その供給量の少なさにあります。
- 希少性の高さ: タイ王室の血筋を引く歴史を持つ、極めて限られた頭数しか存在しない自然発生種です。
- 価格の目安: 一般的な純血種猫の価格帯が20〜50万円程度であるのに対し、カオマニーは最低でも100万円を超えることが多く、超希少種であることを示しています。
世界・日本国内における供給状況の具体的な表現
カオマニーの希少性は、以下の具体的な状況から裏付けられます。
| 評価軸 | 具体的な状況と表現 | 希少性の根拠 |
|---|---|---|
| 世界的な登録数 | 世界で数百頭程度しか登録されていない極めてマイナーな猫種です。 | 猫種公認団体(CFAやTICA)に公認されてまだ歴史が浅く、国際的なブリーダーの数が非常に少ないため、個体数の増加が進んでいません。 |
| 日本国内の販売数 | 日本国内で販売ルートを持つ専門ブリーダーはごく少数に限られ、ペットショップでの取り扱いはほぼありません。 | 国内で流通しているのは年間数匹レベルと考えられ、購入希望者は海外からの輸入も含めた数年待ちの予約リストに載る必要があります。 |
| 「幻の猫」の所以 | タイ国外に持ち出されたのは1990年代後半に入ってからであり、それまでは門外不出の王室の猫として扱われていました。 | 歴史的背景が「幻の猫」としてのブランド価値と希少性を高めています。 |
健康リスクとの関連性
カオマニーは白い毛色を持つため、オッドアイやブルーアイの個体が多く生まれますが、これは**遺伝的な聴覚障害(難聴)**のリスクを高めます。
- オッドアイと難聴の関連: オッドアイのカオマニーは、目の色によって耳の聞こえ方に違いが出ることがあり、健康面でのリスク管理がより重要になります。
- 健康リスクが価格に反映: 希少なだけでなく、適切なケアと繁殖管理が求められるため、ブリーダーの飼育コストや専門知識のハードルが高いことも、生体価格が高騰する一因となっています。
カオマニーの飼い方

カオマニーをお迎えするとなったら、その特徴的なオッドアイなどの注意点を理解しておく必要があります。
性格的にもやんちゃで活発なので、飼い主さんとの生活に合うかどうかをチェックしておきましょう。
オッドアイ特有の視覚障害・聴覚障害を理解する
カオマニーにオッドアイが多いわけではありませんが、もし愛猫がオッドアイならば視覚障害や聴覚障害のリスクがあります。
視覚障害や聴覚障害は目に見えてわかるような症状ばかりではなく、ふらつきや呼びかけに反応しないといった日頃との違いが症状のひとつになります。
これを理解してあげないと、愛猫の生活は辛いものになってしまうため、飼い主さんがサポートしてあげなければいけません。
特に視覚障害は障害物にぶつかるようにもなり、トイレの失敗回数も増えるのでお互いにストレスがかかりやすいです。
障害による事故の危険性があるため、放し飼いはしない
もし視覚障害や聴覚障害を患ってしまったら、とてもじゃないですが外では生活することができません。
ただでさえ、完全室内飼いが基本になっている現代において、放し飼いは最適とは言えません。
細菌やウイルス、寄生虫への感染リスクが高まりますし、事故にあう危険性も高まってきます。
必ず室内飼いのみに留めておき、少なくとも外で放し飼いをすることがないようにしてください。
遊び好きだが、構いすぎるとストレスになるので適度に留めておく

カオマニーはとても遊び好きでイタズラ好きなやんちゃっ子なので、日頃から遊ぶ時間は多くなりがちです。
しかし難しいのが、意識して構いすぎるとそれがまたストレスになってしまうという難しい猫種。
愛猫の方から構ってほしそうにしたら遊んであげる、それ以外ではそれぞれの時間を過ごす、というのが最適です。
多頭飼いでは猫同士の触れ合いにも注意しなければいけないため、より一層の注意が必要になるでしょう。
十分な運動スペースを用意する

カオマニーと遊ぶ際には活発かつ元気すぎるので、生活スペースをしっかりと作っておいてあげましょう。
遊ぶ際に勢いが良すぎるとモノにぶつかってしまうこともありますし、場合によっては怪我をすることもあります。
十分な運動スペースを確保しておいてあげれば、少しは安心できる環境で遊べるはずですよ。
目や皮膚に悪影響を与えるため、紫外線には注意する
視覚にダメージを与えるのは怪我や病気だけでなく、紫外線についても同様です。
これは目だけでなく皮膚に対してもダメージを与えることになり、ホワイト1色が多いカオマニーにはリスクが高まります。
とはいえ猫は日向ぼっこが好きなので、UVカットフィルムやベッド位置を窓から離すなどの対策が必要です。
ブラッシングは週に2回~3回程度でOK
カオマニーは短毛種でシングルコートなので、もとからあまり抜け毛は多くありません。
ブラッシングについては週に2~3回程度で問題なく、マッサージ込みでやるなら毎日のブラッシングがおすすめです。
歯磨きはきちんと毎日行うことで歯周病予防ができるので、慣れてもらえるように子猫期から始めましょう。
皮脂量は多い方ではありませんが、短毛種でも定期的にお風呂に入れることで抜け毛予防やアレルギー予防ができます。
事前に爪切りを行っておき、定期的なペースでお風呂に入れてあげると清潔な状態を維持できます。
おすすめのキャットフード・アイテム
動物由来のタンパク質をたっぷりと含んだ食事が理想的とされる猫にとって、ワイルドプレイリーキャットレシピはおすすめの一品。
このレシピは広大な草原や澄んだ湖などをイメージして作られており、健康的に育った鶏や七面鳥が主原料。
その他にもニシンやトラウトなどの新鮮な食材を使い、肉、内臓、軟骨、骨などもまとめて使われています。
数多くのアイテムが付いているキャットタワーは、遊び飽きが少なく楽しんでもらえるキャットタワーです。
大型猫でも遊べるぐらいのハイタイプになっているキャットタワーで、上り下りも簡単なバランスの良いタイプ。
低めでも遊べますし上まで登って遊べるため、世代を問わず遊べるというキャットタワーです。
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