「先住猫が寂しくないように」「兄弟同士でお迎えしたい」「野良猫を保護した」そのような理由から、猫の多頭飼いを検討する人も多いことでしょう。
複数の猫と暮らすにあたって気になることはたくさんありますが、その中のひとつがトイレ問題。トイレはどのように用意し使い分ければよいのか、迷ってしまいますよね。
本記事では、猫を多頭飼いする際のトイレ問題について解説します。
この記事の結論
- 猫の多頭飼いをする前に、緊急時に合わせて利用できる部屋の数を確保しておく
- 多頭飼い時のトイレの数は、猫の頭数+1がもっとも理想的
- 猫ごとに好みのトイレがあるため、それぞれ好みのトイレを用意する
- 猫砂との相性も非常に重要で、相性が悪いと排泄しなくなることも
目次
猫の多頭飼いを始める際に注意すること

猫を多頭飼いする際には、単独飼いの際とはまた違った配慮が必要となります。
猫も人間同様にそれぞれ性格・個性があるので、猫たちの性格に合わせて環境を整えていく必要があります。
1匹では気にならないことも、多頭飼いだと愛猫と飼い主さん、それぞれ気になるポイントが出てくるようになります。
たくさんの愛猫たちと暮らせるということは何にも代えがたい魅力ですが、デメリットとなることも必ず理解しておくことが、後悔しない選択になります。
どの猫も快適な生活を送れるよう、しっかりチェックしておきましょう。
快適に過ごせる空間を用意しておく
もっとも初めに考えるべきは、愛猫たちが快適な生活を送れることがなにより重要です。
猫は縄張り意識が強い動物であり、猫同士で一定の距離感が必要となります。特に成猫の男の子同士は、縄張り争いが起きやすいといわれています。
部屋のスペースや部屋数などは十分にあるか、猫たちにとって窮屈だったりストレスがかかる環境でないかよく確認しましょう。
先住猫に高齢の猫がいる場合は、特に注意が必要です。自分以外の別の猫がやってくることは、猫にとって人間が想像している以上に負担がかかります。
ストレスで体調を崩してしまうこともあるので、多頭飼いは慎重に検討しましょう。
部屋の数に合わせた頭数にする
部屋の数に見合った頭数に抑え、むやみに猫を増やすのは控えましょう。一般的に、適切な猫の飼育頭数は「猫が自由に出入りできる部屋数-1」といわれています。
1匹なら2部屋に出入りできること、2匹なら3部屋に出入りできることが理想的です。以下のように地域によっては、一定の頭数を超えると届けが必要になる場合もあります。
また、賃貸や集合住宅の場合も注意が必要です。ペットOKの物件であっても多頭飼いはNGであったり、多頭飼いは可能でも頭数制限が設けられている場合もあります。
自分が住んでいる自治体や物件の条件などをよく確認しましょう。
猫同士の相性が悪いとケンカになりやすい
猫にも人間と同じように性格や相性があり、うまくいかない場合もあります。特に先住猫にとっては「自分の縄張りを邪魔された!」と感じ、威嚇したり攻撃的になることも。
これは猫の本能によるものであり、止めさせることはできません。お迎えしてからしばらくの間は新入り猫をケージに入れたり、別室で過ごさせて様子をみましょう。
もしケンカをし始めても、よほどひどく攻撃しあう様子がなければ止めに入る必要はありません。お互いがぶつかり合うことで、和解できる場合もあります。
ケンカがエスカレートしそうなら制止する
多少のケンカはじゃれ合いと捉えることもできますが、エスカレートして威嚇し合うだけでなく、ひどく攻撃をしかけるようであれば必ず止めましょう。
猫の歯や爪は非常に鋭く、少しパンチをしただけでもケガをしてしまいます。軽くじゃれ合ったり威嚇し合うだけならコミュニケーションの一種として問題ありませんが、愛猫たちがケガをする前に止めてあげましょう。
止める際は大きな音を立てて、猫たちの気を逸らす方法がおすすめです。興奮状態の猫たちの間に入ってしまうと、飼い主さんが攻撃を受けてケガをする恐れがあります。
先住猫がストレスを抱える可能性がある
新入り猫がやってくることが、先住猫にとってはストレスになる場合もあります。特に先住猫がすでに成猫になっている場合は注意が必要です。
成猫は、すでに性格や家の中でのポジションなどが確立されています。猫の性格にもよりますが、新しいことを受け入れづらかったり「自分の縄張りを侵される」と不快に感じる子も多いです。
また、新入り猫のケアに集中してしまうとヤキモチを妬くことも。基本的には先住猫を優先し、猫の中での上下関係を崩さないように気をつけてあげましょう。
先住猫と新入り猫のどちらもストレスを感じることがある
先住猫だけでなく、新入り猫にとっても多頭飼いがストレスになる可能性は考えておきましょう。
先住猫にずっと威嚇され続けたり攻撃的な態度をとられると、新入り猫にとっても負担となります。
飼い主さんとしては「早く仲良くなってほしい!」と感じてしまいますが、愛猫たちのペースを優先してあげましょう。
始めのうちはご飯をあげる場所や生活するスペースを分け、徐々に慣らしていくのがおすすめです。
ご飯のタイミングは同じでOK
複数の猫を同時にお迎えした場合は、ご飯のタイミングは同じでOKです。しかし、先住猫がいる場合は、基本的には先住猫を優先してあげましょう。
新入り猫を優先してしまうと、嫉妬心から問題行動を引き起こすこともあります。
また、一方の猫がもう一方のご飯を横取りしてしまうようなことがあれば、部屋を別にしたりケージの中で与えるなどの工夫をしましょう。
与えるご飯は年齢に合わせたものを選ぶ

愛猫の年齢がそれぞれ違う場合は、フードもそれぞれの愛猫に合わせたものを与える必要があります。
成長段階によって、必要なエネルギー量は異なります。子猫であればこれから体を作っていくためのフード、シニア猫であれば体の衰えをサポートするようなフードが必要です。
年齢の違う多頭飼いの猫同士でごはんを取り合ってしまうと、十分な栄養が得られなくなります。
必要な栄養が不足してしまわないよう、それぞれの猫に合ったフードを与えるようにしましょう。フードを分けるのが難しい場合は、全年齢対応可能のフードがおすすめですよ。
猫の多頭飼いのトイレ数は「猫の頭数+1」が理想

猫を多頭飼いする場合、トイレの数は「猫の頭数+1」を用意するよう、環境省で推奨されています。
猫は非常にキレイ好きな動物のため、自分以外の猫が使ったトイレでは排泄をしたがらない子も。
ひとつのトイレで排泄したあとでも、ほかにもうひとつキレイな状態のトイレがあれば安心して排泄できます。
また、複数の場所にトイレを置くことで、猫自身が自分にとって排泄しやすい場所を選ぶことが可能です。
猫のトイレは基本的に共用しても良い
キレイ好きな猫なので、トイレは1匹ずつ用意すべきかと言えば、そうでもありません。猫のトイレは、複数の猫たちで共用しても問題はないのです。
「猫の頭数+1」の数を守って用意していれば、「このトイレはこの子専用」と分けなくてもOK。飼い主さんが分けようとしても、猫たちは自分たちの好きなトイレで排泄します。
ただし、愛猫たちが自分以外の猫が排泄したトイレを嫌がったり、「自分のトイレを使われたくない!」とケンカをする様子があれば分けましょう。
猫のトイレは静かで落ち着ける場所に設置する
多頭飼いに限らず言えることですが、トイレはなるべく猫が落ち着ける場所に設置しましょう。理想の置き場所は以下のとおりです。
- 静かで人目につかない場所
- 猫の食事場所や寝る場所からは離す
- 臭いがこもらない風通しのよい場所
上記の条件に加え、飼い主さんが排泄に気がつきやすいかどうかも重要です。
飼い主さんの生活スペースからあまりにも離れた場所だと、こまめな掃除ができません。愛猫が落ち着いて排泄ができ、かつ飼い主さんの目に入りやすい場所を探してみてくださいね。
また、トイレの場所は一度決めたら変えないことが重要です。いきなり場所が変わってしまうと、粗相の原因になる場合もあります。
猫の個性に合わせたトイレの設置:快適な排泄環境のために

猫のトイレは、単に排泄をする場所ではなく、彼らにとって安心できる大切なプライベート空間です。
特に多頭飼いの場合や、猫の性格、年齢、健康状態によっては、画一的な「頭数+1個」というルールだけでは不十分なこともあります。
ここでは、猫それぞれの個性を尊重し、快適にトイレを使ってもらうための具体的な設置方法と数の提案をします。
年齢・健康状態に合わせたトイレの配慮
猫の身体能力は年齢とともに変化します。特に子猫や老猫、持病を持つ猫には特別な配慮が必要です。
老猫・シニア猫
加齢に伴い、筋力や関節の柔軟性が低下したり、認知機能が衰えたりすることがあります。
- 段差の低いトイレを選ぶ: 高い縁を跨ぐのが辛くなるため、入り口の段差が低い(数センチ程度) トイレを選びましょう。介護用品として販売されている「猫用介護トイレ」 や、浅いプラスチック製収納ケースなどを代用することもできます。
- トイレの数を増やす: 認知症などでトイレの場所を認識しにくくなる場合があるため、生活空間のあちこちに複数設置し、どこからでもすぐにアクセスできるようにしましょう。特に、寝床の近くやよく過ごす場所に置くと良いでしょう。
- トイレの場所を固定する: 環境の変化に敏感になるため、一度設置したトイレの場所は極力変えないようにしましょう。
- やわらかい猫砂を選ぶ: 足裏への負担を軽減するため、鉱物系や固まるタイプでも粒が細かいもの、紙製や木製のやわらかい猫砂がおすすめです。
子猫
体が小さく、トイレトレーニングの初期段階にある子猫にも、特別な配慮が必要です。
- 段差の低いトイレを選ぶ: 小柄な子猫が安全に出入りできるよう、縁の低い小さなトイレを選びましょう。
- トイレの数を増やす: まだトイレを完璧に覚えきれていないため、遊び場所や寝床の近くなど、行動範囲内に複数のトイレを設置すると成功しやすくなります。
- 清潔を保つ: 子猫は特に清潔好きなので、排泄後はすぐに片付け、常にきれいな状態を保つことが大切です。
持病がある猫(関節炎、糖尿病など)
関節炎で痛みがある猫や、糖尿病などで多飲多尿になる猫も、トイレ環境への配慮が必要です。
- 関節炎の場合: 老猫と同様に段差の低いトイレを選び、足腰に負担がかからないようにしましょう。トイレまでの移動距離も短くすることが重要です。
- 糖尿病など多飲多尿の場合: 尿量が増えるため、大型のトイレを用意したり、数を増やすことで、常に清潔なトイレを使えるようにしましょう。猫砂の吸収性も重視し、こまめな掃除が必要です。
性格に合わせたトイレの設置方法
猫はそれぞれ異なる性格を持っています。臆病な子、独占欲が強い子、神経質な子など、その性格に合わせた環境を整えることで、安心してトイレを使ってもらえます。
臆病な猫・神経質な猫
周囲の物音や人の出入りに敏感な猫は、安心できる場所での排泄を好みます。
- 隠れられる場所に設置する: 人通りが少ない静かな場所、部屋の隅、家具の影、またはカバー付きのドーム型トイレなどを利用して、プライバシーが守られる空間にトイレを設置しましょう。
- 開放的な場所は避ける: リビングの中心や玄関など、人や他のペットの行き来が多い場所は避けましょう。
- 複数箇所に分散配置: 特定の場所が苦手でも、他の安心できる場所で排泄できるよう、選択肢を複数与えることが重要です。
独占欲が強い猫・縄張り意識が強い猫
他の猫が自分のトイレを使うのを嫌がったり、特定のお気に入りのトイレがある猫には、配慮が必要です。
- それぞれの「専用トイレ」を明確にする: 例え頭数+1個以上のトイレがあっても、猫それぞれに「自分専用」と感じさせるトイレを用意し、他の猫に使われないよう、それぞれの猫がよくいる場所や隠れ家の中に設置するなど工夫しましょう。
- トイレの種類や猫砂を変える: 各猫のお気に入りのトイレのタイプ(オープン型、ドーム型、システムトイレなど)や猫砂の種類を把握し、それぞれに合ったものを用意するのも有効です。猫砂の好みは、意外と排泄の成功率に影響します。
- 物理的に区切る: 相性が悪い猫同士がいる場合は、トイレを完全に別の部屋や、パーテーションなどで物理的に独立した空間に設置することを検討してください。
多頭飼いにおける相性とトイレ配置
多頭飼いの猫同士の相性は、トイレの利用状況に大きく影響します。特に相性が悪い場合や、上下関係がある場合は、トイレの設置方法がトラブルの回避に繋がります。
特定の猫同士の相性が悪い場合
猫同士の間に緊張関係がある場合、トイレの場所や数に関するトラブルが起きやすくなります。
- 完全に独立した空間に設置する: トイレの場所を巡って争いが起きないよう、それぞれの猫が互いの存在を気にせず排泄できる場所にトイレを設置しましょう。これは、互いの縄張りが重ならないようにするためです。
- 例: 別の部屋、ケージの中、階の異なる場所など、物理的に離れた場所にそれぞれのトイレを用意します。
- 逃げ道を確保する: トイレをしている最中は猫が無防備になるため、他の猫に邪魔されないよう、出入り口が複数ある、または開放的なタイプのトイレを選び、いつでも逃げられるように配慮することも大切です。
- 監視されない環境: 支配的な猫が臆病な猫のトイレ利用を監視するような状況を避けるため、見通しの良い場所や袋小路のような場所への設置は避けましょう。
ストレス軽減のための工夫
多頭飼いでは、些細なことが猫のストレスとなり、それがトイレの失敗に繋がることもあります。
- 見通しの良い場所を避ける: 猫は排泄中に無防備になるため、人通りや他の猫の行き来が多い場所は避け、落ち着いて排泄できる場所を選びましょう。
- 適切な猫砂の選択: 全ての猫が共通して好む猫砂を見つけるか、それぞれの猫のお気に入りの猫砂を個別のトイレに入れる工夫も必要です。
- 常に清潔に保つ: 多頭飼いでは、特にトイレの汚れがストレスの原因になります。排泄物は見つけ次第すぐに処理し、定期的にトイレ全体を洗浄して清潔を保つことが非常に重要です。
猫のトイレ問題は、飼い主と猫双方にとってストレスの原因となりやすいものです。それぞれの猫の個性や状況をよく観察し、柔軟にトイレ環境を調整することで、すべての猫が安心して快適に排泄できる空間を提供し、幸せな多頭飼い生活を送れるようサポートしてあげましょう。
猫の多頭飼いにおけるトイレと猫砂の選び方

単体でお迎えするのと多頭飼いをするのとでは、トイレや猫砂の選び方も変わってきます。
猫ごとにトイレや猫砂の好みがあり、どれを気に入ってくれるかは、実際のところ使ってみなければわかりません。これを理解したうえで、選んで購入していくことになります。
ただ、ライフステージの影響や身体的な特徴の影響によって好みや使いやすさも異なるため、それぞれどんな特徴があるのかを理解しておくと良いでしょう。
多頭飼いのトイレは愛猫の性格に合わせて選ぶ
どのタイプのトイレを使うかは、愛猫の性格に合わせて選びましょう。主に以下の3タイプのトイレがあります。
種類 | 概要 | 特徴 |
---|---|---|
ノーマルトイレ | おしっこで固まる猫砂を入れて使用 | シンプルで初心者の方にもおすすめ |
システムトイレ | 上段がスノコ、下段がトレー構造で吸水シートを使用 | 手軽なお掃除ができるトイレ |
自動トイレ | 猫の排泄物を自動で処理するトイレ | 自動処理なので多頭飼いに適している |
トイレの形状もさまざまで、蓋がないオープンタイプやトイレ全体にカバーがかかったドームタイプがあります。
オープンタイプはトイレの中がよく見えるので、排泄物にすぐ気がつけます。ドームタイプは砂が飛び散りにくいのがメリットです。
愛猫たちの好みはもちろんのこと、飼い主さんにとって掃除がしやすいかどうかも重要なポイントです。色々なタイプを試しながら、使いやすいものを選んでいくのがよいでしょう。
多頭飼育の猫砂は愛猫ごとの好みで選ぶ

猫砂は複数の種類を試して、愛猫ごとに合うものをそれぞれ探してあげましょう。猫砂にはさまざまな種類があり、猫によって好みも違います。猫砂の種類は、以下の5種類に大きく分かれます。
- 鉱物系
- 紙系(紙製)
- 木系(木製)
- おから
- シリカゲル
紙・木・おからでできた猫砂はトイレに流せるので、処分がラクなのがメリットです。しかし、おからの砂は誤って猫が食べてしまうこともあるので注意してください。
鉱物系・シリカゲルの猫砂は、自治体によっては普通のゴミとして回収してくれない場合もあります。
多頭飼いをしている場合、猫砂の好みがそれぞれ違うとトイレを共用できない場合もあるので気をつけましょう。
多頭飼いにおすすめの猫砂選びのポイント
多頭飼いでは、個々の猫の好みだけでなく、飼い主さんの掃除の手間やコストも考慮したバランスの取れた選択が重要です。
- 猫の好みを最優先:
- 最も重要なのは、猫たちが安心して使えるかどうかです。たとえ飼い主が掃除しやすいと思って選んだとしても、猫が嫌がって使ってくれなければ意味がありません。
- 最初は少量をそれぞれのトイレに入れ、どの猫砂をどの猫が好むか試してみる「お試し期間」を設けるのがおすすめです。
- 消臭力と固まりの良さ:
- 多頭飼いでは排泄物の量が増えるため、高い消臭力と、尿がしっかりと固まるタイプがおすすめです。固まりが良いと、排泄物の取り残しが減り、清潔を保ちやすくなります。
- コストとゴミ処理のしやすさ:
- 猫砂の消費量が増えるため、コストパフォーマンスも重要な要素です。大容量パックや業務用など、まとめ買いでお得になるものを選ぶと良いでしょう。
- ゴミ処理のしやすさも考慮しましょう。燃えるゴミで捨てられるもの、トイレに流せるもの(配管の太さやマンション規約を確認)、システムトイレ用のシートやチップなど、生活スタイルに合ったものを選びましょう。
- 飛び散りにくさ・粉塵の少なさ:
- 猫砂が飛び散ると掃除が大変になるだけでなく、猫の足裏や被毛に付着して衛生的ではありません。粒が大きめのものや、重さがあるものは比較的飛び散りにくい傾向があります。
- 粉塵が少ない猫砂は、猫や飼い主の呼吸器への負担を軽減し、清潔な環境を保つのに役立ちます。
多頭飼いにおすすめの組み合わせ例
- メインは鉱物系(固まるタイプ): 猫が好む傾向が強く、固まりと消臭力に優れるため、多くの猫に受け入れられやすいです。ただし、重さや粉塵はデメリットになります。
- サブでシステムトイレ: 掃除の手間を減らしたい場合に導入し、尿処理を効率化します。固形物だけ取り除けば良いので、日々の負担が減ります。
- 猫によって種類を使い分け: 特定の猫が好む猫砂がある場合は、その猫専用のトイレにはその猫砂を入れ、他の猫とは別に設置することも有効です。
多頭飼いの猫トイレ:掃除頻度と効率的な方法
多頭飼いの場合、トイレの数が増えるだけでなく、使用頻度も高まるため、単頭飼いよりもこまめな掃除が求められます。
理想の掃除頻度:1日2回以上、または6時間おきに
猫は自分の排泄物を隠す習性があり、それができていない汚れたトイレではストレスを感じやすくなります。特に多頭飼いでは、他の猫の排泄物が残っていると、そのトイレの使用を避ける猫も出てくる可能性があります。
- 固形物(うんち)の除去: 理想は排泄後すぐに取り除くことですが、最低でも1日2回以上、朝と晩など決まった時間にチェックして取り除きましょう。猫が活発に活動する時間帯や、食事の後などに排泄することが多いため、そのタイミングで確認すると効率的です。
- 固まった尿の除去: 固まるタイプの猫砂を使用している場合、固まった尿も1日2回以上取り除くようにしましょう。尿の臭いは猫にとって非常に敏感なものであり、放置すると不衛生なだけでなく、粗相の原因にもなりかねません。
- 最低でも6時間おきにチェック: 可能であれば、6時間ごとを目安にトイレをチェックし、固形物や固まった尿を取り除くのが理想的です。特に留守番時間が長い場合は、出かける前と帰宅後に必ず確認する習慣をつけましょう。
多頭飼いにおける効率的な掃除方法のヒント
トイレの数が多ければ多いほど、掃除の手間も増えます。以下の方法を参考に、効率的に清潔を保ちましょう。
- システムトイレの活用:
- システムトイレは、尿が専用シートやトレーに吸収されるため、固まる猫砂のように毎日固まった尿を取り除く手間が省けます。尿シートの交換は1週間に1回程度(猫の頭数による)で済み、固形物(うんち)だけをその都度取り除けば良いため、日々の掃除の手間を大幅に削減できます。
- 複数の猫がいても、シート交換頻度を調整することで対応可能です。
- スコップの多用:
- 各トイレに専用のスコップを用意しておくと、すぐに取り除けて便利です。
- 衛生的にも、猫ごとにスコップを分ける(特定の猫しか使わないトイレの場合)という方法も有効です。
- 一日の終わりに総入れ替え(部分的に):
- 固まる猫砂の場合、月に1回程度の全量交換に加え、猫の頭数が多い場合は、週に1回程度、または数日に1回程度、少量の新しい猫砂を補充したり、部分的に大きく汚れた箇所の猫砂を入れ替えたりすることで、清潔さを保ちやすくなります。
- 清掃しやすい素材のトイレを選ぶ:
- プラスチック製など、丸洗いしやすい素材のトイレを選ぶと、定期的な丸洗いが楽になります。
- トイレ本体の丸洗いは、月に1回程度を目安に行いましょう。洗剤を使った後は、猫が舐めても安全なようにしっかりとすすぎ、完全に乾燥させてから猫砂を入れ直してください。
猫を多頭飼いする際に意識するべきトイレ事情

多頭飼いする際に猫のトイレについて気をつけるべきこと、意識すべきことを解説します。
トイレ環境は猫の健康に直結する重要なことなので、愛猫の様子を常に確認し気を配るようにしましょう。
なにか様子がおかしければ都度トイレの環境を見直しながら、愛猫が安心して排泄できるように整えてあげることが大切です。
トイレは常に清潔な状態を保つ
猫はきれい好きな動物のため、汚いトイレでは排泄をしたがりません。トイレはこまめに掃除し、常に清潔な状態にしておきましょう。
家の中に複数の猫がいるとトイレを利用する頻度も増え、すぐに排泄物がトイレに溜まってしまいます。
こまめに排泄物を片付け、月に1度はトイレを丸洗いして猫砂を取り替えましょう。
粗相をしたらすぐに消臭する
もしも愛猫が粗相をしてしまった際は、すぐに片付けて消臭しましょう。ニオイが残っているとその場所をトイレだと勘違いし、その後も粗相を繰り返してしまいます。
また、一緒に暮らしているほかの猫も、同じ場所で排泄してしまう恐れもあります。猫は人間よりも嗅覚が優れているので、ペット臭専用の消臭剤などを使って完全にニオイを消しましょう。
粗相をした際は絶対に叱ってはいけません。きつく叱るのではなく速やかに片付けて消臭し、きちんとトイレでできたときに褒めてあげてくださいね。
健康状態は常にチェックする
トイレ掃除の際におしっこの量やウンチの状態を確認し、健康状態をチェックしましょう。
1回のおしっこの量が極端に少なかったり、頻繁にトイレに行くような様子があれば膀胱炎の疑いがあります。
反対に、大量に水を飲み大量のおしっこをする場合には、腎臓に異常がある可能性も。
猫の健康状態は排泄に反映するのでこまめにトイレを確認し、なにか異変を感じたらすぐに動物病院へ相談しましょう。
トイレで排泄しない回数が多いときは注意
猫は本来、一度排泄した場所をトイレとして覚える動物であり、犬に比べてトイレトレーニングは簡単です。
そんな猫が粗相を繰り返すのには、何らかの問題があります。粗相をしたからといって叱るのではなく、冷静に原因を探り、問題を解決していきましょう。
最初は問題なくトイレに成功していても、途中から何らかの原因によってトイレに失敗する可能性もあります。
粗相をしても叱らず、原因をしっかり探る
愛猫が粗相を繰り返すと飼い主もついイライラしてしまいますが、叱るのはNGです。
まずは冷静になって原因を探してみましょう。トイレで排泄をしない場合は、以下のような原因が考えられます。
- トイレ環境に不満がある
- ストレスや不安を感じている
- マーキングによるスプレー行為
- トイレの場所を把握していない
- 老化による筋肉の衰え
- 病気を患っている
トイレが汚かったり、猫砂の種類やトレイの形が好みではない場合、トイレで排泄したがらないことがあります。
排泄後に空中を掻く、砂を掻かずにトイレから出てくる、トイレのヘリに足をかけて排泄するような仕草があれば、なにかトイレに不満を感じているサインです。
まずはトイレの形状や猫砂を変えてみたり、掃除をするなど環境を整えてみてください。
排泄環境を整え、特にストレスなどの原因も思い当たらない場合は、なにか病気を抱えている可能性も考えられます。
粗相繰り返してしまうときの対処法
愛猫が粗相を繰り返す際は、根本的原因を解決しなければ改善しません。以下のようなことを試し、様子を見てみましょう。
- トイレ環境や置き場所を見直す
- ストレスや不安を解消する
- 粗相をしても叱らない
- 獣医師に相談する
もし粗相をしても叱ってはいけません。「排泄=悪いこと」というイメージを植え付けないよう、速やかに片付け・消臭しましょう。
トイレの置き場所を変えたり、トイレ以外のシーンでもなにか不満を感じている様子がないかよく観察してみてください。
「どんな方法を試しても改善しない!」という場合は病気が原因の可能性もあるので、動物病院で相談してみましょう。
猫を多頭飼いするときのおすすめトイレ3選
トイレ選びのポイントはさまざまですが、掃除のしやすさにも着目しつつ、愛猫にとって快適なものを選ぶのがおすすめです。
ユニ・チャーム デオトイレ快適ワイド
ワイドタイプなので、体の大きい猫でもゆったりと入れます。トイレ下部が引き出しになっているシステムトイレなので、おしっこの処分吸水シートを取り替えればOK。
付属の専用の猫砂はおしっこを吸収しないタイプなので、臭いが気になりづらいのもメリットです。
カバーのないオープンタイプはトイレの様子がよく見えるので、排泄にも気が付きやすくスムーズに片付けができます。
本体サイズ | 幅70cm×奥行き47cm×高さ35cm |
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本体重量 | 3.2kg |
原産国 | 日本 |
対象年齢 | 全年齢 |
素材 | ポリプロピレン |
適合種 | 体重8kgまでの猫種 |
入り口の高さ | 14cm |
機能性 | システム |
形状 | ハーフカバータイプ |
ユニ・チャーム デオトイレ猫用フード付き
カバーがついたタイプのシステムトイレ。猫が排泄後に砂掻きをした際にも、砂が飛び散りにくいのがメリットです。
フードはスライド式になっており開け閉めができるので、ドーム型が合わなかった場合はオープン型に切り替えることができ、一石二鳥です。
「オープン型とワイド型のどちらが好みか分からない…」という人におすすめ。吸水シートを敷く部分は引き出しになっており、交換もラクチンです。
本体サイズ | 高さ43cm×幅42cm×奥行54cm |
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本体重量 | - |
原産国 | 日本 |
対象年齢 | 全年齢 |
素材 | ポリプロピレン、ゼオライト、シリカゲル、ポリオレフィン、ポリエステル不織布、綿状パルプ、吸水紙、高分子吸水材、ポリエチレンフィルム、抗菌剤、ホットメルト接着剤、香料入り消臭マイクロカプセル |
適合種 | 全猫種 |
入り口の高さ | 6cm |
機能性 | システム |
形状 | ドームタイプ |
Petree(ペッツリー) 自動トイレ
物体感知センサーが搭載された、自動猫トイレ。猫がトイレを出てから、約30秒後に自動で清掃が始まります。
機械が作動中にもう一度猫がトイレに入ると、センサーが感知し自動で動作が止まる優れもの。
多頭飼いでトイレの掃除が負担になっている飼い主さんや、出張・旅行などで家を空ける機会が多い人にもおすすめです。ただし、使用不可の猫砂があるので注意してくださいね。
本体サイズ | 幅58.7cm×奥行62.4cm×高さ53.7cm |
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本体重量 | 7.5kg |
原産国 | 中国 |
対象年齢 | 全年齢 |
素材 | ポリプロピレン |
適合種 | 1.5kg~10kgまでの猫 |
入り口の高さ | 19cm |
機能性 | オート |
形状 | ドームタイプ |
猫を多頭飼いするときのおすすめ猫砂3選
それぞれの猫によって猫砂の好みが違う場合は、猫砂を使い分ける必要があります。
飼い主さんとしては、同じ猫砂を共用した方が負担がかかりませんが、愛猫の好みを優先してあげましょう。
また、多頭飼いの場合はトイレ掃除の頻度も多くなります。捨てやすさや掃除のしやすさなど、飼い主さん目線での使いやすさもチェックしておくのがおすすめです。
常陸化工 トイレに流せる木製猫砂12L×4個
木製タイプの猫砂。トイレに流せるので、後片付けがとてもラクになります。
多頭飼いをしていると、毎日たくさんの猫砂を処分しなければならないため、捨てやすさは重要なポイントです。
ひのきの香り付きで、排泄物のニオイも気になりにくくなります。大容量なところも、多頭飼いの飼い主さんには嬉しいポイントですね。
内容量 | 48L(12L×4個) |
---|---|
タイプ | 木系 |
原材料 | 木材 |
香り | ひのき |
砂の大きさ | 大粒 |
尿の固まり | ◯ |
燃えるゴミ処理 | ◯ |
トイレ処理 | ◯ |
アイリスオーヤマ トイレに流せる紙の猫砂
紙タイプの猫砂。トイレに流したり、燃えるゴミとして出せるので処理が簡単です。
しっかり固まってくれるので、掃除もラクチン。大容量でコストパフォーマンスが高いのがメリットです。
白い紙を使用しているので、白い毛の猫でも砂の汚れが目立ちにくいのが嬉しいポイントですね。
内容量 | 7L |
---|---|
タイプ | 紙系 |
原材料 | 再生パルプ |
香り | - |
砂の大きさ | 中粒 |
尿の固まり | ◯ |
燃えるゴミ処理 | ◯ |
トイレ処理 | ◯ |
ボンビアルコン 驚くほどニオイが消えるネコの砂 消臭主義
シリカゲルの猫砂。消臭力に優れており、排泄物の臭いが気になりません。
天然消臭剤がニオイの元を分解し、強力抗菌剤により雑菌の繁殖を防ぎます。
時間が経ってからも悪臭を放ちにくいのがポイントです。トイレのニオイに悩んでいる人は、ぜひ試してみてください。
内容量 | 35L(7L×5袋) |
---|---|
タイプ | 紙系 |
原材料 | 紙 |
香り | - |
砂の大きさ | 中粒 |
尿の固まり | ◯ |
燃えるゴミ処理 | ◯ |
トイレ処理 | ◯ |
愛猫の多頭飼いトイレ問題は、様子を観察しつつベストな環境を作ろう

猫によって性格や好みは異なります。それぞれの愛猫の様子を見ながら、ベストなトイレ環境を整えていきましょう。
もともと水を飲む習慣がない猫は、膀胱炎や腎臓病など泌尿器系の病気にかかりやすい動物です。
飲水状況に続き、トイレが気に入らずに排泄を我慢してしまうことがないよう、十分に注意しましょう。
適切ではないトイレ環境は猫の健康に関わる重要なことなので、快適な環境になるようしっかりとチェックしてあげてくださいね。
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nademo編集部
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