大切な家族である愛犬の元気がないとき、「もしかしたら病気やケガなのでは?」と心配になってしまうもの。
体調不良が原因であればやはり動物病院を受診することが大事。獣医さんに説明をするためにもどんな症状なのかを把握することはとても重要です。
そこでこの記事では、病気やケガの際の症状や、元気がないときに見るべきポイントもご紹介。
大切な愛犬にいつまでも健康でいてもらうため、体調のサインをしっかりと見逃さないようにしましょう。
この記事の結論
- 運動や食事をすることなく、愛犬に元気がないときは病気やケガを疑う必要がある
- 疲労やストレスによって元気がなくなることはよくあるもの
- 中高齢期に差し掛かり、老化していくと少しずつ行動量が減っていく
- 普段から愛犬の様子を見ておくことが判断のポイントになる
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目次
愛犬の元気がないときは病気やケガの可能性がある
愛犬の様子がいつもと違う、なんだか元気がない。そう感じた時はまず病気やケガの可能性を疑いましょう。
犬や猫は野生の名残で体の不調を隠す習性があります。普段からしっかり体調をチェックしておかないと、こうしたタイミングになかなか気付けなくなってしまうんです。
そんな習性があるため、ぐったりとして動かない・ご飯を食べなくなったなどの様子が見られるときは、私たちが思う以上に辛い状況に置かれている場合があります。
ちょっとした変化も見逃さず病気やケガを疑うと同時に、気になったことがあればすぐに動物病院を受診しましょう。
ただし、元気がないからといって、必ずしも病気やケガの可能性ががあるというわけでもありません。
専門知識と専門的な検査によって、病気やケガは診断されます。必ず獣医師さんの見解を聞くことが大切です。
病気やケガ以外で犬の元気がなくなる理由
もちろん病気やケガ以外で元気がない場合も考えられます。
私たち人間も同じですが、強いストレスがかかったりする環境下に置かれることで、不調を感じることもありますよね。
主にどんな場合があるのかをチェックしてみましょう。
環境の変化によるストレス
「犬は人につく」とは言うものの、犬も環境の変化でストレスを感じることが多くあります。
引っ越し、赤ちゃんが産まれるなどの家族構成の変化、慣れない場所へ外出するなどが挙げられます。
人間の場合でも慣れない土地や環境ではストレスを感じるため、愛犬にとってもそれは同じくストレスになってしまうということです。
また、家族から離れてペットホテルにお泊まりしたり、遠出することで元気がなくなってしまう場合もあります。
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ワクチン接種後や手術後、通院での疲労
ワクチンなどの注射が苦手な子が多いのはもちろんのこと、動物病院への通院自体のストレスや疲労から元気がなくなってしまうこともあります。
特に動物病院では検査や注射など、愛犬にとって苦手なことが多い場所。
動物病院の利用が好きだという子は多くないので、動物病院を訪れただけでもそうですし、外出する準備をしている、ということを察知するとストレスを感じる子もいます。
また避妊・去勢手術の際も術後の痛みからだけでなく、家族から離れて半日~1日など入院することで、不安からストレスになることも。
ネッカー(エリザベスカラー)を着け慣れず元気がない、ということも起きることがあります。
シニア期に入って元気がない
一般的に犬は7歳~8歳頃からシニア期へと入ります。私たちよりも年齢を重ねるスピードが早いのはよく知られていますよね。犬の7歳は、人間で言うと大体44歳ほどです。
シニア期に入ると犬にも老化現象があらわれ始め、活動量が減少します。
寝ている時間も増えるため、元気がないと感じてしまう飼い主さんが多いです。
元気がないと心配になってしまいますが、すぐに病気やケガだと判断するのではなく、その子に応じた判断が必要。
年齢を重ねるごとに少しずつ運動量が落ちているだけであれば問題ないことも多いですが、急激に動けなくなってしまっている場合には緊急を要する可能性もあります。
いずれにしても、ご自身で判断するのではなく、動物病院など専門家に診てもらうのがベストです。
愛犬が病気やケガで元気がないときにみられる症状
では実際に病気やケガで元気がない場合についてみていきましょう。
大切な家族である愛犬を守るため、気になる症状には早めに対処することが大切です。
食欲がない、水を飲まない
愛犬がご飯を食べないだけではなく、水も飲まないときは体の状態がかなり悪いと考えられます。
よくある胃腸炎から全身性の内臓疾患、整形疾患や椎間板ヘルニアからの強い痛み、腫瘍性疾患などその原因は軽症、重症を問わず様々です。
病気を患っている場合は自然治癒など考えず、まずはすぐに動物病院を受診し、獣医師さんに相談しましょう。
初期症状が無症状だったとしても、進行してからでは手遅れ、なんてことも十分にあり得ます。
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体が震えている
寒さやストレス、恐怖心や警戒心・筋力の低下などでも犬は震えることがありますが、そういった生理的な原因からくるものであれば問題ありません。
しかし脳障害、中毒、低血糖、尿毒症などからくる痙攣や整形疾患、椎間板ヘルニアなどの痛みによって震えが起きている場合もあります。
普段から観察していれば気付きやすいポイントでもあるので、サインを見逃さないようにしましょう。
一時的なものではなく続くようであれば、早めに動物病院を受診することが大切です。
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嘔吐や下痢をする
嘔吐や下痢は犬に比較的よくみられる症状です。軽症の場合もありますし、病気やケガから来る可能性もあります。
ストレスや空腹、早食いで嘔吐が起こることもあれば、下痢も同じくストレスや消化不良から起こることも多いです。
しかし、嘔吐したものや便に大量の血が混じっていたり、嘔吐と下痢を併発している、元気食欲が低下している場合には注意が必要です。
嘔吐や下痢は多くの病気で共通して見られる代表的な症状なので、なにか病気が隠れている可能性もあります。
1日中寝ている
もともと犬は私たちより睡眠時間が長いもの。加齢や疲れ、ストレスがかかったためによく寝ているということも多くあります。
心配なのは体調不良からあまり動けないという場合。体を回復させるためにあえて動かずに睡眠に充てている、という可能性も考えられます。
子犬期やシニア期は睡眠時間が長くなることもありますが、起きている間に運動をしなかったり、食欲が減少していたりすると注意が必要。
また、いつもと睡眠の様子が違うようであれば注意が必要です。
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熱っぽかったり鼻水、咳など風邪に似た症状がある
犬も風邪をひくことがあり、鼻水や咳など人間と同じような症状が見られます。
特に鼻腔に細菌感染があるときは、粘り気のある鼻水が出ることもあります。
風邪と言ってもまだ幼かったり、反対に高齢で免疫が弱っていれば自然治癒が難しい場合もあるので、人間同様に「寝ていれば治る」と簡単に考えてしまうのは禁物です。
また、肺炎などに進行すれば発熱や元気食欲低下といった症状が見られることが多いので、すぐに動物病院を受診しましょう。
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尿、量、ニオイに異常がある
排尿に異常があるときも、内臓疾患や膀胱炎など泌尿器疾患が疑われます。
排泄物は病気やケガを疑う際に重要なポイントとなっており、「色、量、ニオイ、形状」などを必ず把握しておきましょう。
血尿や頻尿感、尿が出ないなどの症状は危険な状態にあることも考えられます。
また、尿のニオイに異常があるときは膀胱炎や糖尿病の可能性もあるので、動物病院で検査をしてもらいましょう。
体を触ろうとしたら嫌がる
体に触れられることを嫌がる場合は、病気や痛みを隠していることがあります。
歩き方や姿勢がおかしかったり、明らかに元気がない場合は動物病院の受診を検討しましょう。
また、普段は喜ぶはずの頭を撫でられることを嫌がるときは、目や耳の痛みも考えられます。
角結膜炎や緑内障からくる痛みや外耳炎を発症しているかもしれません。おかしなところはないかよく目や耳を見てあげましょう。
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愛犬の元気がないときに飼い主さんが見るべきポイント
では愛犬が元気のないとき、どういったところに気をつければ良いのか、判断のポイントを知っておきましょう。
いずれにしても症状が長く続く場合、元気や食欲までなくなる場合は動物病院を受診するというのがベストです。
普段とは違った行動をしていないか
愛犬の様子がいつもと明らかに違う、というのはかなり大きなバロメーターになります。
いつもしないような行動を取っている場合は、何らかの変化があるとわかりますよね。
普段しない行動が多くなってきたら、ひとつのサインだと思っておいてよいでしょう。
ストレスなどで起きているものか、病気によるものなのか、しっかりと見極めることが必要です。
普段とは違った行動をしているかどうかは、普段から愛犬のことを観察していなければ気付けるものではありません。
愛犬の見た目や体を触ったときに異常はないか
顔が腫れてしまったり、全身に蕁麻疹が出たりと、そのまま見た目に異常が出ることもあります。
特にワクチン接種後にこういった症状が出る場合にはすぐに動物病院を受診しましょう。
また体を触ったときに嫌がったり、痛みがあるときは唸ったり「キャン」と鳴き声をあげることもあります。
日々のチェックとして体を直接触る習慣をつけ、しこりや腫れがないか見てあげることも大切です。
ブラッシングやお風呂のタイミングでしっかりと体をチェックする、ということが日常的にできるケアです。
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ごはんはしっかりと食べられているか
私たち人間も同じですが、犬も体調が悪いときは食欲がなくなります。
疲れやストレスなどによる一時的なものであれば少し様子を見ますが、改善が見られない場合は病気が隠れていることも。
「いつもと同じ量のごはんを食べられているか」というポイントが体調変化のサインになるので、食事の様子はしっかりと見てあげましょう。
加齢によって徐々に食事の量が減っていってしまうことは仕方がないですが、急に食べなくなって2日以上も続くようであれば動物病院を受診しましょう。
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尿や便に異常がないか
排泄物のチェックもかなり重要です。これもまた人間同様、体の異常を早めに発見することができるようなポイントとして覚えておくのがおすすめ。
尿や便といった排泄物には体の中の情報がたくさん含まれているので、病気を疑うときの判断材料のひとつになります。
また、便秘が見られることもあります。排便の間隔が2日以上あいてしまうようなときや、便がとても硬く乾燥しているようなときには注意が必要です。
加齢だけではなく「前立腺肥大症、代謝性疾患」などの可能性もあります。
便と同時におしっこもちゃんとできているか要チェック。
健康ならば1日に3~5回程度はしますが、膀胱炎や尿路結石症といった排尿トラブルが起きていると排尿回数が増える一方で、尿路閉塞が起きると排尿が見られなくなることもあります。
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飼い主さんは愛犬の様子を観察する習慣が大切
「なんだかいつもと違う…?」と気づくためには「いつも」の様子をしっかりと把握しておくことが大切です。
毎日の様子をきちんと観察しておく習慣を身につけることが、飼い主としての役割ではないでしょうか。
習慣がきちんと付いていれば、愛犬のちょっとした違和感を察知することができます。病気の早期発見に繋がる可能性も高まりますよ。
愛犬に変化があったらメモを取るのがおすすめ
あれ?と思うことがあれば、すぐにメモを取る習慣を作ることもおすすめです。
日時や詳しい様子・症状などは、慌てたりすると記憶があいまいになってしまうこともありますよね。
獣医師さんへ相談するときに詳しく伝えるためにも、何かあればすぐにメモを取ることを意識しましょう。
毎日のようにメモを取っておけばちょっとした変化にも気付けるようになりますし、どういった変化があるのかを読み返して判断することもできます。
過去に同じような行動を取っていないか、と読み返して症状を確認する際にも役立ちます。
見るだけではなく触れて確認する
明らかに見てわかることもあれば、実際に体に触れてみなければわからないこともたくさんあります。
普段からブラッシングやマッサージができていれば、体に触れてちょっとした変化も気づけるようになるでしょう。
見て観察することはとても大切ですが、腫瘍やしこりなどは見ただけで気づきにくいものもたくさんあります。
早期治療ができれば完治するような病気もありますので、発見が遅れてしまわないよう、習慣づけると良いです。
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子犬期は特に目を離さないこと
ケージの中だけで遊んでいるときには、危ないものを周りに置かないという対策ができます。
しかしもし、ケージから出して遊ばせているときには、どんな事故があるかわかりません。
できる限りの対策ができていたとしても、誤飲誤食があるかもしれませんし、予期せぬ事故にあうかもしれません。
特に子犬期は元気ですし、好奇心旺盛で色々なことに興味を持ちます。
落ち着いてきた成犬期や老犬期以上に、子犬期の愛犬には気を配り、危険を排除してあげるようにしましょう。
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愛犬に元気がなく、気になる症状があるときは動物病院へ
元気がない、と飼い主が感じる時や気になる症状が出ている時は迷わず獣医師へ相談しましょう。
言葉を話せない愛犬のためにも普段の様子と違う場合は、飼い主さんが注意深くなることが大切です。
自己判断してしまうことで、愛犬の健康を損なってしまったり、早期治療ができなかった…ということは避けたいところ。
大切な家族を守るためにも気になることがあれば動物病院へ、を心がけましょう。
この記事の執筆者・監修者
獣医師/潜水士/株式会社Ani-vet代表取締役/犬猫生活財団評議員
nademo編集部
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