天然パーマのようにくるくるとしたカールの被毛と、マンチカンのような胴の長さが特徴的なラムキン。
日本で知っている人が少ないのはもちろんのこと、海外でもまだまだ珍しい猫種です。
まだ一般的に知られていることが少ない猫種ですが、魅力たっぷりの猫種でもあります。
今回はそんなラムキンに焦点を合わせて、特徴や性格、正しい飼い方などを詳しくまとめました。
この記事の結論
- ラムキンは子羊のような巻き毛を持ち、マンチカンやセルカークレックスから生まれた猫種
- 体格はとても小柄で最大20cmほどの体高しかなく、胴が長く手足が短い
- 人懐っこい子が多く、ほかの動物とも仲良くできる社交性の高さも持ち合わせている
- 比較的新しい猫種であるため、まだ個体数が少なく、お迎えも難しい
目次
ラムキンの特徴

ラムキンの一番の特徴と言えば、中毛から長毛という長さの被毛がくるくるとカールした巻き毛です。
この特徴的な巻き毛は「子羊のようだ」ということで、子羊のLumbからラムキンと名付けられました。
血統の親としてはマンチカンも作出に加わっており、手足の長さはマンチカン譲りでもあります。
「小人」をあらわすナナス(nunas)と、「巻き毛」をあらわすレックス(Rex)から、別名では「ナナスレックス」とも呼ばれています。
甘えん坊で社交的
家族に対して愛情深い
寂しさから鳴くこともある
若い内は特に活発
その他情報
原産地 | アメリカ合衆国 |
猫種公認団体 | TICA |
大きさ | 小型 |
平均寿命 | 12歳~15歳 |
なりやすい病気 | 関節炎,椎間板ヘルニア,肥大型心筋症,小猫症,漏斗胸,甲状腺機能亢進症 |
参考価格 | 15万円~30万円 |
被毛
抜け毛 | 平均的 |
毛質 | カーリーコート |
毛色 | ブラック,ホワイト,ブラウン,ブルー,チョコレート,ライラック,シナモン,レッド,クリーム |
毛の長さ | 短毛or長毛 |
ラムキンの誕生の歴史
ラムキンが明確に誕生したのはいつ頃なのか、というのはわかっていませんが、1987年から1991年の間だと言われています。
ラムキンを生み出したのは、キンカローを生み出したテリー・ハリスというアメリカ人ブリーダーです。このブリーダーは、セルカークレックス特有の被毛を持つ小型猫種を作出しようという目的で、セルカークレックスとマンチカンを交配させました。
その結果、セルカークレックスの巻き毛を持ち、マンチカンのように小柄なラムキンが誕生したと言われています。国際猫協会のTICAは、新興猫種としてラムキンを分類しており、現在においても育種が進んでいる状況です。
また、小猫症の猫をあらわすドワーフ猫を中心としたTDCA(The Dwarf Cat Association)、希少猫種を専門に取り扱うREFR(Rare and Exotic Feline Registry)などに認められています。
ラムキンの身体的特徴
ラムキンのサイズ(体高・体重)
体高 | 18cm~20cm |
体重 | 2kg~4kg |
ラムキンの体格は非常に小さく、成猫にまで成長したとしても体高は20cm程度です。
体重は2kgから4kgと、最高体重まで成長すれば一般的な猫といえるサイズ感でしょう。
小型ですが、体重が2kgから3kg程度であれば、超小型猫とも言えるサイズの猫種です。
ラムキンの毛色・被毛
ラムキンの被毛は特別短いことはなく、短くても中毛程度の長さとなっています。被毛がカールしているのでわかりにくいとは思いますが、一般的には中毛から長毛の長さです。
毛色はさまざまな種類が認められており、その一部が下記になります。
- ブラック
- ホワイト
- ブラウン
- ブルー
- チョコレート
- ライラック
- シナモン
- レッド
- クリーム
バリエーション豊かな毛色もラムキンの良さなので、もし出会えることがあれば毛色にも注目してみましょう。
ラムキンの運動能力
短い手足であるにもかかわらず、遊ぶことが大好きで活発な傾向の子が多いと言われています。
ジャンプ力もそれなりにあり、短い手足であっても猫らしく高いところに登りたがるでしょう。
ただ、手足が短いからこその危険もやはりたくさんあり、足腰への負担が大きくなりがちです。
ラムキンの性格・習性
ラムキンの基になっているのはマンチカンとセルカークレックスですが、どちらもあまり鳴くことはありません。
ですが、人懐っこく甘えん坊だったりもするので、中には会話好きな子もいるでしょう。
人懐っこく社交性も高い
一般的には人懐っこい子が多くなっており、穏やかな性格で、家族に対して愛情深いです。
同時に社交性も持ち合わせているので、家族内でのコミュニケーションや、ほかの動物との触れ合いも得意です。
小さい子どもがいる家庭においても愛される存在になり、一緒に遊んだり抱きしめ合ったりということができます。
独立心が高い子もいるが、甘えん坊な子もいる
正反対な性格とも言えますが、ラムキンの中には独立心が高く、マイペースな猫らしい性格の子がいます。
これと同時に、ほかの個体においては飼い主さんにべったりで、甘えん坊な子もいるでしょう。
このあたりの性格はどちらが強く出るかわからないところで、成長していくうちに楽しみな部分でもあります。
交配品種のどちらかの性格が強く出ることもある
ラムキンの作出にはマンチカンとセルカークレックスが使われており、この2種類のどちらかが特徴として多く出ます。
そのため性格もどちらかに寄ることがあり、どちらに寄っていくかは成長過程でしかわかりません。
どちらの性格が出ても可愛らしく愛されるべきパートナーとなるでしょうが、こだわりがある人は事前に理解してからお迎えをする必要があります。
ラムキンの平均寿命
ラムキンの平均寿命は12歳~15歳と言われており、猫全体の平均寿命と大きく変わりません。
ただ、ラムキンは胴体がとても長いため、後述の椎間板ヘルニアなどに注意が必要になります。
長生きしてもらうためには、こうした病気に早めに気づくことや、飼い主さんのケアが重要です。
ラムキンの注意したい病気
関節炎 | 関節に炎症が生じることで、痛みが出たり関節の可動域が低下してしまう |
椎間板ヘルニア | 椎間板が本来の場所から飛び出して脊髄神経を圧迫し、痛みや神経症状を伴う |
肥大型心筋症 | 心筋が何らかの原因により分厚くなることで心機能が低下し、循環不全を引き起こす |
小猫症 | 成長期に体が成長することなく、子猫のサイズのままという病気 |
漏斗胸 | 生まれつき胸骨がへこんでおり、肺や心臓を圧迫することで心肺機能が低下する |
甲状腺機能亢進症 | 甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、代謝が上がりすぎて体に負担がかかる |
ラムキンの基になっているマンチカンもそうですが、遺伝性の小猫症を持って生まれることがあります。
他にも漏斗胸(ろうときょう)や甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)、関節炎(かんせつえん)に肥大型心筋症(ひだいがたしんきんしょう)などのよく知られている病気にも注意しなければいけません。
そのほかにも、胴の長さと手足の短さによって発症しやすい椎間板ヘルニア、関節炎などにも気をつけましょう。
ラムキンの見分け方
ラムキンの特徴的な巻き毛は見分けるポイントですが、同じような被毛を持っている猫種も存在します。
それがラムキンの基となっている一種、セルカークレックスです。しかしセルカークレックスとラムキンを比べると、手足の短さや体の大きさが倍ぐらい違います。
マンチカンの手足の短さと胴体の長さ、そしてセルカークレックスの巻き毛を持っているのがラムキンと判断できます。
ラムキンと繋がりのある猫種
マンチカン

アメリカ原産のマンチカンは、犬のダックスフンドのような胴の長い体を持っています。
手足の短さも特徴的な猫種で、体重は一般的ながら非常に低い体高の持ち主でもあるのです。
さまざまな猫種との交配を経験しており、今回のラムキンだけではなく、スクーカムやバンビーノなどもマンチカンが基になっています。
穏やかで甘えん坊
好奇心旺盛で人懐こい
鳴き声は基本的に小さい
活発で運動能力が高い
その他情報
原産地 | アメリカ合衆国 |
猫種公認団体 | TICA |
大きさ | 小型 |
平均寿命 | 11歳~12歳 |
なりやすい病気 | 椎間板ヘルニア,関節炎,毛球症,猫伝染性腹膜炎 |
参考価格 | 6万円~50万円 |
被毛
抜け毛 | 多い |
毛質 | ダブルコート |
毛色 | レッド,クリーム,ブラウン,ホワイト,ブルー,シルバー,ブラック,キャリコ |
毛の長さ | 短毛or長毛 |
セルカークレックス

セルカークレックスはアメリカ出身の猫種で、猫の中でも非常に大柄な体格の持ち主です。
コーニッシュレックスやデボンレックスなど、レックスの名を持つ猫種の中では新しい方の猫種。
作出の基になったのは、ペルシャを代表として、ブリティッシュショートヘアやエキゾチックショートヘアなども加わっています。
愛情深く、人懐っこい
社交性は平均的で懐く
あまり鳴くことはない
とても大人しく、あまり動かない
その他情報
原産地 | アメリカ合衆国 |
猫種公認団体 | CFA,GCCF,TICA |
大きさ | 中型 |
平均寿命 | 13歳~15歳 |
なりやすい病気 | 多発性嚢胞腎,腎不全,脂漏性皮膚炎,外耳炎 |
参考価格 | 10万円~30万円 |
被毛
抜け毛 | 平均的 |
毛質 | カーリーコート |
毛色 | ブラック,ホワイト,ブルー,レッド,ラベンダー,クリーム,チョコレート |
毛の長さ | 短毛or長毛 |
ラムキンを飼うのに向いている人の特徴

ラムキンはラムキンだからこそ特別なケアが必要ということではないものの、基本的なポイントをおさえておく必要があります。
一般的な猫らしい猫とは少し異なったラムキンは、お迎えするとしたらどんな人が向いているのか確認してみましょう。
日常的なケアや怪我の予防ができる人
後述の飼い方でもご紹介していますが、ラムキンはどちらかと言えば丁寧なケアが必要な猫種です。
ブラッシングが毎日必要だったり、巻き毛が特徴なので絡まないようにケアが必要だったり。
また、気をつけたい病気もいくつか存在しており、特に体の特徴からなりやすい椎間板ヘルニアなどには注意が必要。
にもかかわらず活発であったりなど、愛猫のことを常に気にかけてあげられる人が向いていると言えます。
比較的どんな人でも向いている猫種
とはいえ、ラムキンをお迎えすること自体はそんなに難しいことではなく、比較的どんな人でも向いていると言えます。
ラムキンが求めることをしっかりとしてあげられる人ならば、どんな人であっても楽しく生活できるはず。
お迎えする際にはいくつかの注意点があるものの、難易度の高いケアやお世話は特にありません。
ラムキンの飼い方

いざ、ラムキンをお迎えするとなったら、注意しておきたいポイントをまとめました。
体の構造的に注意したい部分はもちろんのこと、健康的に長生きしてもらえるようなポイントをおさえておくことが重要です。
実際にどんなお世話が必要になるのか、その飼い方ひとつずつを見ていきましょう。
子猫の頃は活発なので、運動環境は低めに作る

ラムキンはどちらかと言えば活発な子が多く、子猫の頃から活発に室内を走り回るタイプです。
マンチカンの影響を強く受けていれば、疲れ知らずで走り回って満足します。
ジャンプしてキャットタワーに飛び乗ることも好きですが、子猫のうちはまだ自分の力量を知ることができていません。
高すぎるキャットタワーだと怪我をするおそれもあるため、低めのものを購入するのがおすすめです。
遊び好きだが、腰への負担やジャンプに注意

走り回ってジャンプする、というのは猫の遊び方のひとつですが、ジャンプ中は特に注意。
思っている以上にジャンプできてしまうと、着地によって足腰を痛める可能性が高くなります。
子猫時はまだまだ体を作っている途中であり、ちょっとした負担が後々の怪我に繋がってきます。
高いところへ飛び乗ってしまわないように管理したり、段差を多めに設置するなどの対策が必要です。
高タンパクな食事を選びつつ、肥満にも注意する
ラムキンにおすすめの食事は高タンパクキャットフードで、動物性タンパク質を中心にしたものがおすすめ。
同時に脂肪分も好む傾向にありますが、ドライフードとウェットフード、フレッシュフードをうまく使って水分補給もさせましょう。

動物性タンパク質の中でも牛肉や豚肉などよりも、鶏ささみやマグロ、カツオなどの魚類が中心のものは低カロリーでおすすめ。
キャットフードを選ぶ際には、良質な動物性タンパク質が第一に使われていることを基準とし、選ぶようにすると良いです。
ライフステージごとに適したキャットフードを選ぶこと、総合栄養食や総合栄養食基準の食事を主食にすることが大切です。
カールした毛が絡まないよう、毎日ブラッシングする

ラムキンの特徴であるカールした巻き毛は、そのままにしておくとすぐに絡まってしまいます。
この巻き毛をできる限り絡まないようにするためには、毎日丁寧にブラッシングすることが大切です。
まずは毛玉や毛のもつれを丁寧にほぐしてあげて、その後に抜け毛の除去、そして毛並みを整えてあげるという手順です。
体自体がそんなに大きくないので、毎日ブラッシングしていたとしても負担が増えることはありません。
お留守番はなるべく短時間で終わらせる

ラムキンの個体の中には独立心が高い子もいますが、基本的には甘えん坊である子が多いです。
猫なので1日程度であればお留守番もできますが、基本的には短時間で終わらせてあげた方が良いです。
構ってもらえない時間が長すぎてしまうと、ストレスを抱えてしまったり、分離不安症になる可能性もあります。
中にはマイペースな時間帯もあるとは思いますが、基本的には時間を共にすることが大切です。
おすすめのキャットフード・アイテム
肉食である猫に適した配分のジャガーキャットフードは、動物性原材料が約80%と高タンパクな仕様に。
新鮮なチキン、鴨、サーモン、マスといった肉から魚まで幅広く贅沢な食材をたっぷり使っています。
栄養バランスもきちんと考え、ビタミン豊富なクランベリーやアントシアニンを含むビルベリーなども。
FEDIAFの基準をクリアした工場で製造されている一般食ですが、主食としても食べられます。
人気の爪とぎなどで知られている猫壱から販売されているのが、「ブラシを嫌がる猫もとろける魔法のブラシ」です。
ブラッシングはラムキンにとって非常に重要なので、適切なブラシ選びはラムキンの問題解決に重要。
ブラシピンは1本ずつ丁寧に植毛されており、毛台はソフトクッションタイプで皮膚を傷めずブラッシングができます。
ラムキンの価格

ラムキンは現在、ほとんど生息していない猫種であるため、明確な相場はわかっていません。
ただ、日本国内でも出会えることがある猫種で、生体価格の相場は15万円~30万円程度とされています。
あまり多くの個体は存在していませんので、どうしてもお迎えしたいという方は、ブリーダー経由でのお迎えが現実的です。
この記事の執筆者
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