ボーダー・コリーは「最も知能が高い犬種」と言われるほど、非常に賢く優秀な犬種です。
それなのに「言うことを聞いてくれないことがある」「問題行動を起こす」と悩む飼い主さんもいます。
本来、頭が良くてしつけもしやすい犬種と言われているボーダー・コリーなのに、どうしてこのようなことが起こるのか。
そこで今回は、ボーダー・コリーの特徴や性質を活かした、しつけのコツをご紹介します。
この記事の結論
- ボーダー・コリーはとても賢い犬種であるがため、リーダーを見分ける習性がある
- 適切なトレーニングを子犬期からできていないと、コントロールできなくなることも
- トレーニングは生後2か月~3か月頃からスタートし、信頼関係を構築しておく
- 基本的なトレーニングに加えて、イタズラを抑制するトレーニングも必要
目次
ボーダー・コリーは賢いからこそしつけが難しいこともある

犬はもともと、群れをつくって集団で狩りを行う動物です。そのため、リーダーを見分ける習性があります。
ボーダー・コリーは犬種の中でもトップクラスに賢いがゆえに、家族の中の誰がリーダーか、また家族の上下関係や自分を好きか嫌いかなどをすぐに見抜きます。
しつけを行う飼い主さんと良好な信頼関係が築けていなければ、愛犬は言うことを聞きません。そして自分を嫌ってる人は犬側も嫌いです。
信頼できる相手でなければ合図を出しても聞きません。つまり、信頼できない相手である(言うことを聞く必要がない相手である)と認識されているとも考えられます。
特に牧羊犬の優等生だったボーダー・コリーは身体能力にも優れているので、その特徴や性質を活かしたしつけと訓練が必要だということを、最初に覚えておきましょう。
ボーダー・コリーに多い問題行動
ボーダー・コリーは、その高い知能と牧羊犬としての本能ゆえに、他の犬種とは異なる特有の問題行動を起こしやすい傾向にあります。
これらの行動を理解し、適切に対処することで、愛犬との信頼関係を築き、より良い関係を築くことができます。
噛み癖
ボーダー・コリーは、子犬の頃に甘噛みをすることが多いです。また、興奮した時や、遊びの最中に強く噛んでしまうことがあります。
- 牧羊犬としての本能(動くものを追いかけ、噛んでコントロールしようとする)
- 興奮によるコントロール不能
- 歯の生え変わり時期の不快感
無駄吠え
ボーダー・コリーは賢いため、要求吠えや警戒吠えなど、さまざまな目的で吠えることがあります。
- 知的・運動不足によるストレス
- 警戒心(知らない人や物音に対する)
- 要求(散歩に行きたい、おやつが欲しいなど)
人や車を追いかける行動(チェイシング)
牧羊犬としての本能から、動くものを追いかける行動はボーダー・コリーに非常によく見られます。
- 牧羊犬としての強い本能
- 運動不足
- 飼い主のコントロール不足
これらの問題行動は、早期に適切な対処を始めることが重要です。愛犬とのコミュニケーションを密にとり、信頼関係を築きながら、根気強くしつけを行いましょう。
スタミナ豊富な犬種なので運動不足もストレスに繋がる
ボーダー・コリーのしつけは単純なトレーニングとしてだけでなく、運動にも繋がる大事な時間。
ただでさえスタミナが豊富な犬種なので、しつけの一環としてできるトレーニングはストレスを発散することもできます。
日頃の散歩時間は小型犬ほどの少なさでは物足りませんし、十分な運動をしなければストレスが溜まってばかりです。
特にしつけだけでじっとしているのはストレスを溜めやすく、適度に発散することが大切です。
ボーダー・コリーのしつけと開始時期:知性を活かす基本的なコマンドの教え方

ボーダー・コリーのしつけでは、短時間で集中して行い、ポジティブ・リインフォースメント(ご褒美を使う)の原則を徹底することが成功の鍵です。
彼らは学習意欲が高いため、新しいことを学ぶことに喜びを感じます。正しく褒めて、正しく導いてあげてください。
ボーダー・コリーのしつけ開始時期は生後2~3か月頃
ボーダー・コリーは生後2か月を過ぎる頃から体重が急速に増え、ぐんぐん成長し始めます。
体の成長とともに学習能力も発達し、体験したことや習得したことが身につきやすいため、この時期をしつけ開始に適した「社会化期」と呼びます。
家庭犬としてこの先幸せな「犬生」を送るためには、まず人間との暮らしに慣れてもらうことが大切です。
日常生活の刺激に慣れさせる
生後56日を経過しない犬や猫の販売は動物愛護管理法で禁止されていますので、ペットショップやブリーダーからお迎えした子は生後約2か月以降のはず。
ボーダー・コリーに限らず、愛犬へのしつけはお迎えした生後2か月~3か月頃から始めます。これまでとは異なる環境と生活の中で愛犬はさまざまな物、音、存在に出会います。
まずは飼い主さんに慣れてもらい、安心感を与えながら、以下の環境に慣らすことから始めましょう。
- 人
- 物音(屋内外問わず)
- ほかの動物
- 環境(自宅以外の場所) など
生後2か月~3か月の「社会化期」と呼ばれる時期に、日常生活の中でさまざまな経験をしながら、新しい環境に慣れてもらうことが大切です。
触られることや抱っこに慣れさせる
生後2か月~3か月の社会化期には、飼い主さんとのコミュニケーションや抱っこなどの触れ合いもたっぷり行いましょう。
一般的に犬が触られるのを嫌がる足先やしっぽに触れることにも慣れてもらっておくと、動物病院やお出かけ先でも困りません。
口の周りや耳に触られることにも慣れてもらうと、歯磨きや耳掃除などの習慣もスムーズにスタートできますので、子犬期からのしつけは欠かさずに行います。
成犬のボーダー・コリーのしつけは、より時間と根気が必要
子犬へのしつけはいわば白紙に書き込むようなもので、どんどん吸い込まれるように身についていきますが、成犬の場合はそうはいきません。
何歳からでもしつけは可能ですが、今まで覚えたことや身についたことを上書きしなければいけないため、子犬に比べると新しい環境や習慣に慣れるのには時間がかかります。
特にボーダー・コリーは記憶力が良いので、新しい記憶に塗り替えるには時間と努力が必要です。
愛犬がなかなか言うことを聞かないからといって、叩いたり怒鳴ったりは厳禁。悪いことをした場合は「ダメ!」と短く言って叱りましょう。
1. しつけの土台:アイコンタクトの重要性
アイコンタクトは、すべてのしつけの基本であり、飼い主と犬の信頼関係を築く上で最も重要なコミュニケーションです。ボーダー・コリーの高い集中力を引き出すためにも、アイコンタクトの訓練から始めましょう。
アイコンタクトの訓練方法
- 静かな環境で開始: 最初は、気が散るもののない静かな場所で行います。
- おやつで誘導: 犬の鼻先におやつを持ち、ゆっくりと顔の前から飼い主の目元へと移動させます。
- 目を合わせたら即座に褒める: 犬があなたの目を見た瞬間、「よし!」などの短い言葉で褒め、すぐにおやつを与えます。数秒でも目が合ったら成功です。
- 「見て」「アイコン」などの合図を追加: 犬がアイコンタクトを理解してきたら、目を合わせる前に「見て」や「アイコン」といった指示の言葉を加えてみましょう。
- 徐々に時間を延ばす: 目が合う時間が長くなってきたら、褒めるタイミングを少し遅らせて、アイコンタクトの持続時間を延ばしていきます。
- さまざまな場所で練習: 慣れてきたら、少しずつ刺激のある場所(リビング、庭、散歩中など)でも練習し、どんな状況でもアイコンタクトが取れるようにします。
ポイント: アイコンタクトは、犬が飼い主に集中し、指示を聞く準備ができたことを示すサインです。すべてのコマンドの前に「見て」と指示し、アイコンタクトが取れてから次のコマンドを出す習慣をつけましょう。
2. 基本コマンドのステップバイステップ解説
ボーダー・コリーは一度覚えると非常に正確に実行します。根気強く、楽しく教えることが大切です。
(1) 「おすわり」
犬の基本的な動作であり、興奮を鎮めたり、落ち着かせたりする際に役立ちます。
- 犬の誘導: 犬の鼻先におやつを持ち、そのままゆっくりと頭の真上、お尻の方向へ動かします。犬はおやつを見ようとして自然にお尻を下げるはずです。
- コマンドと褒め言葉: お尻が地面についた瞬間に「おすわり!」と明確にコマンドを言い、「よし!」と褒めておやつを与えます。
- 繰り返し練習: 短いセッションで、数回繰り返します。成功したら必ず褒めてご褒美を与え、失敗しても叱らないでください。
- ハンドサインの追加: コマンドの言葉と同時に、指を上に向けるなどのハンドサインも加えると、視覚からの情報で理解を深めます。
(2) 「待て」
衝動的な行動を抑え、状況判断能力を養う上で非常に重要なコマンドです。
- おすわりの姿勢から: 犬におすわりをさせます。
- 「待て」と指示: 犬の目の前におやつを見せ、掌を広げたハンドサインと共に「待て!」と明確にコマンドを言います。
- 短い時間から始める: 最初はわずか1秒から始め、犬が動かずに待てたらすぐに「よし!」と褒めておやつを与えます。
- 徐々に時間を延ばす: 待つ時間を1秒ずつ、2秒ずつと徐々に延ばしていきます。
- 距離を置く練習: 犬が安定して待てるようになったら、飼い主が少しずつ犬から離れて待つ練習をします。
ポイント: 「待て」の途中で犬が動いてしまっても、叱らずにもう一度おすわりからやり直しましょう。「待て」の成功の後に「よし!」と解除の合図を忘れずに伝えることで、犬はいつ行動して良いかを理解します。
(3) 「おいで」
リードなしでの安全確保や、緊急時に犬を呼び戻すために最も重要なコマンドです。
- 魅力的な呼び声: 犬の名前を呼びながら、楽しそうな、弾んだ声で「おいで!」とコマンドを言います。同時に、しゃがんで手招きをすると良いでしょう。
- ご褒美で誘導: 犬が飼い主の元に来たら、大いに褒めてご褒美(おやつや大好きなおもちゃ、撫でるなど)を与えます。
- 短い距離から開始: 最初は室内や庭など、障害物の少ない場所で短い距離から始めます。
- 逃げない工夫: 犬が来る途中で気が散ったり、遊びだしたりしても、追いかけずに忍耐強く待ちましょう。犬が来たら、逃げられないようにそっとリードをつけ、褒めてから自由にさせてあげます。
- 徐々に距離と環境の難易度を上げる: 慣れてきたら、散歩中やドッグランなど、より刺激の多い場所で練習します。
ポイント: 「おいで」は、犬にとって「飼い主の元に行くと良いことがある」と強く結びつくように、毎回必ずご褒美を与えましょう。叱るときに「おいで」を使ってはいけません。
(4) 「伏せ」
「おすわり」よりも落ち着いた姿勢で、犬の興奮を鎮めるのに効果的です。
- おすわりの姿勢から: 犬におすわりをさせます。
- おやつで誘導: 犬の鼻先におやつを持ち、ゆっくりと地面に沿って前方に動かします。犬がおやつを追いかけるうちに自然と伏せの姿勢になるはずです。
- コマンドと褒め言葉: 伏せの姿勢になった瞬間に「伏せ!」とコマンドを言い、「よし!」と褒めておやつを与えます。
- 繰り返し練習とハンドサイン: おすわりと同様に、短いセッションで繰り返し練習し、掌を地面に向けるなどのハンドサインも追加します。
ポイント: ボーダー・コリーは牧羊犬の本能で伏せを自然に行うことも多いですが、あくまで飼い主のコマンドで確実に伏せができるように練習しましょう。
しつけの成功の秘訣:短時間・集中・ポジティブ・リインフォースメント
- 短時間で集中: ボーダー・コリーは賢い反面、飽きやすい一面もあります。1回のしつけは5~10分程度に留め、犬が集中しているうちに終わらせましょう。
- ポジティブ・リインフォースメント: 叱るのではなく、犬が正しい行動をした瞬間に褒め、おやつや遊びでご褒美を与えることを徹底してください。これにより、犬は「この行動をすると良いことが起こる」と学習し、自ら進んで行動するようになります。
- 一貫性: 家族全員で同じコマンドと方法を使い、一貫したしつけを心がけましょう。
- 忍耐と愛情: ボーダー・コリーの高い知性は、飼い主の指示をよく理解する反面、時に自分勝手な行動を取ることもあります。根気強く、愛情を持って接することで、彼らの素晴らしい能力を引き出すことができます。
これらの基本的なコマンドをマスターすることで、ボーダー・コリーとの絆が深まり、より安全で楽しい共生生活を送ることができるでしょう。
ボーダー・コリーの本能的な欲求を満たすしつけ:日常生活での遊び方

ボーダー・コリーのしつけでは、彼らの「頭を使うこと」「体を動かすこと」「特定の対象を追ったり集めたりすること」といった本能的な欲求を理解し、遊びや訓練に組み込むことが重要です。
室内や庭でできる知的な遊び
ボーダー・コリーの高い知性を活用し、脳を刺激する遊びは、彼らの満足度を高めるために非常に効果的です。
ノーズワーク(におい探しゲーム)
ボーダー・コリーの優れた嗅覚を存分に活用できる遊びです。彼らにとって、においを追うことは本能的な行動であり、大きな喜びとなります。
- 遊び方:
- まず、犬を別の部屋に待たせるか、クレートに入れます。
- 少量のおやつ(犬が大好きで、においの強いもの)や、お気に入りの小さなおもちゃを、部屋の様々な場所に隠します。最初は見つけやすい場所から始め、徐々に難易度を上げましょう(例:家具の裏、クッションの下、布で軽く隠すなど)。
- 「探せ!」や「ノーズ!」などの合図を出して犬を解き放ち、においを辿って隠されたものを見つけさせます。
- 見つけたら大いに褒め、ご褒美としてそのおやつを与えたり、おもちゃで遊んであげたりします。
- ポイント: 嗅覚を使う遊びは、犬にとって非常に集中力と体力を消耗します。短時間でも十分な満足感を与えることができます。雨の日や室内での運動が制限される日に特に有効です。
かくれんぼ
飼い主と犬の絆を深めながら、犬の探求心と呼び戻しの訓練にもなる遊びです。
- 遊び方:
- まず、犬に「待て」と指示を出します。
- 飼い主が犬に見つからない場所に隠れます(最初は少しだけ体を隠す程度から)。
- 隠れたら、犬の名前を呼んだり、「おいで!」と楽しそうに呼びかけたりします。
- 犬が飼い主を見つけたら、全身で喜びを表現し、たくさん褒めておやつを与えます。
- ポイント: 最初は簡単な隠れ場所から始め、犬が成功体験を積めるようにします。家族がいる場合は、協力して交代で隠れると、より楽しくなります。
コングなどの知育玩具の活用
犬が頭を使って中身を取り出すタイプの知育玩具は、退屈しのぎになるだけでなく、考える力を養います。
- 使い方:
- コングの内部に、犬用のペースト状のおやつや、ふやかしたフード、小さく切った野菜などを詰めます。取り出しにくいように、少し凍らせて使うのも良いでしょう。
- 犬に与え、転がしたり舐めたりして中身を出させるように促します。
- ポイント: 食事の一部を知育玩具に入れて与えることで、早食い防止にもなり、満足感を得やすくなります。様々なタイプの知育玩具を試して、愛犬が一番夢中になれるものを見つけてあげましょう。
牧羊犬としての本能的な動きを日常生活の遊びで代替・昇華させる
ボーダー・コリーが持つ「追いかける」「集める」「誘導する」といった牧羊犬としての本能は、適切な形で満たしてあげないと、車や自転車、人などを過剰に追いかける問題行動に繋がることがあります。
可愛らしく賢い犬種ではあるものの、思っている以上に活動的であることを理解し、遊びを通してこの欲求を満たしてあげましょう。
ボール集めゲーム
散らばったボールを特定の場所に集めさせる遊びは、牧羊犬の本能的な「集める」という欲求を安全な形で満たします。
- 遊び方:
- ボールを数個用意し、庭や部屋に散らばらせます。
- 「ボール集めて!」「バスケット!」などのコマンドを使い、犬にボールを一つずつ拾わせて、指定した場所(例:バスケット、箱など)に入れるように教えます。
- 成功したら、毎回褒めてご褒美を与えます。
- ポイント: 最初はひとつずつ、簡単な場所から始め、徐々にボールの数を増やしたり、集める場所を離したりして難易度を上げましょう。
おもちゃを特定の場所に運ばせる
これも「集める」「誘導する」本能を刺激する遊びです。
- 遊び方:
- 犬が大好きなおもちゃをひとつ用意します。
- 「〇〇(おもちゃの名前)持ってきて!」とコマンドを言い、飼い主の元や指定の場所(例:犬のベッド)まで持ってこさせます。
- 持ってきたら、「よし!」と褒めてご褒美を与え、再び投げたり隠したりして繰り返します。
- ポイント: 単に持ってくるだけでなく、「ベッドに置いて」など、具体的な指示で運ぶ場所を指定することで、より知的な訓練になります。
フリスビーやボール遊びの質の向上
ただ投げっぱなしにするだけでなく、フリスビーやボールを投げる際に、「待て」で止めてから「よし」で追いかけさせたり、特定の位置に投げ分けて回収させたりすることで、単なる運動からより知的な遊びへと昇華させることができます。
彼らは素早く動くものを追いかける本能が強いため、安全な場所で存分に走らせてあげましょう。
これらの遊びは、ボーダー・コリーの知性と運動能力、そして牧羊犬としての本能を同時に満たすことができます。
日々の生活にこれらの遊びを取り入れることで、愛犬は心身ともに満たされ、問題行動の予防にも繋がり、飼い主との関係もより一層深まるでしょう。
ボーダー・コリーのしつけのポイントと注意点

賢いボーダー・コリーは、飼い主さんが自分のリーダーに相応しいかどうか常に観察しています。
人間との共同作業が大好きなボーダー・コリーは、一定のルールに従ってしつけられたり、飼い主さんと一緒にトレーニングしたりが嫌ではありません。
むしろ放ったらかしにされることのほうが、ボーダー・コリーにとっては苦痛であり、ストレスになるのです。
ただし、しつけが上手くいかないからと叩いたり怒鳴ったりすると、かえって愛犬との信頼関係が壊れることになります。日々のしつけは愛情を込めて行いましょう。
愛犬を呼ぶときの名前は統一する
世界的に愛されるキャラクター、スヌーピーはビーグル犬ですが、賢くてちょっと気難し屋さん。日本のファンの間では「スヌちゃん、ヌーピー」…いろいろな呼び方があるようですが、そう呼んで果たしてあのスヌーピーが振り向いてくれるでしょうか?
スヌーピーのようにわざと振り向かないまでも、愛犬の名前の呼び方が飼い主さんの気分やシチュエーションで変わると、愛犬は自分の名前を覚えられません。
愛犬が自らの名前を認識することはしつけの第一歩であり、万が一、愛犬が逃走したり危険が及んだりしたとき呼び寄せるために不可欠です。
また、ご家族がいる場合も、愛犬が自分の名前を認識するまでは呼び方を統一しましょう。
主従関係ではなく信頼関係を築く

お利口さんのボーダー・コリーが飼い主さんをリーダーとして認めればしつけはスムーズです。だからといって、愛犬に対して抑圧的になるのはタブー。
人間同士でも信頼関係のない主従関係のみのリーダーはメンバーの統率やチームの存続ができないように、飼い主さんと愛犬の関係も同じです。
まずは愛犬を信じて愛情を注ぐことで愛犬からも信頼してもらうこと。そのためのしつけやトレーニングであると認識しておきましょう。
愛犬の健康や安全を守り、ひいては愛犬と飼い主さんが幸せな暮らしを続けるためにしつけやトレーニングがあるのですから。
愛犬に教えるコマンド(合図)は短く
コマンドトレーニングのコマンド(command)は指図や指示を意味する英語ですが、海外では合図という意味のキュー(cue)を用います。
これも、愛犬と飼い主さんとの関係が主従関係ではなく、パートナーとしての信頼関係が重要という考え方の表れでしょう。
さて、その合図ですが、以下のようにできるだけ短い言葉で簡潔に、はっきりと発したほうが愛犬の記憶に残ります。
- ダメ
- まて
- お座り
- ふせ
- よし
- おいで
- お手
- ハウス
なお、愛犬の学習を促すには、ハンドサイン(ハンドシグナル)を併用するのも効果的です。
例えば「待て」なら愛犬の動作を押し止めるように目の前に開いた手のひらを差し出す、「お座り」は人差し指を1本だけ立てるといった動作をします。
言葉の合図と同様、毎回異なったりご家族でバラバラになったりしないよう、動作を統一しましょう。
上手にできたらすぐ褒めてご褒美を与える
しつけを始めたばかりの頃には、できたら褒めるのを当然と思うように、間違ったら叱るということを当然と思う人もいます。
ですがこれは間違いです。大事なのはできなかったときに叱ることよりも、上手にできたときに褒めることを繰り返し行った方が、愛犬のしつけを成功させるには重要です。
特に飼い主さんの役に立ったり、一緒に何かを成し遂げたりするのが大好きなボーダー・コリーにとって、褒められることは何よりのご褒美。
実際のご褒美として、またトレーニングを効率的に行うため、おやつを活用する場合は、栄養やカロリー面でも配慮されたものを選びましょう。
叱られることが常態化するとストレスを抱えるようになる
トレーニングで失敗したときに叱りたくなる気持ちもわかりますが、大事なことは成功したときに褒めるということ。
失敗して叱るを繰り返していると、失敗することに慣れてしまったり、アクションを起こすことで叱られると覚えてしまうこともあります。
こうなるとトレーニング自体が愛犬にとってのストレスになり、トレーニングを拒否するようになるのです。
成功の形を何度も誘導して覚えてもらい、そしてその都度、褒めてあげるということを忘れないようにしましょう。
しつけは毎日短時間だけ行う
一般的に犬が集中できるのは5分程度と言われていますが、頭が良くて作業能力の高いボーダー・コリーは10分くらいまで大丈夫。
とはいえ、子犬やシニア犬なら、やはりせいぜい5分が限度でしょう。長すぎると疲れて嫌になってしまうだけです。
しつけは5分程度の短い時間でOKなので、毎日続けることが大切です。そわそわし始めて集中できなさそうだったら、それ以上は続けずにまた次の機会にしましょう。
怒鳴る、叩くなど恐怖を与える行為はNG
暴力やネグレクト(お世話放棄)などのDV(ドメスティック・バイオレンス)を経験した子は、人間に対して怯えたり凶暴になったりします。
しつけが上手くいかないからといって、怒鳴る、罵倒するといった心理的暴力や殴る、蹴るなどの身体的暴力は絶対禁止。かえって愛犬の心を傷つけ、恐怖を植え付けるだけです。
なお、動物愛護管理法(動物の愛護及び管理に関する法律)第44条で、動物への虐待は禁止されています。
動物を殺したり傷つけたりすると1年以下の懲役または100万円以下の罰金、衰弱させたり遺棄した場合は50万円以下の罰金が課せられます。
しつけが上手くいかない場合はプロに相談する
どんなに努力しても愛犬のしつけやトレーニングが上手くいかない場合は、専門家の手を借りるという選択肢もあります。
全国各地にしつけ教室がありますし、家庭犬をしつけるための専門的なノウハウを身につけたドッグトレーナーもいます。
お迎えしてすぐにこういった教室やトレーナーの指導を受けることで、飼い主さんもコツを学べ、その後のしつけがスムーズになったという例もたくさんあります。
必要に応じて使用するしつけやトレーニングにおすすめのグッズ
「仕事の効率はツール(道具)によって差が出る」とはよく言われることですが、愛犬のしつけにも同様のことが言えます。
今や全国どこにいても、ネットショップを利用して便利グッズが購入できる時代です。愛犬のしつけやトレーニングを効率的に行える、おすすめの優れものグッズたちをご紹介します。
KONG(コング) 犬用おもちゃ
ボーダー・コリーの追いかけたい、噛みつきたいという欲求を満たし、逃走や噛み癖の防止に役立つ玩具です。
本体の凹凸に専用ペーストやフードを入れると、中身を取り出そうと愛犬が夢中になって追いかけます。
噛み心地がよく、丈夫な天然ゴム100%。ユニークな形状で、バウンドしたり不規則に転がったりが愛犬の好奇心を刺激します。
本体サイズ | M:5.7×5.7×8.6cm |
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本体重量 | 110g |
原産国 | アメリカ |
対象年齢 | - |
素材 | 天然ゴム |
適合種 | 中型犬 |
種類 | 1種類 |
ペティオ(Petio) 体にうれしいボーロちゃん 乳酸菌入り
しつけのご褒美やアイコンタクトのトレーニングなどに活用できる、パピーからOKの全年齢対応おやつです。
特許製法ナノ型乳酸菌(KH-2株)を10粒に約20億個配合したボーロで、カルシウム・オリゴ糖・水溶性食物繊維も配合し、保存料・着色料は不使用。
愛犬が喉に詰まらせないよう、お子さんが与える場合は必ず大人が立ち会いましょう。
対象年齢 | 生後3ヶ月以上 |
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内容量 | 45g |
原産国 | 日本 |
主原料 | 馬鈴薯でんぷん |
その他原材料 | 砂糖、卵類、ブドウ糖、水飴、オリゴ糖、脱脂粉乳、難消化性デキストリン(水溶性食物繊維)、乳酸菌(KH-2株(熱処理済)) |
注意したい原材料 | なし |
安全性の高い添加物 | 卵殻Ca |
注意したい添加物 | 香料 |
100gあたりのカロリー | 386kcal |
1日あたりの価格(体重5kgの場合) | - |
定期販売 | - |
フード目的 | 間食 |
フードの種類 | おやつ |
PetSafe イージーウォークハーネス
引っ張り癖や飛びつき癖の抑制を目的に作られたハーネスで、愛犬がリードを引っ張ると胸部のストラップが締まる仕組みになっています。
愛犬の喉を締め付けないので息苦しくさせることなく、自然と横に愛犬を誘導することができ、引っ張りを無理なく抑えられます。
ボーダー・コリーにはSmall/Medium、Mediumサイズがおすすめ。リードは付いていないので別途購入が必要です。
首周り | - |
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胸周り | P:15cm~18cm/PS:20cm~23cm/S:21.5cm~28cm/SM:28cm~33cm/M:30cm~38cm/ML:35.5cm~46cm/L:40.5cm~53cm/XL:44.5cm~60cm |
胴回り | P:30.5cm~40.5cm/PS:33cm~46cm/S:38cm~53cm/SM:48cm~66cm/M:53cm~81cm/ML:62cm~86cm/L:68.5cm~101.5cm/XL:81cm~127cm |
素材 | - |
適合種 | 小型犬~大型犬 |
留め具 | バックル |
反射板 | × |
ハンドル | × |
洗濯 | 手洗いのみ |
成長段階 | 全年齢 |
長さ調整 | ◯ |
構造 | イージーウォーク |
ボーダー・コリーの飼育Q&A
ボーダー・コリーはどんな人に向いている?
ボーダー・コリーは、運動や遊びの時間を十分に確保できる人に向いています。知的好奇心と運動欲求が非常に高いため、毎日数時間の散歩や、フリスビー、アジリティといった遊びに付き合ってあげられるアクティブなライフスタイルの人、そして犬のしつけや学習を一緒に楽しむ意欲のある人に最適です。
ボーダー・コリーはしつけ教室に通うべき?
結論として、通うことを強く推奨します。ボーダー・コリーは非常に賢い反面、間違ったしつけをすると問題行動が定着しやすい犬種です。
しつけ教室では、専門的な知識を持ったトレーナーから正しいしつけ方法を学べるだけでなく、他の犬や人と触れ合うことで、社会性を身につける良い機会にもなります。
ボーダー・コリーの多頭飼いの注意点は?
ボーダー・コリーは牧羊犬の本能から、他のペット(特に小型犬や猫)を追いかけ、コントロールしようとする習性があります。
そのため、多頭飼いをする場合は、先住犬や猫との相性を慎重に見極めることが非常に重要です。
また、犬同士で興奮しすぎないよう、それぞれの犬に十分な運動や遊びの時間を確保してあげましょう。
ボーダー・コリーの抜け毛は多い?手入れは?
抜け毛は非常に多いです。特に換毛期(春と秋)には大量に毛が抜けるため、毎日のブラッシングが欠かせません。
皮膚の通気性を保ち、毛玉を防ぐためにも、スリッカーブラシとコームを使って、こまめにお手入れをしてあげましょう。
ボーダー・コリーは留守番はできる?
ボーダー・コリーは、一人でいることに慣れていないと、分離不安になることがあります。留守番をさせる場合は、子犬の頃から徐々に時間を延ばすトレーニングをしましょう。
また、留守中に退屈しないよう、知育玩具を与えたり、十分な運動をさせてから出かけるのがおすすめです。
ボーダー・コリーの特性をしっかり理解して適切なしつけ方を

カナダのブリティッシュ・コロンビア大学の研究チームによる知能調査で、全犬種中No.1の成績を収めたこともあるボーダー・コリー。
優れたIQと洞察力があり、活発で作業意欲も高く、男の子はやんちゃで甘えん坊。さらに縄張り意識が強く、女の子は甘え上手で優しく、デリケートな一面も。
いずれも知力と体力があり、スタミナ抜群なため、飼い主さんにもタフさが必要かもしれません。
ですが、しつけやトレーニングの達成感を共有して信頼関係が結べたら、飼い主さんにとってもこの上なく絆の深い人生のパートナーとなることでしょう。
この記事の執筆者
nademo編集部
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