小さな体でありながら、キリリとした凛々しい佇まいの日本テリア。癖があるといわれているテリア種の中でも、穏やかな性格でお世話がしやすいといわれています。
本記事では、日本テリアの性格などの特徴を深掘りし、その魅力に迫っています。
これからお迎えを考えている人はもちろん、日本テリアがどんな犬種なのか知りたいという人もぜひチェックしてください。
この記事の結論
- 日本テリアは頭部が黒色、胴体が白色というツートンカラーが個性的
- 明るく活発な性格で、テリア種に多い頑固な一面はあまり感じられない
- 小型犬だが筋肉質でタフなため、散歩や遊びの時間を毎日十分に設けてあげる必要がある
- 穏やかな反面、来客に対して警戒心が強い傾向にあり、吠え癖や飛びつきを防ぐためのしつけが大切
ライター
牛の魅力にハマり、卒業後は酪農スタッフとして牧場で乳牛と過ごし、居住地が変わることをきっかけに、動物看護士に転職。
現在はこれまでのペットに関する経験を活かしながらライターとして活動中。
日本テリアの特徴

頭と体で白黒に分かれた毛色が印象的な日本テリアは、国内で誕生したテリア種です。
多くのテリア種にみられる頑固さや気難しさは少ない傾向にあり、基本的には誰とでも仲良くできるので、比較的育てやすいといえるでしょう。
小さな体は抱っこに最適なサイズ感ですが、しっかりと筋肉がついており、スラリとした美しいスタイルをしています。
日本原産のテリア種でありながら、戦争での頭数減少や洋犬ブームが影響し、現在は国内外問わず飼育頭数が少ない珍しい犬種です。
明るく活発な性格
家族には懐くが、警戒心もある
警戒心から吠えることがある
運動能力が高い
その他情報
原産地 | 日本 |
犬種グループ | 3G:テリア |
大きさ | 小型 |
平均寿命 | 12歳~14歳 |
なりやすい病気 | 白内障,股関節形成不全,水晶体脱臼,口蓋裂,停留睾丸 |
参考価格 | 20万円前後 |
被毛
抜け毛 | 少ない |
毛質 | ショートコート |
毛色 | ブラック&タン&ホワイト |
日本テリアの誕生の歴史
日本テリアは1700年代頃に、外国からやってきたスムース・フォックス・テリアと小型の和犬との交配で誕生したといわれています。抱っこしやすいサイズ感から、当時は抱き犬として愛されていました。
昭和初期には国内で日本テリアのブームが巻き起こり、その魅力はたくさんの人に広まっていきます。しかし、太平洋戦争のはじまりをきっかけに日本テリアの数は大きく減少してしまいます。終戦後には洋犬がブームになったことで、一時は絶滅が心配されたほど。
現在も飼育頭数は少ない日本テリアですが、愛好家の絶え間ない努力によって絶えることなく犬種が確立されているのです。
日本テリアの身体的特徴
日本テリアの特徴の中でも目を引くのが、黒い頭に白い胴体のツートンカラーです。ツヤのある短い被毛が体のラインをキレイにみせており、しなやかな筋肉が際立ちます。
くさび型の頭がシュッとした印象を引き立てますが、小さな三角の垂れ耳に大きな瞳、コンパクトな体型がキュートな雰囲気を高めています。
クールさとかわいらしさのどちらの魅力も持ち合わせている犬種です。
日本テリアのサイズ(体高・体重)
体高 | 約30cm~33cm |
体重 | 4kg~5kg |
体高が約30cm~33cmの日本テリアは、小型犬に分類されます。体重は約4kg~5kgと抱っこしやすい重さで、男の子と女の子での体格差は少ないです。
スマートな体型なので、小さいながらもスタイリッシュな雰囲気が漂います。
日本テリアの毛色・被毛
個性的なツートンカラーがかわいい日本テリアの毛色は、頭部と胴体の組み合わせでいくつか種類があります。
頭部はブラック、タン、ホワイトの3種類で、胴体は基本的にホワイトですが、ブラックのスポットやブラックまたはタンのマーキングが入ることも。
被毛は2mm程度とかなり短く、毛並みに沿って撫でると滑らかな手触りが感じられます。
日本テリアの運動能力
小柄でありながらも元気ハツラツな日本テリアは、機敏に動きまわってよく遊びます。
小さな体から溢れ出るエネルギーに元気をもらえることでしょう。パワフルで持久力があるので、毎日の散歩や遊びでよく運動させてあげる必要があります。
日本テリアの見分け方
日本テリアを見分ける際は、毛色に注目してみましょう。頭部と胴体で分かれる白黒のツートンカラーが最大の特徴です。
体の大きさや体型が近いミニチュア・ピンシャーと間違われることがありますが、白黒の毛色を参考に日本テリアを上手く見極めてみてください。
日本テリアの性格・習性と飼うのに向いている人の特徴

テリア種は頑固で気難しい性格傾向にありますが、日本テリアの場合はそうした気質が弱いといわれています。
具体的にはどのような性格をしているのでしょうか。気になる日本テリアの性格や習性についてご紹介していきます。
代表的な性格・習性
明るく活発的
日本テリアの基本的な性格は明るく活発で、テリア種の中ではまだ穏やかな方だと言われています。
おもちゃ遊びや走ることを好み、元気よく動き回る様子がとてもかわいいです。
ほかの動物に対しても友好的な姿勢をみせてくれますので、ケンカなどのトラブルは少ない方です。
人懐っこく甘えん坊
とても人懐っこい日本テリアは、家族に対する愛情が深い犬種だと言われています。
大好きな飼い主さんに対しては特に甘えん坊であることが多く、構ってもらうことを大変喜びます。
仲良くなればなるほど甘えん坊な一面が見られるようになるので、毎日のお世話で共に時間を過ごすと良いです。
来客への警戒心が強い
家族に対する人懐っこい一面がある一方で、見知らぬ人に対する警戒心の強さもみられます。
来客など自分のテリトリーに入ってきた知らない人に対しては、警戒する様子がみられて吠えることもあります。
個体による差はありますが、番犬としての役割を果たすこともできるでしょう。
飼うのに向いている人の特徴
しっかり遊んで散歩できる人
明るく元気いっぱいの日本テリアには、遊びや散歩を通した十分な運動が求められます。とはいえ小型犬なので、散歩は30分程度を1日2回が理想です。
散歩以外にも、日常的に室内でおもちゃを使った遊びを取り入れたり、ドッグランで思うままに走らせたりするのもおすすめ。
適度にストレスを発散できるように、運動する時間を確保できる人が日本テリアの飼い主に求められる必須条件です。
一緒に過ごす時間を多く確保できる人
日本テリアは甘えん坊な性格で、飼い主さんと一緒に過ごすことが大好きな犬種です。
留守番が多くひとりで過ごす時間が長くなると、不安や寂しさからストレスをかかえ、問題行動を引き起こしてしまうことも。
そのため、日本テリアと一緒に過ごす時間を多く確保できる人が飼うのに向いています。
多くなりがちな遺伝性疾患を理解できる人
登録頭数が限られており数が少ない日本テリアは、どうしても近親交配に近い状態になってしまうため、遺伝性疾患のリスクが高まります。
病気の種類によっては手術が必要になったり、生涯長く付き合っていったりすることも考えられます。
もちろん、すべての日本テリアが遺伝性疾患を抱えているわけではありませんが、こうした可能性があることを理解したうえでお迎えを決意してください。
万が一遺伝性疾患を発症してしまっても、覚悟をもって向き合える人が飼い主にふさわしいといえるでしょう。
日本テリアに特に注意すべき病気

日本テリアは、比較的遺伝性疾患が少ないとされていますが、いくつかの病気には注意が必要です。早期発見と予防が愛犬の健康を維持する鍵となります。
ここでは、日本テリアに特に気をつけたい病気と、その具体的な症状、予防法、早期発見のポイントを解説します。
日本テリアの平均寿命
日本テリアは平均して12歳~14歳ほどが寿命だといわれています。犬の寿命としてはやや短めな寿命とも言える長さで、平均寿命の15歳を目指したいところ。
幸せな最期を迎えられるように、毎日の健康管理に気を配りましょう。
日本テリアの注意したい病気
白内障 | 目の水晶体が白く濁ることで、視力の低下や失明を引き起こす |
股関節形成不全 | 骨が変形したり関節が緩むことから、股関節が異常形成される |
水晶体脱臼 | チン小帯がゆるくなり、水晶体が本来の位置から外れる状態 |
口蓋裂 | 先天的に口蓋に穴があいており、口腔と鼻腔が繋がってしまう |
停留睾丸 | 陰嚢内に降りてくるべき睾丸が降りてこない状態 |
希少犬種である日本テリアは近親交配に近い状態に陥りやすいことから、水晶体脱臼(すいしょうたいだっきゅう)や口蓋裂(こうがいれつ)などの遺伝性疾患のリスクが高いといえます。
また、元気いっぱいに動き回るため、股関節形成不全(こかんせつけいせいふぜん)のような関節疾患には十分に気を付けたいです。高いところから飛び降りるような動きをさせないように、お迎え後はしっかりと対策しておく必要があります。
白内障をはじめとした目の病気や、気が付きにくい停留睾丸(ていりゅうこうがん)にも要注意です。子犬の時期に発症する病気もいくつかあるため、毎日の健康観察と動物病院での健診を怠らないようにしましょう。
白内障・緑内障
これらの眼病は、視力の低下を招き、最終的には失明に至る可能性があります。
- 症状:
- 白内障: 目が白く濁る、物にぶつかりやすくなる、暗い場所を怖がる。
- 緑内障: 目が充血する、眼球が大きくなる、痛そうに目をこする、まぶしそうにする。
- 予防法:
- 遺伝的な要因が大きいため、完全に予防することは難しいです。しかし、アントシアニンやルテインといった眼の健康をサポートする成分を含むサプリメントを摂取させることや、紫外線対策として晴れた日の散歩時にサングラスや帽子を着用させることが、進行を遅らせるのに役立つ場合があります。
- 早期発見の重要性: 白内障や緑内障は、早期に発見し治療を開始することで、進行を遅らせたり、視力を維持できる可能性が高まります。日頃から愛犬の目の状態をよく観察し、少しでも異変を感じたらすぐに動物病院を受診することが大切です。
膝蓋骨脱臼(パテラ)
小型犬に多く見られる、膝のお皿(膝蓋骨)が正常な位置からずれてしまう病気です。
- 症状:
- 後ろ足を上げてスキップするように歩く。
- 歩き方がおかしい(足を引きずる、ケンケンする)。
- 痛そうに鳴く、足を触られるのを嫌がる。
- 予防法:
- 遺伝的要因が強いですが、肥満は膝への負担を増やすため、適切な体重管理が最も重要です。
- 滑りやすい床材(フローリングなど)は膝に負担をかけるため、カーペットや滑り止めマットを敷くなどの生活環境の改善が有効です。
- 過度なジャンプや激しい運動は避けましょう。
- 早期発見の重要性: 軽度であれば、外科手術なしで症状を管理できることが多いです。しかし、放置すると関節炎を引き起こしたり、重症化して歩行困難になることもあります。異変に気づいたらすぐに獣医師に相談し、適切なケアを始めることが大切です。
その他の注意すべき病気
- 進行性網膜萎縮症(PRA): 遺伝性の眼病で、夜盲症から始まり徐々に視力が低下し、最終的に失明します。白内障と異なり、治療法はありませんが、遺伝子検査でキャリアかどうかを調べることが可能です。
- てんかん: 脳の病気で、発作を繰り返します。初期症状は分かりにくいですが、口をパクパクさせる、一点を見つめる、意識がなくなるなどの発作が見られます。定期的な健康診断と、愛犬の行動を日頃からよく観察することが重要です。
これらの病気に共通して言えるのは、早期発見が最も重要であるということです。日頃から愛犬の行動や外見の変化をよく観察し、少しでも「おかしいな」と感じたら、迷わず動物病院を受診するようにしましょう。
日本テリアの価格

日本テリアの価格は平均して20万円前後であることが多く、ほかの小型犬と比較しても大きな価格差はないといえます。
希少犬種なのでペットショップで出会えることは基本的になく、専門のブリーダーからお迎えするケースがほとんどです。
お迎えを検討する場合は、国内における日本テリアのブリーダーを探すところから始めましょう。
場合によっては海外のブリーダー経由でのお迎えとなりますが、その場合には諸経費によって価格が2倍~3倍になることもあります。
日本テリアの飼い方

小型犬で明るく穏やかな性格の日本テリアは、ほかのテリア種と比べてもお世話がしやすい傾向にあります。
とはいえ性格や習性を理解しておかないと、手を焼くこともあるはずです。日本テリアに求められるお世話のポイントについて知っておきましょう。
難易度は高くないが、適切なしつけが必要

日本テリアは基本をおさえていれば誰でもお世話がしやすい犬種だといえます。
しかし、しつけを怠ると手が付けられなくなることもあるので、お迎えしたら間をあけずにしつけを開始しましょう。
「座れ」「待て」「来い」などの指示が通るようにしておくと、一緒に外出する際にも役立ちます。
しつけは事故やトラブルを回避するための重要な鍵となるので、手を抜かずに根気よく教えてあげてください。
警戒心から吠えることもあるため、吠え癖は特に注意
普段は穏やかな日本テリアでも、知らない人がテリトリーに侵入してきたら警戒して吠えることがあります。
家族以外に過剰に警戒するような吠え癖が付きやすいので、しつけをすることをおすすめします。
警戒心から吠える場合は、飼い主がいれば安全だと理解させてあげると上手くいきやすいです。信頼関係をしっかりと構築しておくことがポイントになるでしょう。
太りやすいので散歩時間はたっぷり確保する

スマートな日本テリアですが、実は太りやすい犬種なので肥満に気を付けてください。食事は適正量を守り、おやつの与えすぎには要注意です。
正しい食事内容で毎日の散歩時間を十分に確保できれば、肥満を大きく予防することができます。最低でも30分ほどの散歩を、朝夕の1日2回行うのが理想です。
ブラッシングは週に1~2回程度でOK

短毛の日本テリアは被毛のお手入れがとても楽です。ササッとブラッシングするだけで、簡単にケアできるのです。
しかし、被毛が短くても抜け毛は発生するので、皮膚トラブルを防ぐためにも週に1~2回ほどの頻度でブラッシングをする必要があります。
ブラッシングは皮膚の健康を良好に保つために欠かせません。リラックス効果も期待できるので、短毛用のブラシやコームでお手入れしてあげましょう。
歯磨き以外は2週間から1か月に1回ペースでOK
定期的に行う必要があるお手入れ内容は上記の通りです。
それぞれの頻度はあくまでも目安で、個体によっては爪が伸びるスピードがゆっくりめだったり、耳の汚れが付着しやすかったりすることもあります。
愛犬の体質に合う適切なタイミングで、各お手入れをしてあげてください。
寒さに弱いので、室温は23℃程度に保つ

被毛がとても短い日本テリアは寒さが苦手です。寒さが厳しい季節は、23℃ほどの室温になるよう調整してあげてください。
冬はなるべく気温が高いタイミングで散歩に連れて行くことを心掛けましょう。服を着せたりペットヒーターを活用したりするのもおすすめです。
室内では必ずエアコンを使用して夏でも冬でも室温を保ち、加湿器を使って湿度も保てるようにしましょう。
留守番は短時間からスタートして徐々に慣れさせる
日本テリアは甘えん坊な性格で飼い主さんと一緒にいることを好む犬種です。
いきなりひとりの時間が多くなると不安や寂しさからストレスを溜め込んでしまい、問題行動や体調不良を起こしてしまうこともあります。
そのためお留守番をするときは短時間からスタートし、徐々に時間をのばして慣れさせていきましょう。
食事管理におすすめのドッグフード・アイテム
鮮度の高い原材料を丁寧に調理している、小型犬の健康を総合的にサポートしてくれる成犬用フードです。
鶏肉、魚、卵といった動物性原材料を60%配合しているため、食べ応え抜群。
さらに残りの40%は野菜、果物、ハーブ類が占めており、小型犬の体に必要な栄養を余すことなく摂取できます。
人工的な添加物は使用していない点も、安心して与えられるポイントです。
インテリアに馴染みやすい木目調のデザインと、お手入れのしやすさが特徴のサークルです。3種類のカラーバリエーションで、お部屋の雰囲気に合わせて選べます。
サークルの四隅に固定ピンを取り付ければ組み立てられる手軽さでありながらも、サークル自体はしっかりとした素材と重量感で安心。
開閉がしやすいスライドドアに、底のトレー部分は水洗いもできるので使い勝手は抜群です。おしゃれで使いやすいサークルを探している人は、ぜひ試してみてください。

KILONINER
M5 Light Vest
通気性の良いメッシュ素材に高いクッション性で、装着時の快適さを実現しているハーネスです。愛犬の体にピッタリとフィットし、たくさん動いてもずれにくい構造になっています。
サイズはXXXSからのラインナップで、首、胸部、腹部の3箇所でストラップ調整が可能です。体が小さい日本テリアでも、しっかりとフィットさせることができるでしょう。
防水仕様で耐久性が高いので、運動好きで機敏に動く日本テリアに最適のハーネスとしておすすめです。
日本テリアの理解度チェック
この記事の執筆者
ライター
動物に携わる職を目指し、飼育について学ぶ専門学校へ入学。
牛の魅力にハマり、卒業後は酪農スタッフとして牧場で乳牛と過ごし、居住地が変わることをきっかけに、人とペットを繋ぐ仕事がしてみたいと思い動物看護士に転職。
現在はこれまでのペットに関する経験を活かしながらライターとして活動中。
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