クーバースはガードドックやシープドックとして活躍し、現在は家庭犬として海外で人気のある犬種です。
その歴史は長く、少なくとも1000年以上あると言われていますが、日本ではまだ認知度が低く非常にレアな犬種です。
今回はそのクーバースをご家庭に迎えることを考えている方に向け、特徴や性格、飼い方などを詳しくご紹介します。
この記事の結論
- クーバースは1000年以上もの歴史がある、とても長い歴史を持つ犬種
- 性格は忠誠心が強くプライドが高め。攻撃性を抑えるためにしっかりとしたしつけが必要
- 体力があるので長時間の散歩は必要だが、関節疾患を患いやすいため激しい運動はNG
- 現在、日本国内でお迎えすることは難しいため、海外からの輸入が基本となる
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クーバースの特徴
クーバースはガードドッグやシープドッグとして古くから人間と共存してきた犬種です。
その忠誠心の高さと恐れ知らずの性格は、自分の主人を守るためであれば自らの命をも捧げるほどと言われています。
見た目はホワイトやアイボリーの単色で、垂れ耳やスクエア型の体型が特徴的です。
現在では家庭犬として飼育するために体はやや小さくなり、番犬ゆえの攻撃性のある性格も品種改良され、ペットやショードッグとしても人気を高めています。
忠実で愛情深い
家族に対しては懐く
警戒心から吠えることもある
猟犬なので運動能力は高い
その他情報
| 原産地 | ハンガリー |
| 犬種グループ | 1G:牧羊犬・牧畜犬 |
| 大きさ | 大型 |
| 平均寿命 | 10歳~13歳 |
| なりやすい病気 | 股関節形成不全,鼓腸症,外耳炎,胃拡張捻転症候群,離断性骨軟骨炎 |
| 参考価格 | 50万円前後 |
被毛
| 抜け毛 | 多い |
| 毛質 | ダブルコート |
| 毛色 | ホワイト,アイボリー |
クーバースの誕生の歴史
ハンガリーが原産国のクーバースですが、とても古い歴史を持ち、その起源はトルコやチベットにあると言われています。
当時から家畜の番犬として非常に優秀な活躍を見せてきており、何日にもわたって監視することができる注意力や忍耐力がありました。その後、ハンガリーの貴族の目に止まり、中世にはハンガリーにやってきていたようです。
13世紀(西暦1201年から西暦1300年)には王族が認めた者しか飼育できない特別な犬として扱われ、15世紀(西暦1401年から1500年)後半には王の護衛犬として活躍。
その後、貴族しか飼育できない時代が終わると、農民の間では牧畜犬として活躍しました。1978年には現在のクーバースによく似た骨が発見されており、少なくとも1000年を超える歴史があると推測されます。
クーバースの身体的特徴
体はスクエア型で、ガッチリとした骨格とたくましい体つきが特徴。過去には熊やイノシシなどの狩りをしていたこともあり、体は丈夫で体力もあります。
番犬や狩猟・護畜犬として扱われていたため、飼い主以外になつかず警戒心が強い性格とは裏腹に、顔立ちは優しくグレート・ピレニーズやレトリーバー系に似ています。
足は長すぎず短すぎずでスッキリとしており、筋肉質ではありますが野太い印象はありません。
クーバースのサイズ(体高・体重)
| 体高 | 男の子:71cm~76cm 女の子:66cm~70cm |
| 体重 | 男の子:48kg~62kg 女の子:37kg~50kg |
クーバースは大型犬で、大型犬の中でも非常に体の大きな超大型犬と言えます。男の子の方が女の子よりも体が大きい傾向にあり、その差は10kg程度になることも。
体高自体に大きな違いはありませんが、体重に関してはとても重くなることがあります。
クーバースの毛色・被毛
クーバースの毛色はホワイトとアイボリーの2色に限られます。クーバースの白い被毛は時間帯を問わずはっきり見えるほどの存在感があり、ふわふわと柔らかくとても美しい特徴がありますが、汚れが目立ちやすいという一面もあります。
散歩や食事などで汚れた際は、濡れた布巾などで綺麗に拭き取ってあげるようにしましょう。
被毛は主にウェーブタイプのオーバーコートと、アンダーコートの2層になっているダブルコートで、首元と四肢の後ろにある飾り毛も特徴的な犬種です。
ダブルコートなので抜け毛も多く、週に1~2回、換毛期には毎日のブラッシングが必要です。
クーバースの運動能力
クーバースは番犬や狩猟・護畜犬として扱われてきたので、その運動能力は非常に高く、多くの運動量を必要とします。
ただ散歩や遊びなどで運動をするというだけでなく、仕事に従事することに対して喜びを覚えます。
常に仕事を与えていないと満足できない気質でもあることから、家庭犬として適しているとは言えないでしょう。
クーバースの性格・習性
クーバースは番犬として扱われていただけあって、飼い主に対しての忠誠心は高く非常に愛情深い性格です。
しかしその忠誠心や愛情は飼い主や家族にしか向けられず、警戒心が強く他人には決してなつくことはありません。以下の項目で、クーバースの性格や特徴をさらに詳しくご説明いたします。
恐れ知らずで勇敢なうえ、飼い主さんに忠実
クーバースはかつて熊やイノシシなど自分よりも大きい動物の狩りを行っていただけあって、非常に恐れ知らずで勇敢な性格をしています。
また、飼い主さんに対しての忠誠心は高く、自分に向けられた愛情や気遣いを敏感に感じ取ることができます。しつけをしっかりとすればとても良いパートナーとなることでしょう。
その警戒心の強さで、泥棒や不審者から守ってくれる番犬としての役目をしっかりと果たしてくれることが期待できます。
独立心が強いものの、じっと耐えることは苦手
クーバースは気が強くプライドが非常に高い犬種です。じっと耐えることが苦手なので、怒るように厳しくしつけをすると攻撃的になる可能性があるので要注意。
しつけは押し付けるようなやり方ではなく、褒めて伸ばすことを意識しましょう。自分でしつけをするのに自信がない場合は、専門のトレーナーに訓練を行ってもらうと安心です。
正しくしつけを行いクーバース自身の良さを引き出すことができると、独立心が強い性格のため飼い主に多くを要求せず、その後のお世話は簡単になると言われています。
頑固でよそよそしくもあるため、ときに攻撃的になる
前述した通りクーバースは家族には忠誠心が高く、愛情深く接してくれるという一面があります。
しかし過去の歴史では番犬として活躍する反面、口輪の装着を義務付けられるほど攻撃的な一面も持ち合わせていました。
現在のクーバースは攻撃的な性格も改良され以前ほどではないとはいえ、飼い主さんに対しての忠誠心と他人に対しての警戒心は高いので、他者との接触には注意が必要です。
クーバースの平均寿命
クーバースの平均寿命は10歳~13歳と、他の大型犬と比べると平均的かやや短めとなっています。
直近では大型犬の平均寿命も伸びてきていますが、クーバースに関してはまだ長寿とは言えないでしょう。
クーバースの注意したい病気
| 股関節形成不全 | 骨格形成期に骨が変形したり関節が緩むことから、股関節が異常形成される病気 |
| 鼓腸症 | 胃・小腸・大腸にガスが過剰発生し、げっぷやオナラなどが見られる病気 |
| 外耳炎 | 耳の穴から鼓膜にかけての外耳道に炎症が起こる病気 |
| 胃拡張捻転症候群 | 飲み込んだ空気やガスが胃の中に溜まり、悪化することで胃がねじれてしまう |
| 離断性骨軟骨炎 | 軟骨部分が異常形成され、割れた軟骨が関節内に飛散して痛みを引き起こす病気 |
クーバースは関節系の疾患に罹りやすいため、高いところから飛び降りたり、ジャンプするような激しい運動は避ける必要があります。
また、耳が垂れているため、外耳炎などの耳の病気にもかかりやすくなっています。特に湿気が篭りやすい夏場などは、定期的にチェックするなど注意してあげましょう。
その他にも、大型で胸の厚い犬種によくみられる鼓腸症(こちょうしょう)にも注意が必要です。腹部が膨張し、げっぷやオナラが増える、吐きたそうにしているなどの症状が見られる場合、すぐ治療を受けなければ死亡する確率が高い病気です。様子見などはせず、早急に病院を受診しましょう。
クーバースの見分け方
クーバースはグレート・ピレニーズとよく似ていますが、クーバースの方が被毛が短く、目元から鼻にかけてのマズル部分が先細っています。
また、個体差はありますが、クーバースは被毛がカールしていることも見分ける箇所となっています。
クーバースの登録頭数
ジャパンケネルクラブの犬種別犬籍登録頭数によると、クーバースは2005年と2006年に1頭のみの登録が確認できています。それ以降、現時点までにおいて登録がない、日本では非常にレアな犬種です。
クーバースを飼うのに向いている人の特徴

これまでクーバースの特徴をみて、忠誠心と警戒心が高く、攻撃性を抑えるためにしつけは正しくしっかりと行う必要があることがわかりました。
以下の項目では、クーバースを飼うのに向いている人の特徴をご紹介します。
十分な広さの飼育スペースを用意できる人
クーバースは暑さに弱い犬種なので、熱中症を予防するためにも室内飼いが必須です。
ただ体が大きいので、室内に十分な広さの飼育スペースを用意してあげる必要があります。
大型犬をリビングで飼うなら13畳前後、個室でも7畳以上が目安と言われているので、室内の広さも考慮して飼うのを検討しましょう。
徹底したしつけができる人
クーバースは前述した通り非常にプライドが高く、厳しいしつけやトレーニングを嫌います。
犬のしつけに慣れていて、クーバースの良さを引き出せる徹底したしつけができる人におすすめの犬種です。
逆にしつけが不慣れな人や、初心者には難易度の高い犬種であると言えるでしょう。
豊富なスタミナを解消できる人
元々がガードドッグ・シープドッグであるゆえに、クーバースは犬の中でも豊富なスタミナを持ち合わせている犬種です。
その有り余るスタミナを解消できるよう散歩に充分な時間を取れる人や、広い住居スペースや敷地を持つ人が適任です。
また、スタミナを使い切るだけの運動に限らず、役割を与えてあげることも考えなければいけません。
クーバースの飼い方

クーバースは大型犬の中でもやや癖のある犬種なので、誰でもお迎えできるわけではありません。
超大型犬という体格に加えて、性格面では飼い主さんに忠実な面をうまくコントロールしてあげる必要があります。
小さな頃から徹底したしつけを行う

完全に無駄吠えを無くすことは難しいですが、子犬のうちから無駄吠えを抑えるしつけ、攻撃性を沈めるための訓練を徹底的に行いましょう。
あっという間に大きく成長してしまうので、飼い始めたらすぐ子犬のうちにしつけを開始するのがポイントです。
子犬期にしっかりとしたしつけができていなければ、咬傷事故を始めとしたトラブルに遭遇するリスクが高まります。
飼い主さんや家族が怪我をしないためにも、愛犬自身を守るためにも、適切なしつけを必ず行いましょう。
頑固で独立心が強いため、社会化トレーニングも必須

「社会化トレーニング」とは、犬が社会に順応する力を養うために、さまざまな場所や音、他の人や犬に慣れさせるしつけのことを指します。
犬の社会化期は生後2~3か月頃とされており、この時期にいろんな人と触れ合ったり犬同士で遊ぶなどの経験を積むことで、成犬になってからの社会性に大きく関わってきます。
その他にも洗濯機や掃除機などの生活音に慣れさせたり、外に連れて行く、車に乗せることも社会化の重要なプロセスとなります。
しつけとは違い、突然パニックにならないためでもあるため、いろいろな刺激に慣れてもらうことが重要です。
疲れ知らずのスタミナを持つため、散歩は1回30分~1時間程度必要

現在もシープドックとして活躍しているだけあって、クーバースの体力は底知らずです。散歩は1回30分~1時間程度で、1日2回ほど行うのが理想的と言われています。
ただこれだけでも足りないほどにスタミナは豊富なので、自宅でも遊びの時間を設けたり、散歩中にランニングを取り入れるなどの工夫が必要。
愛犬とのコミュニケーションをしっかりと取りながら、満足のいく生活ができるように管理してあげてください。
早食いやドカ食いを防ぐため、食事は何回かに分けて与える
早食いやドカ食いは窒息や胃拡張捻転症候群、歯周病などを引き起こす原因にもなりえます。これらを防ぐためには、飼い主さんとしてはいくつかの防止策を取る必要があるでしょう。
例えば食事を何回かに分けて与える他、ごはんを手であげる、置き場所を増やす、ドッグフードをふやかして量を多く見せるなどの方法がおすすめです。
特にごはんを手であげるのは早食いやドカ食いの防止になるだけでなく、愛犬とスキンシップを取ることができて一石二鳥。毎回ではなく、時間に余裕がある時など無理なく行うことが大切です。
お手入れの頻度は週に1~2回が最低限必要
クーバースはダブルコートであるため抜け毛が多く、週に1~2回、換毛期には毎日のブラッシングが必要です。大型犬なので、手持ちブラシよりも面積が大きい手袋タイプのグルーミンググローブを使用すると良いでしょう。
また、ブラッシングに慣れてもらうため、子犬の頃からブラッシングを習慣にすることが大切です。
その他には、耳が垂れているため蒸れやすいので耳掃除も必要です。耳掃除は無理に奥まで行う必要はなく、見えている箇所を濡れた布巾などで優しく拭いてあげると良いでしょう。こびりついた耳垢には、イヤークリーナーを使用するのがおすすめです。
また、歯磨きは毎日行うのが理想的。犬の歯垢は3~5日で歯石に変わるため、歯周病を予防するためにもできるだけ毎日行いましょう。
歯磨きを嫌がるようであれば、一気に終わらせる必要はなく、何日かに分けて全体を綺麗にすると良いでしょう。
おすすめのドッグフード・アイテム
アカナのアダルトラージブリードレシピは全ての材料にこだわり最高品質のものを使用した、大型犬におすすめのドックフードです。
大型犬に多い太り過ぎや関節障害に配慮したドッグフードとなっており、脂肪と炭水化物は控えめに調整されています。
安心の人工添加物不使用、圧倒的な肉量で食べ応えもあり、飼い主さんもクーバースも満足度の高いドッグフードです。
ペルロスハーネスは、犬の骨格や形態を徹底的に研究してデザインされた、イタリア製の高品質ハーネスです。
ハーネスの前部分はY字にデザインされており、首や気管に負担をかけにくくなっています。
背面はH型で上部には可動域が広がるOリングが装着されているため、犬の動きや体型に合わせて自然に対応できます。愛犬の動きを妨げることなく、自由な動きをサポートします。
クーバースの価格と飼育費用

クーバースは大型犬のため、一般的な小型犬よりも多くの費用がかかることを念頭に置いて計画を立てることが重要です。
クーバースの子犬を迎える際の費用
クーバースは国内でのお迎えが難しく、お迎えを考えている場合は海外から輸入する必要があります。
海外では2,000ドル程度の生体価格になっているので、手続きや手数料、輸送費などを含めて50万円以上を見積もっておくと良いでしょう。
それだけ希少価値が高いだけではなく、海外からの輸入によるお迎えは費用が高くなりがちです。
クーバースの生涯にかかる費用
クーバースの平均寿命は10〜13歳と言われています。その生涯にわたって継続的に発生する費用をまとめました。
日常的な費用(年間)
- 食費: 約12万円〜18万円
- 大型犬であるクーバースは、小型犬に比べて食べる量が多いため、フード代が高くなります。高品質なフードを与える場合は、さらに費用がかさみます。
- 医療費: 約3万円〜5万円
- 毎年の健康診断、狂犬病予防接種、混合ワクチン接種、ノミ・ダニ予防薬、フィラリア予防薬など。
- トリミング・シャンプー代: 約2万円〜4万円
- ダブルコートのクーバースは、定期的なブラッシングが必要です。自宅でシャンプーを行う場合でも、大型犬用のシャンプー代やドライヤー代がかかります。プロのトリマーに依頼する場合は、1回あたり1万円以上かかることもあります。
その他の費用
- 予期せぬ医療費: クーバースがかかりやすい股関節形成不全などの病気や、怪我の治療には、高額な医療費がかかる可能性があります。ペット保険に加入することで、万が一の事態に備えることができます。
- しつけ・トレーニング費用: 数万円〜
- 大型犬であるクーバースは、子犬の頃から適切なしつけが不可欠です。プロのトレーナーに依頼する場合は費用がかかります。
- ペット用品: 消耗品(トイレシーツ、おやつ、おもちゃなど)の購入費用も考慮しましょう。
クーバースの飼育には、子犬を迎える費用とは別に、年間約17万円〜27万円の費用が継続的にかかると見込んでおくと良いでしょう。生涯で考えると200万円以上の費用が必要になることもあります。
これらの費用を現実的に把握し、無理のない飼育計画を立てることが、クーバースと幸せな生活を送るための第一歩となります。
この記事の執筆者
WEBライター/LINEスタンプクリエイター/医療事務
通算10年以上アパレルで働き、店長補佐&接客指導を担当。
「自分のペースで働きたい」という思いが大きくなりアパレルを退職。
現在はフリーランスのWEBライター&時々LINEスタンプクリエイターとして活動中です!
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