うんちの状態は、愛犬の体調を知る重要な情報です。いつもより柔らかい軟便の場合、動物病院に連れて行くべきか迷う飼い主さんも多いでしょう。
本記事では愛犬の軟便について、原因や考えられる病気、病院の受診や目安、対処法などを解説します。
予防方法や軟便のときの注意点についても紹介しているため、ぜひ最後まで読んでみてください。
この記事の結論
- 犬の軟便の原因は食事内容からストレス、病気などさまざまである
- 様子を見て問題ない軟便と、そうではない軟便があるため、受診目安を知ることが大切
- 自宅で様子を見る場合も、受診が必要となったときも、愛犬の様子をメモしたり、便を持っていくと良い
- 愛犬が軟便の際には自己判断せず動物病院の指示を仰ぎ、家ではトイレを綺麗に保つことが重要
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犬の軟便はどんな状態の便?
犬の軟便とは、「通常の便と比べて、水分量が多く柔らかい便」のことです。
軟便は通常便よりも水分が多く、下痢便よりも少ないため、柔らかいものの、便としての形状は保っています。
原因は食事内容の変更やストレスといった日常的な環境の変化に加えて、病気や感染症などさまざまです。
軟便の原因が病気だった場合にもかかわらず、飼い主さんが「下痢ではないから大丈夫」と自己判断して様子を見ていると、発見が遅れてしまう可能性もあります。
軟便が続いている場合は他に変わったところはないか、愛犬の様子をよく観察して、動物病院に連れていきましょう。
犬が軟便になる原因
犬が軟便になる原因はさまざまですが、主に以下の7つが考えられます。
犬が軟便になる原因
- 食事内容による軟便
- 異物の誤飲・誤食による軟便
- ストレスによる軟便
- 腸の動きが活発になったことによる軟便
- 病気による軟便
- 感染症による軟便
犬の軟便はフードの変化といった日常的に考えられるものから、病気や感染症までさまざまです。
おかしいと思ったらすぐに受診できるように、普段から愛犬の体調管理を行いましょう。
食事内容による軟便
犬の軟便は以下のようにフードが原因で発症する場合があります。
- フードの切り替え
- フードの与えすぎ
- フードが合わない など
フードの切り替えが原因の場合、フードの成分や水分量が変わることで消化器系が順応できず、腸内環境が変化していることが考えられます。
フードを切り替える場合、いきなり変更するのではなく、時間をかけて少しずつ慣らしていくようにしましょう。
切り替え方法については予防方法で後述していますので、ぜひ参考にしてください。
またフードの与え過ぎも、軟便の原因です。普段よりも多い食事を摂ることで消化不良を起こし、軟便になってしまうケースもあります。
フードの原材料に愛犬の体質と合わないものが入っていた場合も、軟便を引き起こす原因となります。
フードの切り替えに注意したにもかかわらず、軟便が続いている場合は、フードが合っていない可能性を考えることも必要です。
異物の誤飲・誤食による軟便
異物の誤飲や誤食も、軟便の原因です。好奇心旺盛の犬の場合、周りにある色々なものを口にしてしまうことがあります。
ですがその中には中毒になる可能性があるものや、消化器系を傷つけてしまうもの、閉塞を起こしてしまうものなども多くあります。
誤飲や誤食を防ぐためには、飼い主さんが愛犬の飼育環境を整え、おもちゃなどの管理もしっかりと行うことが必要です。
愛犬が摂取してしまうといけないものや危険なものを把握し、安心して暮らせるようにしてあげましょう。
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ストレスによる軟便
さまざまな要因からストレスを抱えることもあり、飼い主さんは気づかないこともあります。
例えば以下のようにストレスのかかる環境も、軟便の原因です。
- 引越し、模様替え
- 新しい家族が増える
- 室外の騒音(工事音や花火など)
- 長時間の留守番
- ペットホテルの利用 など
人間と同じく、犬も胃や腸などの消化器は、自律神経によってコントロールされています。
ストレスを感じて自律神経の働きが乱れると、軟便を引き起こしてしまうことがあります。
引っ越しや新しい家族が増える、騒音、普段と違う状況で過ごすことは、愛犬にとってストレスを感じやすい状況です。
軟便が出た際は、普段と変わったことはなかったかよく考え、原因を探ってみてください。
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腸の動きが活発になったことによる軟便
腸のぜん動運動が過度に活発になると、食物が消化管を通過する時間が短くなり、水分が十分に吸収されないため、軟便が発生します。
腸の動きが活発になる原因は、上述した食事の変更やストレスのほか、過剰な運動などさまざまです。
愛犬の腸の動きを正常に保つため、適切な食事と適度な運動、ストレスの軽減などが重要です。
季節の変わり目による軟便
季節の変わり目も、軟便を引き起こす原因です。特に暖かい季節から寒い季節へ移る際、寒暖差に体がうまく対応できず、軟便を出す場合があります。
また夏から秋にかけての低気圧の影響で、自律神経が乱れ、軟便を引き起こすこともあります。
愛犬が毎年季節の変わり目に軟便をする場合は、季節に合った対策が必要です。
寒くなりそうな日はベッドに毛布を追加したり、温かい時間帯に散歩に連れて行ったりと、愛犬に寄り添った対策をしてあげましょう。
病気による軟便
病気も、軟便の原因です。後述しますが軟便を引き起こす病気はさまざまで、一刻も早い処置が必要になる場合もあります。
病気が原因の軟便の場合、なるべく早く動物病院に連れて行くことが大切です。
軟便の他にどんな症状が出ているか、いつから症状が出始めたか、愛犬の様子をメモで書き出して、動物病院に連れていきましょう。
感染症による軟便
ウイルスや寄生虫が原因の感染症にかかった場合も、軟便になることがあります。
感染症の中には他の犬に移ったり命に関わったりするものもあるため、早急な処置が必要です。
軟便や下痢などを引き起こす可能性がある感染症の、コクシジウム症やパルボウイルス感染症に関しては、詳しく後述しています。ぜひ参考にしてください。
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犬の軟便から考えられる病気
犬の軟便の原因として病気を挙げましたが、ここからは代表的な8つの疾患について見ていきましょう。
犬の軟便から考えられる病気
- 炎症性腸疾患
- 熱中症
- 膵炎
- 大腸炎
- 腫瘍
- パルボウイルス感染症
- コクシジウム症
- 食物アレルギー
病気の場合、飼い主さんが自己判断できるものではありません。
軟便と合わせて他の症状はないか、愛犬の様子はどうかなどをよく観察し、心配な場合や病気の疑いがある場合は、動物病院へ連れていきましょう。
炎症性腸疾患
炎症性腸疾患(えんしょうせいちょうしっかん)とは、原因不明の慢性腸炎です。免疫の異常ではないかと考えられているものの、特定できる原因がありません。
にもかかわらず、腸の粘液組織に炎症細胞が集まり、持続的な炎症を引き起こします。
炎症性腸疾患の症状は、軟便や下痢、嘔吐、食欲不振、体重減少などです。
診断は触診や直腸検査、血液検査、超音波検査などが用いられます。
治療はステロイド剤などの免疫抑制剤や腸への抗生物質、食事療法、対症療法などが一般的です。
炎症性腸疾患は早期発見と継続的な管理が重要な病気なので、愛犬の様子がおかしいと思ったら早い段階で病院を受診し、適切な治療を受けましょう。
熱中症
熱中症(ねっちゅうしょう)は、高温多湿の環境に長時間さらされることで、体温調節がうまくいかなくなり発症する病気です。
症状には軟便や下痢、過剰なよだれ、息切れ、脱力感などがあり、重度の場合意識障害や痙攣などがみられます。
熱中症は緊急性が高く、迅速な対応が必要です。
上記の症状が現れて熱中症の疑いがあれば、早急に愛犬を涼しい場所に移し、直接シャワーで体全体に水をかけ、氷のう(アイスバッグ)などでリンパ節を冷やしながら動物病院を受診してください。
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膵炎
膵炎(すいえん)は、膵臓に持続的な炎症が起こることで、膵臓の機能低下を引き起こす病気です。
急性膵炎と慢性膵炎があり、症状には軟便や嘔吐、腹痛、食欲不振、体重減少などが挙げられます。
膵炎は、脂肪分の多い食事や過度の食事摂取が引き金になることが多いようですが、はっきりとした原因はわかっていません。
診断には血液検査や超音波検査が用いられ、治療は輸液療法や制吐剤、食事管理、抗炎症剤の投与などが行われます。
急性膵炎の場合、短期間で急激に悪化することもあるため、こまめな受診が必要です。
腎不全や糖尿病などの合併症が起こる場合もあるため、愛犬に異常が現れたら、早い段階で動物病院に連れて行きましょう。
大腸炎
大腸炎(だいちょうえん)は、大腸の内壁が炎症を起こす疾患です。排便の回数が増え、軟便や下痢、血便、しぶり、腹痛などの症状が現れます。
原因としては感染症やアレルギー、ストレス、フードの変化などが考えられ、診断には糞便検査や内視鏡検査が用いられます。
多くの場合、食事療法や駆虫薬、抗炎症薬の投与などで改善がみられる病気です。
しかし炎症性腸疾患や内分泌性疾患、ポリープや腫瘍などが確認できた場合は、治療が複雑になることもあります。
腫瘍
腫瘍(しゅよう)が原因で軟便がみられることもあります。腫瘍は消化管に発生することもあり、良性と悪性があります。
悪性腫瘍の場合、進行すると他の臓器に転移することもあるため、早期発見が重要です。
腫瘍の症状は軟便や下痢、血便、体重減少、食欲不振などがあり、診断には超音波検査や組織生検などが用いられます。
腫瘍の治療は外科的切除や放射線治療、化学療法などがあり、腫瘍が大きくなればなるほど、愛犬に負担がかかります。
腫瘍を早めに発見するためには、毎日の健康観察と、定期的な健康診断が大切です。
パルボウイルス感染症
パルボウイルス感染症は、パルボウイルスという非常に感染力の強いウイルスに感染して引き起こされます。
特に子犬に多く見られ、症状には軟便や激しい下痢、嘔吐、食欲不振、脱水症状、発熱などが挙げられます。
診断には抗原検査や抗体検査が用いられ、迅速な診断が必要です。治療は点滴による水分補給や抗生物質の投与、対症療法などが挙げられます。
パルボウイルス感染症はワクチン摂取で予防できるため、適切な時期にワクチン接種を行いましょう。
コクシジウム症
コクシジウム症は、コクシジウムと呼ばれる寄生虫による感染症です。
特に若い犬や免疫力が低下している犬に見られることが多く、症状は軟便や下痢、血便、食欲不振、体重減少などが挙げられます。
糞便検査で寄生虫の有無を確認し、コクシジウム症だと判断されれば、抗コクシジウム薬で治療します。
コクシジウム症は感染の拡大を防ぐために、糞便の処理の徹底が必要です。
食物アレルギー
食物アレルギーは特定の食材に対する免疫反応です。軟便や下痢、嘔吐、皮膚の痒み、発疹などの症状があらわれます。
アレルゲンの特定には除去試験や血液検査が用いられ、アレルゲンを含まない食事への変更が必要です。
食物アレルギーと診断された場合、その食物を避けるしかありませんので、注意して食事選びをする必要があります。
愛犬が軟便のときの病院受診目安
愛犬が軟便のとき、病院を受診するべきか迷う飼い主さんも多いでしょう。
ここからは様子を見ても問題ない軟便の症状と、すぐに動物病院を受診すべき軟便の症状について解説します。
様子を見て問題ない軟便の症状
軟便以外に気になる症状がなく、食欲や元気があり、水分がしっかりと摂れている場合は、1~2日程度様子を見て問題ないでしょう。
上述しましたが、軟便の原因は数多く、病気から食事内容、季節の変わり目などの飼育環境の変化までさまざまです。
ただし、様子を見ていても軟便に改善が見られない場合や、他に症状が現れた場合は、早めに動物病院を受診することをおすすめします。
愛犬の健康状態を常に観察し、異常が認められた場合は、専門家の意見を求めることが大切です。
すぐに動物病院を受診すべき軟便の症状
危険な症状
- 3回以上軟便が続いている
- 軟便が毎日続いている
- 排泄頻度の増加
- 元気消失
- 食欲減少、食欲不振
- 嘔吐もしている
- 便に粘液や血液が混ざっている など
上記の症状が見られる場合、すぐに動物病院を受診しましょう。
特に軟便に加えて食欲不振や嘔吐、便に粘液や血液が混ざっている場合、体に何かしらの異変が起こっている可能性があります。
動物病院へ行く前は愛犬の様子をよく観察し、軟便はいつから出始めたのか、他の症状についてもまとめておくと良いです。
すぐに伝えられるようにしておくと、スムーズに診察を受けられるでしょう。
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子犬・シニア犬はできるだけ早めに動物病院へ
子犬やシニア犬が軟便をしている場合は、健康状態が急激に悪化する可能性もあります。
子犬は免疫力が未熟であり、病気や感染症に対する抵抗力が低いためです。
軟便が続くと脱水症状や栄養不足に陥りやすいだけでなく、パルボウイルス感染症や寄生虫感染などの重篤な病気の可能性もあるため、迅速な診断と治療が求められます。
一方で、シニア犬も加齢に伴い免疫力や内臓機能が低下しているため、軟便が長引くと体力の消耗が激しく、他に持病を持っていた場合、悪化するリスクもあります。
シニア犬の場合、消化器系の腫瘍や慢性疾患が隠れている場合もあるため、早期発見と適切な治療が重要です。
愛犬が軟便のときの対処法
愛犬が軟便の際、自宅で様子を見る場合の対処法と、受診が必要な場合の対処法について解説します。
判断が難しい場合にはまず、かかりつけの獣医師に相談するところから始めましょう。
自宅で様子を見る場合の対処法
上述しましたが、元気や食欲に問題がなく、他に症状が見られない場合、1~2日程度自宅で様子を見ることができます。
ただし回復が見られない場合や他に症状が出て動物病院に連れて行くことになった場合でも、次のポイントを抑えておけば、診察がスムーズになります。
対処法のポイント
- いつから軟便が出たのか確認
- 軟便がどれくらい続いているか確認
- 便の状態を写真に撮っておく
- 軟便以外の異常の有無を確認 など
軟便は下痢と比べて判断しづらいため、写真に撮ってすぐに獣医師に見せられるようにしておくとよいでしょう。
軟便以外の異常の有無は、一緒に過ごしている飼い主さんにしか分からない情報でもあります。
正確に把握し、受診の際に伝えられるようにしておくことが大切です。
受診が必要な場合の対処法
受診が必要だと判断した際には、以下の2つのポイントが重要です。
受診時のポイント
- 軟便中の様子をメモしておく
- 新鮮なうんちを持参する
軟便中の様子をすぐに伝えられるようにメモしておき、受診前にはなるべく新鮮なうんちを持参しましょう。
写真に撮ったから大丈夫だろうと処理してしまう飼い主さんも多いですが、うんちを持ってくことで、写真では判断できない情報が手に入る場合もあります。
便の検査は直腸から直接摂る場合もありますが、興奮して攻撃的になっている犬の場合、検査に持っていった便を使う場合もあります。
持っていく際はトイレや地面でしたうんちを紙やビニールで掴んで縛り、さらに保存袋などに入れておくと、臭いがもれないため安心です。
犬の軟便の予防方法
軟便の原因によって予防できることもありますし、できないこともあります。
かかりつけの獣医師に相談しつつ、軟便の原因にあった予防方法を選択できるようにしましょう。
愛犬の軟便の予防方法には、以下の9つがあります。
予防法
- 便の状態は常にチェックする
- フードの見直しを行う
- 与える量や回数を見直す
- フードの切り替えは10日間を目安に行う
- 誤飲・誤食しそうなものは片付ける
- ストレスの原因を取り除きスキンシップを図る
- 愛犬が過ごしやすい室温・温度に調節する
- 定期的にワクチン接種する
- 定期的に健康診断を受ける
これらの予防方法を行えば、完全に軟便が防げるわけではありません。
しかし挙げた方法は、愛犬の健康を保つために必要な予防方法でもあるため、日常的に行い意識して、実行するようにしていきましょう。
便の状態は常にチェックする
愛犬の健康状態を把握するために、便の状態は日頃から常にチェックしておきましょう。
便の色や硬さ、量はどうか、異常は見られないか確認すれば、異常が見られた時にすぐに気づくことができ、早めの対処ができます。
日常的に便の様子を記録しておくと、獣医師に相談する際にも役立つでしょう。
軟便をはじめ、異常が続く場合や他の症状が見られる場合、自己判断せず、早めに獣医師に相談してください。
フードの見直し
愛犬の健康を保つためには、その子ごとに異なる体質に合ったフードを選びましょう。
フードを切り替えた途端に軟便が出始めた場合、フードが適切でない可能性があります。
価格やパッケージ、愛犬の好みでフードを選ぶ飼い主さんも多いかとは思いますが、愛犬の健康維持のため、しっかりと原材料を確認してフードを選びましょう。
特にアレルギーが心配な飼い主さんには、発症を防ぎやすい穀物を使っていないグレインフリーや無添加のフードを選ぶなど、こだわって選ぶことが大切です。
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与える量や回数を見直す
通常、成犬になれば1日2回の食事が一般的であるものの、フードの量や回数も愛犬の消化に影響を与えることがあります。
フードは過剰な量を一度に与えると消化不良を引き起こしやすくなってしまうため、適切な量を数回に分けて与え、消化器の負担を軽減してあげましょう。
その際飼い主さんは、愛犬の体重や年齢に応じた適切な量を把握しておくことも大切です。
食事量や回数は、愛犬の消化機能をサポートして健康を維持するために欠かせないため、定期的に見直して調節してあげましょう。
活動係数
愛犬の1日あたりのフードの量
g
2回に分けて与える場合 g/1回
3回に分けて与える場合 g/1回
4回に分けて与える場合 g/1回
愛犬の1日あたりに必要なカロリー
kcal
フード切り替えは10日間を目安に行う
フードを切り替える際は急激な切り替えを避けて、10日間程度をかけて徐々に新しいフードに切り替えていきましょう。
いきなり新しいフードに切り替えてしまうと、消化不良を引き起こし、軟便や下痢、嘔吐などの症状に繋がることもあります。
愛犬の消化器に負担をかけないよう、フードを切り替える場合は旧フードが完全に無くなる前に新フードを用意して切り替えるようにしましょう。
誤飲・誤食しそうな物は片付ける
室内での事故として多い誤飲はちょっとしたミスで起こることも多いため、家庭内に愛犬が誤飲・誤食しそうな物があれば片付けましょう。
小さなおもちゃから人間用の食べ物、家庭用薬品など、人間にとってはなんでもない物も、愛犬にとっては危険なものが数多く存在します。
誤飲や誤食は消化不良や中毒症状を引き起こすだけでなく、消化できないものが胃や腸に詰まってしまえば、開腹して取り出さなければいけない場合もあります。
愛犬にとって安全な環境を整え、愛犬の健康を守るように努めてください。
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ストレスの原因を取り除きスキンシップを増やす
上述しましたが、引っ越しや家族の増減、騒音、留守番など、ストレスを感じる出来事があれば、消化不良を起こすことがあります。
愛犬のストレスを軽減するため、安心できる環境を提供し、スキンシップを増やしましょう。
飼い主さんと触れ合う時間が増えれば、愛犬はリラックスし、ストレスを感じにくくなります。
消化機能の改善や軟便の予防にも繋がるため、十分に愛犬と触れ合っていないと感じる飼い主さんは、意識して行ってみてください。
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愛犬が過ごしやすい室温・湿度に調整する
快適な室温 | 25℃前後 |
快適な湿度 | 50%前後 |
上記のように快適な室温と湿度は、愛犬の健康管理に重要です。
特に夏場は室温や湿度が高ければ熱中症のリスクが高まるため、積極的にエアコンを使うなど、環境づくりに努めましょう。
また、エアコンによる冷え過ぎにも注意が必要なため、ケージやサークルで過ごす子の場合は、エアコンの風が直接当たらないような工夫も必要です。
冬場も乾燥や寒さがストレスとなる場合があります。
愛犬の過ごしやすい環境を提供することは健康維持に欠かせないため、飼い主さんは愛犬が過ごしやすい温度や湿度になっているか気を配り、調節してあげてください。
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定期的にワクチン接種する
ワクチン接種は、感染症の予防には欠かせません。定期的なワクチン接種により、パルボウイルスやコロナウイルスなどの消化器系の感染症から愛犬を守れます。
犬のワクチンは、毎年必ず接種しなければならない「狂犬病ワクチン」と、さまざまな感染症予防に効果があり、接種が強く推奨されている「混合ワクチン」があります。
混合ワクチンは義務ではないものの、ペットホテルやペットサロン、ドッグランを利用する多くの場合、接種証明書が必要な場合があります。
混合ワクチンで予防できる感染症や費用は動物病院によって異なりますが、5~9種のウイルスを予防できる混合ワクチンが一般的です。
愛犬の出かける頻度や他の犬との接触頻度により、動物病院で適切な混合ワクチンを相談し、スケジュールを守って接種しましょう。
定期的に健康診断を受ける
定期的な健康診断は、早期に異常を発見し、適切な対応を取るために重要です。
特に変わった様子がないから大丈夫と健康診断を受けなければ、体調が悪くなった際に、健康な時と比較ができません。
健康診断は少なくとも年に一度、シニア犬であれば年2~3回行うことがおすすめです。愛犬の誕生日やワクチン接種のタイミングを利用して、ぜひ行ってみてください。
愛犬が健康であれば、健康診断に保険は使えませんが、動物病院によっては検査がセットになった「ドッグドック(またはわんドッグ)」と呼ばれる健康診断のセットがあります。
不調を自分から訴えられない愛犬の体調の変化をいち早く発見するために、ぜひ健康診断を定期的に受けるようにしてください。
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愛犬が軟便のときに注意すること
最後に、愛犬が軟便のときに注意することをご紹介します。
軟便のときの注意点
- 自己判断で薬を与えない
- 自己判断で絶食させない
- トイレはこまめに掃除、消毒する
- 排泄物の処理後は必ず手を洗う
インターネットなどでさまざまな情報が手に入るこの時代、中には「どの薬が効く」「どの処置をすればよい」といった情報を目に入れ、愛犬のために試そうと思うかもしれません。
しかし軟便の原因や対処法は原因によって異なるため、獣医師の指示を仰ぐようにしてください。
自己判断で薬を与えない
犬が軟便の際に、自己判断で薬を与えるのはやめましょう。人間用の薬や、原因に合わない薬を使用すれば、逆に症状を悪化させる恐れがあります。
愛犬には犬専用の薬が必要で、症状や原因に応じた適切な治療が必要です。
必ずかかりつけの動物病院に相談し、指示にしたがって薬を与えましょう。
また症状が落ち着いたからといって投薬をやめてしまう飼い主さんもいますが、治療に関しての自己判断もせず、処方された薬は最後まで飲み切るようにしてください。
自己判断で絶食させない
愛犬が軟便をしている場合、自己判断で絶食させることも避けましょう。
絶食は有効な場合もありますが、栄養不足や脱水症状を引き起こすリスクもあります。
特に子犬や高齢の犬、体力が低下している犬の場合、絶食は適しません。
薬の投与も同様ですが、軟便の際は獣医師に食事量や内容などを指示してもらうことが大切です。
トイレはこまめに掃除、消毒する
愛犬が軟便をしている際は、トイレをこまめに掃除し、消毒しましょう。
軟便は原因によっては細菌やウイルスを含んでいる恐れがあり、衛生管理を怠ると、再感染や一緒に飼っているペットに移ることもあります。
排泄後は速やかにトイレを掃除し、消毒剤を使用して清潔な環境を保ちましょう。
排泄物の処理後は必ず手を洗う
愛犬の排泄物を処理した後は、手を洗うことを忘れてはいけません。
軟便には病原体が含まれている場合があり、手を介して人間にも感染してしまうリスクがあります。
石鹸と流水でしっかりと手を洗い、感染症の拡散を防ぐように努めましょう。
排泄物の処理には使い捨ての手袋を利用する方法もあるため、やりやすい方法を取り入れ、実践してください。
この記事の執筆者
認定動物看護師/WEBライター
動物好きが高じて結婚後7年間動物看護師として動物病院で働き、現在は家族と猫(しじみ)と暮らしています。
Webライターは2016年より始め、数々のペット記事を執筆してきました。
みなさまにわかりやすく為になる記事を提供できるよう努めますので、よろしくお願いいたします!
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