日本では人気の高い小型犬の中でも、まだあまり知られていないノーリッチ・テリア。テリア種は頑固なところもあり、なかなか飼っている人も多くないでしょう。
そんなノーリッチ・テリアの特徴と、テリア種の適切な飼い方についてまとめてみました。海外のドッグショーでは数々の賞を受賞している犬種でもあるため、魅力たっぷりの犬種です。
この記事の結論
- テリア種の中でも非常に体が小さく、最小種だと言われている
- 体の小ささとは裏腹に、恐れ知らずで勇敢さを兼ね備えている
- ノーフォーク・テリアとの違いは、立ち耳か折れ耳か
- テリア種らしく気性の荒さも見られるため、しつけは根気強く行う
目次
ノーリッチ・テリアの特徴

ノーリッチ・テリアはその名の通りテリア種の一種ですが、テリア種の中でも最小種です。
体がとても小さいにも関わらず、体自体は非常に丈夫であるというのが特徴のひとつ。
とても愛らしく人懐っこい犬種としても有名で、狩猟能力も非常に高いのが特徴的。
明るく陽気
飼い主さんに愛情深く社交的
警戒心が強く吠えやすい
好奇心が強く活発
その他情報
原産地 | イギリス |
犬種グループ | 3G:テリア |
大きさ | 小型 |
平均寿命 | 12歳~14歳 |
なりやすい病気 | 膝蓋骨脱臼,白内障,アレルギー性皮膚炎,進行性網膜萎縮症(PRA) |
参考価格 | 20万円~40万円 |
被毛
抜け毛 | 多い |
毛質 | ダブルコート |
毛色 | レッド,ウィートン,ブラック&タン,グリズル |
ノーリッチ・テリアの誕生の歴史
名前にもなっているように、ノーリッチ・テリアの出身地はイングランドのノーフォーク州ノーリッチです。元々、ケンブリッジ大学の学生たちの間でテリア種が流行っていたこと、ネズミ捕りを目的とした犬種であることから歴史は始まっています。
当時はノーフォーク・テリアと同種として考えられ、大学近くの『トランピントン・ストリート』という名前から、『トランピントン・テリア』と呼ばれていました。
さまざまなテリア種の血を受け継いでおり、1990年頃には『ラグズ』という名前の子が人気を博し、多くの子孫を生み出しました。その後にうち1匹がアメリカへと渡り、人懐っこい愛らしい犬種というイメージが付き、人気になったのです。
1932年にはイギリスケネルクラブに登録され、1964年にはノーリッチ・テリアとノーフォーク・テリアに分割されています。
ノーリッチ・テリアの身体的特徴
見た目の特徴はあくまでもテリア種で、短い足と立ち耳が特徴的です。
耳は三角形に直立して尖っており、一部では尾が断尾されていることもあります。体は前述の通り小さめサイズになっており、マズル部分がやや黒っぽくなっていることも。
ノーリッチ・テリアのサイズ(体高・体重)
体高 | 25cm |
体重 | 5kg~6kg |
テリア種の中でも最小種と言われているほどに、体が小さな犬種です。体高は高くても25cm程度で、こちらがジャパンケネルクラブによる理想的な体高とされています。
体高の低さに加えて、体重は5kg~6kg程度なので、総合しても小柄であることがわかります。超小型犬には該当しませんが、小型犬といえるサイズ感です。
ノーリッチ・テリアの毛色・被毛
被毛カラーは特に種類が多くなく、レッドやウィートン、ブラック&タンにグリズルなど。
被毛はとても硬く針金のようになっており、ブラッシングするだけでも大変でしょう。ダブルコートなので抜け毛は多く、頻繁にお手入れする必要があります。
ノーリッチ・テリアの運動能力
運動量が抜群に多いというわけではありませんが、元々が狩猟犬なのでスタミナは豊富。特に小型犬なので飼い主さんの負担も少ないので、運動面でも飼いやすい犬種だと言えます。
穴を掘る習性があるため、室内飼いをする際には床を傷つけられないように気をつける必要もあります。
ノーリッチ・テリアの性格・習性
ノーリッチ・テリアのことを知る上で、とても重要なのが性格や習性です。ここではノーリッチ・テリアの代表的な性格について、3つほどご紹介します。
陽気でとても活発
テリア種らしく非常に活発で、いつも元気なので陽気な面も多く見られるでしょう。
一緒に遊んでいれば楽しくなるような元気さもあるため、飼い主さんの方が元気をもらうこともあるはず。
落ち込むことも少ないので、しつけを根気強く行っていくのにも適しているでしょう。
恐怖心が少なく恐れ知らず
小動物を狩るのに奮闘していた歴史があり、一心不乱に追いかける様からも恐怖心はほとんどありません。
どんなことにも好奇心旺盛な面が見られて、新しいことをどんどんと吸収していくことができます。街中で大型犬と出会っても気にせず向かっていく、そんな一面も見られます。
社交性が高くフレンドリー
好奇心旺盛でありながら恐怖心もない、そんな犬種だからこその社交性の高さもあります。
色々な動物と仲良くなれる面が良い面でもあり、小動物相手だと危険な面でもあります。
基本的にケンカをすることはないと言われているので、フレンドリーに仲良くなることができるでしょう。
ノーリッチ・テリアの平均寿命
平均寿命は12歳~14歳程度だと考えられており、犬種平均の約15歳よりやや低めです。
体は小さいため特別なケガや病気がなければ、犬種平均の寿命程度は期待できるでしょう。
ノーリッチ・テリアの注意したい病気
膝蓋骨脱臼 | 膝部分にあるお皿状態の骨である膝蓋骨が脱臼する |
白内障 | 目の水晶体が白く濁り、視力の低下や失明を引き起こす |
アレルギー性皮膚炎 | アレルゲンによって体を守る免疫が過剰反応する |
進行性網膜萎縮症 | 網膜が徐々に変性して視力が低下し、失明に至る |
体の小さなノーリッチ・テリアですが、意外にも体は丈夫な方だと言われています。
そんなノーリッチ・テリアの注意したい病気としては、膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)や白内障、進行性網膜萎縮症(しんこうせいもうまくいしゅくしょう)です。
他の犬種と比較しても遺伝性疾患は少ないと言われているので、早期発見早期治療ができるよう、健康診断を忘れないようにしましょう。
ノーリッチ・テリアの見分け方
テリア種はよく似ている犬種が多いですが、ノーリッチ・テリアともっとも似ているのがノーフォーク・テリア。
この2犬種の違いは、立ち耳か折れ耳か、という違いが見分け方になります。立ち耳であればノーリッチ・テリアとなり、折れ耳であればノーフォーク・テリアです。
ノーリッチ・テリアとノーフォーク・テリアは、かつては同一犬種として扱われていたほど非常に近縁です。
そのため性格や身体的な特徴も似通っていますが、特にどちらを飼うか検討している人にとって、そのわずかな違いは重要な判断材料となります。
決定的な違いは「耳」の形状
両者を区別する最も簡単な方法は、耳の形状です。歴史的には、この耳の形状の違いによって1964年に正式に別々の犬種として分類されました。
比較項目 | ノーリッチ・テリア | ノーフォーク・テリア |
---|---|---|
耳の形状 | 立ち耳(直立した三角形) | 垂れ耳(耳の付け根から前に垂れる) |
体重 | 5〜6kg程度 | 5〜6kg程度 |
毛質 | 硬いワイヤーコート | 硬いワイヤーコート |
性格と気質の傾向
両者とも「テリア」らしい勇敢で活発、そして時に頑固な気質を持っていますが、専門家の間ではわずかながら性格に違いがあると言われています。
比較項目 | ノーリッチ・テリア | ノーフォーク・テリア |
---|---|---|
活発さ/大胆さ | 大胆で活発。やや自己主張が強く、リーダーシップを求める傾向があるため、しつけは根気が必要です。 | ノーリッチよりわずかに穏やか。 適応性が高いとされる傾向があります。 |
独立心 | 独立心も強いものの、飼い主に対する愛情深く、フレンドリー。 | 同様に人懐っこいが、ノーリッチよりわずかに従順で飼いやすいと評されることがあります。 |
飼いやすさと向いている飼い主の適性
飼い方やお手入れ(プラッキングが必要)に大きな差はありませんが、性格のわずかな違いが飼い主の適性に影響します。
比較項目 | ノーリッチ・テリアが向いている人 | ノーフォーク・テリアが向いている人 |
---|---|---|
しつけ | 根気強く、メリハリのあるトレーニングができる人。 頑固な一面も受け入れ、楽しく向き合える人。 | 初めてテリア種を飼う人、またはより協調性を求める人。 |
運動 | 豊富な運動量を確保できる人。 (ノーリッチは特に遊び好きで、好奇心を満たす刺激が必要) | 同様に十分な運動が必要ですが、ノーリッチほどの大胆さへの対応が求められにくい傾向があります。 |
総合的 | 犬と一緒にアクティブに動き、リーダーシップを持ってしつけに取り組める人。 | 家族との調和を重視し、穏やかな時間を好む人。 |
どちらの犬種もテリア種特有の狩猟本能が強く、小動物(ネズミやハムスターなど)のいる家庭での飼育には細心の注意が必要です。
ノーリッチ・テリアと繋がりのある犬種
ノーフォーク・テリア

ノーリッチ・テリアと同種という扱いでもあったため、ほぼ同じ犬種とも言えるノーフォーク・テリア。
現在では明確に区別されていますが、その違いは折れ耳か立ち耳かという違いだけ。
ノーリッチ・テリア同様に体は小さく、折れ耳であるのがノーフォーク・テリアであるとされています。
好奇心旺盛で、怖いもの知らず
基本的には懐きやすい
しつけ次第では吠えづらくなる
スタミナが豊富で、十分な運動が必要
その他情報
原産地 | イングランド |
犬種グループ | 3G:テリア |
大きさ | 小型 |
平均寿命 | 12歳~15歳 |
なりやすい病気 | 緑内障,白内障,膝蓋骨脱臼,レッグ・カルベ・ペルテス病 |
参考価格 | 40万円前後 |
被毛
抜け毛 | 多い |
毛質 | ダブルコート |
毛色 | レッド,ウィートン,ブラック&タン,グリズル |
ダンディ・ディンモント・テリア

イギリスのスコットランドを原産国とするのが、ダンディ・ディンモント・テリアです。
スコティッシュ・テリアが祖先とされており、スコットランドの小説にも登場することのある犬種です。
主にネズミやアナグマなどを狩るために活躍してきており、この面でもノーリッチ・テリア同様の特徴を持っています。
友好的で落ち着いた性格
非常に懐きやすい
無駄に吠えることはない
運動量は多め
その他情報
原産地 | イギリス |
犬種グループ | 3G:テリア |
大きさ | 小型 |
平均寿命 | 12歳~15歳 |
なりやすい病気 | 椎間板ヘルニア,膝蓋骨脱臼,緑内障 |
参考価格 | 30万円~50万円 |
被毛
抜け毛 | 多い |
毛質 | ダブルコート |
毛色 | ペッパー,マスタード |
グレン・オブ・イマール・テリア

アイルランドのウィックロー山脈を原産国とするのが、あまり聞き慣れないグレン・オブ・イマール・テリアという犬種。
非常に長い名前ではあるものの、立派なテリア種であり、17世紀頃には存在していた古いテリア種です。
胴長短足で長いマズルを持ち、気性の荒さがとても目立つテリア種らしい犬種でもあります。
穏やかで元気
忠実で懐きやすい
警戒心から吠えることも
機敏で遊び好き
その他情報
原産地 | アイルランド |
犬種グループ | 3G:テリア |
大きさ | 中型 |
平均寿命 | 10歳~15歳 |
なりやすい病気 | 椎間板ヘルニア |
参考価格 | 30万円前後 |
被毛
抜け毛 | ない |
毛質 | ダブルコート |
毛色 | フォーン,ウィートン,ブリンドル |
ノーリッチ・テリアの登録頭数
ジャパンケネルクラブの犬種別犬籍登録頭数によると、ノーリッチ・テリアの登録頭数は数十匹となっているのがわかります。
全体で見ても順位は高くなく、テリア種の中でもヨークシャー・テリアやジャック・ラッセル・テリアが圧倒的。まだまだ、日本ではあまり知られておらず、マイナーな種類の犬種だと言えます。
ノーリッチ・テリアを飼うのに向いている人の特徴

ノーリッチ・テリアの性格を知った上で、どんな人が向いているのか確認してみましょう。
アウトドアや外出が好きな人
ノーリッチ・テリアは室内で大人しくしているというよりも、活発に動き回ることを好みます。
特にアウトドアなども得意としており、体は小さくとも頼れる番犬になってくれます。
外出が好きな人はもちろんのこと、週末には毎週おでかけするような人が特に向いていると言えます。
根気強くしつけができる人
「テリア種は気性が荒く頑固である」というイメージを持っている人もいるかもしれません。
他のテリア種に比べてノーリッチ・テリアは、そこまで気性が荒い犬種というわけではないのです。
しかし、やはりそこはテリア種で、しつけには根気強さがとても大事になるでしょう。
小動物を飼っていない人
ネズミ捕りを得意としてきた犬種でもあるので、小さな動物を見つけると狩猟本能が刺激されます。
ネズミはもちろんのこと、小さな動物を飼っている家庭では、事故の原因になる可能性も考えられるのです。
穴を掘ることも得意なので、室内で飼う際には適切なしつけが必要になるでしょう。
ノーリッチ・テリアの価格

ノーリッチ・テリアは現在のところ、日本国内でのブリーダーを見つけるのは難しい状況です。
海外からの輸入が主となり、手数料を含めても30万円前後がかかることを想定しておきましょう。
それでも小型犬ではあるため、実際にお迎えしてみれば飼いやすい愛犬になってくれるはずですよ。
ノーリッチ・テリアの飼い方

ノーリッチ・テリアをお迎えするのは、簡単ではないものの極端に難しいものでもありません。
飼い方としてはシンプルですが、飼い主さんの根気のいる犬種であることを覚えておきましょう。
基本的なしつけのやり方
しつけは小さな頃からしっかり行う

テリア種は一般的に頑固なところがあり、気性が荒い犬種だと言われています。そのためしつけをしていく上でも、飼い主さんの思うようにことが進まない可能性もあるでしょう。
どんな犬種であっても根気強くしつけを進めていく必要はありますが、より根気のいる作業になると想定されます。
あくまでも個体差はありますが、うまくいかなくても小さい頃から少しずつ慣れてもらう必要があるでしょう。
頑固さを乗りこなすポジティブ・トレーニング
ノーリッチ・テリアは「強制」されることを嫌います。しつけは「ゲーム」のように楽しく、犬に「自分で考えて選択させる」機会を与えることが成功の鍵です。
- 徹底的な褒めとご褒美(フード・トリーツ): 成功体験を積み重ねることが最も重要です。指示通りにできたら、即座に最高のご褒美を与え、大げさに褒めましょう。
- 短時間で集中: 飽きっぽく、遊び好きなので、しつけの時間は1回5〜10分程度に留めます。これを1日数回繰り返すことで、犬は「しつけ=楽しい遊びの時間」と認識し、集中力を維持できます。
- 毅然とした態度(主導権の維持): 頑固な気質に負けないよう、飼い主は常に落ち着いて一貫性のある態度を保ちましょう。
吠えと穴掘り習性への具体的な対策
ノーリッチ・テリアの祖先はネズミ捕り犬です。この強い狩猟本能が、無駄吠えや穴掘りといった問題行動の根源となるため、その本能を満たすための代替行動を提供することが重要です。
問題行動 | 原因となる本能 | 具体的な対策と矯正方法 |
---|---|---|
無駄吠え | 警戒心(番犬気質)が強い、好奇心からくる興奮。 | 「待て」と「静かに(クワイエット)」の徹底的なトレーニングを行います。 吠え始めたら、即座に指示を出し、静かになった瞬間にご褒美を与えます。 吠えているときに叱ると、逆に興奮させてしまうため逆効果です。 |
穴掘り | 獲物を追い詰めていた狩猟本能の発露、退屈。 | 掘っても良い場所を用意し、その場所で掘ることを徹底的に褒めます。 室内であれば、知育玩具にフードを詰めて与え、エネルギーを「噛む」「探す」行為に集中させ、退屈させないようにします。 |
散歩中の引っ張り | 好奇心と狩猟本能(「獲物を見つけた!」)の興奮。 | チョークチェーンやハーネスではなく、引っ張りにくい構造のハーフチョークやノープルハーネスの使用を推奨します。 また、散歩中も頻繁に名前を呼んでアイコンタクトを取り、飼い主へ意識を向けるトレーニングを日常的に行いましょう。 |
社会化と他の犬種との交流
ノーリッチ・テリアは本来フレンドリーですが、警戒心が強い一面もあります。
生後3〜4ヶ月までの社会化期に、さまざまな人や、大型犬・小型犬など多様な犬種と積極的に交流させることが、将来的な問題行動の予防に繋がります。この時期を逃さず、パピーパーティやしつけ教室に参加させましょう。
健康管理の運動や散歩
1日2回30分ずつの散歩を行う

小型犬の中ではスタミナが豊富な犬種ですが、1日2回30分ずつ程度の散歩が必要になります。
多少これより多くても問題ありませんが、必要以上に疲れるほど散歩する必要はありません。
日頃からの散歩だけではなく、週末にはドッグランや走れる場所を訪れるなど、ストレス発散の機会も設けましょう。
暑い日の散歩は時間帯に気をつける
ダブルコートのノーリッチ・テリアは暑さに弱い犬種です。特に夏場など暑い日の散歩は、朝方や夕方以降など比較的涼しい時間帯を選びましょう。
ただ暑い日は夕方以降でも地面に熱が残っている場合があるため、散歩前に地面を触って愛犬が歩いても大丈夫か確認しましょう。
また散歩中の熱中症を防ぐためにも、こまめな水分補給は忘れずに。
特徴的な体のお手入れ
ブラッシングは週3~4回が目安

ダブルコートなので春や秋には丁寧なブラッシングが必要になり、通常時でも定期的なブラッシングが必要です。
春や秋には抜け毛が多くなる傾向にもありますので、毎日のブラッシングを行いましょう。
それ以外の季節では週に3~4回程度で問題ないものの、優しくブラッシングをしてあげれば多くても問題ありません。
特にノーリッチ・テリアは被毛が硬いので、皮膚・被毛を傷めないためには優しく行う必要があります。
ワイヤーコートのメンテナンス:プラッキング/ストリッピングの必要性
ノーリッチ・テリアの魅力の一つである、硬くざらついたワイヤーコート(針金状の被毛)は、実は自然には抜け落ちにくい構造をしています。そのため、美しい毛質と健康な皮膚を保つためには、人間が意図的に古い被毛を取り除くお手入れが必要です。
この特別な手入れ方法が、プラッキング(Plucking)やストリッピング(Stripping)と呼ばれる「毛を抜く」作業です。
なぜ「抜く」必要があるのか?
- 毛質の維持: ノーリッチ・テリアのようなテリア種をハサミやバリカンでカットすると、次に生えてくる毛が柔らかく細くなり、色も薄くなる(退色)現象が起こります。
- 皮膚の健康: 古い毛(死毛)を定期的に抜くことで、皮膚の通気性が良くなり、皮膚炎などのトラブルを予防できます。
- 抜け毛の軽減: 飼い主さんが定期的に古い毛を抜いてあげることで、日常的な抜け毛を軽減し、ご自宅でのお手入れが楽になります。
メンテナンスのポイント
プラッキングは、被毛の状態に応じて数ヶ月に一度の頻度で実施するのが一般的です。特にドッグショーに出陳しない場合でも、専門のトリミングサロンに依頼するか、ご自宅で専用のナイフ(ストリッピングナイフ)を使って定期的にお手入れを行いましょう。
一般のサロンではバリカンによるカットが主流の場合もあるため、ノーリッチ・テリアを飼う際は、テリア種のプラッキング技術を持つトリマーを探し、相談することが非常に重要です。
この特殊な手入れが必要であることを事前に理解しておくことが、ノーリッチ・テリアを飼う上での重要な心構えとなります。
定期的なシャンプーとトリミングも

一般的には月に1~2回のお風呂で適切だと言われていますが、ノーリッチ・テリアは穴を掘る習性があります。
散歩中にはもちろんのこと、ドッグランや公園など、自然の中で遊ぶときには体が汚れやすいでしょう。
軽い汚れは濡らしたタオルやウェットシートなどでお手入れしてあげ、必要に応じて多すぎない程度のシャンプーと、定期的なトリミングサロンの利用も考えておくと良いです。
歯磨きは毎日、最低でも3日に1回行う

犬も人間と同じく歯磨きが必要で、毎食後とは言わず、できれば毎日の歯磨きが望ましいとされています。
人間の場合は食後の8時間~24時間ほどでプラークが形成され、2日ほどで石灰化。そしてここから歯石になるまで、2週間ほどかかると言われています。
これに対して、犬の場合は3日~5日ほどで歯垢が歯石へと変化します。だからこそ、歯磨きはできるだけ毎日、最低でも3日に1回は行いましょう。
また、口周りを触られることを嫌がる犬は多いので、新しい体験を受け入れやすい子犬のうちから少しずつ歯磨きの練習するのがおすすめです。
良質な食事と生活環境
良質なタンパク質中心の食事

運動を好むノーリッチ・テリアは、動物性タンパク質を中心とした食事が適しています。
多すぎる必要はありませんが、穀物中心の食事よりもタンパク質中心の食事が良いでしょう。
健康的なうちはこうした食事を中心としながら、特別な病気を持っている場合は獣医師の指示に従って療法食を選択します。
食事の基本は総合栄養食または総合栄養食基準のフードにし、愛犬の状態にあわせて選択する必要があります。
関節に負担の少ない室内環境を用意する

ノーリッチ・テリアは活発でスタミナが豊富な犬種ですが、膝蓋骨脱臼になりやすい傾向があります。
膝蓋骨脱臼は高い所からの落下や滑りやすい床の上で転ぶことで起こりやすいので、ケガを予防する環境を用意してあげることが大切です。
滑りやすい床にはマット等を敷いて、階段や段差がある所には行けせないようにしつけたり、スロープを設置しましょう。
好奇心旺盛なので誤飲に注意する

ノーリッチ・テリアは活発で好奇心も強い性格の犬種です。特に子犬期は色々なものをくわえたり口に入れて確認しようとするため、異物誤飲には注意が必要。
室内では物を出しっぱなしにせずキレイな状態をキープしつつ、台所など入ってほしくない場所には柵やゲートを設置しましょう。
ノーリッチ・テリアの理解度チェック
この記事の執筆者
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