針金のような被毛、つぶらな目に活動的な姿を飼い主さんに見せてくれる「ワイアー・フォックス・テリア」は、世界中の多くの地域で愛されている犬種です。
本記事ではワイアー・フォックス・テリアの特徴や性格、寿命、適切な飼い方について解説します。
おすすめのドッグフードやアイテムも紹介しているため、本記事を読めば、ワイアー・フォックス・テリアについての知識がつき、愛犬と楽しい時間を過ごせるでしょう。
ワイアー・フォックス・テリアに興味がある方や、飼おうと考えている方、飼い始めて間もない方は、ぜひ読んでみてください。
この記事の結論
- 針金のような硬い毛を持ち、ホワイトベースの毛色、耳や顔にマーキングが入った小型犬の中でも大きめ
- 運動好きで活発、興奮しやすくしつけが入りにくい面もあるため、ある程度犬に慣れた人がおすすめ
- ブラッシングやシャンプーを定期的に行うことで、美しい被毛を維持できる
- 皮膚炎や二重睫毛、僧帽弁閉鎖不全症など注意したい病気があるため、日頃から注意深く観察する
目次
ワイアー・フォックス・テリアの特徴
ワイアー・フォックス・テリアは、スクエア型の体型や、針金のような硬い毛が特徴です。
体を動かすことが大好きで、飼い主さんと信頼関係を築ければ、かけがえのないパートナーとなるでしょう。
アメリカ映画として1934年に公開された『影なき男』に登場する、主人公のペットとして人気を博しました。
テリア種らしいテリア種なので頑固な一面も持ち合わせていますが、非常に愛らしい犬種でもあります。
注意深いが、友好的でもある
家族のみ懐きやすい
警戒心が強く、吠えやすい
スタミナが豊富で、十分な運動が必要
その他情報
| 原産地 | イギリス |
| 犬種グループ | 3G:テリア |
| 大きさ | 小型 |
| 平均寿命 | 13歳前後 |
| なりやすい病気 | 皮膚炎,二重睫毛,僧房弁閉鎖不全症,水晶体脱臼 |
| 参考価格 | 20万円~40万円 |
被毛
| 抜け毛 | 平均的 |
| 毛質 | ダブルコート |
| 毛色 | ホワイト+ブラック,ホワイト+ブラック&タン |
ワイアー・フォックス・テリアの誕生の歴史
ワイアー・フォックス・テリアはイギリスを原産とする犬種で、その起源についての詳しい情報はわかっていません。テリア種らしく小動物の狩りをしていたものの、貴族によるスポーツの一環としてキツネ狩りに使われるようになりました。
この頃からフォックス・テリアと呼ばれるようになり、フォックスハウンドが追い詰めたキツネを岩場や巣穴などで狩るような仕事をしていたのです。
ただ、キツネと似た体格と毛色から、狩りのときに誤射されてしまうこともあったため、ホワイトを優勢に改良が重ねられ、約100年前から現在の姿になりました。
ワイアー・フォックス・テリアはスムース・フォックス・テリアと同種として扱われていましたが、1870年頃からワイアー・フォックス・テリアとして独立。その後も改良が進んでいった結果、現在では非常に人気のある犬種になりました。
ワイアー・フォックス・テリアの身体的特徴
ワイアー・フォックス・テリアは、体長と体高がほぼ同じ、「スクエア」と呼ばれる体型です。
スクエア型は地面から肩甲骨の上までの体高と、胸からお尻の先までの体長がほぼ同じ正方形で、バランスの良さを感じさせます。
また、ワイアー・フォックス・テリアはがっちりとした肩に、しっかりとした長い首を持ち、頭と鼻の境目がほとんど見られない幅広の長いマズルも特徴です。
耳はV字型の垂れ耳で、尻尾はまっすぐ立っています。尻尾は産まれてすぐ断尾されることが一般的でしたが、現在は動物愛護の観点から断尾してある犬としていない犬が混在しています。
ワイアー・フォックス・テリアのサイズ(体高・体重)
| 体高 | 男の子:~39cm 女の子:男の子よりやや小さい |
| 体重 | 男の子:8.25kg 女の子:男の子よりやや軽い |
ワイアー・フォックス・テリア体高約39cm、体重約8.25kgの小型犬です。女の子は男の子よりもやや小さく軽い傾向にありますが、小型犬の中では少し大きめといえます。骨太で、筋肉もしっかりとついています。
ワイアー・フォックス・テリアの毛色・被毛
ワイアー・フォックス・テリアの毛色はホワイトをベースとしています。そのうえで顔や耳などに以下のようなマーキングが入っています。
- ブラック
- ブラック&タン
- タン
現在のワイアー・フォックス・テリアの毛色はホワイトをベースとしていますが、ワイアー・フォックス・テリアという犬種が産まれた初期の頃は、ブラックやブラウン、タンをベースにした毛色だったと言われています。
しかしキツネ狩りの猟に出ると誤って撃たれてしまうことがあったため、スムース・フォックス・テリアと交配し、白色の毛色が優勢になるように改良しました。
ワイアー・フォックス・テリアの被毛は、上毛と下毛で構成されたダブルコートです。上毛であるオーバーコートは硬く、あまり抜けませんが、絡みやすいためブラッシングはしっかりと行いましょう。
ワイアー・フォックス・テリアの運動能力
ワイアー・フォックス・テリアは猟犬として活躍していたこともあり、活発であるため、毎日の散歩は欠かせません。散歩は1日2回、1回に30分以上を目安としましょう。
散歩のほかにもドッグランで自由に走り回らせたり、室内でもボール遊びやおもちゃを引っ張って遊ばせたりするなど、十分な運動量を確保してください。
ワイアー・フォックス・テリアの性格・習性
ワイアー・フォックス・テリアの基本的な情報について見ていきましたが、ここからはワイアー・フォックス・テリアの性格について見ていきましょう。
テリア種らしくとても活発で元気なだけでなく、警戒心の強い点についても特徴的です。
活発で遊び好き
ワイアー・フォックス・テリアは活発で遊び好きです。走り回るのも大好きなので、1日2回の散歩はもちろん、室内でもたっぷりと遊んであげてください。
エネルギッシュな犬種なので、休日にはドッグランに連れて行って、走り回らせてあげると喜ぶでしょう。
アジリティやドッグスポーツにも向いているため、愛犬と一緒にスポーツがしたい飼い主さんにぴったりの犬種です。
警戒心が強く、見知らぬ人に吠えやすい
ワイアー・フォックス・テリアは警戒心が強く、見知らぬ人に吠えやすい面も持っています。
番犬として十分な役割を果たしますが、大きく甲高い声を持つため、知らない人を見るたびに吠えてしまえば、近所迷惑となる場合もあるでしょう。
家族として迎えたときから色々な経験をさせて、人や音、もの、他の動物に慣らしていくことが大切です。
頑固でマイペースな一面もある
ワイアー・フォックス・テリアはテリア種特有の頑固でマイペースな面もあるため、甘やかしすぎてしまうとわがままになってしまいます。
うまくしつけをしないと、以下の問題行動を起こしてしまう可能性があるため注意しましょう。
- 言うことを聞かない
- トラブルを起こしてしまう
ワイアー・フォックス・テリアは興奮しやすい性格も持ち合わせています。長時間のしつけは集中できないため、一回のしつけは5分程度を継続して行うように意識してみてください。
しつけはしっかり集中し、失敗しても怒らず、成功したら思い切り褒めるのがポイントです。
怒るとやる気をなくしたり反抗的になってしまったりする場合もあるため、ぜひ意識して試してみてください。
ワイアー・フォックス・テリアの平均寿命
ワイアー・フォックス・テリアの平均寿命は、13歳前後です。
遺伝性疾患も少なく比較的丈夫な犬種ですが、飼い主さんは日頃から愛犬の体調をチェックし、変化にすぐに気付けるようにしておきましょう。
ストレスのない生活やフードに気を配り、病気を早期発見できれば、更に長生きすることも可能です。
ワイアー・フォックス・テリアの注意したい病気
| 皮膚炎 | 皮膚に炎症が起こる痒みやフケ、脱毛などの症状を伴う |
| 二重睫毛 | まぶたの内側にまつ毛が生えてしまう |
| 僧帽弁閉鎖不全症 | 僧帽弁が変形することで、心臓に負荷がかかる病気 |
| 水晶体脱臼 | 水晶体が本来の位置から外れる状態 |
ワイアー・フォックス・テリアは皮膚炎を始めとし、さまざまな皮膚病にかかることがあります。スタミナが多く元気な子なので体が汚れてしまい、炎症が起きてしまうこともあるでしょう。
皮膚炎
皮膚炎(ひふえん)は皮膚に炎症が起こる症状です。痒みやフケ、脱毛などの症状を伴い、不快感が生じます。
原因を特定して、飲み薬や塗り薬で対処する必要があるため、皮膚の変化に気づいたら早めに動物病院を受診しましょう。
二重睫毛
二重睫毛(ふたえまつげ)は、まぶたの内側に睫毛が生えてしまう病気です。睫毛がいつも目に刺さってしまうため、痛みや違和感を感じます。
普段から愛犬の様子をチェックし、目の赤みや涙など異常が見られたら、動物病院を受診してください。定期的に睫毛を抜くことで予防も可能です。
僧帽弁閉鎖不全症
僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)とは、心臓の左心房と左心室の間にある僧帽弁が閉まらないことで、血液の逆流が起こる病気です。
初期は特に症状は出ないため、気づいたら症状が進行している状態だったということも少なくありません。
症状が出る前から定期的に心臓の状態をチェックしておくことが重要です。
水晶体脱臼
水晶体脱臼(すいしょうたいだっきゅう)とは、「水晶体」と呼ばれるカメラのレンズ部分のような器官が、本来の位置からずれてしまう病気です。
水晶体脱臼が起こると目の炎症や緑内障などの症状を引き起こすため、愛犬が目を気にする様子や充血、白濁などのいつもと違う症状が見られれば、動物病院に連れていきましょう。
予防方法はありませんが、初期段階で発見し、早期治療ができれば続発する疾患を予防できます。
ワイアー・フォックス・テリアの見分け方
ワイアー・フォックス・テリアはウェルシュ・テリアやエアデール・テリアなどと似ているため、見分け方を知っておくと良いでしょう。
見分け方のひとつに、体型があります。ワイアー・フォックス・テリアは少し大きめの小型犬で、体高と体長がほぼ同じのスクエア型をしています。
また被毛も見分けるポイントです。ワイアー・フォックス・テリアは「ワイアー」の名前どおり、針金のような硬い毛を持っています。
体型や被毛のほか、V字型に垂れた耳もワイアー・フォックス・テリアの特徴であることを知っておけば、すぐに見分けられるようになるでしょう。
ワイアー・フォックス・テリアと繋がりのある犬種
スムース・フォックス・テリア
ワイアー・フォックス・テリアと繋がりのある犬種として、スムース・フォックス・テリアがいます。
スムース・フォックス・テリアはワイアー・フォックス・テリアと同じく活動的で、走ったり土を掘ったり、探検するのが大好きです。
昔は足の速さと持久力から、名前のとおりキツネを狩る猟犬として活躍していました。
ワイアー・フォックス・テリアと同じくスクエア型の体型で、堂々とした立ち姿が美しい犬種です。
陽気で明るい
家族には懐くが、警戒心もある
警戒心から吠えることがある
運動能力が高く、必要な運動量も多い
その他情報
| 原産地 | イギリス |
| 犬種グループ | 3G:テリア |
| 大きさ | 小型 |
| 平均寿命 | 12歳~15歳 |
| なりやすい病気 | 二重睫毛,白内障,膝蓋骨脱臼,皮膚炎,レッグ・カルベ・ペルテス |
| 参考価格 | 20万円~35万円 |
被毛
| 抜け毛 | 多い |
| 毛質 | スムースコート |
| 毛色 | ホワイト,ホワイト&タン,ホワイト&ブラック |
ワイアー・フォックス・テリアの価格

ワイアー・フォックス・テリアの生体価格は、平均で約30万円です。被毛のカラーや量、両親がチャンピオンドッグであるなど、条件によってはさらに高くなることもあります。
ペットショップで出会えることはほぼなく、ブリーダーを利用するのが最善の方法になるでしょう。
ワイアー・フォックス・テリアを飼っている知人に信頼できるブリーダーを紹介してもらうと安心ですが、周りにいない場合、動物病院やトリミングサロンに問い合わせてみる方法もあります。
気軽に立ち寄れるペットショップとは違い、ブリーダー探しは手間がかかります。しかし信頼できるブリーダーに出会えれば、理想の愛犬と出会える確率も上がりますよ。
ワイアー・フォックス・テリアを飼うのに向いている人の特徴

ワイアー・フォックス・テリアを飼うのに向いている人の特徴は、以下のとおりです。
- 愛犬と一緒に運動や散歩を楽しめる人
- しつけをしっかりできる人
- 体のケアをこまめにしてあげられる人
順番に見ていきましょう。
愛犬と一緒に運動や散歩を楽しめる人
前述したとおり、ワイアー・フォックス・テリアは活発で運動量を必要とするエネルギッシュな犬種です。
1日1時間程度の散歩を2回以上行い、室内でも遊び、休日も一緒に出かけて運動できる環境が理想といえます。
ドッグランなどで走り回らせるだけでも良いですが、一緒に運動を楽しんでみるのもおすすめです。アジリティやフリスビー、愛犬と踊るドッグダンスなど、ドッグスポーツは多くあります。
ドッグスポーツはアイコンタクトを必要とし、飼い主さんの指示に従って動くことで成立するため、信頼関係を築きやすい点もポイントです。
しつけをしっかりできる人
ワイアー・フォックス・テリアは活発なうえ少々頑固な面があるため、初めて犬を買う人には難しい犬種かもしれません。
賢い犬種ではありますが、マイペースな面もあるため、しつけが入るには時間がかかることもあります。
ワイアー・フォックス・テリアのしつけのポイントは、叱るのではなく褒めて伸ばすことです。
もしもしつけがうまく入らず、自信が無くなりそうになったら、プロに頼ることもおすすめですよ。
動物病院やしつけ教室など、しつけを教えてくれる場所はたくさんあります。
愛犬にうまく接することができなくても、周りの人に頼って愛犬と信頼関係を築いていきましょう。
体のケアをこまめにしてあげられる人
ワイアー・フォックス・テリアの飼い主さんは、愛犬の体のケアをこまめにしてあげる必要があります。
皮膚や目のトラブルに注意したいワイアー・フォックス・テリアは、日頃から飼い主さんがどれだけ愛犬を観察し、些細な変化に気付けるかどうかが重要です。
散歩から帰ったら丁寧にブラッシングをし、皮膚の状態や目、耳、口などに異常がないか、触って痛がるような場所はないか、チェックしてください。
爪切りや耳掃除のついでに健康診断もできるよう、定期的に動物病院に連れていくことも大切です。心臓の音をはじめ、プロならではの視点で体調のチェックをしてくれますよ。
ワイアー・フォックス・テリアの飼い方

ワイアー・フォックス・テリアを家族に迎え入れたいと思ったら次の点に注意すると良いです。
特にテリア種らしい魅力は、ハードルの高さにも繋がっているため、十分に特徴を理解してからお迎えすることが大切です。
しつけは子犬期から根気強く行う

ワイアー・フォックス・テリアはテリア種特有の気が強い一面があるため、しつけが入りにくい面があります。しつけは子犬期から根気強く行いましょう。
ワイアー・フォックス・テリアに限りませんが、しつけは1日5分程度など、愛犬の集中力が途切れない時間を目安に継続して行うことが必要です。
興奮しやすいですが、賢い犬種なので、愛情をもってしつければ、やがて信頼関係が築けるでしょう。
ワイアー・フォックス・テリアは気の強い反面警戒心が強い面も持ち合わせているため、知らない人やほかのペットと会った時に、吠えたり攻撃的になったりする場合もあります。
子犬の頃から多くの経験をさせて、社会性を身に付けさせるのも、しつけのポイントです。
イタズラや事故を防ぐ室内環境にしておく

ワイアー・フォックス・テリアは活発なため、室内でもボール遊びやヒモの引っ張りっこ遊びをして遊んであげると喜びます。
しかしおもちゃの他にも室内には、トイレシーツやベッド、フードボウル、クッション、ぬいぐるみなど、愛犬にとって魅力的なものがたくさんあります。
愛犬がイタズラしてしまいそうな物はしまっておくなど、噛んだり引っ張ったりできないような環境を整えましょう。
また、電源コードや小さなおもちゃは感電や誤飲の原因になり、事故にもつながります。家族の中の誰かが気にするのではなく、全員で愛犬が安心して暮らせる環境かどうか、定期的に見直して対策することも大切ですよ。
散歩は1日2回、各1時間程度が目安

運動量が多く必要なワイアー・フォックス・テリアの散歩は1日2回、各1時間程度を目安に行いましょう。
時間的に1時間の散歩時間が確保できない場合、1日3回を各20分~30分など、分けて散歩することもおすすめです。
散歩をして屋外の雰囲気を味わうことで、感受性を高めて落ち着きのある性格の犬に育つことも期待できます。
散歩中に出会うほかの犬や飼い主さんと触れ合えれば、社会性も養えるでしょう。ただし散歩は、外の環境や天候に応じて変化させるように心がけてください。
特に真夏の散歩は熱中症の恐れやアスファルトによる肉球の火傷の恐れがあるため、熱くない時間帯を選ぶなど、調整して散歩時間を楽しんでくださいね。
ブラッシングは週2回~3回を目安に行う

ブラッシングはスリッカーブラシやコームを使用して、週2回~3回を目安に行いましょう。
ワイアー・フォックス・テリアは毛量は多くないうえ長さも短めであるため、家庭でのケアはそれほど難しくありません。
しかし絡みやすい毛質であるため、ブラッシングをしなければ毛玉の原因となってしまいます。ホコリやゴミが溜まると皮膚トラブルの原因にもなりかねないため、定期的にブラッシングを行ってください。
また、ワイアー・フォックス・テリアの魅力は、何といっても硬く艶のある針金のような被毛です。この美しい被毛を維持するために欠かせないのが、専門的なお手入れ方法「プラッキング」です。
プラッキングとは? その目的と重要性
プラッキング(Plucking)は、「手で毛を抜く」という意味のグルーミング技術で、「ハンド・ストリッピング」とも呼ばれます。
ハサミやバリカンを使わず、指や専用のナイフ(ストリッピング・ナイフ)で被毛を抜くことで、以下の重要な効果が得られます。
- 被毛の健康維持: 抜けないまま放っておくと柔らかくなり、本来の硬い質感が失われてしまいます。
- 皮膚の健康維持: 抜けない古い被毛が皮膚に残り続けると、通気性が悪くなり、皮膚炎などのトラブルの原因になります。
- 理想的な被毛色の維持: プラッキングを行うことで、本来の鮮やかな被毛色が保たれます。
プラッキングの基本的な方法
プラッキングは、専門的な技術を要するため、慣れないうちはトリマーにお願いするのが一般的です。しかし、自宅で少しずつ挑戦することも可能です。
【用意するもの】
- ストリッピング・ナイフ(専用のナイフ)
- 指サックやラバー製の指先
- コーム、ブラシ
【手順のポイント】
- 古い毛を見つける: 被毛の中でも、長く、柔らかく、色が薄くなった古い毛を探します。これがプラッキングで抜くべき毛です。
- 毛の根元を掴む: ストリッピング・ナイフの刃先を使い、毛の根元をしっかり挟みます。この時、皮膚を傷つけないように注意が必要です。
- 毛並みに沿って抜く: 力を入れすぎず、毛の生えている方向に沿って、素早く毛を抜きます。毛の根元から抜くことで、新しい毛の成長を促します。
- 全身を均一に: 一度に広範囲を抜かず、少しずつ全身を均一にお手入れします。特に、背中や首、頭部など、毛が密集している部分は丁寧に行いましょう。
プラッキングは犬にとって痛みを感じることがあります。無理に行わず、犬の様子を見ながら休憩を挟むことが大切です。
全身を一度にプラッキングするのではなく、古い毛が目立つ部分から少しずつお手入れを始めましょう。
トリミングとプラッキングの使い分け
ワイアー・フォックス・テリアの被毛ケアには、プラッキング以外にハサミやバリカンを使ったトリミングもあります。
- プラッキング: 硬い被毛を維持したい場合、ドッグショーに出場する場合などに適しています。手間と時間がかかりますが、犬種本来の美しい被毛を保てます。
- トリミング: 家庭犬として、お手入れの手間を減らしたい場合に適しています。しかし、被毛が柔らかくなり、本来の質感が失われる可能性があります。
プラッキングは、ワイアー・フォックス・テリアを健康で美しく保つための重要なケアです。プロのトリマーに相談しながら、愛犬にとって最適な方法を見つけていきましょう。
シャンプーは月に1回程度が目安

皮膚の汚れは臭いや皮膚トラブルの原因になりますので、シャンプーは月に1回程度が目安です。
お家でシャンプーを行う場合、事前のブラッシングをしっかり行い、シャンプー時は皮膚をマッサージするように優しく洗うことを心がけてください。
ブラッシングをしながら毛をかき分け、根元までしっかり乾かすことを心がけましょう。
洗うときはお尻から頭、流すときは頭から体と愛犬が怖がらない順番で洗い、手短に仕上げることがお家でシャンプーをするコツですよ。
定期的なトリミングが必要
ワイアー・フォックス・テリアの美しい毛並みを維持するためには、定期的なトリミングが必要です。
ワイアー・フォックス・テリア特有の針金のような硬いワイアーヘアーを保つには、余分な毛を専用のナイフや指で抜いていく「プラッキング」という方法を行わなければいけません。
プラッキングの頻度は1週間~2週間に1回程度が推奨なものの、個体差や被毛の状態によっても異なります。
トリミングサロンに連れて行く飼い主さんの都合もあるため、かかりつけのトリミングサロンと相談して、愛犬にとって適切な頻度を選びましょう。
口周り(ヒゲ)の汚れはしっかりケア
口周りのヒゲが特徴のワイアー・フォックス・テリアは、汚れのケアも欠かせません。
口周りに汚れが残っていると臭いや雑菌の繁殖、変色などに繋がるため、飼い主さんは食後は汚れをしっかりと確認してあげましょう。
口周りのケアは食事の度に行っていれば、濡らしたタオルやウェットティッシュなどで拭き取る程度で十分です。
愛犬と過ごすお部屋には取り出しやすい位置にウェットティッシュを置いておき、すぐに取り出せる環境にしておくとよいでしょう。
ドッグフードはライフステージと目的に応じたものを選ぶ

ワイアー・フォックス・テリアに限りませんが、愛犬に与えるドッグフードはライフステージと目的に応じたものを与えましょう。
年齢や目指す体型、ライフスタイルによって必要なカロリーが異なるためです。
特に病気と診断されていない子の場合、主食には総合栄養食を与え、おやつや間食の時間も楽しんでください。
総合栄養食とは水とそれだけでバランスの取れるフードです。総合栄養食のバランスが崩れないように、おやつや間食は全体のフードの20%以内に抑えるように意識してくださいね。
肥満予防のために体重管理も大切

肥満予防のために、体重管理も大切です。ワイアー・フォックス・テリアは活動量が多く運動が大好きな犬種なので、もしも肥満になって運動をしていたら、関節や心臓に負担がかかってしまいます。
ワイアー・フォックス・テリアの平均的な体重は、前述したとおり約8.25kg程度ですが、個体差があります。そこで、体型で見て肥満度がわかるBCSを知っておくとよいでしょう。
BCS(ボディコンディションスコア)は愛犬の見た目と、体に触った感覚で体型の評価ができるものです。肋骨に触れるか、上から見てくびれがあるかの2点で判断できます。
愛犬に触れることでコミュニケーションも取れ、皮膚の状態や体のトラブルにいち早く気づけるので、ぜひ定期的に試してみてくださいね。
おすすめのドッグフード3選
ワイアー・フォックス・テリアにおすすめのドッグフードとしてまず紹介するのは、レティシアンの「カナガンドッグフードチキン」です。
カナガンドッグフードチキンは、高品質な放し飼いにしたチキンをたっぷり使用した高タンパクフードなので、愛犬の健康な筋肉を維持するのに最適です。
人間が食べられる良質で新鮮な生肉を使用しており、グレインフリー(穀物不使用)であるため、愛犬の胃腸に負担をかけません。
欧州ペットフード工業連合(FEDIAF)の厳しい審査をクリアした工場で生産されたドッグフードを、ぜひお試し下さい。
上記と同じくレティシアンから出ている「モグワンドッグフード」も、ワイアー・フォックス・テリアにおすすめのフードです。
チキン生肉と生サーモンを贅沢に使い、理想の食いつきを実現したフードはなんと動物性タンパク源50%以上。
新鮮でグレイフリー(穀物不使用)であるのはもちろん、ココナッツオイルやりんご、かぼちゃなど、内側から体の環境をサポートする食材を使っている点にも注目です。
華ちゃん犬猫すこやか本舗のうまか ドッグフードも、ワイアー・フォックス・テリアにおすすめのフードです。
フードには華ちゃん犬猫すこやか本舗の自社養鶏場で育てた華味鳥の生肉を使用していて、鯛出汁の優しい自然な香りが、愛犬の食いつきをアップさせます。
主原料は国産素材でヒューマングレード、穀物は吸収力が上がるようにアルファ化しています。食事の時間が楽しみになる美味しさと、飼い主さんが安心できる品質が詰め込まれたフードです。
おすすめのアイテム・グッズ
お口の周りが汚れやすいワイアー・フォックス・テリアにおすすめのアイテムとしてまず紹介したいのは、JOYPETのウェットティッシュです。
天然消臭成分を配合しているためすっきりとした匂いで、ヒアルロン酸も配合されています。弱酸性処方なので肌にも優しく、厚手シートなのも特徴です。
フードを食べ終わった愛犬の口周りを拭くのにぴったりなウェットティッシュなので、ぜひお試しください。
月に1回のシャンプーはお家でしたいという飼い主さんにおすすめなのが、A.P.D.C.のティーツリーシャンプーです。
ティーツリーなどの植物成分に加えて海藻保湿成分も配合しているので、愛犬をふんわりとしたツヤのある被毛へと導きます。
ティーツリーシャンプーは泡立ちと泡切れが良いのも特徴です。使いやすさ抜群で、愛犬とのシャンプーの時間がより良いものになるでしょう。
週2回~3回のブラッシングにおすすめなのが、WIDREAMのペット用スリッカーブラシです。柔軟性のある長さ約0.8cmのピンが、愛犬の肌を刺激しすぎないため、優しくブラッシングできます。
今までピンについた抜け毛を手で取っていた飼い主さんも、WIDREAMのスリッカーブラシなら、ボタンを押すだけで抜け毛が除去できるので手軽です。サポート登録すれば1年間の保証期間がつく点も、嬉しいポイントです。
ワイアー・フォックス・テリアの理解度チェック
この記事の執筆者
認定動物看護師/WEBライター
動物好きが高じて結婚後7年間動物看護師として動物病院で働き、現在は家族と猫(しじみ)と暮らしています。
Webライターは2016年より始め、数々のペット記事を執筆してきました。
みなさまにわかりやすく為になる記事を提供できるよう努めますので、よろしくお願いいたします!
nademo編集部
編集部
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※ 当コンテンツで紹介する商品は、実際に社内で利用した経験と、ECサイトにおける売れ筋商品・口コミ・商品情報等を基にして、nademo編集部が独自にまとめています。
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