「プチ・ブラバンソンのお世話で気を付けることは?」「どんな性格の犬種?」
人間らしい愛嬌ある表情のプチ・ブラバンソンに惹かれ、お迎えを検討する中で、上記のような疑問を抱えていませんか?
この記事では、プチ・ブラバンソンの特徴や性格、気を付けた病気など、お世話するうえで知っておきたい項目を具体的に解説します。
プチ・ブラバンソンを詳しく知りたい人やお迎え準備をしたい人はぜひ参考にしてください。
この記事の結論
- プチ・ブラバンソンはベルギー原産の小型犬
- 穏やかで愛情深いため、多頭飼いにも向いている
- 個体価格の相場は25万円~40万円と、やや高額寄りの犬種
- ペットショップでは出会えないため、ブリーダーからお迎えするのが一般的
ライター/愛玩動物飼養管理士2級
幼いころから動物が好きで、犬4頭とハムスター5匹の飼育経験があります。わんちゃん特有の匂いが大好き…!
プチ・ブラバンソンの特徴

プチ・ブラバンソンはブリュッセル・グリフォンやベルジアン・グリフォンと合わせて、今でも同じ犬種という扱いもされていることがある犬種たちです。
どちらかといえばプチ・ブラバンソンはパグに似ており、潰れたマズルと顔のしわが特徴的です。
ほかの2犬種と比べて同じ毛色であることは多いですが、短毛種であるのがプチ・ブラバンソン。1900年頃にはすでに人気が出始めており、今でも海外を中心に人気のある犬種です。
知能が高く、温厚な性格
家族には懐くが、警戒心もある
警戒心から吠えることがある
運動量は多くない
その他情報
原産地 | ベルギー |
犬種グループ | 9G:愛玩犬 |
大きさ | 小型 |
平均寿命 | 12歳~14歳 |
なりやすい病気 | 軟口蓋過長症,口蓋裂,熱中症,膝蓋骨脱臼,チェリーアイ |
参考価格 | 25万円~40万円 |
被毛
抜け毛 | 少ない |
毛質 | スムースコート |
毛色 | レッド,ブラック,ブラック&タン |
プチ・ブラバンソンの誕生の歴史
プチ・ブラバンソンは、15世紀頃のベルギーですでに存在していたと考えられています。Smousje(スムージー)と呼ばれていた小型犬が先祖犬となっており、19世紀頃にパグやキング・チャールズ・スパニエルが掛け合わされ誕生したといわれています。
注意深い性格であったため、馬車を守ったり馬小屋への小動物の侵入を防いだりしていた過去があります。
1883年に、マリー・アンリエット王妃がプチ・ブラバンソンとつながりのあるブリュッセル・グリフォンに関心を持ったことで、プチ・ブラバンソンの知名度も広がっていきました。
日本でもつい数十年前まではブリュッセル・グリフォンとして扱われていましたが、FCI基準に従い、3犬種に分けて扱うようになっています。
プチ・ブラバンソンの身体的特徴
プチ・ブラバンソンは、パグやシー・ズー同様、鼻が短い短頭種です。垂れ耳で丸い目、下がった口角が特徴的な犬種です。
まるで機嫌を損ねた子どものような表情をしており、愛嬌のあるかわいらしい顔をしています。骨は太めで丈夫ですが、身軽でしなやかな肉体を持ち合わせています。
プチ・ブラバンソンのサイズ(体高・体重)
体高 | 21cm~28cm |
体重 | 3.5kg~6kg |
プチ・ブラバンソンは小型犬に分類され、体高は大きくなっても30cm未満で、体重は最大でも6kg程度。体長と体高の長さはほとんど等しく、スクエア体型をしています。
似た犬種にパグが挙げられますが、体重はプチ・ブラバンソンのほうが3kgほど軽くなっています。
プチ・ブラバンソンの毛色・被毛
プチ・ブラバンソンはシングルコートの短毛種、というのがほか2犬種との違いでもあります。ジャパンケネルクラブでは、以下の3色の毛色が認められています。
毛色
- レッド
- ブラック
- ブラック&タン
顔だけ黒い被毛の「ダークマスク」もあります。胸元の白い模様は理想的ではないとされているため、コンテストに出場したい場合は、胸元に模様がない子をお迎えしましょう。
プチ・ブラバンソンの運動能力
家庭犬として誕生したため、狩猟犬のような高い運動神経や豊富なスタミナは持ち合わせていません。
一般的な小型犬と同じような運動能力で多大な運動量を必要としないため、広い庭がない家でも飼いやすい犬種といえます。
ただ、肥満になりやすい傾向にあると言われているので、適度な量の運動は必要不可欠です。
プチ・ブラバンソンの平均寿命
平均寿命は12歳~14歳程度と言われており、小型犬の平均的な寿命といえるでしょう。
子犬の時期にお迎えすれば10年以上ともに過ごすことになるため、長期的にお世話できる環境が必要です。
プチ・ブラバンソンの注意したい病気
軟口蓋過長症 | 上顎の硬口蓋より奥にある軟口蓋が正常より長く、呼吸が妨げられる病気 |
口蓋裂 | 先天的に口蓋に穴があいていることで、口腔と鼻腔が繋がってしまう病気 |
熱中症 | 高体温及び脱水することにより、急変や死亡リスクがある病気 |
膝蓋骨脱臼 | 膝部分にあるお皿状態の骨である膝蓋骨が脱臼する状態 |
チェリーアイ | 人には存在しない目頭側にある第三眼瞼腺が飛び出した状態 |
短頭種のプチ・ブラバンソンは、軟口蓋過長症(なんこうがいかちょうしょう)という呼吸疾患になりやすい傾向があります。
口蓋裂(こうがいれつ)は先天的に発症しているケースもあるため、お迎えする際は健康状態をしっかり確認するようにしましょう。
短頭種は口呼吸で熱を放出するのが苦手とされており、熱中症になりやすいため注意が必要です。
いつもと違う様子が見られたら病気を発症していたり異変が生じている可能性があるため、早急に動物病院を受診しましょう。
プチ・ブラバンソンの見分け方
ダークマスクや下がった口角など、プチ・ブラバンソンはパグに似ているといわれますが、体格には明確な違いがあります。
パグはがっしりと重みを感じる体型をしていますが、プチ・ブラバンソンはスラっとした肉付きなのが特徴です。
体重も倍近く差があるため、プチ・ブラバンソンとパグを見分ける際は体格に注目しましょう。スリムであればプチ・ブラバンソン、がっしりしていればパグと見分けられます。
プチ・ブラバンソンのお迎え方法と価格相場
プチ・ブラバンソンは、日本では非常に珍しい犬種のため、ペットショップで出会うことはほとんどありません。お迎えの主な方法は、専門のブリーダーからとなります。
お迎え方法
- ブリーダーから直接: 国内でプチ・ブラバンソンを専門に繁殖しているブリーダーを探し、直接問い合わせるのが最も一般的な方法です。ブリーダーは犬種の専門知識が豊富で、子犬の親犬や育った環境を直接確認できるメリットがあります。
- 海外から輸入: 国内で子犬が見つからない場合、海外のブリーダーから輸入を検討することもあります。ただし、輸入には手続きや輸送費が別途かかるため、費用が相場より高くなる可能性があります。
- 保護犬: 稀に里親を探しているケースもあります。
価格相場
プチ・ブラバンソンの価格は、血統や容姿、ブリーダーの評判などによって大きく変動します。
- 一般的な価格帯: 25万円~40万円
- 海外からの輸入: 輸送費や代行手数料が加わるため、価格はさらに高くなる傾向があります。
これらの価格には、ワクチン接種や血統書などの付随費用が別途必要となる場合があるため、購入前に必ず総額を確認するようにしましょう。
プチ・ブラバンソンの性格・習性

次は、プチ・ブラバンソンの性格や習性を見ていきましょう。犬種によって性格が異なるため、お迎え前に特徴を把握して性格に合った接し方をするのが大切です。
飼い主さんや家族に対して愛情深い
プチ・ブラバンソンは愛情深く、活発で家庭犬らしい性格をしている犬種です。家族や飼い主との絆を大切にするため、常に近くにいてくれるでしょう。
スキンシップを好む一面もあり、添い寝や膝の上でリラックスすることもしばしば見られます。
忠実で深い愛情を示してくれるため、よきパートナーとして支え合える関係になれるはずです。
警戒心が強いものの、攻撃性は高くない
プチ・ブラバンソンは、穏やかな性格をしているのが特徴です。家族以外には警戒心を示すものの、相手に攻撃を仕掛けることは滅多にありません。
追いかけまわしたり噛んだりするケースはほとんどないため、トラブルに発展する可能性も低いといえます。
小さな子どもがいる家庭や公園でも、問題なく過ごせるでしょう。
プチ・ブラバンソンを飼うのに向いている人の特徴
愛犬との散歩や遊びに時間をかけられたり犬のしつけ経験があったりする人は、プチ・ブラバンソンのお世話をするのに向いています。
とくに、時間を確保できない人は愛犬のストレスを溜める原因になるため、お迎え前に自分の生活を振り返ってお世話の時間をしっかり取れるか確認しましょう。
散歩やお手入れに長い時間をかけられない人
プチ・ブラバンソンに限らず、犬と生活をともにするなら散歩や遊び、お手入れなどが必須になります。
毎日の散歩や飼い主さんとのスキンシップは、愛犬の健康的な心と体を維持するために不可欠。
ですが、ほかの犬種と比べても運動量が少なく、小型犬でもあるのでお手入れは簡単。
通常の散歩時間も多く確保する必要がないため、長い時間を作ることができない人でもお迎えは可能です。
犬のしつけを行った経験がある人
プチ・ブラバンソンは賢くしつけがしやすい犬種とされていますが、犬のしつけ経験があるほうがスムーズにトレーニングを進められます。
しつけには、問題行動の防止はもちろん、飼い主との関係性を深めていくのにも役立ちます。
信頼関係を深められれば、長期間の生活を双方が快適に過ごせるようになるでしょう。しつけは正しい方法で行わなければ、犬にとって大きなストレスになる場合もあります。
愛犬はもちろん、飼い主さんにも忍耐が必要となるため、正しい知識をもとにしつけした経験がある人はプチ・ブラバンソンをお世話するのに向いているでしょう。
プチ・ブラバンソンの飼い方

犬と暮らすと必然的に飼い主の負担が増えるものです。ここでは、プチ・ブラバンソンの飼い方を解説しているため、お迎え後に困ることがないよう事前にお世話の仕方を把握しておきましょう。
頑固なところがあるので、しつけは根気強く行う

プチ・ブラバンソンは忠実な犬種でありながら、頑固な一面を持ち合わせています。
数回のトレーニングだけでは言うことを聞いてくれないといった場面に何度も出くわすでしょう。
頑固なプチ・ブラバンソンには、一貫したしつけを根気よく続けるのが大切です。
しつけには時間がかかるため、気長に構えておくと飼い主と愛犬双方のストレスを軽減できますよ。
運動量は多くないので、散歩は1回20分~30分を1日2回程度

プチ・ブラバンソンのスタミナは一般的な小型犬と変わりないため、1日20~30分の散歩を1日2回行えば十分です。
時間や回数が足らないと運動不足に陥り健康状態を害するおそれがあるため、散歩時間は必ず確保しましょう。
雨が続く日は、レインコートを着せて散歩させてあげるのがおすすめです。
夏場や冬場の散歩は最適な時間帯を選ぶ
プチ・ブラバンソンは暑さや寒さに弱い犬種なので、季節によって散歩する時間帯を決めましょう。
夏の暑い日は比較的気温の低い朝方や夕方を選び、散歩中は日陰が多いコースを利用してこまめに水分補給をしましょう。
また冬の寒い日は日差しの出ている暖かい時間帯を選び、防寒着などを使用して防寒対策を行いましょう。
攻撃性はないので、多頭飼いも可能
プチ・ブラバンソンは穏やかな性格をしているため、多頭飼いに向いています。
他の犬や猫と出会ったばかりの頃は警戒心を抱く場合もありますが、次第になかよく過ごす姿が見られるようになるでしょう。
相性を見ながら慎重に関係性を深めていくのが大切ですが、噛みついたり追いかけ回すケースはほとんどありません。
多頭飼いをしたい人にも積極的にお迎えが可能な犬種なので、にぎやかな家庭になるでしょう。
室温は25℃前後、湿度は50%~60%を維持する

犬が過ごしやすい室温は、一般的に20℃~28℃の間だと言われており、湿度は40%~60%だと言われています。
基本的には人間が過ごしやすい室温・湿度と変わりありませんので、維持できるように管理してあげてください。
口を開けて「ハアハア」と激しく呼吸する様子や、寒さで震える様子が見られれば、随時室温・湿度を調整してあげましょう。
室温や湿度が適正でない場合、熱中症や咳、痒みなどの症状が現れる可能性があります。適切な室温・湿度を保ち、愛犬が過ごしやすい環境を整えることが大切です。
ブラッシングは週に1回~3回程度でOK
ブラッシングや歯磨きなどは早い段階で習慣化できると、嫌がらずに行わせてくれます。
特に歯磨きは毎日行わなければすぐ歯石になってしまうので、若いうちから慣れてもらえるように頑張らなければいけません。
耳掃除や爪切りを自分で行うのが不安な方は、定期的にトリミングに連れて行ってあげましょう。
肥満にならないように体重管理を徹底する

プチ・ブラバンソンは太りやすい体質なため肥満になりやすい犬種です。
肥満になってしまうと心臓に負担がかかったり、短頭種気道症候群と呼ばれる呼吸器の病気を発症してしまいます。
そのため上記BCS(ボディコンディションスコア)を参考にしながら、適切な体重を維持するようにしましょう。
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プチ・ブラバンソンと繋がりのある犬種

プチ・ブラバンソンとつながりのある犬種として「ブリュッセル・グリフォン」と「ベルジアン・グリフォン」が挙げられます。
いずれもベルギ―原産で、先祖犬はSmousje(スムージー)と呼ばれる共通の犬種であるとわかっています。
ブリュッセル・グリフォン

ブリュッセル・グリフォンは、口周りの長い被毛が特徴的な小型犬です。体格もほぼ等しく、穏やかな性格はプチ・ブラバンソンとよく似ています。
毛色はレッドが認められており、被毛が長いか短いかで、プチ・ブラバンソンとの違いが出ます。
誰に対しても明るく温厚
とても人懐っこい
警戒心が強くなったときだけ吠える
活発だが運動量は多くない
その他情報
原産地 | ベルギー |
犬種グループ | 9G:愛玩犬 |
大きさ | 小型 |
平均寿命 | 10歳~15歳 |
なりやすい病気 | 軟口蓋過長症,膝蓋骨脱臼,白内障,熱中症 |
参考価格 | 30万円~50万円 |
被毛
抜け毛 | 少ない |
毛質 | シングルコート |
毛色 | レッド |
ベルジアン・グリフォン

ベルジアン・グリフォンは、ブリュッセル・グリフォンの毛色違いの犬種です。毛色はブラックとブラック&タンが認められており、被毛は粗めの中長毛です。
毛色以外の見た目や性格はブリュッセル・グリフォンとほとんど同じで、口周りの長い被毛がチャームポイントになっています。
明るく陽気
飼い主には忠実で懐きやすい
警戒心から吠えることも
平均的な運動量
その他情報
原産地 | ベルギー |
犬種グループ | 9G:愛玩犬 |
大きさ | 小型 |
平均寿命 | 12歳~14歳 |
なりやすい病気 | 軟口蓋過長症,膝蓋骨脱臼,短頭種気道症候群,気管支狭窄 |
参考価格 | 45万円~65万円 |
被毛
抜け毛 | 少ない |
毛質 | シングルコート |
毛色 | ブラック,ブラック&タン |
ブリュッセル・グリフォン、ベルジアン・グリフォンとの違いは?
ブリュッセル・グリフォン、ベルジアン・グリフォン、そしてプチ・ブラバンソンは、すべて同じグリフォン系に属する犬種であり、非常に似ています。最も大きな違いは被毛の種類と色です。
比較項目 | プチ・ブラバンソン | ブリュッセル・グリフォン | ベルジアン・グリフォン |
---|---|---|---|
被毛 | スムースコート(短毛) | ワイアーコート(剛毛) | ワイアーコート(剛毛) |
毛色 | レッド、ブラック、ブラック&タン | レッド | ブラック |
特徴 | 無精ひげがない。 | 顎ひげと口ひげがある。 | 顎ひげと口ひげがある。 |
これら3犬種は、性格や体格、歴史的背景を共有しており、非常に似た特徴を持っています。最も大きな違いは、被毛の種類と毛色です。
- プチ・ブラバンソン:唯一の短毛種(スムースコート)で、無精ひげがありません。
- ブリュッセル・グリフォン:剛毛種(ワイアーコート)で、毛色はレッド(赤茶色)のみです。
- ベルジアン・グリフォン:剛毛種(ワイアーコート)で、毛色はブラック(黒)のみです。
これらの違いを理解することで、それぞれの犬種の個性をより深く知ることができるでしょう。
この記事の執筆者
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