犬のお迎え

多頭飼いに向かない犬種もいる!向いていない子の特徴とは?

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犬によってその特徴はさまざまで、元気な子がいれば大人しい子もいて、それぞれに良さがあります。

だからこそ同じ犬種はもちろん、違った犬種とも一緒に暮らしたい、と思う人も多いのではないでしょうか。

そんなときに出てくる問題のひとつが、多頭飼いに適応できる犬種なのかどうか。

愛犬家にとっては魅力的な多頭飼いですが、向いていない犬種や特徴もあらかじめ理解しておきましょう。

この記事の結論

  • 攻撃性のある子や独占欲が強い子、極端に臆病な子は多頭飼いに向かない
  • 犬種では日本犬やミニチュア・ピンシャー、ペキニーズなどが該当する
  • 多頭飼いのメリットは、社会性が育まれて寂しい時間が少なくなること
  • 多頭飼いのデメリットは、相性が悪いと大変で使う時間や出費が増えること

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多頭飼いに向いていない犬種の特徴

たくさんの愛犬たちに囲まれて生活する、というのは愛犬家にとって夢見る理想的な生活のひとつではないでしょうか。

もちろん多頭飼いに成功しているご家庭もあれば、中には多頭飼いをしたことによって生活が苦しくなってしまうご家庭もあります。

まずは多頭飼いに向いていないとされる犬の特徴について、詳しく見ていきましょう。

  • 興奮しやすく、攻撃性がある
  • 独占欲が強い
  • 依存度が高く甘えん坊
  • 極端に臆病
  • 年齢差が大きい

日本で人気の小型犬などは社交性が高く、多頭飼いに向いている犬種も多く存在します。

ですが、これらのような特徴を持っている犬種については、他の犬と一緒に暮らすことは難しいでしょう。

興奮しやすく、攻撃性がある

よく興奮状態になってしまう子や、攻撃性がとても高い子については、他の犬と一緒に暮らすことは難しいです。

トレーニングによって、必要に応じた抑制はできるかもしれませんが、本能的に攻撃性が高い犬種も存在します。

場合によっては他の犬を攻撃してしまい、病気やケガの原因になることも考えられます。

飼い主さん自身もケガをしないためにもそうした子は徹底したトレーニングが必要で、その上でどれだけコントロールできるかが重要になります。

独占欲が強い

独占欲は攻撃性にも繋がってくるところがあるため、飼い主さんを独占したい子は多頭飼いに向いていません。

もちろんこの独占欲は、食事のときや遊んでいるときにも出てくるもの。

ドッグフードを独り占めしてしまう子や、遊んでいるおもちゃを無理やり他の子から奪ってしまうなど、注意すべきポイントがいくつか存在します。

ケンカもじゃれ合い程度ならば問題ありませんが、横取りされた子は必要な食事を摂取できなかったりするので、ルールを覚えさせなければいけません。

依存度が高く甘えん坊

食事やおもちゃなどに対する依存度が低くても、飼い主さんに対する依存度が高すぎるのも問題。

他の子に構いすぎてしまうと、寂しさから他の犬への敵意に変わることもあります。

仮に上手く分散してコミュニケーションを取っていたとしても、愛情が分散することに不満を感じる子はいます。

甘えん坊であることは飼い主さんにとって嬉しいものですが、依存度が高すぎるのも問題と言えるでしょう。

極端に臆病

そもそも臆病だという犬種は少なくありませんが、極端に臆病な場合は多頭飼いがストレスになります。

静かな場所で落ち着きたい性格の子や、他の犬との社交性が低い子は注意が必要。

多少の臆病なら良いですが、臆病すぎると自分の身を守る目的で攻撃に変わることもあります。

年齢差が大きい

犬は人間よりも早く歳を重ねていくため、なかなか気付きづらいポイントかも知れません。

ですが、年齢差というのは犬たちにとっても重要な部分です。

子犬と老犬を一緒にお迎えするとなったら、元気すぎる子犬と穏やかに暮らしたい老犬が同じ空間に介在することになります。

10歳以上の歳が離れてしまうとお互いのストレスになりますので、年齢差は大きくても5歳ほどにしておくのがおすすめです。

多頭飼いに向いていない代表的な犬種

前述したような特徴のある子が先住犬としている場合、多頭飼いはおすすめできません。

その上で、上記に該当するような特徴を持っていることが多い犬種についても、詳しくご紹介します。

日本犬

次のような日本犬は、古き良き時代の日本らしい性格を持った犬種が多いと言われています。

警戒心や自立心が高く、マイペースであることも多い犬種。

全ての犬種がそうというわけではありませんので、多頭飼いができる子も存在します。

北海道犬

飼い主さんに従順で忠実な一方、非常に野性味のある北海道犬。

獣猟犬であったため、とても勇敢な心とともに闘争心も高い犬種です。

飼い主さん以外に対しては攻撃的になることもありますので、注意が必要です。

飼い主に従順で忠実

飼い主さん以外には警戒心が強い

警戒心が強く吠えやすい

持久力がある

 その他情報

原産地 日本
犬種グループ 5G:原始的な犬・スピッツ
大きさ 中型
平均寿命 13歳~15歳
なりやすい病気 白内障,熱中症,コリーアイ症候群(コリー眼異常),皮膚疾患,変性性脊髄症
参考価格 20万円前後
       

被毛

抜け毛 多い
毛質 ダブルコート
毛色 胡麻,虎,赤,黒,黒褐色,白

体高

男の子48.5cm~51.5cm
女の子45.5cm~48.5cm

体重

男の子20kg前後
女の子15kg前後

秋田犬

忠犬ハチ公で有名な秋田犬は、飼い主さんに対して従順であることでも有名。

家族に対しては非常に愛情深い一方、知らない人や犬に対してはとても警戒します。

徐々に改良が進んで穏やかになってきてはいるものの、頑固な気質はまだまだ見られます。

穏やかで賢く忠誠心が強い

飼い主に懐きやすい

警戒心が強く吠えやすい

多くの運動量を必要とする

 その他情報

原産地 日本
犬種グループ 5G:原始的な犬・スピッツ
大きさ 大型
平均寿命 10歳~12歳
なりやすい病気 股関節形成不全,鼓腸症,ブドウ膜皮膚症候群,眼瞼内反症
参考価格 10万円~40万円
       

被毛

抜け毛 多い
毛質 ダブルコート
毛色 赤,白,虎,胡麻

体高

男の子64cm~69cm
女の子58cm~64cm

体重

男の子27kg~41kg
女の子23kg~36kg

甲斐犬

虎毛というトラ模様を持つことから、「虎犬」「虎毛犬」といった別名を持つ甲斐犬。

愛玩犬化は好まれておらず、現在においても気性の強さは重要視されています。

やはり飼い主さん以外に対する警戒心は強く、多頭飼いの難しい犬種です。

冷静沈着で勇敢な性格

飼い主さん以外には懐きづらい

警戒心が強く、吠えやすい

運動量がとても豊富

 その他情報

原産地 日本
犬種グループ 5G:原始的な犬・スピッツ
大きさ 中型
平均寿命 14歳〜16歳
なりやすい病気 アレルギー性皮膚炎,外耳炎,白内障
参考価格 20万円前後
       

被毛

抜け毛 多い
毛質 ダブルコート
毛色 黒虎,赤虎,虎

体高

男の子47cm~53cm
女の子42cm~48cm

体重

男の子13kg~18kg
女の子13kg~18kg

紀州犬

イノシシ狩猟のエキスパートとも言われており、何世紀も前から活躍してきた紀州犬。

一部の自治体においては、人に危害を加える可能性がある特定犬(危険犬種)に指定されています。

「太地犬、熊野犬、日高犬、高野犬、明神犬、那智犬」なども紀州犬に属しています。

忍耐強く、従順な性格

飼い主さん以外には懐きづらい

警戒心が強く、吠えやすい

スタミナがとても豊富

 その他情報

原産地 日本
犬種グループ 5G:原始的な犬・スピッツ
大きさ 中型
平均寿命 12歳~15歳
なりやすい病気 アトピー性皮膚炎,アレルギー性皮膚炎,甲状腺機能低下症,心室中隔欠損症
参考価格 12万円~16万円
       

被毛

抜け毛 多い
毛質 ダブルコート
毛色 白,赤,胡麻

体高

男の子49cm~55cm
女の子46cm~52cm

体重

男の子18kg~25kg
女の子15kg~20kg

柴犬

日本犬種のうち、約80%を占めると言われている、もっとも有名な柴犬。

しつけによってある程度のコントロールはできますが、警戒吠えが多い犬種でもあります。

中には友好的な子も存在しますが、一般的には番犬向きの警戒心が強い犬種です。

主人に忠実で警戒心が強い

飼い主には忠実だが、独立心もある

警戒心から多くなることもある

元々猟犬であったため、運動能力は高い

 その他情報

原産地 日本
犬種グループ 5G:原始的な犬・スピッツ
大きさ 小型
平均寿命 12歳~15歳
なりやすい病気 食物アレルギー性皮膚炎,アトピー性皮膚炎,膿皮症
参考価格 10万円~40万円
       

被毛

抜け毛 多い
毛質 ダブルコート
毛色 胡麻,赤,赤胡麻,黒褐色,黒胡麻,白

体高

男の子38cm~41cm
女の子35cm~38cm

体重

男の子10kg
女の子8kg

四国犬

四国山地周辺の山村において狩猟で活躍している四国犬。

厳しい狩りにも耐えられるだけの持久力と体力を兼ね備えており、警戒心も非常に高い犬種です。

飼い主さんに対してはとても従順ですが、知らない人や動物に対しては攻撃性がとても高いという特徴があります。

飼い主に忠実で勇敢

飼い主さん以外には懐きづらい

警戒心が強く吠えやすい

運動能力は高い

 その他情報

原産地 日本
犬種グループ 5G:原始的な犬・スピッツ
大きさ 中型
平均寿命 10歳~12歳
なりやすい病気 アレルギー性皮膚炎,副腎皮質機能低下症,認知症,角膜炎
参考価格 15万円~20万円
       

被毛

抜け毛 多い
毛質 ダブルコート
毛色 胡麻,赤,黒褐色

体高

男の子49cm~55cm
女の子46cm~52cm

体重

男の子17kg~23kg
女の子15kg~18kg

ミニチュア・シュナウザー

ミニチュア・シュナウザーは飼い主さんに対して従順であることが多い一方、頑固な面も持ち合わせていることが多いです。

そのため友好的に他の犬と打ち解けるというのは難しいかもしれません。

また、飼い主さんに対する愛情も深く、依存度がやや高いとも言えるでしょう。

勇敢であり警戒心も強い

愛情深く従順

無駄吠えをしてもしつけはしやすい

多くはないが、適度なお散歩が必要

 その他情報

原産地 ドイツ
犬種グループ 2G:使役犬
大きさ 小型
平均寿命 12歳~14歳
なりやすい病気 レッグ・カルベ・ペルテス病,進行性網膜萎縮症(PRA),若年性白内障,尿路結石症
参考価格 30万円~40万円
       

被毛

抜け毛 少ない
毛質 ダブルコート
毛色 ブラック,ホワイト,ソルト&ペッパー,ブラック&シルバー,ウィートン

体高

男の子30~35cm
女の子30~35cm

体重

男の子4kg~8kg
女の子4kg~8kg

ミニチュア・ピンシャー

ミニチュア・ピンシャーも非常に高い警戒心を持っているため、あまり友好的とは言えません。

番犬向きとも言われているほどなので、飼い主さん以外に対してはかなり強く吠えることもあります。

飼い主さんに対しては愛情深すぎるので、依存度も高い犬種だと言えます。

自尊心が強く、気性も荒い

飼い主以外にはあまり懐かない

見知らぬ人や犬に吠えやすい

大型犬に近い運動能力と運動量

 その他情報

原産地 ドイツ
犬種グループ 2G:使役犬
大きさ 小型
平均寿命 12歳~16歳
なりやすい病気 淡色被毛脱毛症,レッグ・カルベ・ペルテス病,パターン脱毛症
参考価格 30万円前後
       

被毛

抜け毛 少ない
毛質 シングルコート
毛色 ディアー・レッド,レディッシュ・ブラウン,ダーク・レッド・ブラウン,ブラック&タン,チョコレート&タン

体高

男の子25cm~30cm
女の子25cm~30cm

体重

男の子4kg~6kg
女の子4kg~6kg

ペキニーズ

犬の中でも「まるで猫のよう」と言われるだけあって、非常にマイペースなペキニーズ。

自分からケンカをしかけるようなことはありませんが、飼い主さんへの依存度は高いです。

独占欲がとても強く、頑固でもあるので多頭飼いには向いていないでしょう。

温和でマイペースな性格

飼い主さん以外に懐きにくい

吠えることが少ない

活発ではないので、多くの運動量は必要ない

 その他情報

原産地 中国
犬種グループ 9G:愛玩犬
大きさ 小型
平均寿命 12歳~15歳
なりやすい病気 膝蓋骨脱臼,白内障,短頭種気道症候群,椎間板ヘルニア,幽門狭窄
参考価格 20万円〜40万円
       

被毛

抜け毛 多い
毛質 ダブルコート
毛色 ホワイト,ブラック,フォーン,パーティー,クリーム,レッド

体高

男の子15cm~23cm
女の子15cm~23cm

体重

男の子3kg~6kg
女の子3kg~6kg

多頭飼いに向いている代表的な犬種

多頭飼いに不向きな犬種がいる一方で、社交的で温厚な性格の犬種は多頭飼いに向いています。

該当する犬種をご紹介します。

もちろん個体差はありますし、生活環境やお世話の仕方によって変わってくることもある点は理解しておきましょう。

トイ・プードル

明るくフレンドリーな性格のトイ・プードルは、飼い主さんや初対面の人や動物とも仲良くできます。

実際にトイ・プードルの多頭飼いをしている家庭は非常に多いです。

外出先で、数頭連れ歩いているのを見かけたことがある方もいるのではないでしょうか。

好奇心が強く、非常に賢い

他人や犬に対しても懐く

臆病な面もあるため吠えやすい

とにかく体を動かすのが大好き

 その他情報

原産地 ドイツ,フランス
犬種グループ 9G:愛玩犬
大きさ 超小型
平均寿命 12歳~15歳
なりやすい病気 膝蓋骨脱臼,流涙症,白内障,副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群),外耳炎
参考価格 30万円前後
       

被毛

抜け毛 少ない
毛質 シングルコート
毛色 ブラック,ホワイト,シルバー,グレー,アプリコット,ブラウン,ブルー,カフェ・オ・レ,クリーム

体高

男の子24cm~28cm
女の子24cm~28cm

体重

男の子3kg~4kg
女の子3kg~4kg

犬を多頭飼いするメリット

多頭飼いに向いていない特徴を持っている子や、犬種は注意すべきポイント。

ですが、多頭飼い自体をおすすめできないというわけではなく、メリットもたくさんあります。

社会性が育まれる

単独飼いをしていると、社会性を育むためには散歩やドッグランなどで他の犬と触れ合う必要があります。

その点、多頭飼いであれば基本的に他の犬と同じ空間にいるため、社会性が育まれやすいです。

その分、他の犬との相性はとても重要ですが、多頭飼いだからこそのメリットと言えるでしょう。

一緒に遊べて運動できる

「朝晩の散歩は日課にしている」という飼い主さんは多いでしょうが、犬種によっては時間が足りないと感じる子もいます。

ですが、どうしても長時間の散歩ができないという場合に、多頭飼いならば犬同士で遊ぶことができます。

運動不足が解消されると問題行動を起こしづらくなりますし、健康的にもなれます。

お留守番も寂しくない

日中はお仕事をしているという飼い主さんも多いでしょうし、単独飼いには愛犬の孤独な時間というのも当然あります。

家族で暮らしているならば時間をうまくずらすこともできるかもしれませんが、孤独な時間は存在するでしょう。

そんなときにも、多頭飼いならば犬同士で遊ぶことができて、寂しさを紛らわすことができます。

多頭飼いと言えど、長期のお留守番はもちろんNGです。

飼い主さん自身も楽しい

飼い主さんにとっての一番のメリットは、自分自身が楽しく生活できる、という点かもしれませんね。

多頭飼いとなればお世話がそれだけ増えて大変ですが、楽しみもより一層と増えます。

たくさんの愛犬たちに囲まれて生活できる、というのは愛犬家の方にとって憧れのひとつでしょう。

犬を多頭飼いするデメリット

多頭飼いによるメリットがあるのと同時に、デメリットだと感じられるポイントもご紹介します。

メリット・デメリットの両方を理解した上で、多頭飼いをすべきか考えると良いでしょう。

愛犬同士の相性が悪いと大変

一番の問題点として挙げられるのが、愛犬同士の相性が悪かった場合です。

多頭飼いに向いていない特徴を持つ子たちでは、ケンカをしてしまったり、攻撃をしてしまうことがあります。

ドッグフードやおもちゃを独占してしまったり、他の犬に敵意むき出しで吠えてしまう、引っ掻いてしまう、噛み付いてしまうなど。

仲良く一緒に暮らせれば良いのですが、相性ばかりは実際に過ごしてみないとわからない部分です。

そのため、相性が悪い場合も想定しなければなりません。

しつけやケアが大変

多頭飼いをするということは、各愛犬に対してのしつけ・トレーニングやケアが必要になるということです。

犬を飼うのが初めての方であれば、同時に複数の愛犬へと同じようなケアをすることは難しいでしょう。

慣れている人でも最初は大変に感じるものです。また、慣れていたとしてもケアに必要な時間は一生涯確保しなければいけません。

特に慣れていない人、しつけやケア、コミュニケーションの時間が十分に取れない人はやめておいた方が良いでしょう。

出費が増える

愛犬1匹に対して、1か月にかかってくる出費は約1万円です。

日常的に必要となるドッグフードやお水、ケージやトイレシート、そして病気やケガなどの治療費。一生涯では200万円~300万円かかってくるのです。

1匹増えればその分、これらの出費は倍になると考えておくべきでしょう。

特に病気やケガなどの治療費は高額になるケースもあるため、ペット保険への加入も合わせて考えるのがおすすめです。

ストレスを抱えないスペースが必要

多頭飼いをするならば、愛犬1匹ごとにストレスを感じにくいだけのスペースを確保してあげましょう。

狭い空間で多頭飼いをすることは犬にとって劣悪な環境です。ストレスがたまりますし、病気がちになることもあります。

本来、犬は縄張りを大事にする動物なので、少なくとも1匹ずつのケージが必要です。

犬を多頭飼いする際の事前準備

多頭飼いをするならば、いくつかの事前準備を行っておくようにしましょう。

「多頭飼いができるスペース、金銭的な余裕、相性」に加えて、先住犬のケアも必要になります。

それぞれの子がストレスなく生活できるスペース

相性の良さはもちろんのこと、仮に上手くいかなかったとしたらそれぞれ異なる部屋で過ごすことになるかもしれません。

そんなときにストレスなく生活できるようなスペースがないと、ケンカが絶えなくなってしまう…なんてことも。

先住犬にとっては新しい犬が来ることに対するストレスもありますし、新しく迎える子は新しい環境へのストレスもあります。

双方の細かなケアが必要になりますので、時間と空間を確保してから迎えるようにするのがおすすめです。

突然の出費にも耐えられる金銭的余裕と時間的余裕

多頭飼いをするということは、それだけ出費が増えるということでもあります。

単純な倍計算ではありませんが、それでも出費が倍以上になるという計算で、金銭的余裕を持っておきましょう。

「満足に食事を与えることができない、治療を受けさせてあげられない」ということがないように。

また、普段のお世話など、1匹ずつの性格に合わせてあげることも大切なため、実際には倍以上の時間を割く必要があります。

そのため、今まで以上に愛犬を優先できる体力や時間的余裕があるかも考えておきましょう。

犬の多頭飼いを成功に導くポイント

保護犬

多頭飼いを成功させるためには事前準備がとても大事で、前述の通りのポイントを要チェックしておきましょう。

その上で、実際に愛犬同士の相性を確認する必要がありますし、迎え入れてからもケアが大切。

成功させるために考えておきたいポイントをいくつかまとめてみました。

迎え入れ前に何度か顔を合わせてみる

事前準備ができてから迎え入れまでの間には、何度か顔を合わせてみるようにしておくと安心です。

先住犬と迎え入れる子の相性を確認するには、最終的には一緒に暮らしていく必要があります。

しかし最初の段階で相性が悪ければ楽しく暮らしていくのは難しくなります。

そのため、迎え入れの前にできれば何度か顔を合わせてみましょう。この時点で相性が悪ければ、再検討する必要もあります。

居住スペースを広く確保し、最悪の場合に個々の部屋を分けられる

寝床になるケージはそれぞれ別で確保しながら、最悪の場合には部屋ごと分けられるようにしておくと安心です。

基本的には一緒に生活することで相手のことを知り、多少のケンカも含めて仲良くなっていくものです。

しかし、どうしても相性が悪い場合、同じ空間で生活していくのは苦しいものがあります。

だからといって手放すことはできません。そのためにも、別々の部屋で生活ができる、という空間を作っておくのが良いでしょう。

体のサイズはできる限り近い子にしておく

じゃれあってケンカのように見えることもあるかと思いますが、体のサイズが違いすぎると一方的な攻撃になってしまう可能性もあります。

できる限りのリスクを排除するため、体のサイズは同じぐらいの子を新たに迎え入れるのが適切だと言えます。

大型犬と超小型犬では大型犬の力が勝ってしまうものなので、超小型犬にとってはリスクでしかありません。

愛情表現や使う時間は平等にする

新たに愛犬をお迎えすると、どうしてもその子に付きっきりになることがあるでしょう。

最初こそ仕方のないときもあるかもしれませんが、これが続くと先住犬にとってはストレスでしかありません。

必要なときには時間をかけてあげることも大切ですが、基本的には平等に愛してあげることがストレスを軽減する重要な方法です。

愛情表現はもちろんのこと、個々にかけてあげる時間を平等にし、同じだけ愛してあげてください。

犬を多頭飼いする際の注意点

続いて多頭飼いをする際に注意しておきたいことをまとめました。

多頭飼いにおいては飼い主さんのイメージ通りにいかないこともあるので、周りの失敗談なども聞いてみるといいですよ。

治療費は高額になりがち

ドッグフードやおもちゃ、ケージなどの生活必需品については、ある程度の計算ができます。

しかし、近年では価格が上昇傾向にある犬の治療費などは、想定できない金額になることも考えられます。

ペット保険に加入しておくことである程度の補償はあるかもしれませんが、全額が補償になるプランは多くありません。

大病でなければ数万円程度の治療で済むこともありますが、場合によっては数百万円という金額になることもあります。

コミュニケーションを平等にする

新しく迎えた愛犬は、家に慣れてもらうまで特に気をつけますよね。

ですが先住犬にとって、自分に向けられていた愛情や気配りが突然少なくなると、ストレスや不満に繋がってしまいます。

一方への深すぎる愛情は多頭飼いの失敗に繋がるため、平等にコミュニケーションをとって生活しましょう。

また、犬同士が仲良くなることはとても良いことですが、依存しすぎてしまうと、一緒にいない時や、将来どちらかが先に亡くなった時に大きなストレスを抱えてしまいます。

そのため、犬同士を一緒にばかりせず、飼い主さんが1匹ずつと1対1で向き合う時間をとり、愛犬の絆を深めることも大切です。

先住犬はしつけを徹底しておく

犬をお迎えする上で、しつけは必要不可欠。自分自身を守るだけでなく、飼い主さんに降りかかるトラブルを防ぐこともできます。

先住犬のしつけができていない状態で新しくお迎えすると、一緒にしつけをしなければならず、より大変になるでしょう。

先住犬がしつけを覚えてくれていると、愛犬同士でコミュニケーションをとって、ルールを教えてくれます。

しかし、相性次第ではトイレの失敗やいたずらなど、問題行動が増えることもあるため注意が必要です。

また、愛犬同士のコミュニケーションは、明らかにケンカをしている場合を除き、基本は犬同士に任せて見守りましょう。

去勢・避妊手術を検討しておく

多頭飼いの崩壊を防ぐためにも、欠かせないのが去勢・避妊手術を終わらせておくということ。

この手術を終えていないままでは、望まない妊娠・出産を迎えてしまうことにもなります。

犬の場合、妊娠期間は約60日~65日と非常に短く、気付いたときには出産間近だったということもあり得ます。

また、去勢・避妊手術をすることには以下のようなメリットもあります。

  • 発情期のストレスを軽減できる
  • マーキング行為を軽減できる
  • 病気を予防することができる

これらのメリットと同時に、手術時の全身麻酔によるリスクや太りやすくなるなど、デメリットも存在します。

最終的にはかかりつけの獣医師さんなどと相談し、判断するのが良いでしょう。

多頭飼いに向いている犬かどうかを判断する方法

結局のところ、多頭飼いに向いているかどうかは、実際にその環境にならないと判断は難しいです。

そのため、犬友達などの愛犬同士を会わせてみて、どんな反応であるか確認するのが良いでしょう。

保護犬をお迎えする場合にはトライアル期間などもあるため、先住犬との相性を確認することもできます。

無理な多頭飼いは絶対に避けて、愛犬同士が仲良く健康的に過ごせる環境を作ってあげましょう。

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