犬の病気・健康

犬のヒート(生理)は生後6~10ヶ月頃から!周期やヒート期間

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ヒート(heat)とは、正しくは犬の発情期、特に女の子の発情期を意味します。

ただ、英語で「ウチの子、生理中なの」と言いたいときは、海外でも“My dog is in heat.”で通じるようです。

女の子のヒートによる出血は、発情前期から発情期にかけて1週間~2週間ほど続きます。

初めての生理、いわゆる初潮は個体差がありますが、通常、生後6ヶ月~10ヶ月頃からとされています。

では、生理中の愛犬のためにどんなことを準備したらいいのか、どんなことに気をつけたらいいのでしょう?

詳しく解説いたします。

この記事の結論

  • 犬に5ヶ月~12ヶ月周期で生理が訪れるものの、閉経はない
  • 避妊手術で望まない妊娠を防ぎ病気も予防できる
  • 生理中にはトラブルになりやすいため、外出は控える
  • 年1回~2回の発情周期内に発情前期・発情期・発情休止期・無発情期がある
  • 生理と勘違いしやすい病気もある

担当執筆者

nademo編集部

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もくじ

犬のヒート(生理)とは

最近の人間界では、生理痛や月経困難症の苦痛についてかなり理解が進んできました。

犬も生理中に出血しますが、やはり痛みや不調はあるのでしょうか。

まず理解しておきたいのは、避妊手術をしない限りヒート(生理)は続くということ、そして人間の生理とは違うということです。

生理中の愛犬をきちんとケアできるよう、まずは犬のヒートについての基礎知識をご案内します。

避妊手術をしない限りヒート(生理)は続く

犬も人間と同じように、妊娠可能な時期とそうでない時期が周期的に訪れるため、定期的な生理があります。

人間の月経周期は25日~38日とされていますが、犬の場合には5ヶ月~12ヶ月周期で生理が訪れ、年に1回~2回発情期を繰り返します。

ただし、人間には閉経がありますが、犬には閉経がありません。

つまり、避妊手術をしない限り老犬になっても生理があり、シニア期以降でも妊娠する可能性があるということです。

高齢犬の妊娠・出産は体に大きな負担をかけるため、多くの動物愛護先進国では犬の出産は5歳~6歳までと定められています。

人間の生理との違い

人間の生理は妊娠しなかった結果、剥がれ落ちた内膜が経血となるのですが、犬は妊娠する発情期に備えて子宮が充血することで出血します。

そのため、個体によっては飼い主さんが気づかないほど少量の出血や無出血の場合もあり、人間のような生理痛もないと言われています。

とは言え、ホルモンバランスの乱れで精神的にも不安定になりやすく、食欲不振や寝てばかりになる子も中にはいます。

愛犬がダルそうなら無理にお散歩へ連れ出す必要はありません。

また、生理中や発情期は女の子のフェロモンのニオイで男の子が興奮するので、犬が集まるトリミングサロンやドッグランは避けましょう。

犬の初ヒート(生理)は生後6~10ヶ月が一般的

個体や犬種によっても異なりますが、一般的には犬の初ヒートが始まるのは生後6ヶ月~10ヶ月頃と言われています。

小型犬では5ヶ月齢で始まることもあり、大型犬では10ヶ月齢~16ヶ月齢と、小型犬のほうが早く初潮が来ることが多いようです。

生理の予兆として、愛犬に以下のような様子や体の変化が見られます。

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・落ち着きがなくなる

・いつもとは違う鳴き方をする

・体を飼い主さんや物に擦りつける

・水をよく飲み、排尿回数が増える

・乳房が張る

・陰部が腫れる

これだけではなかなか気付きづらい変化だと思うものもありますが、よく観察して確認してみてください。

犬のヒート(生理)は発情周期に合わせて起こる

犬の発情期は1年のうちに1回~2回あり、さらに発情前期・発情期・発情休止期・無発情期の4つに区分されます。 

生理が起こるヒート期間は発情前期~発情期中頃に当たります。

なお、男の子に発情期はありません。男の子は生後6ヶ月~12ヶ月ぐらいで繁殖可能な性成熟を迎え、女の子の発情が刺激となって発情します。

犬の発情周期は1年に1回~2回

猫の発情期は毎年春先から秋口までと季節性がありますが、犬の場合は個体によって周期は異なります。 

また、猫は繁殖可能な期間内に発情を何回も繰り返す「多発情動物」ですが、犬は繁殖期間内に1回のみ発情する「単発情動物」です。

犬は人や多くの哺乳類がそうであるように、女の子の自然排卵によるわずか数日間に運よく交尾があれば受精し、妊娠する仕組みになっています。

犬は6ヶ月~10ヶ月というサイクルで発情を繰り返すため、ヒート(生理)も1年に1回~2回となります。

発情前期(約9日間)

外陰部の明らかな腫れ、充血、出血が見られ、女の子の生理が始まります。けれど、男の子からの交尾行動はまだ受け入れません。

平均的には1週間ぐらい、長ければ2週間~3週間ほど続きます。

無出血や出血量が少量の場合もありますが、出血がある場合、始めはややドロッとした赤褐色で、次第に量が増えて赤く水っぽくなります。

発情前期の後半から発情期の前半にかけて赤ピンク~ピンク色の出血になった後、徐々に量が減って淡いピンク色になります。

発情期(約10日間)

排卵が起こるのは発情期の3日目とされ、排卵後約4日間は受精が可能で、男の子からの交尾を許容する期間です。

出血が始まってから排卵までの日数は個体によって大きく異なるため、出血開始からの日数だけでは残念ながら排卵日を特定することはできません。

外陰部の腫れや出血は発情期の中頃から減少します。

発情前期と同様、平均的には1週間ぐらい、長ければ2週間~3週間ほど続きます。

発情休止期(約2ヶ月間)

交配がなかったり、受精しなかった場合は約2ヶ月間の発情休止期に入ります。

妊娠が成立しなかった場合も卵巣内の黄体は2ヶ月間ほど機能しますが、やがて退行し、この期間に新たな卵胞が育ちます。

また、この時期に偽妊娠(想像妊娠)を起こす場合もあります。

交配後、妊娠したかどうか確認できるのは交配日から22日~30日後程度ですので、その頃に動物病院で超音波検査を受けましょう。

交配により受精し妊娠した場合は、交配日から約58日~65日後に出産となります。

偽妊娠は妊娠した犬と同じような変化をもたらす

発情期の終わり頃になっても、妊娠の準備のためのホルモンであるプロゲステロンの分泌が維持されている期間があります。

その後、プロゲステロンの分泌量が下がると、乳汁の分泌や乳腺の発達を促すプロラクチンというホルモンが上昇します。

このプロラクチンというホルモンが著しく上昇すると、妊娠した犬と同じような体の変化や行動の変化を愛犬にもたらし、これを偽妊娠と呼びます。

明らかに交尾していないのに偽妊娠の症状があるときは、約2ヶ月程度で治まりますのでそっと見守りましょう。

しかし、食欲不振が続く場合や、乳腺炎により痛みや発熱が見られることもあるため、症状が酷い場合は動物病院を受診しましょう。

また、妊娠の可能性がある場合は、交配から22日~30日後くらいに獣医師の診察を受けることをおすすめします。

無発情期(約4ヶ月~8ヶ月間)

黄体が退行して次のヒートが始まるまでの期間で、特に症状はありません。

この期間の長さは個体差があり、短ければ3ヶ月~4ヶ月間、長ければ8ヶ月間ほどに及びます。

避妊手術は生後6ヶ月以降に行うのが好ましいとされていますが、初ヒート後に手術を受けるなら、この無発情期に行うのが適切でしょう。

5歳以上の愛犬に避妊手術を行う場合は、手術を受けられる健康状態かどうか必ず術前検査してもらうことをおすすめします。

犬のヒート(生理)期間は8~21日が一般的

犬のヒート期間には個体差があり、短い場合は1週間程度、長ければ20日以上に及ぶこともあります。

犬の生理は発情出血とも呼ばれ、妊娠するための準備として厚くなった子宮内膜が充血し、血液が血管からにじみ出ることで出血します。

無出血の場合もあるので、「お散歩に連れて行ったら、すれ違う犬の男の子が興奮するので気づいた」という飼い主さんもいらっしゃいます。

犬のヒート(生理)中に見られる主な症状

生理が始まるかどうか、予兆が分かれば飼い主さんもしっかり準備や心構えができるというもの。

特に望まない妊娠で愛犬や飼い主さんが辛い思いをしたり、男の子の飼い主さんとトラブルになったりするようなことは絶対に避けたいですよね。

女の子がヒート期に入るときには、必ず後述のような前兆があります。愛犬をよく観察して生理に備えましょう。

陰部の出血・膨らみ・腫れ

外陰部の腫れや充血は、卵胞ホルモンであるエストロゲンの増加によって引き起こされます。

普段は被毛に覆われていて外陰部が目につくことはないでしょう。

ですが、生理が近づくと見るからに赤くなって、通常時の2倍~3倍にまで膨らんできます。

陰部を気にしたり舐めたりする

愛犬が腫れ上がった外陰部を気にして、舐める行為をすることがあります。

生理的に自然な行動ですから気にする必要はありませんが、お尻まわりが不潔だと細菌感染が心配です。

女の子は男の子に比べて尿道が短いため細菌性の膀胱炎にかかりやすいので、シャンプー時にはお尻周辺を丁寧に洗ってあげましょう。

また、あまり長時間にわたって頻繁に舐めるようなら、病気の可能性もありますので動物病院へ。

落ち着きがなくなる

生理中はホルモンバランスが崩れる作用により、愛犬の落ち着きがなくなります。いつもとは違う鳴き声を出し、夜泣きする子もいます。

夜中の無駄吠えは愛犬自らも飼い主さんも寝不足になるし、ご近所迷惑にならないかと心配になりますよね。

一時的に発情を止めたい場合や重篤な疾患で避妊手術できない場合は、発情抑制薬を注射する治療法もあります。

副作用もありますので獣医師にご相談を。

また、不眠が続く場合は犬用の睡眠薬を投与する方法もありますので、愛犬のかかりつけ医に相談してみると良いでしょう。

マウンティングする

マウンティングとは、交尾の際に男の子が女の子に馬乗りの姿勢になることですが、発情期の女の子もマウンティングをすることがあります。

ホルモンのアンバランスによるストレスを発散するためで、ソファやクッション、お気に入りのぬいぐるみ、ときには飼い主さんに対しても行います。

発情期のマウンティングはストレス発散なので物に対して行うのはともかくとして、人間に対する行為が癖になるのは困ります。

飼い主さんへのマウンティングは甘えたりうれしくて興奮していたりということもありますが、自分が優位であることを主張する行為でもあるからです。

愛犬がマウンティングしようとしたら、叱らずに黙ってその場を離れること。これをすると飼い主さんがいなくなってしまうと愛犬に覚えさせます。

元気や食欲の低下

興奮して落ち着きがなくなる子がいる一方で、元気がなくなって食欲が低下し、ときには吐いてしまう子もいます。

お腹が腫れて、頻繁にトイレに行き、多飲多尿になって尿漏れすることもあり、便秘、下痢、軟便などになりがちです。

寝てばかりでお散歩も億劫がりますが、無理に連れ出す必要はありません。むしろ男の子とトラブルになると困るので、そっとしておきましょう。

食欲不振は持病のない成犬でしたら2日~3日様子を見ても大丈夫ですが、3日経っても続く場合は緊急性のある疾病の可能性もあるのですぐ動物病院へ。

お腹や乳房が膨らむ

生理中は、犬も人間同様、ホルモンの影響でお腹が腫れたり、乳腺が張ったりします。

しかし、見るからにお腹が膨らむのは子宮蓄膿症の可能性がありますし、乳房の腫れは乳腺炎や乳腺腫瘍といった病気の可能性もあるため、動物病院を受診しましょう。

また、発情休止期のお腹や乳房の膨らみは偽妊娠の可能性もあります。

犬のヒート(生理)による陰部の腫れはいつまで続く?

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多少の個体差はありますが、 ヒートによる陰部の腫れは発情期が始まってから1ヶ月ほどで治まります。

通常なら妊娠しなかった場合は発情期から無発情期へと移行するため、陰部は次第に小さくなって元の大きさに戻るからです。

発情期開始から1ヶ月以上が経過しても外陰部の腫れが続いている場合は、偽妊娠または病気の可能性がありますので動物病院へ連れて行きましょう。

ヒート(生理)中の愛犬との過ごし方や注意点

愛犬にとっても飼い主さんにとっても、生理中のヒート期を快適に過ごせるよう心しておきたいこと、用意しておきたいものがあります。

犬には人間のような生理痛はないとは言われていますが、ホルモンの変化により愛犬も体の不調を覚えます。

愛犬自身も普段との違いに戸惑って落ち着かなくなったり元気がなくなったりしますが、飼い主さんが愛情を持って接し、対応してあげましょう。

サニタリーパンツを着用する

出典:Amazon

最近は、さまざまな愛犬用のサニタリーパンツやナプキンが市販されています。

特にサニタリーパンツは可愛いフリルや柄の付いた物もありますので、出血量が多いようであれば着用させてあげるのも良いでしょう。

ただし、トイレの際はオシッコやウンチでお尻が汚れてしまうので脱がせたり、マナーウエアと併用したりという飼い主さんも多くいらっしゃいます。

ずっと着けっぱなしは蒸れて皮膚病の原因にもなりますから、こまめに交換してあげましょう。

出血量が少なくて愛犬が自分で舐めて処理するようなら、無理にサニタリーパンツやナプキンを着用する必要はありませんが、気づかずに室内が汚れることもあるため、ヒート中は着用をおすすめします。

散歩はほかの犬に会わないよう注意する

ヒート中の女の子からはフェロモンが発せられるので、男の子に遭遇すると飛びつかれたり追いかけられたりする可能性があります。

また、女の子自身もホルモンのバランスが崩れてナーバスになっていますから、ほかの犬とケンカやトラブルになりかねません。

ヒート中のお散歩は、ほかの犬とあまり会わない時間帯やコースを選びましょう。

散歩を嫌がる場合は無理に連れて行かない

生理中は愛犬がお散歩に行きたがらないなら、無理に連れ出す必要はありません。

運動不足が心配なら、ボール遊びや縄の引っ張りっこなど家庭で飼い主さんと一緒にできる遊びを工夫してみましょう。

でも、いつもと違って遊びに誘ってもあまり乗ってこない、寝てばかりいるという場合は無理強いしてはいけません。

そもそも犬は人間より睡眠時間が長く、1日平均で約12時間~15時間眠りますが、生理中はそれより2時間~3時間長くなり、寝てばかりの子もいます。

眠ってばかりいるとどこか具合が悪いのではないかと心配になりますが、ホルモンの影響なのでそっとしておいてあげましょう。

食欲が低下しているならフードの工夫を

発情前期から発情期にかけて卵胞ホルモンであるエストロゲンの分泌が大量に増加し、その影響で食欲が低下してしまう子もいます。

愛犬がごはんをあまり食べてくれなくて心配な場合は、いつものフードに以下のようにひと手間かけて工夫し、愛犬の食欲を刺激してあげましょう。

  • 人肌程度に温める
  • ぬるま湯でふやかす
  • トッピングする

猫の舌には甘味を感じるセンサーがありませんが、犬は人間ほどではないにせよ甘味に敏感で大好きです。

バナナ、リンゴ、蒸したり焼いたりしたサツマイモやカボチャは少量なら犬に与えてもOKなので、おやつやトッピングに活用してみると良いでしょう。

ただし、人間用のスイーツはほぼNGです。柑橘類やサクランボ、ブドウなども嘔吐や下痢などの中毒症状を引き起こすので与えてはいけません。

散歩以外のお出かけは避ける

ヒート中のフェロモンに男の子が興奮したり、女の子自身もセンシティブになったりで、トラブルになりがち。

ほかの犬が集まる以下の場所はヒート中の利用をお断りされる施設も多く、お出かけは控えましょう。

ドッグラン

・ドッグカフェ

トリミングサロン

ペットホテル

・愛犬を連れての旅行

清潔を保つためにご家庭でのシャンプーはOKですが、腫れた陰部付近は皮膚がデリケートになっていますので、やさしく洗ってあげることが大切。

陰部の汚れや匂いが気になる場合は、お湯で湿らせた清潔なタオルで拭いてあげると良いでしょう。

被毛が汚れそうならカットする

生理中の血が被毛に付いてしまい、時間が経つとなかなか取り除きにくいので、できれば早めにぬるま湯でしぼったタオルなどで拭いてあげましょう。

長毛の子は毛に絡み付きやすいので、生理が始まる頃にあらかじめ毛をカットしておくと良いかもしれません。

外陰部の汚れを落とすときは慎重に

生理中の陰部付近は充血して皮膚も敏感になっています。

濡らした柔らかなタオルやガーゼ、コットンなどで拭き取るようにしましょう。強くこするのはNGです。

陰部周辺を洗うときは、刺激の少ないシャンプー剤をよく泡立てて汚れとなじませ、ぬるま湯で丁寧に洗い流すようにします。

また、生理中は体力も免疫力も落ちて感染症にかかりやすいので、全身のシャンプーは避け、お尻まわりの部分シャンプーにするか、やさしく拭き取るだけにしましょう。

犬のヒート(生理)と勘違いしてしまいがちな病気

ヒート(生理)と似ている症状

  • 愛犬の発情期が始まってから、1ヶ月以上経っても外陰部の腫れが引かない。
  • 陰部から血ではなく、茶色っぽい液が出ている。
  • 生理のときはいつも食欲が落ちるけど、今回は3日以上食べ物を口にしてくれない。
  • 妊娠していないのにお腹が張って、下痢や嘔吐を繰り返す。

…こんなケースはヒートの影響ではなく、急を要する病気の可能性があります。すぐ動物病院へ!

子宮蓄膿症(しきゅうちくのうしょう)

目立った初期症状はなく、進行後も多飲多尿や陰部を舐める、食欲不振、嘔吐、元気消失、発熱、腹部膨満など生理と勘違いされやすい症状が出ます。

子宮内側の膜が厚くなって細菌感染を起こし、子宮に膿(うみ)が溜まり、膿や血の混ざった茶色い液体が排泄されて気づくことが多い病気です。

命に関わる重大な病で、卵巣と子宮の両方を取り除く外科手術が必要となります。

未避妊の犬に多くみられ、発情出血開始後1ヶ月~2ヶ月頃に発症しやすいとされています。

膣炎(ちつえん)

子宮と外部を結ぶ膣に細菌感染による炎症が起きた状態で、子宮蓄膿症と同様、陰部を舐める、化膿したおりものが出るなどの症状があります。

避妊手術の有無に関わらず、年齢を問わず、女の子ならどの犬種でも発症する可能性がある病気です。

発情前の子犬が性成熟前膣炎になることもあります。

細菌性膣炎に対しては、洗浄液による膣洗浄、抗菌薬の内服といった治療を施します。

犬ヘルペスウイルス感染症の場合は、残念ながら完治する治療法が確立しておらず、症状緩和のための治療となります。

先天的な奇形や腫瘍、異物などによる膣炎の場合には、摘出や形成手術といった外科療法が必要です。

膀胱炎(ぼうこうえん)

通常なら犬の尿は透明で薄い黄色ですが、白っぽく濁ったり、血の混じった赤い色だったり、膿のようなものが混じっている場合は膀胱炎の疑いがあります。

何度も少ない尿を出す、尿を漏らしてしまうというのが典型的な初期症状です。

女の子は尿道が太くて短く、肛門の近くにあるため細菌に感染しやすく、膀胱炎にかかりやすいと言われています。

抗生剤の投与を行い治療しますが、途中で服用を止めてしまうと耐性菌が出現して治療困難となるので、最後まできちんと薬を飲ませることが肝心です。

犬のヒート(生理)による悩み・病気リスクの軽減は避妊手術が効果的

ヒート中は愛犬自身ホルモンのアンバランスで苦しい思いをしますし、その愛犬をお世話する飼い主さんにも負担がかかります。

避妊手術せずに生理を放置することで、愛犬の乳腺や子宮・卵巣に疾病が発症するリスクも高まります。

計画的な繁殖や愛犬の妊娠・出産を望まないなら、避妊手術を行うことが愛犬にとっても飼い主さんにとっても最良の選択肢と言えるでしょう。

不妊手術は体が成長した生後6ヶ月~1歳くらいまでに行うと良いと言われています。

犬に閉経はないので、避妊手術をしなければ生理(ヒート)は生涯続きます。

成犬になってから無事手術に成功した事例もありますので、5歳以上の場合は必ず術前検査を行い、獣医師とよく相談して決断すると良いでしょう。

犬のヒート(生理)の仕組みを理解して適切にケアしてあげよう

避妊手術は愛犬と飼い主さんを生理の苦労から開放してくれるだけでなく、卵巣子宮疾患や乳腺腫瘍の発生を高確率で予防できるとされています。

また、現在、社会問題となっている多頭飼育崩壊の防止にも繋がります。

愛犬の子孫を残すために繁殖させるなら、どの命も大切に犬生の生涯にわたって責任を持つ覚悟が飼い主さんとしての使命です。

そして、犬ならではの生理(ヒート)や発情期についても正しく十分に理解することが必要でしょう。

あなたと愛犬の健康的で幸せな毎日を、nademo編集部も心から願っております。

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