ブルドッグは雄牛を表すブル(bull)と犬(dog)から名付けられ、その昔イギリスで「ブルベイティング」という闘牛競技のために開発された犬でした。
1835年にブルベイティングは禁止され、ブルドッグは家庭犬として改良されました。
ブルドッグというと、牙のある突き出た下顎やがっしりした体つきから強くて獰猛なイメージがありますが、実際どうなのでしょう?
実は、ブルドッグには原産国によって異なる種類がいて、見た目も性格も大きな違いがあるのです。
この記事の結論
- ジャパンケネルクラブに認定されているブルドッグの種類は、全2種類である
- アメリカン・ブルドッグはJKC非公認で、ミニチュア・ブルドッグは絶滅種
- ブルドッグは皮膚病を中心とした病気にかかりやすく、日々の丁寧なケアが必要
- 見た目以上に優しい性格の持ち主で、じわじわと人気も高まっている
目次
ブルドッグの種類

一般的にブルドッグと呼ばれているのはイギリス原産のイングリッシュ・ブルドッグで、フレンチ・ブルドッグはその名の通りフランス産。
手足の長いアメリカン・ブルドッグもいますが、純血犬の血統書発行などを行う一般社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)は正式なブルドッグと認めていません。
種類 | 原産国 |
---|---|
イングリッシュ・ブルドッグ | イギリス |
フレンチ・ブルドッグ | フランス |
アメリカン・ブルドッグ(JKC非公認) | アメリカ |
ミニチュア・ブルドッグ(絶滅) | イギリス |
上記の通り、現存するブルドッグの種類でJKC公認となっているのは2種類のみ。イングリッシュ・ブルドッグとフレンチ・ブルドッグです。
アメリカン・ブルドッグはJKC非公認であり、ミニチュア・ブルドッグに関しては1930年代頃に絶滅した犬種。なぜブルドッグはこんなに種類が分かれていったのか、その歴史を紐解いてみましょう。
イングリッシュ・ブルドッグをルーツとするブルドッグの歴史

イングリッシュ・ブルドッグの原種オールド・イングリッシュ・ブルドッグは、12世紀~16世紀にかけて行われた牛や熊と闘う競技のために生まれました。
そのため、バランスの取れた容姿よりもとことん強さが追求され、マスティフ系犬種との交配と改良が繰り返されたのです。
けれど、動物愛護の観点から1835年に犬を闘わせる競技が禁止され、ブルドッグは衰退の危機を迎えます。
そこで、絶滅を危惧したブリーダーたちによって穏やかな性格の犬種との交配が進められ、家庭犬にふさわしい温厚なイングリッシュ・ブルドッグが誕生。
今では国犬として認められるほど、イギリスを代表する人気の犬種となりました。
絶滅したミニチュア・ブルドッグ
闘犬の禁止後、愛玩犬として開発されたのがトイ・ブルドッグとも呼ばれた、ミニチュア・ブルドッグです。
標準より小型のオールド・イングリッシュ・ブルドッグを集めて交配し、体はより小さく性格はより穏やかに改良されました。
1850年代にはフランスに輸出され、これを元にフランスで作出されたフレンチ・ブルドッグが逆輸入されると人気が取って代わられ、1930年代に絶滅。
近年では再びミニチュア・ブルドッグの良さが見直され、再開発・復元が試みられています。
フレンチ・ブルドッグの普及
18世紀、イギリスの織物職人がミニチュア・ブルドッグを連れてフランスへ渡り、パグやテリアなどとの交配で誕生したのがフレンチ・ブルドッグと言われます。
ミニチュア・ブルドッグにはない特徴のコウモリ耳が人気を呼び、フランスだけでなくイギリスでも貴族から庶民まで愛玩犬として普及しました。
日本に紹介されたのは大正時代で昭和の初めには数多く飼育されましたが、その後人気は衰え、2000年代に入って人気が再燃しています。
アメリカン・ブルドッグの誕生
1620年以降のアメリカ植民地時代、イギリスから持ち込まれたオールド・イングリッシュ・ブルドッグが祖先とされています。
イングリッシュ・ブルドッグが家庭犬として短い足と優しい性格に改良されたのに対し、アメリカン・ブルドッグは長い足とより闘争的な性格に改良されました。
なぜなら、アメリカに渡ったブルドッグは使役犬としての役目を負い、熊や猪を撃退することを期待されていたからです。
けれど、農場で人間と暮らすうち次第に温和な性格へと改良され、今のような家庭向きのアメリカン・ブルドッグになりました。
「トムとジェリー」のスパイク&タイク親子をはじめ、さまざまなアメリカン・アニメのキャラクターとしても親しまれています。
ブルドッグの種類ごとの比較表(サイズ、体重、性格、手入れの難易度など)

ブルドッグの中でも現存する3種類については、以下のような違いがあります。
特徴 | イングリッシュ・ブルドッグ | フレンチ・ブルドッグ | アメリカン・ブルドッグ |
---|---|---|---|
サイズ(体高) | 30cm~41cm | 24cm~35cm | 50cm~70cm |
体重 | 23kg~25kg | 8kg~14kg | 27kg~58kg |
性格 | 人懐っこい、飼い主一筋、穏やか、甘えん坊、のんびり屋、頑固な一面もある | 愛情深い、明るく陽気、人懐っこい、力強くも穏やか、表情豊か | 友好的、愛情深い、落ち着きがある、勇敢、自信に満ちている、保護欲が強い、警戒心が強い |
手入れの 難易度 | 中程度~やや高い 短毛だが抜け毛が多い。 顔のシワの毎日の清掃が必須。 短頭種のため温度管理も重要。 頑固な一面からしつけに根気が必要。 | 中程度 短毛で手入れは比較的楽。 短頭種のため温度管理と皮膚・シワのケアが重要。 | やや高い 適切なトレーニングと社会化が必須。 訓練次第で従順になるが、初心者には推奨されない場合も。 抜け毛は中程度。よだれが多い傾向。 |
イングリッシュ・ブルドッグの性格:見た目とは裏腹に温厚で甘えん坊な一面を持ちますが、しつけの際には頑固さが出ることもあります。
フレンチ・ブルドッグの性格:表情豊かで人懐っこく、家庭犬として非常に人気があります。
アメリカン・ブルドッグの性格と飼育:非常に忠実で愛情深いですが、その保護欲の強さから、子犬の頃からの徹底した社会化と一貫したしつけが不可欠です。未経験者には難しいとされています。
イングリッシュ・ブルドッグの特徴

短くて太い手足、マッチョな肉体、垂れ下がったほっぺた、そして表情豊かに動く目が愛嬌たっぷり。
ゴツい印象のイングリッシュ・ブルドッグですが、見かけによらず優しく友好的です。
そのため、実はお子さんのいるご家庭やほかのペットとの同居にも向いています。
飼い主さんに対して忠誠心と愛情が深く、甘えん坊なところもあり、まさにブサ可愛いところがたまらない犬種です。
優しく大人しい性格
知らない人にも懐くほど
吠えることはほぼない
適度なお散歩で十分
その他情報
原産地 | イギリス |
犬種グループ | 2G:使役犬 |
大きさ | 中型 |
平均寿命 | 8歳~10歳 |
なりやすい病気 | 皮膚炎,チェリーアイ,突顎,閉塞性気道,短頭種気道症候群,尿路結石症 |
参考価格 | 30万円~50万円 |
被毛
抜け毛 | 多い |
毛質 | ダブルコート |
毛色 | スマット,ブリンドル,レッド,フォーン,ファロー,ホワイト,パイド |
イングリッシュ・ブルドッグのサイズ(体高・体重)
短足が特徴のイングリッシュ・ブルドッグは体高と体長にあまり差異がなく、全体的にスクエアな印象。
一般的に成犬は体重10kg未満が小型犬、25kg未満が中型犬、25kg以上が大型犬になるので、イングリッシュ・ブルドッグは中型犬に分類されます。
体高 | 30cm~41cm |
体重 | 男の子:25kg 女の子:23kg |
筋肉質で骨太、がっしりしたボディで、スクリューテールと呼ばれるネジのようにクルンと巻いたしっぽも特徴的です。
イングリッシュ・ブルドッグの性格・習性
穏やかで優しく、フレンドリー。しかも、明るく陽気で活動的。辛抱強く判断力があり、飼い主さんや家族を守ろうとする勇気も持ち合わせています。
飼い主さんに対して誠実で甘え上手なので、見かけとのギャップにメロメロになってしまう人も。
ただし、頑固な一面もあり、嫌なことに対してはテコでも動かないことがあるので、しつけは辛抱強く行い、上手にできた時は思い切り褒めましょう。
イングリッシュ・ブルドッグの毛色・被毛
イングリッシュ・ブルドッグは光沢感のある短毛ですが、アンダーコート(下毛)とトップコート(上毛)の二重構造。ですから、春秋の換毛期にはけっこうな抜け毛があります。
一般社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)によって定められているスタンダード(犬種標準)の毛色は、単色またはスマット(単色にブラックのマスクとマズル)。
ただし、肉色やブラック単色、ブラックにタンのあるものは非常に好ましくないとされています。JKCによって認められている毛色は以下となります。
- スマット(単色にブラックのマスクとマズル)
- ブリンドル(基本の地色に黒、茶色、タン、ゴールドなどの虎の縞模様のようなストライプ)
- レッド(赤褐色)
- フォーン(子鹿のような黄色の毛色)
- ファロー(フォーンより黄色味が強い淡黄色)
- ホワイト
- パイド(白地にブリンドルやフォーンなどの模様が部分的に入った毛色)
イングリッシュ・ブルドッグの平均寿命
イングリッシュ・ブルドッグの平均寿命は8歳~10歳とされています。
一般的な犬種の平均寿命は約15歳であるため、他の犬種に比べるとやや短命ということになります。
ただ、ギネスブックに記録されているブルドッグの最高齢は17歳だそうです。
フレンチ・ブルドッグの特徴

2023年3月、米国の愛犬家団体アメリカンケネルクラブ(AKC)が発表した、2022年の人気犬種ランキングは大きな話題となりました。
31年間人気トップを独走してきたラブラドールから、ある犬種が1位の座を奪ったからです。その犬種がフレンチ・ブルドッグ。
日本でも、ペット保険のアニコム損害保険株式会社「人気犬種ランキング2023」で8位に入る人気犬種です。
人間の赤ちゃんを思わせる丸っこいお尻や愛嬌があって甘えん坊の性格が、飼い主さんを夢中にさせてしまう魅力と言われています。
日本ではフレブルという略称がよく使われ、愛好家同士はフレンチ・ブルドッグ専門誌が発端の「ブヒ」という愛称で呼ぶこともあるとか。
穏やかで思慮深い、安定した性格
主人との時間を大切にするほど懐く
気にしない性格なので無駄吠えは少ない
多すぎない、適度な運動量が適している
その他情報
原産地 | フランス |
犬種グループ | 9G:愛玩犬 |
大きさ | 小型 |
平均寿命 | 10歳~14歳 |
なりやすい病気 | 軟口蓋過長症,眼疾患,膝蓋骨脱臼,流涙症,外耳炎 |
参考価格 | 30万円~50万円 |
被毛
抜け毛 | 多い |
毛質 | ダブルコート |
毛色 | フォーン,パイド,ブリンドル,クリーム,ブラック,フォーン&ホワイト,ホワイト&ブリンドル |
フレンチ・ブルドッグのサイズ(体高・体重)
バッドイヤーとも呼ばれるコウモリ耳が特徴のフレンチ・ブルドッグ。見かけによらず筋肉質で、ガッチリした体型です。
JKCのスタンダード基準では、男の子が体高27cm~35cm、女の子が24cm~32cmで、上下1cm以内の逸脱は許容とされています。
また、体重のスタンダードは、男の子9kg~14kg、女の子8kg~13kgで、典型的な個体であれば500g重くても許容とされています。
一般的に成犬は体重10kg未満が小型犬、25kg未満が中型犬、25kg以上が大型犬になるので、フレンチ・ブルドッグは小型犬あるいは中型犬に分類されます。
体高 | 男の子:27cm~35cm 女の子:24cm~32cm |
体重 | 男の子:9kg~14kg 女の子:8kg~13kg |
最初のスタンダードは1898年にパリで作出されており、この年、FKC(フランスケネルクラブ)がフレンチ・ブルドッグを公認したそうです。
フレンチ・ブルドッグの性格・習性
「猫のような犬」と言われることもあるようにヘソ天で寝たり、抱っこ好きだったり、甘えん坊で愛嬌のあるひょうきん者。
短いしっぽから感情を読み取ることは困難ですが、目や口が表情豊かで、うれしいときや不満なとき、気まずいときも全身で感情を表します。
寂しがり屋でひとりのお留守番は苦手。フレンドリーですがマイペースで気まぐれな面もあるので、多頭飼いの場合、突然ケンカ勃発!ということも。
下顎が強いので、子犬の頃から甘噛みを覚えさせないようしつけが必要です。知能が高く、飼い主さんが大好きなのでしつけはしやすいですが、頑固な一面もあるので根気よくトレーニングしましょう。
フレンチ・ブルドッグの毛色・被毛
フレンチ・ブルドッグもイングリッシュ・ブルドッグ同様、短毛でダブルコートが一般的です。
けれど、中には、短毛でアンダーコートのないシングルコートという、柔らかい手触りの被毛の子もいます。
- フォーン(子鹿のような明るい茶色)
- パイド(白地に黒や茶の模様)
- ブリンドル(黒地にベージュや白が部分的に入ったトラ模様)
- クリーム(白に近い薄茶色)
- ホワイト&フォーン(白地に明るい茶やベージュが混じった毛色)
- ホワイト&ブリンドル(白地にベージュや茶のトラ模様)
なお、JKCはすべてのどの毛色でも鼻は常にブラックと規定。特にホワイト単色の場合、目や鼻がブラックでない個体は難聴のリスクがあり、繁殖には適さないためとしています。
片方の目のまわりだけ黒や茶色の片パンチ、胸元だけが白いエプロン、目の淵に黒い毛が生えるアイラインなど、模様もさまざまです。
フレンチ・ブルドッグの平均寿命
一般社団法人日本ペットフード協会「令和5年 全国犬猫飼育実態調査」によると、中・大型犬の平均寿命は13.86歳、小型犬は14.29歳。
短命と言われているフレンチ・ブルドッグですが、平均寿命は10歳~14歳なので平均的、もしくはやや短命と言えるのではないでしょうか。
フレンチ・ブルドッグが10歳を超えると、「フェアリー(妖精)期」と呼ばれます。シニア期に入るので毎日の健康管理が特に重要となります。
アメリカン・ブルドッグの特徴

オールド・イングリッシュ・ブルドッグがアメリカ合衆国に渡って改良され、誕生したのがアメリカン・ブルドッグです。
その後、一時は絶滅の危機に瀕しますが、熱心な繁殖家の努力によって以下のような3タイプのアメリカン・ブルドッグが誕生します。
タイプ | 作出者 | 特徴 |
---|---|---|
ジョンソンタイプ (JDJタイプ、クラシックタイプ) | ジョン・D・ジョンソン | パワー重視、胸板が広く厚く、大型で筋肉質。 |
スコットタイプ (パフォーマンスタイプ、スタンダードタイプ) | アラン・スコット | 運動能力重視、足が長く、切れ長の目。 |
ハイブリッドタイプ | - | ジョンソンタイプとスコットタイプの組み合わせによる、両方の中間タイプ。 |
アメリカン・ブルドッグは大型犬サイズ
筋肉ムキムキでずんぐりした体型、大きな頭と上顎より下顎が長いアンダーショットがいかにも強そうなアメリカン・ブルドッグ。
一般的に成犬は体重10kg未満が小型犬、25kg未満が中型犬、25kg以上が大型犬になるので、アメリカン・ブルドッグは堂々の大型犬に入ります。
成犬になると、男の子は体高50cm~70cm前後、体重40kg~60kg弱、女の子が体高50cm~60cm前後、体重27kg~40kg超にまで成長。
体高 | 50cm~70cm |
体重 | 27kg~58kg |
見た目がピットブルと似ているため混同されやすいのですが、世界最強と言われるピットブルは中型犬で、アメリカン・ブルドッグのほうが大きいのです。
勇者的なアメリカン・ブルドッグの性格
家庭犬に向くように改良が重ねられたアメリカン・ブルドッグは、温和で友好的、飼い主さんやそのご家族を守る忠誠心と勇敢さがあります。
ただし、テリトリー意識が強く見知らぬ人に対しては用心深いので、攻撃的にならないようしつけやトレーニングが重要です。
運動好きで遊び好きなので、アジリティやタイムレースなどのドッグスポーツにチャレンジするアメリカン・ブルドッグもいます。
アメリカン・ブルドッグの毛色や被毛
アメリカン・ブルドッグも他のブルドッグ同様、短毛でダブルコート。撫でると表面はなめらかですが、硬くてザラザラした感触です。
伝統的なアメリカン・ブルドッグは白地に赤茶や黒、あるいはブリンドルが一般的でした。近年ではさまざまなカラーパターンが出現しています。
- ホワイト
- ブリンドル(黒地にベージュや白が部分的に入ったトラ模様)
- フォーン(子鹿のような明るい茶色)
- ブラウン
- レッド
瞳の色は通常ブラウンですが、左右の目の色が異なるオッドアイ(虹彩異色症)が誕生することもあります。
比較的ご長寿なアメリカン・ブルドッグの平均寿命
アメリカン・ブルドッグの平均寿命は10歳~15歳とされています。
イングリッシュ・ブルドッグの平均寿命は8歳~10歳、フレンチ・ブルドッグは10歳~14歳ですから、ブルドッグ御三家の中では最も長命です。
一般的に犬の寿命は大型犬ほど短く、超小型犬ほど長い傾向にあるのですが、アメリカン・ブルドッグは比較的丈夫と言えるでしょう。
ただし、その独特の体型や改良を重ねられた歴史から先天的に発症しやすい疾病も多いので、細心の健康管理が必要です。
ブルドッグの飼育ポイント

強面で筋肉モリモリの体型から怖そうな印象がありますが、ブルドッグは愛情深く忠誠心のある優しい犬種です。
ただし、しつけやケアをきちんと行う必要があり、犬を飼うのが初めてというビギナーさん向けの犬種とは言えません。
愛犬と過ごす時間が十分に取れ、一緒にゆったりとした日々を過ごしたい飼い主さん向きと言えるでしょう。
しつけはお迎えした日から始める

ブルドッグは小さめのフレブルも含め下顎が強く、噛み癖が付くとケガや事故になりかねませんから、子犬のうちから甘噛みは止めさせましょう。
どんなに小さいうちでも飼い主さんの手をオモチャには絶対しないこと。
飼い主さんと遊んでいる最中に少しでも愛犬の歯が当たったら、大声で「痛い!」と言ってその場を離れ、楽しい遊びは中断されることを覚えさせます。
以下のトレーニングは、お迎えしたその日から早速始めましょう。
年間通して室内温度の調整は徹底する
強そうな見かけとは正反対に、遠吠えや無駄吠えが少ないブルドッグは室内飼いにも向いています。特にフレンチ・ブルドッグは室内犬と考えたほうが良いでしょう。
季節 | 快適な室温 | 快適な湿度 |
---|---|---|
夏場 | 23℃~26℃ | 40%~50% |
冬場 | 21℃~24℃ | 40%~50% |
ブルドッグは暑さが苦手ですので、外出時もエアコンは点けっぱなしにして、夏は23℃~26℃を目安に保ちます。
また、鼻が短いため口呼吸が多く、乾燥にも弱いので冬は加湿器などの活用を。室温は21℃~24℃、湿度は40%~50%が目安です。
運動不足にならないように毎日散歩を行う

マッスル系に見えてお散歩嫌いが多いイングリッシュ・ブルドッグ。短時間でOKなので、目的地を決めてコマンドトレーニングしながら行いましょう。
小さな体の割にお散歩好きなのがフレンチ・ブルドッグ。やりすぎると体を痛めるので、呼吸が荒くならない程度の歩調で行えばOKです。
ブルドッグの種類 | 目安回数 | 目安時間 |
---|---|---|
イングリッシュ・ブルドッグ | 1日2回 | 1回10~15分 |
フレンチ・ブルドッグ | 1日2回 | 1回10~30分 |
アメリカン・ブルドッグ | 1日2回 | 1回1時間程度 |
見た目通りのアスリート、アメリカン・ブルドッグは1回3km~4kmのお散歩は当たり前。時にはドッグランを思い切り駆け回らせてあげましょう。
散歩中は足腰に負担をかけないルートを選択する
ブルドッグは体重が重いため、足や関節に負担がかかりやすくなっています。
階段や急な坂道が続く場所を歩かせすぎると、腰に負担がかかってしまうこともあります。
そのため、できるだけなだらかな舗装された道を散歩するようにしましょう。
真夏の散歩は時間を考慮する
夏のお散歩は朝夕の涼しい時間帯を選び、こまめに水分補給を。真夏のアスファルトの路面は60℃を超えることもあり、体高の低いイングリッシュ・ブルドッグやフレンチ・ブルドッグは特に熱中症や火傷に注意が必要です。
無理に散歩へ連れて行って体調を崩すより、室内で飼い主さんと縄の引っ張りっこなどの遊びを工夫してみましょう。
アメリカン・ブルドッグは毎日運動しないとストレスになりますので、最近増え始めたインドア・ドッグランを利用するのも良いかもしれません。
ケガ予防のために滑りにくい床を用意する

ブルドッグはがっしりとした体格をしているものの、生まれつき関節が弱い犬種です。
フローリングなどのツルツルとした床は犬にとって滑りやすく、関節に負担がかかったり転倒してケガをしてしまうこともあります。
ケガ予防のためにも、床にはカーペットを敷き、滑りにくいような床材に変えてあげましょう。
お留守番は短時間からスタートして慣れさせていく

ブルドックは甘えん坊な性格の子が多くお留守番はあまり得意ではありません。
いきなり長時間のお留守番をさせてしまうと、ストレスから不安分離症を発症してしまう可能性もあるため、少しずつお留守番に慣れてもらうことが大切です。
まずはハウストレーニングができるようになってから短時間のお留守番をスタートし、愛犬の様子を確認しながら徐々に時間を伸ばしていきましょう。
顔や耳は清潔な状態を保つようにする

イングリッシュ・ブルドッグとアメリカン・ブルドッグは立ち耳もいますが、ローズイヤーと呼ばれる垂れ耳が一般的。フレンチ・ブルドッグは大きなコウモリ耳です。
こうした耳の特徴を持つブルドッグ族は、外耳炎などの耳の病気にかかりやすいので耳掃除が欠かせません。
耳の中まで指を突っ込むとかえって耳内部を傷つける恐れがありますので、耳の内側の汚れをペット用ウェットティッシュなどで優しく拭き取る程度でOK。
ニオイがきつかったり、赤みやただれがある場合は、すぐ動物病院へ。
肥満にならないよう注意する
全体的に丸々としたシルエットがブルドッグの特徴でもありますが、実は肥満しやすい犬種だと言われています。
ブルドッグは見た目だけでは太っているか痩せているかわかりにくいので、胸や腰の骨の感触で判断します。
できれば子犬の頃から体、顔のまわり、足、しっぽなどを触られることに慣れさせておきましょう。
下記は、犬の理想的な体型の目安となるボディコンディションスコア(BCS)です。参考にしてみましょう。

定期的にブラッシングを行う
出典:Amazon
短毛&ダブルコートのブルドッグは春と秋の換毛期に多くの抜け毛があり、短くて硬い毛なので洋服やカーペットに付くとなかなか取れません。
1日5分でもいいので、毎日1回ブラッシングしてあげましょう。毎日数分でも続けていくことで、見違えるようなツヤのある被毛になりますよ。
肌に優しいラバーブラシなら、シングルコートのフレンチ・ブルドッグにも安心して使えます。
月に1~2回程度シャンプーする
出典:Amazon
ブルドッグはシワの間に汚れが溜まりやすいので、こまめに拭いてあげましょう。
シャンプー前に皮膚を傷つけにくいラバーブラシなどで優しくブラッシングして、ホコリや被毛のもつれをほどいておきます。
短頭種は皮脂分泌量が多いので月1~2回、梅雨時~夏の終わりは週に1回にシャンプー頻度を増やしても問題ありません。
ただし、ツヤを保つためには皮脂も必要。やりすぎて肌が荒れることのないよう、頻度には注意が必要です。
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