ある日、愛犬や愛猫の耳が腫れていたり、触ると痛がったりすることはありませんか?その症状、もしかすると「耳血腫」かもしれません。
耳血腫とは、耳の血管が破れて血液がたまり、耳が腫れてしまう病気です。
特に垂れ耳の犬種・猫種や耳をよく掻く子に多く見られ、放置すると耳の変形や慢性的な炎症を引き起こすため、早めの対処が重要です。
この記事では、耳血腫の原因や治療法、日頃からできる予防策について詳しく解説します。
この記事の結論
- 耳血腫とは犬や猫の耳介に血液がたまる病気で、耳を強く掻くことが発症の主な要因
- 耳の出血は耳血腫以外にも、外傷、外耳炎、耳の腫瘍やポリープ、寄生虫、血液凝固異常などが原因となる
- 血液を抜く処置やステロイド療法、外科手術などの治療法があり、根本的な原因の治療も重要
- 定期的な耳のチェックや清潔維持、外耳炎やアレルギーの管理、耳ダニの予防などで予防する
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目次 [開く]
犬・猫の耳から出血する「耳血腫」とは

犬や猫の耳から出血が見られた場合、その多くは耳血腫であると考えられます。
耳血腫とは、犬や猫の耳介(耳の外側の部分)に血液がたまる病気で、主に耳介の皮膚と軟骨の間に血液がたまり、耳が腫れたり変形したりします。
耳介は外からでも見える耳の内側部分のことで、普段から飼い主さんがお手入れをする部位でもあります。
原因の多くは、外耳炎やアレルギーなどによる強いかゆみから、耳を頻繁に掻いたり頭を振ったりすることで、耳の血管が損傷し、出血することです。
犬・猫の耳が出血しているときの原因

代表的なものには前述の耳血腫がありますが、耳からの出血はそれだけが原因となっているわけではありません。
出血をしているという時点で動物病院を受診すべきですが、治療は原因に対して行われます。
どんなことが耳からの出血の原因となってしまうのか、事前知識として覚えておくとよいでしょう。
外傷による出血
犬や猫が耳を強く引っ掻くと外傷として出血することがあり、ケンカで噛まれた場合も同様に出血することがあります。
他の動物とのケンカやじゃれ合いで引っかかれたり、鋭利な物にぶつけたりすると耳が傷つき出血します。
例えば散歩時に草むらに入ると、鋭利な草や枝、家具の角などに耳をこすって傷つけることもあります。
特に耳介は薄く血管が多いため、出血しやすい部位です。
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耳血腫
耳血腫(じけっしゅ)は、耳を頻繁に振ったり掻いたりすることで耳介の血管が破れ、皮膚と軟骨の間に血液がたまる病気です。
外耳炎やアレルギーなどのかゆみで耳を強く掻いたり、振ることで血管が破れることにより出血するものです。
放置すると耳が膨らんで変形してしまうこともあり、余計に汚れが溜まりやすくなるというケースもあります。
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外耳炎・中耳炎
外耳炎はわかりやすく、耳介を中心に皮膚が炎症している状態のことで、特に垂れ耳の子に多く見られます。
細菌や真菌(カビ)、アレルギーなどが原因で炎症が起こると、耳の皮膚がもろくなり、掻くことで出血することがあるのです。
悪化すると中耳炎や内耳炎に進行することもありますので、外耳炎のうちに治療することが大切です。
耳の腫瘍やポリープ
耳介や耳道内にできた腫瘍やポリープが破裂すると、出血を伴うことがあります。
良性・悪性の腫瘍やポリープが耳の中や耳介にできると、しこりのようなものができている状態なので破裂することがあります。
このしこりが破裂すると出血につながるため、腫瘍やポリープが原因という可能性もあるのです。
良性のものもありますが、悪性腫瘍の場合は早急な治療が必要です。
寄生虫(耳ダニなど)
耳ダニ(ミミヒゼンダニ)は、犬や猫の耳に寄生する小さなダニで、強いかゆみや耳の炎症を引き起こす寄生虫です。特に子猫や子犬、免疫力の低い動物に多く見られます。
肉眼では見えにくいほど小さく、白っぽい楕円形をしており、この耳ダニ感染によって強いかゆみが生じると耳を引っ掻くことで出血することがあります。
激しいかゆみや黒っぽい耳垢が多く、耳の赤みや炎症、そして悪臭を伴うのが特徴です。
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血液凝固異常
血友病などの先天性疾患や肝臓の病気によって血液の凝固がうまくいかず、軽い傷でも出血が止まらないことがあります。
先天的な血液凝固異常の他にも、重篤な病気(肝疾患、免疫疾患)による影響も考えられます。
これは耳の出血だけに留まらず、他の部位に関しても同様に出血が止まらないような病気です。
耳の出血は放置すると悪化しやすいため、原因を特定して適切な治療を早めに受けることが大切です。
犬・猫の耳血腫の症状

耳血腫の場合、出血や膨らみが見られるため見ただけでわかるはずです。
少なくとも出血している時点で様子見をすべき状況ではないため、すぐに動物病院へ行くことをおすすめします。
耳の腫れ(膨らみ)
犬や猫の耳血腫では、耳介(耳の外側の部分)がブヨブヨと膨らむのが特徴です。これは、耳の皮膚と軟骨の間に血液がたまるために起こります。
腫れの大きさはさまざまで、部分的に腫れる軽度のものから、耳全体が大きく膨らむ重度のものまで存在します。
特に耳を激しく掻いたり、頭を振る動作が見られる場合、腫れが急激に悪化することもありますので注意が必要。
片耳のみに発生することが多いですが、両耳に起こることもあるため、早期に治療しないと腫れが長引き、耳の変形につながる可能性があります。
耳の変形
耳血腫を放置すると血液が固まり、耳の形が変わることがあります。これを「カリフラワー耳」と呼ぶこともあり、耳が縮んでゴツゴツした形になります。
これは、腫れが長期間続くことで耳の軟骨が変形し、元の形に戻らなくなるためです。
また、変形した耳は血流が悪くなり、皮膚が硬く厚くなることもあります。
耳が変形すると見た目の問題だけでなく、通気性が悪くなり外耳炎を起こしやすくなるため、早めの治療が重要。
耳血腫を繰り返すことで変形のリスクはさらに高まるため、根本的な原因を解決することが大切です。
痛みや違和感
耳血腫は耳に血液がたまることで腫れが生じるため、痛みや違和感を伴うことが多いです。
腫れた部分は柔らかく、触ると痛がったり嫌がったりすることがあります。
特に、耳を触られるのを極端に嫌がる場合は、耳血腫による痛みが強い可能性があり、腫れの影響で耳の重さが増して耳が垂れ下がることも。
その違和感から、犬や猫は頭をしきりに振ったり、床に耳をこすりつけたりするしぐさを見せることがあるのです。
これが悪化するとさらに血管が破れて出血が広がり、耳血腫が進行することがあります。
かゆみや赤み
耳血腫の背景には、外耳炎やアレルギー、耳ダニ感染などの疾患があることが多く、それらによるかゆみや炎症が引き金となっている可能性が高いです。
耳を頻繁に掻いたり、頭を振ることで血管が破れ、耳血腫を引き起こすためです。
かゆみが強いと、さらに耳を掻いてしまい、耳血腫が悪化する悪循環に陥ることもあります。
根本的な原因を治療しないと、耳血腫を治しても再発しやすくなるため、耳のかゆみや炎症をしっかりと診断し、治療することが大切です。
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犬・猫の耳血腫の治療法

耳血腫の治療には、血液を抜く処置・薬物療法・手術などの方法があります。
基本的には耳血腫の原因に対して治療することが重要なので、外耳炎やアレルギーの治療も重要です。
排液処置
耳血腫の初期治療として、穿刺(せんし)による排液処置が行われます。これは、注射器を使って耳介内にたまった血液を抜き取る方法です。
処置自体は短時間で済み、体への負担が少ないため、軽度の耳血腫や手術を避けたい場合に選択されます。
しかし、この方法では血液が再び溜まりやすく、何度も繰り返し排液が必要になるケースが多いです。
そこで、排液後には後述のステロイドを注射して炎症を抑えることもあります。
ただし、繰り返しの穿刺によって耳の組織が硬くなり、最終的に変形してしまう可能性があるため、根本的な治療には向きません。
再発が多い場合や重度の耳血腫には、後述のような手術を検討することが推奨されます。
ステロイド療法(内科治療)
耳血腫の治療には、ステロイド薬を用いた内科療法も選択肢のひとつです。炎症を抑える効果が高く、腫れや痛みを軽減できます。
方法としては、局所へのステロイド注射または経口ステロイド薬の投与があり、耳血腫が軽度の場合にはこの治療のみで改善することもあります。
しかし、ステロイドには免疫抑制作用や食欲増進、多飲多尿などの副作用があるため、長期的な使用には注意が必要。
また、炎症が強く、すでに組織が変形している場合には効果が不十分なことがあり、手術が必要になることもあります。
ステロイド療法は、外科手術を避けたい場合の代替治療として有効ですが、再発リスクがあるため定期的な経過観察が重要です。
手術による治療
耳血腫の再発を防ぎ、耳の変形を最小限に抑えるためには外科手術が最も効果的な治療法です。
手術では耳介の皮膚を切開し、内部にたまった血液を排出した後、皮膚と軟骨を縫合して血液が再び溜まるのを防ぎます。
手術には全身麻酔が必要なため、高齢の動物や持病がある場合は慎重に検討する必要があります。
ただし、再発率が低く、長期的な効果が期待できるため、重度の耳血腫や繰り返し発生するケースには最も適した治療法です。
術後は数週間の経過観察と適切なケアが必要ですが、しっかりと治療すれば耳の機能や形状をできるだけ維持できます。
原因となる疾患の治療
耳血腫は外耳炎やアレルギー、耳ダニ感染などが原因となって発生することが多いため、それらを治療しないと再発のリスクが高まります。
例えば、外耳炎が原因の場合は抗生剤や抗真菌薬の点耳薬を使用し、炎症を鎮めることが重要。アレルギーが関与している場合は、食事療法や抗アレルギー薬の使用が効果的です。
また、耳ダニ感染による場合は駆虫薬を投与し、耳の清潔を保つことが必要です。
耳血腫の治療後も、耳のかゆみや炎症を抑えることが再発防止の鍵となりますし、根本的な原因を治療しないと何度も耳血腫が発生し、最終的に耳の形が変形してしまうこともあります。
そのため、耳血腫を治療する際には、耳の健康を総合的に管理し、長期的なケアを行うことが重要です。
犬・猫の耳血腫の予防法

耳血腫は外耳炎や耳ダニ感染、アレルギーなどが原因で起こることが多いため、これらの対策をしっかり行うことが重要です。
完璧に予防することはできないものの、発症リスクを軽減することは可能なので、予防法もぜひ覚えておきましょう。
定期的な耳のチェックと清潔維持
耳血腫を防ぐためには、耳の状態を定期的に確認し、何よりも清潔に保つことが重要です。
週に1~2回は耳の内側をチェックし、耳垢の量や異臭、赤みや腫れがないか観察しましょう。
特に垂れ耳の犬種や耳の中の毛が多い猫種は通気性が悪く、汚れが溜まりやすいため注意が必要です。
耳掃除をする際はペット用のイヤークリーナーを使用し、優しく汚れを拭き取るようにしましょう。
ただし、過度な掃除は耳の粘膜を傷つけたり、逆に炎症を引き起こす可能性があるため、汚れがひどいときのみに留めることが大切です。
また、耳周りの毛をカットすることで通気性を向上させ、外耳炎のリスクを減らせます。
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外耳炎やアレルギーの管理
外耳炎やアレルギーがあると、かゆみのために耳を強く掻いたり頭を振ることが増え、耳血腫のリスクが高まります。
特にフレンチ・ブルドッグやコッカー・スパニエルなどの垂れ耳犬種や、スコティッシュフォールドなどの猫は外耳炎になりやすいため、こまめなケアが必要です。
外耳炎は細菌や真菌感染が原因となることが多く、適切な点耳薬の使用で早期に治療することが大切です。
また、アレルギーが原因の場合にはアレルゲンの特定と除去、低アレルギー食の導入、アレルギー治療薬の使用が必要になることもあります。
定期的な動物病院での耳のチェックも、外耳炎やアレルギーによる炎症を早期に発見するために役立ちます。
耳ダニや寄生虫の予防
耳血腫の原因のひとつに耳ダニ(ミミヒゼンダニ)などの寄生虫があります。
耳ダニは耳の中に寄生し、激しいかゆみを引き起こすため、ペットが頻繁に耳を掻いたり頭を振ったりする原因になります。
これにより耳の血管が破れ、耳血腫につながることがあります。
耳ダニ感染を防ぐためには、ノミ・ダニ予防薬を定期的に使用し、他の動物との接触後は耳をチェックすることが重要です。
また、忘れやすいポイントですが、寝具やブラシなどのペット用品は常に清潔に保ち、感染リスクを低減させましょう。
多頭飼いの場合、一匹に耳ダニが見つかった場合は全頭の駆虫が必要になります。
耳ダニによる炎症は早期に治療しないと慢性化するため、異常を感じたらすぐに動物病院を受診しましょう。
耳を強く掻かせない・頭を振らせすぎない
耳を頻繁に掻くことや激しく頭を振ることは、耳の血管に負担をかけ、耳血腫の原因となります。
そのため、耳のかゆみの原因を特定し、早い段階で適切な対策を講じることが大切です。
例えば爪を短く保ち、耳を傷つけにくくすることや、耳を掻きすぎる場合にはエリザベスカラーを装着するといった対策が有効です。
また、耳の違和感がストレスや環境要因によるものであれば生活環境を見直し、落ち着いた環境を整えることも大切です。
さらに耳を乾燥させるために、シャンプー後や水遊びの後はしっかり耳を拭くことも予防につながります。
いずれも掻かせないことは解決策にはならないため、原因に対して対処していかなければいけません。
早めの動物病院受診
結局のところ、症状が悪化するのを防ぐためには、異変に気づいたらすぐに動物病院を受診することが重要です。
耳を頻繁に掻いたり頭を振ったり、耳が赤く腫れていることや異臭などの症状が見られたら、早めに診察を受けましょう。
耳血腫は外耳炎やアレルギーなどの慢性的な耳のトラブルが引き金となることが多いため、根本的な原因を治療することが再発防止につながります。
また、一度耳血腫を発症したペットは再発のリスクが高いため、完治後も定期的な耳のケアを続けることが大切です。
動物病院では耳の洗浄や適切な点耳薬の処方、炎症を抑える治療を行ってくれるため、自己判断せずに専門家のアドバイスを受けることが最善の方法です。
犬・猫の耳血腫になりやすい種類

体の構造上、どうしても耳の病気になりやすい犬種や猫種というのは存在します。
ここでご紹介するような犬種や猫種だけ注意しなければいけない、というわけではありません。
ですが特に注意しなければいけない特徴をもった犬種・猫種について、理解しておくと適切なケアができるでしょう。
耳血腫になりやすい犬種
垂れ耳の犬種
垂れ耳の犬は耳の通気性が悪く、外耳炎を発症しやすいため、耳血腫のリスクが高いです。
また、垂れ耳の形状上、頭を振る頻度が多く、耳の血管に負担がかかりやすくなります。
アレルギー体質の犬種
アレルギーによるかゆみで耳を頻繁に掻くことが多く、血管が破れやすくなるため、耳血腫の発症リスクが高まります。
耳ダニや皮膚疾患になりやすい犬種
耳ダニや皮膚炎を起こしやすい犬種は、強いかゆみのため耳を掻いたり頭を振ることが増え、耳血腫を発症しやすくなります。
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耳血腫になりやすい猫種
折れ耳の猫種
折れ耳の猫は、耳の軟骨が弱く、血管への負担がかかりやすいため、耳血腫のリスクが高いです。
アレルギーや皮膚炎を起こしやすい猫種
皮膚が敏感な猫は、アレルギー反応や皮膚炎によるかゆみで耳を頻繁に掻き、耳血腫になりやすい傾向があります。
耳ダニの影響を受けやすい猫種
耳ダニの影響を受けやすい猫は、耳のかゆみで頻繁に頭を振ったり耳を掻いたりするため、耳血腫のリスクが高くなります。
特に外で生活する猫や、多頭飼いの環境にいる猫は耳ダニ感染のリスクが高くなるため注意が必要です。
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