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ジャーマン・スピッツの魅力と飼い方|歴史から寿命まで徹底解説

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ジャーマン・スピッツ

モコモコとした被毛に愛らしい顔立ち、そして賢く陽気な性格を持つジャーマン・スピッツ。その魅力に惹かれ、家族として迎え入れたいと考えている方も多いのではないでしょうか。

しかし、ジャーマン・スピッツと暮らすには、その歴史的背景や犬種特有の性格、適切な飼い方、そして健康管理について深く理解しておくことが大切です。

この記事では、ジャーマン・スピッツのすべてを網羅し、これから飼い始める方はもちろん、すでに飼っている方も改めてジャーマン・スピッツの魅力を発見し、より良いパートナーシップを築くための情報を提供します。

ジャーマン・スピッツとの生活をより豊かにするためのヒントが満載ですので、ぜひ最後までご覧ください。

この記事の結論

  • ドイツ原産のジャーマン・スピッツは、サイズや毛色が多様、賢く忠実で警戒心も強い
  • 子犬期の社会化は健全な成長に不可欠で、無駄吠え対策を含め、根気強く一貫したしつけが重要
  • 膝蓋骨脱臼や股関節形成不全などの遺伝性疾患に注意し、日々の健康チェックを行う
  • 信頼できるブリーダー選びや保護犬の選択肢を検討し、住環境の準備が快適な共生を支える

nademo編集部

担当執筆者

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目次

ジャーマン・スピッツとは?その歴史と犬種の特徴

ジャーマン・スピッツは、ドイツを原産とする非常に歴史の古い犬種です。

スピッツという犬種グループは、有史以前からヨーロッパやアジアに広く生息していた牧羊犬や番犬を祖先とし、ジャーマン・スピッツもその血筋を引いています。

また、愛らしい外見と賢さから、貴族の間でもペットとして飼育されるようになり、時代と共に異なるサイズやタイプが発展していったのです。

現在、ジャーマン・スピッツは国際畜犬連盟(FCI)で5つのサイズに分類されており、それぞれのサイズに独自の魅力と特徴があります。

明るく活発

飼い主に従順で懐きやすい

警戒心が強く吠えやすい

運動量は多め

 その他情報

原産地 ドイツ
犬種グループ 5G:原始的な犬・スピッツ
大きさ 中型
平均寿命 13歳~15歳
なりやすい病気 皮膚炎,股関節形成不全,進行性網膜萎縮症(PRA),心室中隔欠損症
参考価格 50万円以上
       

被毛

抜け毛 少ないor多い
毛質 ダブルコート
毛色 ホワイト,ブラック,ブラウン,オレンジ,グレー,ブラック&タン,オレンジ・セーブル,クリーム

体高

男の子ジャーマン・スピッツ・グロース:40cm以上/ジャーマン・スピッツ・ミッテル:30cm~40cm/ジャーマン・スピッツ・クライン:30cm以下
女の子ジャーマン・スピッツ・グロース:40cm以上/ジャーマン・スピッツ・ミッテル:30cm~40cm/ジャーマン・スピッツ・クライン:30cm以下

体重

男の子ジャーマン・スピッツ・グロース:17kg~18kg/ジャーマン・スピッツ・ミッテル:7kg~11kg/ジャーマン・スピッツ・クライン:4kg~6kg
女の子ジャーマン・スピッツ・グロース:17kg~18kg/ジャーマン・スピッツ・ミッテル:7kg~11kg/ジャーマン・スピッツ・クライン:4kg~6kg

ジャーマン・スピッツの起源と歴史

ジャーマン・スピッツは、その名の通りドイツを原産とする犬種で、非常に古くから存在しています。

スピッツという犬種グループは、古代からヨーロッパやアジアに広く分布していた牧羊犬や番犬が祖先とされており、ジャーマン・スピッツもその流れを汲んでいます。

中世ヨーロッパでは、特にその警戒心の強さから、家畜や財産を守る番犬として重宝されていました。

また、愛らしい容姿と賢さから、貴族の間でもペットとして飼育されるようになり、時代とともにさまざまなサイズやタイプに分かれて発展していきました。

現代のジャーマン・スピッツは、そうした歴史の中で洗練され、家庭犬として世界中で愛されています。

ジャーマン・スピッツのサイズ別分類と特徴

ジャーマン・スピッツは、そのサイズによっていくつかのタイプに分類されます。これは、それぞれのタイプが異なる役割を担っていた歴史的背景や、品種改良の過程で生まれた多様性を示しています。国際畜犬連盟(FCI)では、以下の5つのサイズに分類されています。

ジャーマン・ウルフスピッツ(キースホンド)の特徴

ジャーマン・ウルフスピッツは、ジャーマン・スピッツの中で最も大きなサイズに分類されます。その名の通り、オオカミのような被毛の色合いが特徴的で、堂々とした風格を持っています。

体高は約43cm~55cm、体重は20kg~30kg程度が一般的です。かつては家畜の群れを守る牧羊犬や、荷車を引く使役犬としても活躍していました。

非常に賢く、警戒心が強いことから、信頼できる番犬としての能力も高く評価されています。

ジャーマン・スピッツ・グロースの特徴

ジャーマン・スピッツ・グロースは、ジャーマン・ウルフスピッツに次ぐ大型のジャーマン・スピッツです。

体高は約40cm~50cmで、ジャーマン・ウルフスピッツとほぼ同じサイズですが、被毛の色合いや特徴で区別されることがあります。

かつては、ドイツの農場や庭園で番犬として飼育され、その存在感と警戒心で侵入者を寄せ付けない役割を果たしていました。

知的で忠実な性格を持ち、家族に対しては深い愛情を示しますが、見知らぬ人には警戒心を見せることがあります。

ジャーマン・ミッテル・スピッツの特徴

ジャーマン・ミッテル・スピッツは、中型のジャーマン・スピッツで、体高は約30cm~40cmです。ドイツ語で「ミッテル」は「中」を意味し、その名の通り、中間のサイズに位置します。

家庭犬として非常に人気があり、適度な運動量と管理のしやすさが魅力です。活発で好奇心旺盛な性格をしており、しつけもしやすいと言われています。

遊び好きで、家族とのコミュニケーションをとても大切にする犬種です。

ジャーマン・クライン・スピッツの特徴

ジャーマン・クライン・スピッツは、小型のジャーマン・スピッツで、体高は約23cm~30cmです。「クライン」はドイツ語で「小さい」を意味します。

日本の家庭環境にも適応しやすいサイズ感で、室内での飼育にも向いています。愛らしく活発な性格をしており、番犬としての能力も持ち合わせています。

小さな体ながらも警戒心は強く、見知らぬ人や物音に対しては吠えて知らせることがあります。

ツヴェルク・スピッツ(現ポメラニアン)の特徴

ツヴェルク・スピッツは、ジャーマン・スピッツの中で最も小さいサイズで、体高は約22cm以下です。

一般的にポメラニアンとして知られており、そのフワフワとした被毛と愛らしい表情で世界中の人々を魅了しています。

かつてはより大きなサイズでしたが、イギリスで小型化が進められ、現在の姿になりました。

活発で好奇心旺盛、そして大胆な性格を持っています。抜け毛が多い犬種としても知られています。

ジャーマン・スピッツの一般的な身体的特徴

ジャーマン・スピッツは、サイズによって分類されますが、共通していくつかの身体的特徴を持っています。

全体的にバランスの取れた体つきをしており、ピンと立った三角形の耳、アーモンド型の瞳、そして背中にカールした豊かな飾り毛のある尾が特徴的です。

被毛はダブルコートで、厚いアンダーコートと長くまっすぐなオーバーコートからなり、寒さから身を守る役割をしています。

ジャーマン・スピッツの被毛と毛色のバリエーション

ジャーマン・スピッツの被毛は、その魅力を際立たせる大きな特徴のひとつです。密生したアンダーコートと、立ち上がったようなオーバーコートが特徴のダブルコートで、非常にゴージャスな印象を与えます。毛色は非常に豊富で、サイズによって認められる毛色に違いがあります。

  • ジャーマン・ウルフスピッツ:ヴォルフグレー(オオカミのようなグレー)
  • ジャーマン・スピッツ・グロース:ブラック、ホワイト、ブラウン
  • ミッテル・スピッツ、クライン・スピッツ:ブラック、ホワイト、ブラウン、オレンジ、グレー、その他多くの色が認められます。
  • ツヴェルク・スピッツ(ポメラニアン):オレンジ、レッド、クリーム、ブラック、ホワイト、セーブルなど、非常に多くのバリエーションがあります。

これらの毛色は、単色だけでなく、複数の色が混じり合ったコンビネーションカラーも存在し、それぞれのジャーマン・スピッツに個性豊かな表情を与えています。

ジャーマン・スピッツの平均体重と体高

ジャーマン・スピッツの平均体重と体高は、前述したようにサイズによって大きく異なります。以下にFCIによる基準をまとめました。

サイズ体高の目安体重の目安
ジャーマン・ウルフスピッツ約43cm~55cm約15kg~20kg
ジャーマン・スピッツ・グロース約40cm~50cm約17kg~18kg
ジャーマン・ミッテル・スピッツ約30cm~40cm約7kg~11kg
ジャーマン・クライン・スピッツ約23cm~30cm約4kg~6kg
ツヴェルク・スピッツ約22cm以下約1.5kg~4kg

これらの数値はあくまで目安であり、個体差があります。健康的な成長のためには、適切な食事と運動で適正体重を維持することが大切です。

ジャーマン・スピッツの性格と飼い主との相性

ジャーマン・スピッツは、その愛らしい見た目とは裏腹に、勇敢でしっかりとした性格を持っています。

彼らは非常に賢く、学習能力が高いため、しつけを比較的早く覚えることができます。家族に対しては忠実で愛情深く、常に寄り添い、深い絆を築こうとします。

また、見知らぬ人や物音に対しては敏感に反応し、警戒心が非常に強いため、番犬としての能力も高く評価されています。

活発で遊び好きな一面もあり、適度な運動と知的な刺激を求める犬種です。

ジャーマン・スピッツの基本的な性格

ジャーマン・スピッツは、その愛らしい見た目からは想像できないほど、勇敢でしっかりとした性格を持っています。一般的には、以下の特徴が挙げられます。

  • 非常に賢い:学習能力が高く、しつけを比較的覚えやすい犬種です。
  • 忠実で愛情深い:家族に対しては深い愛情を注ぎ、常に寄り添おうとします。
  • 警戒心が強い:見知らぬ人や物音に対しては敏感に反応し、番犬としての優れた能力を発揮します。
  • 活発で遊び好き:運動を好み、特に子犬の頃は遊びを通して多くのことを学びます。
  • 自立心が強い:べったりと甘えるよりも、適度な距離感を保つことを好む傾向があります。
  • 頑固な一面も:一度決めたことはなかなか変えようとしない頑固さを持つこともあります。

これらの性格は個体差がありますが、総じて賢く、家族思いの犬種と言えるでしょう。

ジャーマン・スピッツはどんな人におすすめ?

ジャーマン・スピッツは、その特性から以下のような飼い主さんにおすすめできます。

犬とのコミュニケーションを大切にする人

知的で忠実なため、一緒に遊び、しつけを楽しむ時間を取れる人には最高のパートナーになります。

集合住宅に住んでいるが、しっかりしつけができる人

無駄吠えしやすい傾向があるため、適切なトレーニングで抑えることができれば、集合住宅でも飼育可能です。

適度な運動を一緒に楽しめる人

活発な犬種なので、毎日のお散歩や遊びの時間を確保できる人が理想です。

忍耐強くしつけができる人

賢い一方で、頑固な一面もあるため、根気強くポジティブなしつけができる人に向いています。

定期的な被毛ケアができる人

豊かなダブルコートを持つため、ブラッシングなどの手入れを苦にしない人。

ジャーマン・スピッツとの多頭飼いの注意点

ジャーマン・スピッツは、他の犬種との多頭飼育も可能ですが、いくつかの注意点があります。

子犬期からの社会化

他の犬や人との良好な関係を築くため、子犬の頃からさまざまな経験をさせ、社会化を徹底することが重要です。

相性の見極め

新しい犬を迎え入れる際は、先住犬との相性を慎重に見極める必要があります。特に、ジャーマン・スピッツは警戒心が強いため、初対面では時間をかけて慣れさせることが大切です。

リーダーシップの確立

飼い主が明確なリーダーシップを示すことで、犬同士の序列が安定し、無用なトラブルを防ぐことができます。

それぞれのスペース確保

犬それぞれが安心して過ごせるパーソナルスペースを確保してあげましょう。

ジャーマン・スピッツのしつけと飼い方のポイント

犬のしつけ

ジャーマン・スピッツとの快適な共生のためには、適切な「しつけ」と「飼い方」が不可欠です。彼らの賢さと特性を理解し、一貫したアプローチで接することが成功の鍵となります。

子犬期に十分な社会化が行われないと、臆病になったり、過度に興奮したり、攻撃的になったりする可能性が高まります。

子犬期の社会化の重要性

ジャーマン・スピッツの子犬期における社会化は、心身ともに健全な成犬に育てる上で最も重要な要素のひとつです。

生後3週齢から16週齢頃までの社会化期に、できるだけ多くの人、犬、場所、音、匂いなどに触れさせることで、さまざまな環境に順応できる犬になります。

さまざまな人との交流

家族以外の大人や子供、高齢者など、さまざまなタイプの人と触れ合わせる機会を設ける。

他の犬との交流

ワクチン接種後には、しつけ教室やドッグランなどで、ワクチンを済ませた穏やかな犬と交流させる。

さまざまな環境への慣らし

車の音、雷の音、掃除機の音など、日常で遭遇するさまざまな音に慣れさせる。公園や駅など、人通りの多い場所にも連れて行き、多様な刺激に触れさせる。

この時期に十分な社会化が行われないと、臆病になったり、攻撃的になったりする可能性が高まります。

無駄吠え対策としつけのコツ

ジャーマン・スピッツは、その警戒心の強さから「無駄吠え」が多くなりがちな犬種です。しかし、適切なトレーニングでコントロールすることが可能です。

吠える原因を探る

要求吠え、警戒吠え、寂しさからの吠えなど、何が原因で吠えているのかを把握します。

無視とコマンドを使い分ける

要求吠えの場合には完全に無視し、吠えても何も良いことがないと教えます。警戒吠えの場合には、「静かに」などのコマンドを教え、吠え止んだら褒めてご褒美を与えます。

環境を整える

外からの刺激に過敏に反応して吠える場合は、カーテンを閉める、ケージの配置を変えるなどの工夫をしましょう。

十分な運動と刺激

運動不足や刺激不足も吠えの原因になるため、毎日のお散歩や知的な遊びを取り入れましょう。

根気強く、一貫したしつけが重要です。

お散歩と運動量の目安

ジャーマン・スピッツは活発な犬種ですが、サイズによって必要な運動量は異なります。

小型~中型(ジャーマン・クライン・スピッツ、ジャーマン・ミッテル・スピッツ、ツヴェルク・スピッツ)

1日2回、各20分~30分程度の散歩が目安です。室内での遊びや、おもちゃを使った運動も取り入れましょう。

大型(ジャーマン・ウルフスピッツ、ジャーマン・スピッツ・グロース)

1日2回、各30分~1時間程度の散歩が必要となります。可能であれば、ドッグランなどで自由に走らせる機会を設けると良いでしょう。

単なる散歩だけでなく、ボール遊びやアジリティなど、知的刺激を伴う運動を取り入れることで、犬の満足度を高め、問題行動の予防にもつながります。

ジャーマン・スピッツの被毛ケア(ブラッシング・シャンプー)

ジャーマン・スピッツの豊かなダブルコートは、毎日のケアが不可欠です。

ブラッシング

毎日、少なくとも週に3~4回は丁寧にブラッシングを行いましょう。抜け毛を取り除き、毛玉の発生を防ぎます。

特に換毛期には、アンダーコートをしっかり取り除くスリッカーブラシやレーキタイプのブラシが有効です。

シャンプー

月に1回程度を目安にシャンプーを行います。汚れがひどい場合や臭いが気になる場合は、もう少し頻繁に行っても構いませんが、洗いすぎは皮膚の乾燥を招くことがあるため注意が必要です。シャンプー後は、被毛の奥までしっかり乾かすことが大切です。

耳掃除・爪切り・歯磨き

定期的な耳掃除、爪切り、歯磨きも忘れずに行いましょう。これらは病気の早期発見にもつながります。

快適な住環境の準備

ジャーマン・スピッツが快適に過ごせる住環境を整えることも重要です。

適切な温度管理

ダブルコートの犬種のため、暑さに弱い傾向があります。夏場はエアコンなどで室温を適切に保ち、熱中症に注意しましょう。冬場は比較的寒さに強いですが、急激な温度変化は避けるべきです。

安全なスペースの確保

誤飲を防ぐため、犬にとって危険なものは手の届かない場所に保管しましょう。また、脱走防止のため、ドアや窓の施錠も徹底してください。

安心して休める場所

ケージやクレート、ベッドなど、犬が安心して休める自分だけのスペースを用意してあげましょう。

ジャーマン・スピッツがかかりやすい病気と健康管理

犬

ジャーマン・スピッツは比較的丈夫な犬種ですが、遺伝的にかかりやすい病気や、日々の生活習慣からくる病気があります。早期発見と予防のために、飼い主が知識を持つことが重要です。

ジャーマン・スピッツに多い遺伝性疾患

膝蓋骨脱臼

膝蓋骨脱臼は、膝のお皿(膝蓋骨)が正常な位置から外れてしまう病気です。特に小型~中型犬によく見られます。

歩行時にスキップするような動きをしたり、片足をかばったりする症状が見られることがあります。重症化すると外科手術が必要になる場合もあります。

子犬の頃から、過度なジャンプや滑りやすい床での行動に注意し、適正体重を維持することが予防につながります。

股関節形成不全

股関節形成不全は、股関節の骨の形成異常によって、関節が不安定になり、痛みや炎症を引き起こす遺伝性疾患です。

特に大型のジャーマン・スピッツ(ジャーマン・ウルフスピッツ、ジャーマン・スピッツ・グロース)に多く見られます。

症状としては、歩行時のふらつき、運動を嫌がる、うさぎ跳びのような歩き方などが挙げられます。早期発見のためには、定期的な健康診断や、子犬期のレントゲン検査が有効です。

眼病(白内障、進行性網膜萎縮症など)

ジャーマン・スピッツは、いくつかの眼病にかかりやすい傾向があります。

これらの眼病は、早期発見によって進行を遅らせることができる場合もあります。愛犬の目の異変に気づいたら、すぐに動物病院を受診しましょう。

日常的な健康チェックと予防策

日々の健康チェックは、病気の早期発見に繋がります。

  • 食欲・飲水量の変化:いつもと比べて食欲がない、水を飲む量が増えた・減ったなどの変化に注意。
  • 排泄物の状態:便の硬さや色、回数、尿の量や色などを毎日確認。
  • 体の触診:ブラッシングの際に、しこりや腫れがないか、触って痛がる場所がないかなどをチェック。
  • 目・耳・口の状態:目やに、充血、耳の汚れ、臭い、歯茎の色、口臭などを確認。
  • 被毛・皮膚の状態:抜け毛の量、フケ、発疹、かゆみなどがないか確認。

これらの変化に気づいたら、かかりつけの動物病院に相談しましょう。

適切な食事と体重管理

ジャーマン・スピッツの健康を維持するためには、適切な食事と体重管理が不可欠です。

  • 高品質なドッグフード:犬の年齢、体重、活動レベルに合った高品質な総合栄養食を選ぶ。
  • 適切な給与量:ドッグフードのパッケージに記載されている給与量を参考にし、愛犬の体重や体格に合わせて調整。
  • おやつの量に注意:おやつを与えすぎると、主食の摂取量が減ったり、肥満につながる。
  • 定期的な体重測定:月に1回程度、自宅で体重を測り、記録することで、体重の変化に早く気づくことができる。

肥満は、関節疾患や心臓病、糖尿病など、さまざまな病気のリスクを高めます。

動物病院との連携の重要性

愛犬の健康を守るためには、信頼できる動物病院と連携することが非常に重要です。

定期的な健康診断として、年に1回は健康診断を受け、早期に病気を発見できるようにしましょう。特に高齢犬になったら、半年に1回など、より頻繁な健診を検討しましょう。

ワクチン接種と寄生虫予防も重要で、狂犬病ワクチンや混合ワクチン、フィラリア予防、ノミ・ダニ予防などを定期的に行いましょう。

少しでも気になる症状や異変があれば、自己判断せずにすぐに獣医師に相談しましょう。

ジャーマン・スピッツの平均寿命と長寿の秘訣

犬と人間の年齢換算一覧表

愛犬に長く健康でいてもらうために、飼い主ができることはたくさんあります。

バランスの取れた食事や適度な運動、定期的な健康チェックと予防医療に適切な環境とストレス軽減など。

適切な飼育環境とケアによって、この平均寿命をさらに延ばすことも可能です。

ジャーマン・スピッツの平均寿命

ジャーマン・スピッツの平均寿命は、サイズによって異なりますが、一般的に13歳から15歳とされています。

小型のツヴェルク・スピッツ(ポメラニアン)は比較的長寿で15歳以上生きることも珍しくありませんが、大型のジャーマン・ウルフスピッツなどは、もう少し寿命が短い傾向にあります。

これは、大型犬が小型犬に比べて一般的に寿命が短い傾向にあるためです。

https://nademo.jp/dog_lifespan

長生きするための飼い主ができること

愛犬に長く健康でいてもらうために、飼い主ができることはたくさんあります。

バランスの取れた食事

高品質なフードと適切な給与量で、肥満を防ぎ、必要な栄養素をしっかり摂取させましょう。

適度な運動

毎日のお散歩や遊びで、体を動かし、ストレスを発散させましょう。運動不足は、心身の健康に悪影響を与えます。

定期的な健康チェックと予防医療

獣医師による定期検診、ワクチン接種、寄生虫予防は欠かせません。日々の健康チェックも怠らないようにしましょう。

適切な環境とストレス軽減

快適な室内環境を保ち、精神的なストレスをできるだけ与えないように心がけましょう。安心できる場所があることは、犬の長寿に繋がります。

早期発見・早期治療

異変に気づいたらすぐに動物病院を受診し、病気の早期発見と早期治療に努めましょう。

老犬になったジャーマン・スピッツのケア

ジャーマン・スピッツも歳を重ねると、さまざまな変化が見られます。老犬になったら、QOL(生活の質)を維持するための特別なケアが必要です。

食事の調整

消化能力の低下や運動量の減少に合わせて、低カロリーで消化しやすい老犬用のフードに切り替えましょう。

関節への配慮

関節炎を患いやすくなるため、滑りにくい床材にする、段差をなくす、補助具を使うなどの工夫が必要です。

散歩のペース調整

運動量は減りますが、気分転換や筋力維持のために、無理のない範囲で短い散歩を続けましょう。

トイレのケア

筋力の低下からトイレの失敗が増えることがあります。トイレシートの設置場所を見直したり、介護用グッズの利用も検討しましょう。

こまめなブラッシング

寝ている時間が増え、皮膚がデリケートになるため、より優しく、こまめなブラッシングで皮膚の状態をチェックしましょう。

定期的な健康診断

病気の早期発見のため、より頻繁な健康診断が推奨されます。

ジャーマン・スピッツを迎える前に知っておきたいこと

犬・猫の流通ルート

ジャーマン・スピッツを家族として迎え入れることは、素晴らしい経験ですが、その前に知っておくべき重要な点がいくつかあります。

新しい家族を迎える準備をしっかり行い、責任を持って最後まで愛情を注ぐ覚悟が必要です。

ブリーダーからの迎え入れ方

ジャーマン・スピッツをブリーダーから迎える場合、以下の点に注意しましょう。

信頼できるブリーダーを選ぶ

健康管理や衛生状態が整っており、犬の社会化にも力を入れているブリーダーを選びましょう。直接訪問し、親犬や兄弟犬の様子を確認できるのが理想です。

遺伝子検査の実施

親犬が遺伝性疾患のキャリアでないか、遺伝子検査を行っているブリーダーを選ぶと安心です。

質問を遠慮なくする

気になることや不安なことは、ブリーダーに遠慮なく質問し、納得した上で迎え入れを決めましょう。

契約内容の確認

契約書や保証内容を十分に確認し、不明な点があれば必ず質問しましょう。

保護犬として迎える選択肢

保護犬としてジャーマン・スピッツを迎えることも、素晴らしい選択肢です。

さまざまな背景の犬がいる

保護施設には、子犬から老犬まで、さまざまな理由で保護された犬がいます。それぞれの犬に個性や背景があります。

性格や特性を把握しやすい

成犬の場合、性格や生活習慣がすでに形成されているため、迎え入れる側が自身のライフスタイルに合った犬を選びやすいというメリットがあります。

トライアル期間の活用

多くの保護団体では、正式譲渡の前にトライアル期間を設けています。この期間に、実際に犬との生活を体験し、お互いの相性を確認できます。

社会貢献

保護犬を迎えることは、不幸な犬を減らし、命を救うという社会貢献にもつながります。

迎え入れる際の準備品リスト

ジャーマン・スピッツを迎え入れる前に、以下の準備品を揃えておきましょう。

フードと食器

今まで食べていたフードと同じものを準備しましょう。水飲み用の食器も忘れずに。

ケージ・クレート

犬が安心して過ごせる自分だけのスペースであり、留守番時や移動時にも使えます。

トイレトレーとシート

トイレのしつけのために必須です。

首輪・ハーネスとリード

散歩時に使用します。子犬のうちは、成長に合わせてサイズ調整できるものを選びましょう。

おもちゃ

ストレス解消や遊びを通してのコミュニケーションに役立ちます。

ブラシ・シャンプー

被毛ケア用品として必要になるため、お迎え後でも問題ありません。

寝具

犬用のベッドや毛布など、リラックスできる場所を用意しましょう。

消臭剤・ペットシーツ

万が一の粗相に備えて準備しておきましょう。

動物病院の事前リサーチ

かかりつけとなる動物病院を事前に調べておきましょう。

まとめ:ジャーマン・スピッツとの素晴らしい暮らしのために

ジャーマン・スピッツは、その愛らしい容姿と賢く忠実な性格で、多くの人を魅了する素晴らしい犬種です。しかし、その魅力を最大限に引き出し、共に豊かな生活を送るためには、犬種特性の理解と適切な飼育環境、そして何よりも飼い主さんの深い愛情と責任感が不可欠です。

この記事では、ジャーマン・スピッツの歴史から特徴、性格、しつけ、健康管理、そして長寿の秘訣まで、多岐にわたる情報をご紹介しました。日々の健康チェック、定期的な被毛ケア、適度な運動、そして信頼できる動物病院との連携は、愛犬の心身の健康を保つ上で欠かせません。

ジャーマン・スピッツとの生活は、喜びや感動に満ちた素晴らしいものです。この記事が、これからジャーマン・スピッツを迎えようと考えている方、そしてすでにジャーマン・スピッツと暮らしている方にとって、愛犬とのより良い関係を築くための一助となれば幸いです。ジャーマン・スピッツとの生活を心ゆくまで楽しんでくださいね。

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