ビロードのように光沢のあるブルーがかったグレーの被毛が、知的で高貴な印象のロシアンブルー。
「ボイスレスキャット」と呼ばれるほどおとなしく、「愛情深い猫」といわれて飼い主になつきやすいのが人気の秘密です。
純血種の猫種ですから、一緒に暮らしはじめるにはそれなりのお値段がする、と覚悟しなければなりません。
そこで今回は、ペットショップやブリーダーでの価格、どんな人に向いているかなど、ロシアンブルーの特徴についてご紹介します。
この記事の結論
- ロシアンブルーの平均価格は10万円~35万円と、人気ながらお迎えしやすい値段
- 容姿が可愛い、血統書付き、子猫は価格が高騰する傾向になりやすい
- ロシアンブルーの平均寿命は10歳~13歳で猫の平均寿命よりやや短い
- 定期的なブラッシングや肥満にならないよう食事・運動管理が必要
目次
ロシアンブルーの平均の値段は10万円~35万円

残念ながら純血種の猫種は、動物愛護センターや保護団体などの譲渡会でめぐり会えることは滅多にありません。
「飼うならロシアンブルー!」と決めているなら、ペットショップや専門のブリーダーでお迎えすることになります。
猫種にも人気のトレンドがあり、流行によって価格は上下します。最近はどの純血種も10万円~15万円程度なので、ロシアンブルーの値段も平均的といえるでしょう。
高級猫種と比べると安く見えますが、人気の猫種ではあるので価格差はあります。
10万円台になる場合:比較的リーズナブルな価格のロシアンブルー
ロシアンブルーの価格が10万円台、あるいはそれ以下になるケースはいくつか考えられます。
月齢が進んだ子猫(成猫に近い子)
生後間もない子猫は人気が高く価格も高めですが、成長して月齢が6か月以上になると、価格が下がる傾向にあります。
これは、ブリーダーが次の繁殖シーズンに備えてスペースを確保したい場合や、早く新しい飼い主を見つけてあげたいと考えるためです。
性格が形成されつつあるため、落ち着いた猫を求める方にはおすすめです。
ブリーダーのキャンペーンや特別価格
ブリーダーによっては、多産で一時的に子猫の数が増えた場合や、特定の期間に特別価格やキャンペーンを設けることがあります。
また、猫種展(キャットショー)でチャンピオンを目指す子猫ではない場合など、譲渡の機会を増やすために価格を調整することもあります。
譲渡会や保護猫としてのお迎え
純血種のロシアンブルーが、何らかの事情で保護団体や譲渡会にいる場合、里親として迎え入れる費用は数万円(ワクチンや去勢避妊費用、初期医療費など)に設定されていることがほとんどです。
血統書がない場合が多いですが、命を救うという大きな意義があります。
軽微な欠点や個性
ロシアンブルーの血統標準から見て、ごくわずかな被毛の色むらや目の色の差、体格の個性など、繁殖やショーには向かないとされる軽微な欠点がある場合、健康に問題がなくても価格が抑えられることがあります。
30万円を超える場合:高価になるロシアンブルーの条件
一方、ロシアンブルーの価格が30万円を超え、時には50万円近くになることもあります。これには、主に血統や容姿、ブリーダーの実績が大きく関係しています。
チャンピオン犬の血統を持つ子猫
親猫や祖先にキャットショーでチャンピオンタイトルを獲得した猫がいる場合、その血統は非常に価値が高いとされ、子猫の価格も高くなります。
優れた遺伝子を持つ子猫は、将来的に猫種標準に非常に近い美しいロシアンブルーに成長する可能性が高いと見込まれるためです。
ショータイプ(キャットショー向け)の子猫
将来的にキャットショーに出場させることを目的として、猫種標準(スタンダード)に極めて近い容姿や骨格、性格を持つと判断された子猫は、高額で取引されます。
これは、その猫が猫種の理想像を体現し、繁殖プログラムにおいても重要な役割を果たす可能性があるためです。
希少なカラーや特徴を持つ場合
ロシアンブルーの公認カラーはブルー(グレー)のみですが、非常に稀に異なる色合いの子猫が生まれることがあります(ただし、純粋なロシアンブルーとしての血統書が発行されないこともあります)。
また、特定のブリーダーが独自の血統で非常に特徴的な目の色や被毛の質を持つ猫を育成している場合、希少性から価格が高騰することがあります。
経験豊富で実績のある優良ブリーダーからの購入
長年の実績があり、猫の健康管理、遺伝子疾患の検査、社会化に徹底したこだわりを持つ優良ブリーダーから子猫を迎える場合、価格は高めに設定されます。
これは、ブリーダーが費やした労力、医療費、質の高いフード代などが反映されているためであり、結果的に健康で性格の良い子猫を迎えられるという安心感も含まれています。
繁殖目的の子猫
将来的に繁殖活動を行うことを目的とした子猫は、その繁殖能力や遺伝的価値が高く評価されるため、ペットとして飼う子猫よりも高額になります。
このように、ロシアンブルーの価格は、子猫の月齢、血統、容姿、健康状態、そしてブリーダーの方針や実績など、さまざまな要因によって大きく変動します。
価格だけでなく、迎え入れる子猫の健康状態や性格、ブリーダーの信頼性なども総合的に考慮して、最適な選択をすることが大切です。
ロシアンブルーの値段が決まる基準

ロシアンブルーの値段には、最大20万円以上の差異があります。この価格差はどういう理由で基準が異なるのでしょう。
価格高騰の主な理由 | ・子猫 ・健康状態が良好 ・被毛や瞳が良好 ・血統書付き |
価格下落の主な理由 | ・月齢が増している ・病気がある ・被毛や瞳が良好ではない |
ただし、アルビノ、オッドアイはキャットショーや繁殖に適さないないため安値の場合、逆に希少性のため高値の場合があります。
アルビノは遺伝疾患の一種で、先天的なメラニン欠乏のため白い被毛を持ち、目も色素がないため血管が透けて赤色です。
オッドアイは左右の目の色が異なるもので、「幸運を招く猫」といわれていますが、視覚や聴覚に障害を起こしやすいと言われています。
男の子と女の子の性別による価格差はほとんどない
ロシアンブルーの男の子は、飼い主さんに従順で甘えん坊が多く、活発で行動範囲が広いといわれています。
一方、女の子は男の子に比べておとなしく、感情表現をあまりしないミステリアスな性格。
臆病で神経質かと思えば、飼い主さんにはかまってアピールするツンデレちゃんもいるのがロシアンブルーです。
男の子と女の子とで価格差はあまりないので、飼い主さんの好みや相性で選択肢を決めると良いでしょう。
可愛さマシマシの子猫ほど人気が高く値段も高い
幼い子猫ほど値段が高いロシアンブルー。年齢が上がって成猫になるほど、逆に値段は下がっていきます。理由は子猫のほうが人気があるからで、人気と値段は正比例します。
子猫には言い尽くせない愛らしさがありますし、若ければ若いほど長く一緒に暮らせるのも確かです。
とはいえ、飼い主さん自らの年齢と飼える年数を考慮、あるいは虹の橋を渡った先代猫に似た子なら、あえて成猫をお迎えする選択肢もあります。
キャットショーに出したいなら血統書付き
純血種の猫を飼おうと考える方の中には、キャットショーでのチャンピオンを目指す猫を育てたいという人も少なからずいらっしゃいます。
もちろん、ロシアンブルーが出場できるキャットショーは、国内だけでなく世界各地で数多く開催されています。
キャットショーにエントリーするなら、先祖がやはり受賞実績のある血統書付きのロシアンブルーをお迎えすることになり、値段も高額です。
ただし、高額な賞金が出るキャットショーはほぼありません。たいていは猫の喜ぶ賞品です。キャットショーはお金のためではなく、あくまで名誉や栄誉のためと思ったほうがいいでしょう。
実は血統書付きの毛色はブルーのみ
ロシアンブルーの毛色には、ブルー、ブルーポイント、ホワイト、ブラックと4タイプがあります。
ただ、実は正式なロシアンブルーと認められている毛色はブルーのみで、瞳の色もグリーンのみ。そのため、ブルーポイントやホワイト、ブラックには、血統書が付けられません。
猫の血統登録団体としては、世界最大とされる アメリカのThe Cat Fanciers' Association (CFA) が有名で、日本にも支部があります。
エメラルドグリーンの瞳がキレイなくさび型の小顔ちゃん
容姿が整ったロシアンブルーも値段が高騰しますが、では、ロシアンブルーの典型的な顔立ちとはどんなものでしょう。
やや小さめの顔は、おデコからアゴへ向かって次第にせまくなるくさび型。口もとはやさしく微笑んでいるように見えることから、「ロシアンスマイル」と呼ばれます。
切れ上がって大きな瞳は美しいグリーン。子猫の頃はキトンブルーですが、生後3か月くらいからグリーンに変化。 左右はなれて立つ耳は、先がピンととんがっています。
ロシアンブルーのお迎え場所

愛護センターや保護猫NPO、猫カフェなどが開催する譲渡会では、なかなかめぐり会うチャンスがないロシアンブルー。
ですが、飼育放棄や多頭崩壊、悪質なブリーダーからレスキューされたロシアンブルーが、譲渡会にお目見えすることもあります。
保護団体などのSNSをこまめにチェックして、ロシアンブルーの里親募集があったら譲渡会に行ってみましょう。
里親さんになるには譲渡会の主催団体が定める条件をクリアしなければなりませんが、「この子!」と思える運命的な出会いがあるかもしれません。
ペットショップや専門ブリーダーからお迎えする場合も、信頼できる業者かどうか確かめるためにも、必ず足を運んで決断すべきです。
ペットショップでお迎え
ペットショップは、手軽に子猫と出会える場所として人気があります。
価格傾向
- 幅広い価格帯: ペットショップでのロシアンブルーの価格は、15万円~30万円程度と幅広いです。これは、仕入れルート、月齢、性別、容姿、店舗の方針によって大きく異なるためです。
- 流動的な価格変動: セール期間や月齢が進んだ子猫の場合、価格が下がる傾向にあります。逆に、人気のある時期や血統の良い子猫は高値で販売されることもあります。
- 諸費用込みの場合も: ワクチン接種やマイクロチップ装着費用が価格に含まれていることが多いですが、別途かかる費用がないか事前に確認が必要です。
メリット
- 気軽に立ち寄って子猫を見ることができ、気に入った子をすぐに迎えられる。
- フードや飼育用品も同時に揃えられる。
- クレジットカード払いや分割払いなど、支払い方法が豊富な場合がある。
デメリット
- 子猫の親猫や兄弟猫の情報を得にくい。
- ブリーダーと比べて、子猫がどのような環境で育ったのかが分かりにくい場合がある。
- 衝動買いにつながりやすい。
ブリーダーからお迎え
ロシアンブルー専門のブリーダーから迎え入れる方法は、猫の血統や健康状態、性格などを詳しく知ることができ、最も推奨される方法の一つです。
価格設定の特徴(血統重視など)
- 価格帯: ブリーダーからのロシアンブルーの価格は、20万円~35万円、場合によっては50万円以上と、ペットショップよりも高価になる傾向があります。
- 価格に反映される要素:
- 血統の質: 親猫がキャットショーのチャンピオン猫であるなど、優れた血統を持つ子猫は高額になります。これは、将来的に美しい容姿や理想的な性格を受け継ぐ可能性が高いと評価されるためです。
- 健康管理と育成環境: 優良なブリーダーは、親猫の遺伝子検査、適切なワクチン接種、定期的な健康診断、清潔な飼育環境、社会化のための丁寧な関わりなど、子猫の健康と健全な成長に多大なコストと労力をかけています。これらの費用が価格に反映されます。
- ショータイプ・ブリードタイプ: 将来的にキャットショーに出場させることを目的とした「ショータイプ」の子猫や、繁殖活動を行う「ブリードタイプ」の子猫は、その遺伝的価値から特に高額になります。
- 透明性の高い費用: ワクチン代、マイクロチップ代、血統書発行費用などが明確に提示されることが多いです。
メリット
- 親猫や兄弟猫の情報を詳しく知ることができ、将来の姿や性格を予測しやすい。
- ブリーダーから猫種に関する専門的な知識や飼育のアドバイスを直接得られる。
- 子猫が生まれてから新しい環境に慣れるまでの成長過程を把握できる。
- 遺伝性疾患のリスクが低い子猫を選びやすい。
デメリット
- ペットショップに比べて見学できる場所が限られている場合がある。
- すぐに子猫を迎えられない場合があり、予約して待つ必要がある。
保護施設・譲渡会でお迎え(保護猫)
さまざまな事情で飼い主を失ったロシアンブルーが、保護団体や動物愛護センターにいることがあります。
保護猫の場合の費用(医療費、譲渡費用など)
- 価格帯: 純血種であっても、保護猫として迎え入れる際の費用は、販売価格ではなく「譲渡費用」として設定されています。これは、新たな命の費用ではなく、保護団体が猫にかけた医療費(ワクチン接種、不妊去勢手術、健康診断、病気の治療費など)や、保護活動運営のための費用の一部をまかなうものです。
- 具体的な費用: 一般的には数千円~数万円程度で、高額になることは稀です。血統書がない場合がほとんどですが、純血種であることは確認できる場合が多いです。
メリット
- 命を救うという大きな社会貢献ができる。
- 成猫の場合、ある程度の性格や健康状態が分かっているため、ミスマッチが少ない。
- すでに不妊去勢手術や基本的な医療処置が済んでいる場合が多い。
デメリット
- 子猫に出会える機会は少ない。
- 保護された経緯によっては、心に傷を負っている場合があり、時間をかけたケアが必要になることがある。
- 必ずしも希望する純血種が見つかるとは限らない。
各お迎え場所の価格と安心感の比較まとめ
お迎え場所 | 価格傾向 | 価格以外の安心感のポイント |
---|---|---|
ペットショップ | 幅広い(15万~30万円程度)。セール時期などで変動。 | 手軽に見学・購入可能。飼育用品も一緒に購入できる。 |
ブリーダー | 比較的高価(20万~35万円以上)。血統や育成に比例。 | 親猫や兄弟猫の情報が得られ、将来の予測がしやすい。 専門知識を持つブリーダーからの直接アドバイス。 健康・性格面での安心感が高い。遺伝性疾患のリスクを把握しやすい。 |
保護施設・譲渡会 | 安価(数千円~数万円)。医療費・活動費の一部。 | 命を救う社会貢献。成猫の場合、性格が確定している。 基本的な医療処置済みのことが多い。 |
ロシアンブルーを迎え入れる際は、単に価格だけでなく、その猫の健康状態、性格、育った環境、そして飼い主自身のライフスタイルや猫にかけられる時間・経済的余裕などを総合的に考慮し、最も適切な方法を選ぶことが重要です。
ロシアンブルーを迎える前の注意点

ロシアンブルーをお迎えする前に、おうちをロシアンブルーが暮らしやすい環境に整えておくことも重要です。
暮らしはじめたら、その子の好みやクセもわかってきますから、少しずつ必要なものを買い足していきましょう。
ストレスを与えない環境を作っておく
比較的おだやかな性格のロシアンブルーですが、神経質で臆病な一面もあります。
そのため、大きな物音には敏感。ストレスを与えないよう、なるべく静かな環境で育ててあげることが肝心です。
また、人懐っこい反面、知らない人には人見知りします。来訪がある時には隠れられる場所も用意してあげましょう。
健康状態を確認しておく
ロシアンブルーをお迎えするに際して、その子の既往歴や健康状態、ワクチン接種歴などを確認しておきましょう。
万が一、病気や障害のある子を引き取る場合は、本当に自分が育てられるのかどうかをよく考えてから実行すべきです。
猫は、「猫ウイルス性鼻気管炎(猫ヘルペスウイルス感染症)、猫カリシウイルス感染症、猫汎白血球減少症(猫伝染性腸炎)」を予防する3種混合ワクチンを、3年に1回接種することが推奨されています。
あらかじめご近所に通いやすく、信頼できる動物病院があるかどうかも確かめておきましょう。
猫の性格を確認しておく
愛情深く、なつきやすく、物静かとされているロシアンブルーですが、もちろん個体差はあります。
遊び好きで元気な子?それとも、ひざに乗って甘えてくる子?…実際に会って確かめて、ご自身との相性の良い子をお迎えしましょう。
お迎えした後で「思っていた以上に元気な子!」となることもありますので、あくまで目安程度に考えておきましょう。
迎え入れた後のアフターフォローの有無を確認しておく
ペットショップやブリーダー、また譲渡会を実施している動物愛護団体などにも、アフターフォローが充実しているところはあります。
飼育法や問題行動があった場合などに、相談できるかどうかも確認しておきましょう。
猫には基本的にしつけを必要としないため生活していくうえで大変だと思えることは多くないですが、悩んだときに相談できる場所があることは飼い主さんにとって大切なことです。
ロシアンブルーの基本情報

見た目も美しく、「愛情深い猫」と呼ばれるロシアンブルーは、純血種のトップ10にもランキングされる人気の猫種。
ただ、お迎えしてから「やっぱりこの子は私に合わない」と、飼育放棄するのは絶対にNG。
飼い主さんも愛猫も、幸せに暮らし続けるために、前もってロシアンブルーの特徴を知っておきましょう。
活発で甘えたがりな性格
飼い主に忠実で懐きやすい
ほとんど鳴かない
運動量は平均以上に多い
その他情報
原産地 | ロシア |
猫種公認団体 | CFA,FIFe,GCCF,TICA |
大きさ | 中型 |
平均寿命 | 10歳~13歳 |
なりやすい病気 | 尿路結石症,尿毒症,関節疾患,糖尿病 |
参考価格 | 10万円~35万円 |
被毛
抜け毛 | 少ない |
毛質 | ダブルコート |
毛色 | ブルー,ブルーポイント,ホワイト,ブラック |
毛の長さ | 短毛 |
ロシアンブルーの歴史
ロシアンブルーの起源は定かではなく、さまざまな言い伝えがあります。ロシア皇帝の愛猫だったとか、イギリスのヴィクトリア女王がお気に入りだった猫の子孫であるとか…。
最も有力な説は、ロシア北部のアルハンゲリスク島で自然発生した猫種が、1860年代にイギリスや北欧に船で連れてこられたというものです。
1880年代、銀色に美しく輝く毛並みが貴族や猫愛好家を魅了し、ヨーロッパ全土に人気が広まりました。
第二次大戦で一時個体数が激減しましたが、その後、イギリスやアメリカのブリーダーたちによって繁殖や交配が進められ、現在のように定着しました。
ロシアンブルーのサイズ(体高・体重)
猫の体型は、体格によって以下の6つのボディタイプに分けられます。
ボディタイプ
- コビー:ヒマラヤンやマンクスのように、どっしりした筋肉質で、胴や手足は太く短め。
- セミコビー:アメリカンショートヘアーやスコティッシュフォールドのように、やや長めの胴や四肢、尻尾が特徴。
- オリエンタル:シャムなどのように、頭は小さくて逆三角形、胴体や手足が細長くスリム。
- フォーリン:ロシアンブルーや日本猫はこの代表。筋肉質でスレンダー。
- セミフォーリン:マンチカンやスフィンクスのように、やや小さめの細身体型。
- ロング&サブスタンシャル:メインクーンやラグドールのように、胴体が長く、どっしりした骨太&筋肉質。
ロシアンブルーは上記の通り、フォーリンという筋肉質でスレンダーな体型です。
成猫時の体高と体重は以下の通りで、スリムな体系でもあることからシュッとした雰囲気が見て取れるでしょう。
体高 | 25cm~27cm |
体重 | 3kg~5kg |
特別に重くもなく大きくもない、平均的な猫の大きさだと言えるでしょう。
毛色はブルー、ブルーポイント、ホワイト、ブラックの4種類
ロシアンブルーの被毛はダブルコートと呼ばれる、アンダーコート(下毛)とオーバーコート(上毛)の二重構造。毛質はやわらかで、シルクのようになめらかなタッチです。
ロシアンブルーとして公式に認められ、血統書が与えられる毛色はブルーのみですが、ほかにも3種類カラータイプがあり、それぞれに人気です。
ブルー(灰色) | ロシアンブルーの正統派、ブルーグレーの毛色。 ティッキングという濃淡が1本1本の毛にあり、光の当たり具合によってはキラキラ輝くシルバーに見えます。 |
ブルーポイント | ベースカラーは白ですが、鼻先、耳、手足、しっぽにブルーのポイントが入るのでこう呼ばれます。 ブルーポイントを持つシャム猫との交配によって誕生しました。 |
ホワイト | ロシアンホワイトとも呼ばれ、希少な毛色です。 第二次大戦後、オーストラリアのブリーダーがさまざまな猫種と交配して生まれました。 |
ブラック | ホワイト同様、オーストラリアのブリーダーによって生み出された、大変希少な毛色。 ほかのカラーのロシアンブルーに比べ、ややスリムに見えます。 |
ロシアンブルーといえばやはり、その名前にもなっているブルーグレーが印象的。一般的なロシアンブルーの毛色です。
愛情深い性格だけどヤキモチやきの一面も
人懐っこく落ち着いたおだやかな性格で、初心者の方にも飼いやすいロシアンブルー。その反面、やや神経質で警戒心が強く臆病なところもあり、来客時にはかくれてしまう子も多いようです。
また、「犬のような猫」とも呼ばれていて、飼い主さんには従順で忠実ですがそれだけに嫉妬しやすい一面もあります。飼い主さんの愛情を独り占めしたがる性質なので、多頭飼い向きとはいえません。
ロシアンブルーの平均寿命
猫の平均寿命は12歳~18歳と言われており、これに対してロシアンブルーの平均寿命は10歳~13歳とやや短めです。
命あるものにはいつか終わりが来るものですが、猫に限らず生きものと暮らすならペットロスにならないよう覚悟しておかねばなりません。
でも、できれば長生きしてほしい、できるだけ長く一緒に暮らしたいというのが、飼い主さんの願いですよね。
そのためには、ロシアンブルーがかかりやすい病気について知っておくことも必要です。
ロシアンブルーが発症しやすい病気
ロシアンブルーが発症しやすい病気は以下です。一緒に長く暮らしていく上で、気をつけておきたい病気やケガについて、ちゃんと把握しておきましょう。
尿路結石症 | 尿路に結晶や結石ができてしまう病気。 |
糖尿病 | インスリン不足により血中の糖が増える病気。 |
関節疾患 | 関節が壊れたり変形したりして生じる病気。 |
肥満 | 脂肪細胞に過剰な脂肪が蓄積して、さまざまな病気を引き起こす。 |
尿路結石症
ペットとして暮らすイエネコのルーツは砂漠地帯に住むリビアヤマネコなので、乾燥した環境に適応しやすく、少量の水で生きていけます。
そのため、尿が濃縮されて結晶ができやすく、猫下部尿路疾患(F.L.U.T.D.)などの泌尿器系トラブルになりやすいとされています。
神経質な面のあるロシアンブルーはストレスから水をあまり飲まなくなり、尿路結石症(にょうろけっせきしょう)を起こしやすい猫種です。
頻尿や血尿の症状があらわれたら、迷わずすぐに動物病院へ!尿石をつくりやすいミネラルのとりすぎにも注意が必要です。
糖尿病
ロシアンブルーはよく食べる猫種です。大食漢なのにあまり運動をしない子は、肥満だけでなく、糖尿病(とうにょうびょう)にも要注意。
食事量が急に増えたり、いつもより水を大量に飲んだりして、オシッコの回数が増える、体重が急激に減るなどは、糖尿病のサインです。
早食いも糖尿病になりやすいので、早食い防止のディッシュなどに変え、飼い主さんと遊ぶ時間をつくって、適度な運動を心がけてあげましょう。
関節疾患
近頃、お気に入りのキャットタワーに登らなくなった。じゃらしてもあまり遊んでくれない。歩き方がいつもと違って、なんだか不自然。
こんなことが気になったら、関節疾患を疑ってください。気づかない間に骨折やねんざをして、関節の腫れや変形を起こしているかもしれません。
ロシアンブルーは大人しい猫なので活発に動くことは少ないかもしれませんが、日頃からスキンシップを欠かさない飼い主さんならすぐ気づくはずです。
肥満
スレンダーなロシアンブルーですが、大食漢なので肥満にも注意が必要。肥満はあらゆる病気を引き起こす原因ともなります。
太りやすい子はカロリー控えめの食事に切り替え、運動しやすい環境をつくりましょう。
ボディコンディションスコア(BCS)を確認して、肥満ではないか日々確認しましょう。

理想的とされている体型はBCS3になるため、肋骨に触れられる程度か確認してみましょう。
ロシアンブルーと仲良く暮らすための飼い方

「ボイスレスキャット」と呼ばれるロシアンブルーはあまり大きな鳴き声をたてないので、マンションやアパートなどでも飼いやすい猫種です。
もちろん、ペット可の集合住宅に限ります。大家さんや周辺の住民にかくれるように暮らすと、飼い主さんにも愛猫にも精神的負担になります。
特にロシアンブルーはストレスを感じやすいので、のびのびと暮らせる環境を整えてあげることが大切です。
ロシアンブルーは賢くてしつけやすいけど最初が肝心!
「犬のような猫」といわれるように、ロシアンブルーは賢くてしつけも入りやすい猫種です。
でも、どんな猫でもしつけはお迎えしたてが肝心。特にトイレの場所は早めに覚えてもらいましょう。
また、猫の本能である爪とぎをやめさせることはできません。猫用の爪とぎ器を用意して、爪とぎしてほしくない場所には防止テープを貼るなどの対策を。
徹底したしつけが必要なほど困ることはないでしょうが、本能で行っている行動をやめさせることはできませんので、飼い主さんが対策を施すしかありません。
ブラッシングは最低でも週2~3回、換毛期は入念に
ロシアンブルーは短毛種ですが、ロシア生まれのため、寒さから身を守るダブルコート。
抜け毛は少ない猫種ですが、3月~5月頃と9月~10月頃の換毛期には抜け毛が増えますので、1日1回ブラッシングをしてあげましょう。
ブラッシングしないと猫が体をなめて抜け毛を飲み込み、毛玉がお腹にたまる毛球症という消化器系の病気も引き起こしかねません。
子猫の頃から歯磨きに慣れさせておく
歯磨きは猫に対しても必要なケアのひとつなので、子猫の時期から歯磨きに慣れさせることは重要です。
成猫になってから歯磨きを始めると慣れさせるのに時間がかかるだけでなく、猫への大きなストレスにもなります。
猫の歯磨きトレーニングの開始時期は、乳歯が生え揃い始める時期からが理想なので、なるべく早い段階でスタートしましょう。
しっかり運動できる環境を確保する
ロシアンブルーは肥満になりやすいので、キャットウォークやキャットタワーを設置して、運動しやすい環境を整えてあげましょう。
特に子猫のうちは、たっぷり遊んであげることが大切。1日15分でもいいので、毎日飼い主さんが相手をしてあげると猫もストレスをためません。
中高齢期にさしかかる7歳ぐらいからは高い場所に飛び乗れなくなる場合もあるので、ステップを用意するなどの工夫が必要です。
室内温度と湿度を調整する
ロシア生まれのロシアンブルーは寒さには強いのですが、暑さには弱いというウィークポイントがあります。
高温多湿の日本の夏は、ロシアンブルーには過酷な環境です。エアコンの温度は常に25℃前後を保つようにしましょう。
特に子猫やシニア猫は温湿度の変化が体調に影響しますから、夏場は接触冷感のマットや保冷剤入りのクッションで暑さ対策を。
快適な室温 | 25℃前後 |
快適な湿度 | 40%~60% |
冬場にエアコンを使う際には乾燥しやすくなるため、特に湿度の維持については注意が必要です。
フードは年齢や目的に合ったものを選ぶ

猫はライフステージによって必要な栄養が異なるためキャットフードを選ぶときは、まず愛猫の年齢を考慮することが大切。
成長期の子猫には必要な栄養がしっかりとれる成長用フードを選び、成猫には活動レベルや栄養ニーズに合わせた成猫用フードを選ぶといいでしょう。
シニア猫向けのキャットフードへの切り替えは7歳~10歳頃が目安。7歳~10歳はまだ中高年期ではあるものの、代謝が落ちてくるため肥満になりやすく、病気のリスクも高まってきます。
そのため老化に伴う健康問題や、体重管理に配慮した成分が含まれているシニア用キャットフードを選びましょう。
ロシアンブルーはこんな飼い主さんにおすすめ

人と人に相性の良し悪しがあるように、猫と人にも相性の合う合わないがあります。
ロシアンブルーの特徴をふまえて、ご自身のライフスタイルや好みに合うかどうかよく検討してからお迎え入れしましょう。
美しい容姿の猫と暮らしたい人
被毛や瞳の色が美しく、バランスの取れたスタイル、凛とした気品あるたたずまいから、ロシアンブルーの容姿にひかれる人も多いようです。
その美貌を保つためのお手入れも比較的ラクなのが、ロシアンブルーの魅力でもあります。
保護猫でノミや汚れがある場合を除き、シャンプーを嫌がる子には必ずしも必要ありません。入浴させるとしても夏場に1回で充分。
抜け毛も少ない猫種ですが、換毛期なら1日1回、それ以外なら2日に1回ブラッシングしてあげましょう。
人懐っこい猫をお世話したい人
ロシアンブルーは愛情深く、なつきやすい甘え上手。猫と寄り添うように暮らしたい人にはぴったりでしょう。
ただし、いつも飼い主さんの後をついてまわる、ストーカーのような子になる場合も多いです。しつけは入りやすいので、甘やかしすぎて愛猫のワガママにふりまわされないよう気をつけてください。
悪いことをしたときは、すぐその場でしかること。叩いたり、怒鳴ったりはストレスを与えるのでNG。噛まれそうになったら、すぐにそこを立ち去って距離を置きます。
猫と楽しく遊んで過ごしたい人
ロシアンブルーは飼い主さんと遊ぶのが大好き。短い時間でもいいので、猫じゃらしやボールなどでこまめに遊んであげましょう。太りやすい体質なので、肥満防止のためにも遊びは欠かせません。
また、抱っこ好きの子も多いので、スキンシップも忘れずに。嫌がり始める前には解放してあげましょう。
この記事の執筆者
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