犬の病気・健康

犬が異物誤飲したときの症状と対処法は?飲み込みやすいものと予防法

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犬は興味・好奇心が強い動物なので、興味が惹きつけられるものを見つけると口に咥えて確認しようとします。

それが食べられるもの、おいしいものであればごくりと飲み込んでしまうのもうなずけます。

しかし愛犬が異物を飲み込んでしまうと、体調不良を招いたり、最悪のケースでは死に至る場合もあります。

この記事では犬が異物を誤飲してしまった場合の対処法や、誤飲の予防法について詳しくご紹介していきます。

この記事の結論

  • 犬は好奇心が強い動物なので興味を持つと口に入れて確認しようとする
  • 誤飲は場合によっては重篤な症状を引き起こし、最悪の場合死に至ってしまう
  • 誤飲させないために食べ物を放置しない整理整頓するなど生活環境を整える
  • 愛犬にストレスからくる誤飲をさせぬよう、健康で安定した精神状態を維持できるようサポートする

三浦 優子

担当執筆者

三浦 優子

第一種動物取扱業(訓練)/犬の栄養管理士アドバンス/JKC愛犬飼育管理士

自身の飼育するビーグル犬が噛み犬でしつけに大変苦労した経験から長年の憧れだったドッグトレーナーの許可を2022年に取得、ドッグトレーナーとして起業。
現在は出張訓練をメインとし、自身の犬、生徒さんの犬と訓練競技やノーズワークなどに取り組む。

nademo編集部

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犬の異物誤飲は日常生活で起こりやすい事故のひとつ

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なにが食事であるか、なにが異物であるかというのは、犬にとって簡単に判断できるものではありません。

ですが通常、家の中にはさまざまなモノが溢れかえっており、中には犬の口にすっぽり入ってしまうようなモノもあります。

これらを意図せず口に入れてしまったり飲み込んでしまうこともあり、気づかないうちに誤飲してしまうことも。

誤飲に繋がるモノは多種多様なので、普段から気をつけていても、どうしても愛犬の手の届く範囲にあることも考えられます。

異物誤飲は特に子犬や食欲旺盛な子が起こしやすい

好奇心旺盛でなんでも口に入れてしまう子犬や、元来食べることに貪欲な食欲旺盛な子は異物誤飲を起こしやすいといえます。

なにを口に入れていいのか、なにを口に入れてはいけないのかがわからない以上は、簡単に口に入れて飲み込んでしまうこともあります。

特に子犬や食欲旺盛な子をお世話している場合は、特に誤飲に注意が必要です。

子犬を迎える際は飼育するエリア全体に誤飲する危険がないかチェックし、環境を整えてから迎えるようにしてください。

異物誤飲は死に至る危険もある

異物誤飲をした場合、飼い主さんがそばにいてすぐに動物病院を受診することができれば、催吐処置や内視鏡での異物除去ができます。

しかし、飼い主さんがそばにいなかった場合や、飲み込んでしまったものの種類、体内で異物が留まってしまった場所の影響、中毒性のあるものを誤飲した場合など、最悪死に至る危険も潜んでいるのです。

また、完全に飲み込んでしまってから排泄物として出てこないようであれば、開腹手術が必要になるケースも考えられます。

異物誤飲は飲み込んでからどれだけ早く対処できるかが重要になるため、一刻を争う状況です。

犬が誤飲しやすいもの

なにを誤飲するか、というのは普段から気にしていなければ気づけないものです。

そのため、犬がどんなモノなら誤飲しやすいのか、一例を把握しておきましょう。

ひも状のもの

  • 靴ひも
  • ビニールひも など

ある程度の長さのひも状ものを飲み込んでしまうと、喉に詰まらせたり腸閉塞を起こしたりする可能性があります。

また、時間の経過とともに腸が壊死したり、腸が傷つき穿孔(せんこう、穴が開くこと)して腹膜炎を起こし重篤化することもあります。

パーカーの紐やズボンの紐などを飲み込んでしまうこともあるので、服の出しっぱなしにも注意が必要です。

先端が尖っているもの

  • 画びょうや裁縫針
  • 竹串やつまようじ
  • 鳥の骨
  • くぎ など

先端が尖っているものを誤飲してしまうと、尖った先端で胃や食道の粘膜や消化器を傷つけたり穿孔させたりすることがありますので、決して吐かせないようにしてください。

現場を見ていなかった場合には、誤飲した可能性のあるものをいくつか洗い出し写真を撮っておきます。

その後、動物病院を受診した際に、飲み込んだものを特定するために写真が役立つでしょう。

食事を与えると異物が体内で移動してしまう可能性があるので、受診するまでは与えないようにします。

小物類

  • ボタン
  • ビー玉
  • スーパーボール
  • アクセサリー など

愛犬の大きさに対して、飲み込んだ小物類の大きさが小さければ自然に便とともに排出されることもあります。

ですが、体内に留まってしまうと、嘔吐・食欲不振・腹痛などの症状が現れることがあります。

吐きたいけれど吐けなくて食道に詰まってしまい、呼吸困難に発展してしまうこともあるでしょう。

日用品

  • ティッシュペーパー
  • ヘアゴムやヘアピン
  • ペットシーツ
  • 綿棒 など

ティッシュペーパー、ペットシーツ、綿棒などは体内で水分を吸収して膨張し、腸閉塞を引き起こすことがあります。

これらの日用品は犬のお世話をするさいに必要で身近なものだけに特に誤飲に気をつけたいものです。

日用品は気付かないうちに床に落としたりしがちですので、管理を徹底しましょう。

薬品や有害物、タバコ

  • 人間用の薬
  • 乾燥剤
  • 害虫駆除剤
  • ボタン電池
  • タバコ など

乾燥剤には、シリカゲル、塩化カルシウム、生石灰などの種類があり、シリカゲルは毒性が弱いです。

ただ、塩化カルシウム、生石灰は強い毒性を持っていて、体内に入ると粘膜の炎症や潰瘍を引き起こします。

塩化カルシウム、生石灰は目に入っても危険です。角膜の障害により、失明に至ることもあります。

乾燥剤を誤飲してしまった場合は乾燥剤の種類を把握します。人間の医薬品などを飲み込んでしまった場合も同様で、医薬品の種類によって対処方法が変わってきます。

タバコに含まれるニコチンは短時間で中毒症状が現れます。これらの薬品や有害物を誤飲してしまった場合は種類の特定と素早い対処が求められます。

犬用おもちゃ

  • 紐のついたもの
  • 噛んだら千切れてしまうようなもの
  • 口に入れて飲める込めるサイズのもの

犬用のおもちゃはさまざまな素材でできています。共通しているのは大抵の愛犬はおもちゃが好きですので、執着します。

おもちゃが自分のものになると抱え込んで放さず、咥えたり噛み砕いて楽しんでいるうちに飲み込んでしまうことがあります。

おもちゃが大好きな愛犬の場合はおもちゃを出しっぱなしにしないなど、おもちゃの管理に特に注意し、おもちゃで遊んでいる間は目を離さないようにしましょう。

植物

  • ユリ科
  • ツツジ科
  • サトイモ科 など

チューリップやヒヤシンス、カサブランカなどのユリ科の植物には毒性があり、切り花を活けた花瓶の水にも毒性のある物質が溶け出しているので愛犬が接触しないよう注意が必要です。

街路樹などに多く見られるツツジも毒性が高い植物です。幼少期などに根本の甘い蜜を舐めた経験のある人も多いと思いますが、人間より身体の小さな愛犬は危険な中毒症状を引き起こす場合があります。

また、鑑賞用として人気のあるポトス、モンステラ、アンスリュームなどのサトイモ科の観葉植物は根や茎に毒性物質があります。

これら以外にも観葉植物には愛犬にとって毒性のある物質を含むものが多いので、愛犬のいる家庭で観葉植物を飾ることはおすすめしません。

犬が食べると危険な食べ物

飼い主さんが気をつけなければいけないことは、私たちが食べる食材の中にもあります。

犬にとって食べると体に悪影響を及ぼす食べ物は、キッチンに入ってきたり食事中に食べてしまうことも。

これらの食べ物を誤食させないよう、特に注意する必要があります。

野菜

  • ぎんなん
  • にら
  • わさび
  • タマネギ
  • ネギ など

タマネギや長ネギ、あさつきなどに代表されるネギ類、ネギ属のにら、にんにく、らっきょうなどには犬にとって毒性のある物質が含まれています。

これらを食べると溶血性貧血を発症する恐れがありますので、生、加熱、またこれらの野菜を用いたスープなどは絶対に与えてはいけませんし、徹底して誤飲を防止してください。

秋になると道路などに落下しているぎんなんも毒性があるので拾い食いなどしないように注意しましょう。

辛味成分が多く含まれるわさびも胃腸の不調や下痢・嘔吐などを引き起こす可能性があり、避けるべき野菜です。

果物・フルーツ

  • アボカド
  • イチジク
  • グレープフルーツ
  • スモモ
  • ブドウ など

アボカドに含まれるペルシンやイチジクに含まれるソラレン・フィシンといった成分は愛犬にとって有害で下痢や嘔吐、口内の炎症などを引き起こします。

グレープフルーツや他の柑橘類は外皮を誤食しないように注意しましょう。有害な物質が含まれているので、外皮ごとカットした状態でテーブルの上に置いたままにしないようにしてください。

スモモ(プラム)に含まれているアミダリンという成分に毒性はないのですが、愛犬の体内で分解されると猛毒の青酸が発生し中毒症状を引き起こします。

ブドウは大変危険な果物で誤飲することで急性腎不全に罹患する心配があります。

ブドウに含まれるどのような成分が毒なのか、ブドウのどの部分に毒性があるのかなどについて未だに解明されていません。

肉類

  • 生肉

愛犬に肉類を与えることの是非については、肉の種類や部位、加熱か非加熱かなどさまざまな情報が溢れています。

普段の食事で生肉を食べている愛犬は上手に消化できますが、生肉を食べ慣れていない愛犬が誤食してしまうと体調の悪化を招くことがあります。

肉類を与えたい場合は人間用の生食用の肉を軽く加熱した状態で少量から慣らし、様子を見てあげましょう。鶏の骨などは与えないようにします。

魚介類

  • ししゃも
  • ウニ
  • 魚の骨
  • わかめ
  • イカ・エビなどの甲殻類 など

ウニやイカ、エビなどの甲殻類にはチアミナーゼという酵素が含まれており、この酵素が愛犬にとって必要なビタミンB1を分解してしまい、チアミン欠乏症を引き起こします。

チアミン欠乏症とはいわゆる脚気で、倦怠感、筋力低下による歩行障害、視力障害などの症状となって現れてしまうのです。

チアミナーゼは加熱することによって消失しますので、加熱して与える分には問題ありませんが、これらの食材をあえて与えるメリットはあまり見当たりません。

市販されているししゃもは、多くの塩分が含まれているので、塩分過多になる恐れがあります。

わかめなどの海藻類は消化しにくいので、細かく切るなどの調理上の工夫が必要となります。

魚の骨は栄養的には愛犬に与えたい食材ではありますが、柔らかく煮る、細かく切るなどの手を加えて喉に刺さったり消化不良にならないような工夫が必要です。

乳製品

  • 練乳
  • 牛乳
  • 生クリーム
  • バター など

牛乳には犬が分解することができない乳糖が含まれており、摂取すると下痢や嘔吐などを引き起こすことがあります。

乳製品である練乳や生クリーム、バターにも乳糖が含まれていますので、牛乳同様誤飲には注意が必要です。

脂肪分・糖分が多く含まれている点からも愛犬の食材として適当ではないでしょう。

加工食品

  • ハムやソーセージなどの加工食品
  • ナッツ類
  • キシリトール
  • チョコレート など

ハムやソーセージなどの加工食品は塩分や食品添加物が多く含まれています。

ナッツ類、中でもマカダミアナッツは少量でも口にすると嘔吐や発熱、立ち上がれなくなるなどの中毒症状が現れることがあります。

マカダミアナッツ以外のナッツ類も非常に油分が多く高カロリーですし、殻ごと誤飲して喉に詰まらせるなどのリスクがあります。

ガムやお菓子などに甘味として使用されるキシリトールはインスリン分泌を促し、その結果インスリン濃度が上昇することで低血糖となります。

また、肝障害が重篤化する危険もあり、徹底して避けるべき食材です。

チョコレートの原料であるカカオ豆にはテオブロミンという苦味を感じさせる成分が含まれています。

犬はテオブロミンを分解処理する脳力が低いため、チョコレートを食べると中毒症状を起こしてしまいます。

調味料

  • 料理酒
  • みりん
  • スパイス類(塩、胡椒、唐辛子、カレー粉)
  • ケチャップ
  • マスタード など

料理酒もお酒です。愛犬はアルコールを分解する酵素を持っていないので、少量の酒でも中毒症状を起こすことがあります。

みりんにもアルコールが含まれていますので、決して与えないでください。

スパイス類はどれも犬の味覚や胃腸に強い刺激を与えます。

下痢や嘔吐、胃腸障害などになりかねませんので、誤飲しないよう注意しましょう。辛いマスタードも同様です。

ケチャップには材料のひとつとして犬にとって危険なタマネギが使われていることがありますので、注意して管理してください。

飲み物

  • お酒(アルコール)
  • コーヒー
  • ココア
  • 紅茶
  • 緑茶 など

分解する酵素を持っていないのでお酒(アルコール)を愛犬に与えてはいけません。中毒症状を起こしてしまいます。

コーヒー、紅茶、緑茶などカフェインが含まれている飲み物を摂取するとカフェイン中毒に罹る恐れがあります。

ココアの原料はチョコレートと同じカカオ豆です。

含まれているテオブロミンにより中毒症状を起こすことがありますので、カカオそのもの、部分的にカカオが使用されたお菓子などにも注意してください。

犬が異物を誤飲したときに見られる症状と対処法

誤飲した場面を見ていればすぐに対処できますが、そのようなことばかりではないでしょう。

それでも早めに気づく必要はありますので、愛犬の様子を確認する癖はつけておくべきです。

注意したい症状

こうした様子が見られるときには、異物誤飲が原因になっている可能性もあります。

その他の病気やケガによっても見られるものばかりですが、何かを飲み込んだ形跡がないかどうかを確認する必要もあるでしょう。

誤飲に気付いたらすぐに動物病院へ

愛犬が誤飲したことに気付いたら、何はともあれかかりつけの動物病院へ急ぎましょう。

かかりつけの動物病院が休診日だったり、診療時間外だったり、診療していない夜間だったりすることもあるかもしれません。

誤飲は緊急事態に発展することもありますので、日頃から休診日に開院している他の病院や救急病院を調べておき、連絡先を家族と共有しておくことをおすすめします。

病院へ連れて行く前に飼い主さんがすべきこと

飼い主さんがすべきこと

  • 何をどれくらい飲み込んだのか確認
  • 誤飲後の経過時間を確認
  • 誤飲した後の様子の確認

愛犬を病院へ連れて行く前にいつ何をどのくらいの量飲み込んだのか確認し、メモに残します。

嘔吐物や排泄物がある場合は持参しておくことで、獣医師も詳細を判断しやすくなります。

必要に応じて写真や動画を撮っておいて、獣医師に見てもらうと良いでしょう。

無理に吐かせるような行為は絶対にしない

愛犬が誤飲した場合、「すぐに処置しなければ」と思い、焦って吐かせることは絶対にしてはいけません。

もし尖ったものを誤飲していた場合、吐かせる際に胃や食道に穿孔を起こす可能性があるからです。

開いた穴から細菌が進入し、重篤な症状を招く危険性があります。

吐かせなければいけないような状況だと理解していたとしても、必ず獣医師による治療を受けてください。

犬の異物誤飲の検査と治療法

異物誤飲だと疑われるときには、自己判断ではなく獣医師の診断をあおぎましょう。

様子見はせず動物病院へ行き、場合に応じて救急に行く必要もあります。

犬の異物誤飲の検査内容

  • 検査
  • レントゲン検査
  • 造影検査
  • 超音波検査
  • 血液検査 など

誤飲をしてしまった際、病院で行われる検査にレントゲン検査があります。

誤飲した異物と体内のどこに留まっているかを確認します。レントゲン不透過性の異物はその場で確認することができます。

中毒性のある物質の誤飲が疑われる場合は血液検査を実施し、全体的な健康状態、脱水の有無、炎症反応などを確認します。

消化管の閉塞が疑われる場合は閉塞の有無と閉塞箇所を特定するために造影検査を行う場合があります。

造影剤によって異物が押し流され、閉塞が解消するケースもあるようです。

超音波検査では臓器の異常な拡張や変形の有無をチェックすることができます。

犬の異物誤飲の治療法

食道に異物がある場合

食道に異物がある場合、まずは愛犬の負担が小さい内視鏡を使って摘出を試みるケースが多いようです。

難しい場合は患部を切開して外科的に処理します。

異物を食道から胃に押し出して胃を切開する方法が検討されるケースもあります。

胃に異物がある場合

胃内の異物は内視鏡での摘出が可能な場合が多いようです。

大きな異物や先端が尖っていて内視鏡摘出の際に粘膜の損傷や穿孔を起こす可能性がある場合は、外科的摘出を選択します。

腸に異物がある場合

胃を通過し腸内に到達した異物の多くが腸閉塞の要因となります。

腹膜炎や敗血症などの合併症に発展する可能性が高く、死亡率も高くなってしまいます。

内視鏡で摘出不可能な場合は外科的に摘出し、消化管の損傷や壊死が見られる場合はその部分を切除したり抱合する場合もあります。

異物誤飲の平均診療費は約3万円

傷病名平均値中央値
消化管内異物/誤飲32,469円/年14,091円/年
出典:アニコム「家庭どうぶつ白書 2023」

通常の異物誤飲では外科手術が必要ないケースであれば、高くても3万円程度です。

救急であっても1回あたり15,000円程度であることが多く、大きな負担にはなりづらいです。

異物誤飲による入院や手術費用は高額になる

内訳平均値中央値
手術費141,687円/年110,418円/年
入院費118,577円/年89,430円/年
出典:アニコム「家庭どうぶつ白書 2023」

もし異物が胃の中ではなく、腸にまで進んでしまうと外科手術が必要になるケースもあります。

このような場合には本格的な手術となってしまうため、治療費も非常に高額です。

愛犬の異物誤飲の予防方法

異物誤飲を防ぐために必要なことは、飲み込んでしまいそうなモノを出しっぱなしにしないということ。

そして愛犬の手の届くところ、口に運んで食べられる場所にモノを置いておかないということが全てです。

購入した食品はすぐにしまう

食品を購入したらキッチンなどに置きっぱなしにせず、すぐにしまうように習慣化しましょう。

愛犬は買い物など人間の行動をよく観察していますので、買い物から帰ったらすぐに食品をしまう行動パターンを覚えれば、食品に興味を示さなくなるでしょう。

特に好奇心旺盛な子だと新しく購入してきたものは興味を示しやすいので、早めに目につかないところへ隠す必要があります。

人間の食事はすぐに片付けるようにする

人間の食事の前後、テーブルに食事が乗った状態で愛犬から目を離すのはやめましょう。

食事は、配膳するときも片付けるときも手早く行うようにします。

愛犬はテーブルの上に食べ物は無いということを覚えれば、人間の食事に興味を持たなくなります。

もちろん、テーブルから直接愛犬に食べ物を与えないというルールも大切です。

室内は常にキレイな状態にしておく

愛犬が暮らす室内が散らかっていて床や床に近いエリアにモノが散乱している状態だと、誤飲を招きやすくなります。

室内は常にキレイな状態に維持し、モノの収納を徹底するように心がけましょう。

ホコリやダニ・ノミなども防ぐことができるため、一石二鳥と言えるでしょう。

侵入してほしくない場所にゲートを設置する

キッチンや食べ物の収納スペースなど、愛犬に進入してほしくない場所にゲートを設置するのもおすすめです。

ゲートは確実に愛犬が飛び越えられない高さであること、愛犬が自力で開閉できないこと、力ずくで破壊できない丈夫なものであることなどが担保されていることが重要です。

特に飼い主さんがいないときには重要なゲートとして力を発揮してくれるでしょう。

おもちゃは頑丈で飲み込めないサイズを選ぶ

愛犬が大好きなおもちゃであればあるほど執着心を持つので、誤飲の危険性が高まるともいえます。

おもちゃは愛犬が破壊することができない頑丈な素材かつ飲み込むことができないサイズのものを選びましょう。

愛犬がおもちゃで遊んでいる際には決して目を離さないことも重要です。

破損したおもちゃは破棄する

愛犬が万が一おもちゃを破損した場合は、もったいないからといって使い続けず、速やかに破棄しましょう。

愛犬が好きなおもちゃは同じものを何個かストックしておくと良いです。

おもちゃは壊れやすいものも多いですが、噛んでも大丈夫なものを中心に選ぶとまだ安心でしょう。

ゴミ箱はフタ付きのものを使う

近年ではさまざまな形状のものや、自動で開閉するものなど、機能付きのゴミ箱が販売されています。

誤飲を防ぐためにはゴミ箱を漁れないようにしておくことが重要で、フタ付きのゴミ箱を選ぶと安心です。

自動開閉などがついていなくても、フタさえついていれば基本的には安心でしょう。

ストレスのない生活環境を整える

愛犬はストレスが溜まると何かを噛んだり破壊する行動に出ることがあります。

長すぎる留守番や運動不足、飼い主とのコミュニケーション不足などがストレスの要因になると考えられます。

生活サイクルを今一度見直し、愛犬がストレスを抱えていないかチェックしてみましょう。

クレートやサークルを活用する

クレートやサークルで過ごすしつけができていると、室内の破壊や誤飲を防止することができます。

留守番時や入浴時、来客時などはクレートやサークルで休ませておけば安心です。

クレートやサークルはゆっくり休息する場所として認識するように、子犬のときから教えてあげましょう。

異物誤飲を防止するしつけを行う

異物誤飲防止のしつけ

  • トイレシーツを破るイタズラをさせない
  • 散歩中の拾い食いをさせない
  • 合図でくわえた物を放させる など

排泄は毎日のことなので愛犬とトイレシーツとの接点はとても密になります。

トイレシーツを破り誤飲してしまうとポリマーが体内で膨張し深刻な不調を招きかねませんので、イタズラしないように根気よく教えてあげましょう。

散歩中は愛犬をよく観察し拾い食いをさせないようにします。ひとたび拾い食いが成功すると繰り返しやるようになりますので、注意しましょう。

食べて欲しくないものをくわえてしまった場合、飼い主が焦って取り出そうとすると愛犬は急いで飲みこもうとし、逆効果です。

くわえたものを放させるしつけをしておくと、いざというときに役立ちます。

この記事の執筆者

三浦 優子

執筆者情報

三浦 優子

ライター/第一種動物取扱業(訓練)/犬の栄養管理士アドバンス/JKC愛犬飼育管理士

現在はビーグル犬2頭を飼育。
犬好きが高じたことと、自身の飼育するビーグル犬が噛み犬でしつけに大変苦労した経験から長年の憧れだったドッグトレーナーの許可を2022年に取得、ドッグトレーナーとして起業。
現在は出張訓練をメインとし、自身の犬、生徒さんの犬と訓練競技やノーズワークなどに取り組む。
自身のビーグル犬は訓練に向いた犬種ではないが、訓練競技会において理事長賞などの賞歴多数。

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