愛犬のおならに思わずクスッと笑ってしまうことは、飼い主であれば一度は経験する出来事のはずです。
犬のおならは微笑ましい反面、ニオイや頻度によっては何か病気のサインではないかと心配になってしまう人も少なくないでしょう。
本記事では、愛犬のおならが気になるという人に向けて、犬がおならをする理由や臭い原因、病気が関係しているケースをご紹介しています。犬のおならでお悩みの人は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の結論
- 犬のおならは消化にともなう生理現象なので、おなら自体が異常なことではない
- おならの回数やニオイは、食べているものや性格が影響しやすく個体差がある
- おならが病気のサインになることもあるため、健康時のおなら事情を把握しておくことが大切
- 犬のおならを予防する方法はいくつかあり、実践すれば回数やニオイを改善できることがある
ライター
牛の魅力にハマり、卒業後は酪農スタッフとして牧場で乳牛と過ごし、居住地が変わることをきっかけに、動物看護士に転職。
現在はこれまでのペットに関する経験を活かしながらライターとして活動中。
目次
犬がおならをするメカニズム

そもそもおならとは、口または鼻から取り込まれた空気や、食べ物を消化する過程で発生したガスを肛門から体外に排出する現象を意味します。
そのため、人間と同様に、犬がおならをすることはごく普通の生理現象です。
おならの成分のほとんどを占めているのは外から取り込んだ空気で、肺に運ばれなかった空気が胃や腸を通って腸内ガスと一緒にお尻から出されます。
おならをする頻度やニオイについては個体差が大きく、犬種や食事の内容が大きく関係しています。
ニオイが気にならなかったり、音がしなかったりすれば、愛犬のおならに気が付かないこともあるでしょう。
犬がおならをすること自体は不自然なことではない
前述の通り、人間であっても犬であってもおならをすることがあり、これは犬にとって異常なことではありません。
例えば勢いよく食事をする子は空気も取り込みやすく、頻繁におならが出てしまうようなこともあるでしょう。
それ自体には気付けないことも多々ありますので、不自然なことではないと覚えておくとよいです。
ただ、あまりにもおならのニオイが強い場合には、何かしらの不調が隠れている可能性もあります。
短頭種は空気を吸い込みやすくおならが出やすい
おならはどの犬種でもみられる生理現象ですが、以下のような短頭種では特におならが出やすいといえます。
ぺチャッとつぶれたような短い鼻先が可愛い短頭種は、気道が短いために息が上がりやすいです。
息が上がると必然的に空気を飲み込みやすい状態になるので、短頭種はほかの犬種に比べるとおならが多い傾向にあります。
しかし、短頭種でなくとも興奮しやすい性格であれば、おならは出やすくなります。犬種や性格がおならに関係している点は、犬ならではの特徴だといえるでしょう。
犬のおならの原因

犬のおならは自然な生理現象ではあるものの、頻繁にしていると気になってしまいますよね。
実はおならが出やすくなる原因は、食事だけには限らないのです。一体何がおならに関係しているのか、原因について深掘りしていきましょう。
愛犬のおならが気になっている人は、当てはまる内容があるかどうかチェックしてみてください。
フードやおやつが合わない
年齢や体質に合っていない消化に負担がかかるフードやおやつを与えていると、腸内でガスが発生しやすくなり、おならの回数が増えることがあります。
消化機能が低下してしまっている場合や食材の相性が悪い場合、消化不良を起こしておならが臭くなることもあるのです。
まずはベビー・アダルト・シニアのうち、愛犬の年齢に合ったフードを与えているか確認してみましょう。
おならとあわせて便の状態も気になるようであれば、与えている食べ物がお腹の調子を悪くしている可能性が考えられます。
食物繊維が豊富な食べ物の摂取
お腹の動きを活性化させて腸内環境を整える効果が期待できる食物繊維。食物繊維を豊富に含む食べ物を摂取すると、腸内細菌が活発になりおならが出やすい状態になります。
代表的な食材ではサツマイモやカボチャなどのイモ類、フードの種類ではダイエット用が食物繊維を豊富に含んでいます。
イモ類やダイエット用フードを日常的に食べている場合は、おならが多くても不思議ではありません。
ただし、食物繊維は摂取しすぎると便秘や下痢を引き起こすこともあるので、適度な量を与えることが大切です。
早食い
食事が大好きな子だと、ドッグフードを出された瞬間に飼い主さんの制止も聞かずに食べてしまうことがあるほど。
ガツガツと勢いよくフードを早食いしてしまうと、空気も一緒に飲み込んでしまうのでおなら自体が増える傾向にあります。
早食いが原因のおならは、ニオイがあまり気にならないケースが多いです。
ただ、早食いをしても良いわけではありませんので、早食い防止のためのフードボウルなどを駆使して管理する必要があります。
興奮する
犬のおならは食べ物の消化が理由になるだけでなく、興奮した際にもみられることがあります。
息が上がると空気を飲み込みやすい状態になるため、おならが発生しやすくなるのです。
食べ物の消化によるおならはニオイが気になることもありますが、空気の飲み込みによるおならのニオイは無臭に近いことがほとんどです。
誤飲誤食
犬の体に合わないものを食べたことでおならが多くなることがあります。
異物などの消化できない食べ物を摂取すると、お腹の中で腸内ガスが異常発生してしまうのです。
誤飲誤食の場合はおならだけでなく、お腹の違和感や痛みから元気や食欲の消失、吐き気などの症状もみられます。
食べてしまったものによっては命に関わることもあるので、誤飲誤食をさせない環境づくりが必要です。
犬のおならの原因となる食べ物

愛犬のおならの臭いは、飼い主さんにとって気になるものですよね。実は、おならの臭いや回数は、普段の食事内容に大きく左右されることがあります。
ここでは、犬のおならが出やすくなる食べ物と、逆に与えても良いとされるおなら対策食材について詳しく解説します。
犬のおならの多くは、消化しにくい食べ物が腸内で発酵することによって発生します。特に、以下の食材には注意が必要です。
おならが出やすい食材
炭水化物の多いドッグフード
安価なドッグフードの中には、消化しにくい穀物(トウモロコシ、小麦など)が主原料として多く含まれているものがあります。
これらの炭水化物が腸内で完全に消化されずに残ると、腸内細菌によって発酵し、ガス(おなら)を発生させやすくなります。
豆類(大豆、エンドウ豆など)
大豆やエンドウ豆などの豆類は、健康に良いイメージがありますが、犬にとっては消化しにくいオリゴ糖を多く含んでいます。
これらのオリゴ糖が腸内で発酵する際に、大量のガスを発生させ、臭いおならの原因となることがあります。
特に、ドッグフードの原材料に「大豆ミール」や「エンドウ豆プロテイン」などが上位に記載されている場合は注意が必要です。
乳製品(牛乳、チーズなど)
多くの犬は、乳製品に含まれる乳糖(ラクトース)を分解する酵素「ラクターゼ」が不足しています。
そのため、牛乳やチーズなどの乳製品を摂取すると、乳糖が未消化のまま腸に届き、下痢やおならの原因となることがあります。特に子犬期を過ぎると、この酵素が減少する傾向にあります。
特定の野菜(ブロッコリー、キャベツ、カリフラワーなど)
ブロッコリーやキャベツ、カリフラワーといったアブラナ科の野菜は、健康に良いとされますが、犬にとっては消化しにくい硫黄化合物や不溶性食物繊維を多く含んでいます。
これらが腸内で発酵する際に、硫黄臭の強いおならを発生させることがあります。与える場合は少量にし、加熱して細かく刻むなどの工夫が必要です。
人間の食べ残し・味の濃い食べ物
ついつい与えてしまいがちな人間の食べ残しは、犬にとって消化しにくい成分や、塩分・油分、添加物が多く含まれていることがほとんどです。
特に、脂質の多い肉類、味付けの濃いおかず、消化しにくい加工食品などは、腸内環境を乱し、臭いおならや下痢の原因となるだけでなく、病気のリスクを高めることにも繋がります。
犬に与えても良いおなら対策食材
おならの臭いや回数を減らすためには、消化の良い食材を選び、腸内環境を整えることが大切です。
消化の良いタンパク質源(鶏むね肉、ささみ、白身魚など)
脂肪が少なく、消化吸収しやすい鶏むね肉やささみ、タラやタイなどの白身魚は、犬にとって良質なタンパク質源です。
これらは腸に負担をかけにくく、効率よく栄養を吸収できるため、おならの発生を抑えることに繋がります。与える際は、加熱して細かくほぐすか刻んで与えましょう。
食物繊維が豊富な野菜(カボチャ、サツマイモ、キャベツ少量など)
適度な食物繊維は、腸内環境を整え、便通をスムーズにする効果があります。
- カボチャ: 消化しやすい食物繊維を含み、ビタミンも豊富です。加熱して柔らかくし、ペースト状にして少量与えると良いでしょう。
- サツマイモ: 消化の良い炭水化物と食物繊維を含みます。ただし、与えすぎると逆にお腹のガスを増やす可能性もあるため、少量に留めて加熱し、皮をむいて与えてください。
- キャベツ: 上記で「おならが出やすい」と述べましたが、少量であれば食物繊維源になります。必ず加熱してごく細かく刻んで与え、様子を見ながら与えましょう。与えすぎはガスを増やす原因になるため注意が必要です。
これらの野菜を与える際は、必ず加熱して、消化しやすいように細かく刻むか、すりつぶして少量ずつ与え、愛犬の便の状態をよく観察してください。
愛犬のおならが気になる場合は、まずは普段与えているフードやおやつの内容を見直してみましょう。消化しにくい食材を避け、消化に良い食材を選ぶことで、腸内環境が改善され、おならの臭いや回数が軽減されることが期待できます。
もし食事の変更だけでは改善しない場合や、下痢や嘔吐、食欲不振など他の症状を伴う場合は、早めに動物病院を受診し、獣医師に相談することをおすすめします。
犬のおならが臭くなる原因

犬のおならのニオイがキツくなる原因は、以下4つの理由が考えられます。
おならのニオイの原因
- 食べ過ぎ
- 加齢
- ストレス
- 病気
愛犬のおならのニオイが臭いと感じる場合、年齢や生活習慣、体調の変化などが大きく関係しているようです。
上記の原因がどのように犬のおならが臭くなることに結びつくのか、それぞれ詳しくみていきましょう。
食べ過ぎ
フードやおやつなどを必要以上に食べ過ぎると、消化の際に発生する腸内ガスが増加し、おならの臭いがキツくなることがあります。
食べ過ぎは食べ物がお腹の中に留まる時間が長くなり、それによって腸内細菌による消化物の分解と発酵の時間も増加します。
消化に時間がかかるほど悪玉菌が活発になるため、腸内環境も乱れがちに。
お腹で発生するガスの増加や腸内環境の乱れが原因で、食べ過ぎるとおならの臭いがキツくなってしまうのです。
また、食事の内容によってニオイの度合いは変化し、野菜や炭水化物に比べて肉類はおならのニオイが強く出る傾向にあります。
加齢
年齢を重ねるにつれて消化機能が低下し、食べたものを消化・吸収する能力が衰えます。
消化吸収の機能が低下すると、腸内細菌による分解と発酵の量が増え、ガスが多く発生します。
さらに若いときと比べると腸内細菌のバランスが少しずつ変わっていくので、年齢を重ねるとおならのニオイも同じように変化していくのです。
これまでと同じ食事内容なのに、おならのニオイが気になるようになった場合は、加齢による消化機能の衰えが原因の1つとして考えられるでしょう。
ストレス
ストレスを感じていると、腸内バランスの乱れが起こりやすいです。以下のような環境の変化などが原因で、犬のおならのニオイが強くなることがあります。
ストレスの原因
- 引越し
- 新しい家族が増える
- 室外の騒音(工事音や花火など)
- 長時間の留守番
- ペットホテルへお預け など
これまでとは違う環境での生活になったとき、愛犬の性格によっては大きなストレスを感じてしまいます。
ストレスは体の免疫力を低下させ、腸内細菌の異常発酵や悪玉菌の増加を引き起こし、お腹の不調を招きやすいです。
おならのニオイは時にストレスのサインとなることもあるので、環境の変化があった際は十分な心身のケアが求められます。
病気
おならが臭くなる症状があらわれる病気はいくつかあります。犬のおならに影響を与える代表的な病気はこちらの4つです。
疑いのある病気
- 腸閉塞(ちょうへいそく)
- 胃腸炎(いちょうえん)
- 膵外分泌不全(すいがいぶんぴふぜん)
- 腫瘍(しゅよう)
どれもお腹に異常が発生する病気であることから、おならのニオイが強くなったり頻度が増えたりする症状がみられます。
おならが臭いことに加えて、食欲や元気、便の様子が普段と違う場合は病気の可能性も考えられるでしょう。
次項で上記5つの病気について詳しくご紹介しているので、チェックしておきましょう。
犬のおならで考えられる病気

犬のおならは特別気にしなくて良いケースもあれば、病気が疑われることもあります。
おならの回数が増えた、ニオイが臭くなったという変化があった場合は、次のような病気にかかっている可能性が考えられます。それぞれどのような病気なのか、詳しくみていきましょう。
食物アレルギー
特定の食物成分に対して免疫反応が過剰に働くことで、さまざまなアレルギー症状を引き起こします。
アレルギーを引き起こす可能性のある食材は簡単に特定できるものではなく、症状が出てから初めてわかるようなものもたくさん存在します。
事前にアレルギー検査などを行うこともできますが、全ての食材に対してアレルギー検査ができるわけではないため、日々の食事から変化を見極めなければいけません。
おなら以外の初期症状
- 皮膚のかゆみ: 体を掻く、舐める、噛むなどの行動が多くなる。
- 脱毛: かゆみや炎症によって部分的に毛が抜ける。
- 皮膚の赤みや炎症: 発疹、じんましんが見られることも。
- 耳の炎症: 外耳炎を繰り返す。
- 嘔吐や下痢: 消化器症状を伴うことも多い。
緊急性が高いケース
- アナフィラキシーショック(稀ではあるが、顔の腫れ、呼吸困難、意識障害など)の場合。
- かゆみがひどく、皮膚に自傷行為による傷や感染が見られる場合。
受診すべきサイン
臭いおならに加えて、慢性的な皮膚のかゆみや炎症、または繰り返す消化器症状が見られる場合。アレルギーの原因特定のため、食物除去試験などが必要になることがあります。
胃腸炎
胃腸炎(いちょうえん)はストレス、食べ過ぎ、ウイルスや細菌、寄生虫への感染などさまざまな原因で発生するお腹の不調です。
胃や腸が荒れることで下痢になるケースが多く、それにともなっておならのニオイが悪臭になることも珍しくありません。
お腹の病気としては胃腸炎はとても身近なので、ストレスや生活習慣に気を付けて予防に努めることが大切です。
おなら以外の初期症状
- 嘔吐: 食事を吐く、胃液や胆汁を吐くなど。
- 下痢: 軟便から水様便まで、便の形状や色が変化する。
- 食欲不振: いつもより食欲がない、全く食べない。
- 元気がない: 普段より活動的でない、ぐったりしている。
- 腹痛: お腹を触られるのを嫌がる、お腹を丸めるような姿勢をとる。
- 脱水症状: 歯茎が乾燥している、皮膚の弾力がない。
緊急性が高いケース
- 激しい嘔吐や下痢が頻繁に続く場合。
- 血便や黒っぽいタール状の便が見られる場合。
- 元気や食欲が全くなく、ぐったりしている場合。
- 脱水症状が見られる場合。
受診すべきサイン
臭いの強いおならに加えて、上記のような消化器症状が複数見られる場合。特に、元気や食欲の低下が伴う場合は、早めに受診しましょう。
膵外分泌不全
膵外分泌不全(すいがいぶんぴふぜん)とは、膵臓に異常が起こることで、食べ物の消化と吸収を助ける消化酵素が分泌されなくなってしまう病気です。
通常、膵臓から分泌される消化酵素は、タンパク質や脂肪などを分解する働きがあります。
しかし、膵臓に異常が発生して消化酵素が分泌されなくなると、消化や栄養の吸収ができなくなり消化不良が発生します。
便の色が白っぽくなる、体重が減る、便の量が増える、下痢、軟便といった症状がみられ、おならのニオイが臭くなることも。
再び膵臓の機能を健康な状態に戻す治療方法は確立されていませんが、消化酵素を補うことで体調の回復が見込めます。
おなら以外の初期症状
- 下痢: 脂肪分が多く、白っぽい、あるいは黄色っぽい、悪臭を伴う大量の軟便や水様便。
- 体重減少: 食欲があるにも関わらず、体重が減っていく。
- 多食: 食べても栄養が吸収されないため、常に空腹を感じて異常に食べる。
- 被毛の質の低下: パサつく、フケが多くなる。
- 食欲不振(重症の場合): 病気が進行すると食欲が落ちることもあります。
緊急性が高いケース
- 急激な体重減少が続く場合。
- 重度の下痢により、脱水症状や衰弱が見られる場合。
受診すべきサイン
消化しきれていない便(脂肪便)と、体重減少、または多食がおならの増加と同時に見られる場合。特に大型犬に多く見られる傾向があります。
腸閉塞・腫瘍
腸閉塞(ちょうへいそく)とは物理的に腸内が塞がってしまい、消化物の通過障害が起きることでさまざまな不調があらわれる病気です。
腸閉塞は血行不良による腸の壊死や敗血症を引き起こす危険性が高い病気で、早急の治療が求められます。腸閉塞が起こっている原因にもよりますが、治療には手術が選択されることが多いです。
また、腸に腫瘍(しゅよう)ができることで消化不良が発生し、おならが臭くなることがあります。
悪性と良性に限らず腫瘍の大きさによっては、腸内を塞いでしまう危険性があるので、内科治療で腫瘍を小さくしたり、手術で摘出したりします。
腫瘍は良性と悪性のどちらもさまざまな種類がありますが、いずれにせよ腸内に発生した場合は命に関わることもあるため、早期に治療を進めたい病気です。
おなら以外の初期症状
- 激しい嘔吐: 頻繁に吐き、水も飲めなくなることが多い。吐瀉物に便のような臭いがすることもあります。
- 食欲不振・元気がない: 非常にぐったりしている。
- 排便の停止: 便が全く出なくなる、または少量しか出なくなる。
- 腹痛・腹部の膨満: お腹が張ってパンパンになり、触ると痛がる。
- 脱水症状: 進行が早い。
- 粘膜の変色: 歯茎が白っぽくなるなど、貧血の兆候が見られることも。
緊急性が高いケース
- 上記症状が急激に発現し、悪化する場合。
- 繰り返す嘔吐で水も飲めず、ぐったりしている場合。
- 数日間排便がなく、腹部が張って苦しそうな場合。
受診すべきサイン
臭いおならに加えて、嘔吐の繰り返し、排便の停止、激しい腹痛、腹部の膨満、食欲や元気の著しい低下が見られる場合は、緊急性が非常に高いため、すぐに動物病院を受診してください。腸閉塞は時間との勝負になる病気です。
犬のおならの対処法

おならの回数やニオイが気になった場合は、どのような対処をするのが正しいのでしょうか。
心配がないケースもあれば、病気が疑われることもあります。病気の危険性があるかどうかは、おならだけでなく愛犬の体調全体に目を向けて判断するのがベストです。
様子を見ても大丈夫なケースと病院に連れて行くべきケースのそれぞれを知っておきましょう。
元気・食欲があるなら様子見でOK
基本的には元気と食欲があれば、おならが気になっても様子見で問題ありません。
日常生活を送る中で、おならの回数やニオイに一時的な変化が生じる可能性はいくつか考えられます。
肉類などのタンパク質を多く食べればおならのニオイは強くなりますし、興奮状態になればおならの回数が増えることもあります。
便の状態が正常で特に体調に変化がない場合は、病気以外の原因が考えられます。緊急性は高くないので、しばらくは様子をみても大丈夫でしょう。
おならが普段と違うと感じたら動物病院へ
このようなおならや便の変化がみられる場合は、動物病院で診てもらうことを検討してください。
注意したい症状
- おならの量や回数が多い
- おならの臭いがとても強い
- 便の状態も異常(臭いや便の色 など)が見られる
おならの回数が増えたり、ニオイが悪臭になったりすることに加えて、便の状態も悪いようであれば要注意です。
おならの異常だけでなく、便が緩い、色が違う、ニオイがキツイ、便が出ていないという状態は、お腹の不調が考えられます。
お腹の不調は緊急性の低いものから高いものまでさまざまですが、病気によっては命に関わることもあります。おならと便の異変に気が付いたら動物病院で診てもらいましょう。
犬のおならに加えてこんな症状があればすぐ病院へ

おならの異変とあわせて、ほかの症状もみられる場合は病気の可能性が考えられます。
中には緊急性が高い病気もあるため、おならとあわせて体調の変化に気が付いたら動物病院で診てもらうと安心です。
病気のサインの可能性が高い、おなら以外の具体的な症状についてみていきましょう。
元気や食欲がない
寝てばかりで動かない、ご飯を食べないまたは残してしまうといった元気や食欲の消失は、体調不良が疑われます。
犬が体のどこかに痛みや違和感を感じているときは、元気や食欲が低下する傾向にあります。
それに加えておならの回数が増えたり、臭くなった場合は、お腹に何か異変が起きている可能性が高いです。
お腹が張っていて触れるのを嫌がる
ガスが溜まりすぎてお腹の張りが目立つことがありますので、肥満チェックと合わせてかくにんしてあげると良いです。。
お腹の張りは消化不良を起こして腸内細菌が異常発酵している可能性が高く、おならのニオイも臭くなるのが一般的です。
張りが強いと腹痛をともなうため、お腹に触ると怒ったり痛がって鳴いたりする様子があれば、迷わず動物病院に連れて行きましょう。
便秘になっている
便が出ておらず、おならの回数やニオイに異常な変化がある場合は注意してください。
便秘はまったく出なくなることもあれば、便は出ているけどいつもより量が少ないというケースもあります。
何らかの原因でお腹の動きが衰えていることが考えられるので、便秘が続くようであれば動物病院に相談してみましょう。
下痢や軟便・嘔吐が見られる
便が緩くなる下痢や軟便が続く場合は、消化機能に異常が起きている可能性が高いです。
加えて嘔吐もしていると脱水や栄養失調に陥る危険性があるため、早めの治療が求められます。
例え元気があったとしても、下痢や嘔吐の症状が気になるときはできるだけ早く動物病院に連れて行くのがベストです。
体重減少
元気や食欲に変わりはないのに、体重が減っている場合は要注意です。体重減少は食べ物の消化と吸収が上手くできていない可能性が考えられます。
消化機能に何か異常が起きているサインなので、おならとあわせて体重減少があるときは病気を疑いましょう。
呼吸が荒くなる
おならの異変に加えて呼吸が荒くなる症状があれば、早急に動物病院で診てもらってください。
緊急性が高い症状であり、特に動いたり暑いわけでもないのに「ハアハア…」と苦しそうなときは要注意。重度の腸閉塞などにより、循環不全が発生していることもあります。
場合によっては一刻を争うこともあるため、すぐに動物病院で治療を受けましょう。
犬のおならの予防法

おならの原因が病気以外であれば、日常的に予防をすることが可能です。
おならをする原因によって差はありますが、予防することで犬の健康をサポートすることにつながるケースもあります。
愛犬のおならが気になっている人は、ぜひ以下の予防方法を実践してみましょう。
フードを見直す
普段食べているフードがおならの原因になっていることがあるため、フードを見直すことで改善する場合があります。
まずは愛犬の年齢や体質に合ったフードを与えているか確認してみましょう。
お腹に優しい食事を心掛けるのであれば、ドライフードをふやかしたり、ウェットフードを試したりするのもおすすめです。
犬種や体格に特化したフードなど、さまざまな種類が販売されているので、与えているフードやおやつの見直しはおならを改善する有効な手段のひとつだといえます。
早食いしないよう対策する
早食いは空気を飲み込みやすいため、食後のおならが目立ちやすいです。胃腸への負担がかかりやすく、窒息や誤嚥性肺炎のリスクもあるため、対策をして改善を目指しましょう。
手軽な方法のひとつに、早食い防止用のフードボウルに変更することが挙げられます。
通常のフードボウルとは違って凹凸があるため、フードが食べにくい状態になり、時間をかけて食べさせることができます。
フードを小分けにして与える回数を増やす方法も、早食いを防ぐ有効な手段です。実践しやすい方法を試して、愛犬の早食いを改善してみてくださいね。
十分な水分を摂れるように工夫する
水分が不足していると、消化の際に胃腸に負担をかけるため、ガスが発生しやすくなります。
とはいえ水を飲むことを犬に促すのはなかなか難しいので、フードをふやかして与えたり、水分量の多い野菜をトッピングしたりするなど工夫をしましょう。
水分バランスが良いウェットフードへの変更もおすすめです。適度に水分を摂ることは、便秘の予防にもつながり、おならの改善も期待できます。
ストレスのない環境作りを心掛ける
犬はストレスを感じていると体の免疫力が低下し、お腹の働きが衰えることが分かっています。
できるだけストレスの少ない環境でお世話をし、健康な腸内環境を維持してあげましょう。
ストレス状態が長引くと病気のリスクが高まるため、快適に過ごせる環境作りが大切です。
適度なコミュニケーションや運動を取り入れて、ストレスを発散させることを習慣にしてあげてください。
興奮させないように接する
興奮して呼吸数が増えると、空気を飲み込みやすい状態になるのでおならが増えることがあります。
不必要な興奮を避けることで、おならの回数を減らす効果が期待できます。
ヒートアップする前に遊びをやめる、興奮するような物は片付けておくといった工夫をしてみましょう。
ただし、性格や犬種によっては興奮しやすいこともあるので、無理のない範囲で試してみてください。
誤飲誤食しそうなものは片付ける
異物を食べてしまうと胃腸を傷つけたり、消化運動の妨げになることからおならの回数が増えたりニオイが臭くなったりします。
それだけではなく、程度によっては元気がなくなり体全体の不調につながるため、犬が口にできるような物はしっかり片付けておきましょう。
異物がお腹に詰まってしまうと命を落とすリスクがグッと高まるため、イタズラ好きの子には特に注意してください。
犬のおならに関するQ&A
子犬のおならが臭いのは大丈夫?
基本的には問題ないことが多いですが、注意深く観察しましょう。
子犬は消化器官が未発達なため、フードの急な切り替えや食べ過ぎ、早食いなどによって腸内環境が一時的に乱れ、おならが出やすくなったり、臭いがきつくなったりすることがあります。新しい環境でのストレスも影響することがあります。
ただし、下痢や嘔吐、食欲不振、元気がない、お腹が張っているなどの症状を伴う場合は、消化器系の病気や寄生虫感染の可能性もあるため、早めに動物病院を受診してください。
老犬のおならが増えるのはなぜ?
加齢による消化機能の低下や活動量の減少が主な原因です。老犬になると、以下のような理由からおならが増えることがあります。
- 消化機能の低下: 消化酵素の分泌が減り、食べ物をうまく消化できなくなることで、腸内でガスが発生しやすくなります。
- 腸の動きの低下: 加齢により腸の蠕動運動が鈍くなり、ガスが排出されにくくなることがあります。
- 活動量の減少: 運動不足になると、腸の動きも鈍くなりがちで、ガスが溜まりやすくなります。
- 疾患: 消化器系の病気(例: 炎症性腸疾患)や、甲状腺機能低下症などの病気が原因で消化不良を起こし、おならが増えることもあります。
おならの増加と同時に、食欲不振、体重減少、嘔吐、下痢、腹痛などの症状が見られる場合は、病気の可能性もあるため、かかりつけの動物病院に相談しましょう。
犬種によっておならの出やすさは違う?
犬種によっておならの出やすさには差が見られることがあります。
特に、以下のような犬種は比較的おならが出やすい傾向があると言われています。
- 短頭種(ブルドッグ、パグ、フレンチ・ブルドッグなど): 呼吸器の構造上、食事の際に空気を一緒に飲み込みやすく、それがガスとして排出されやすいためです。
- 大型犬: 消化器官が大きく、一度に食べる量も多いため、ガスが発生しやすい場合があります。
- 食欲旺盛な犬種: 早食いの傾向がある犬種は、空気を飲み込みやすいためおならが増えることがあります。
ただし、これらはあくまで傾向であり、同じ犬種でも個体差が大きいです。最も重要なのは、その犬にとって消化の良い適切な食事を与え、適度な運動をさせ、ストレスの少ない環境を整えることです。
この記事の執筆者
ライター
動物に携わる職を目指し、飼育について学ぶ専門学校へ入学。
牛の魅力にハマり、卒業後は酪農スタッフとして牧場で乳牛と過ごし、居住地が変わることをきっかけに、人とペットを繋ぐ仕事がしてみたいと思い動物看護士に転職。
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