つぶらな瞳と温厚な性格、そして美しい被毛を持つゴールデン・レトリーバー。「いつかゴールデンを飼いたい!」と憧れている方も多いのではないでしょうか。
彼らはまさに「黄金の魂」を持つ犬種で、その優しさと賢さから世界中で愛されています。家庭犬として、また盲導犬やセラピー犬としても活躍するゴールデン・レトリーバーですが、彼らと幸せに暮らすためには、その特性を深く理解し、適切な飼育環境やケアを提供することが不可欠です。
この記事では、ゴールデン・レトリーバーの魅力から、寿命、飼い方のポイント、必要なしつけ、注意したい病気、そして子犬から老犬までのステージ別ケアまで、ゴールデンとの豊かな生活をサポートする情報を網羅的にご紹介します。
この記事の結論
- とても愛情深くて飼い主さんに忠実であると有名なのが、ゴールデン・レトリーバー
- 家庭犬としてだけではなく、介助犬・盲導犬・セラピー犬としても優秀
- 原則として認められいる被毛は、ゴールドまたはクリーム色のみ
- ラブラドール・レトリーバーは短毛種、ゴールデン・レトリーバーは長毛種
目次
ゴールデン・レトリーバーとは?犬種としての魅力と特徴

心優しい持ち主のゴールデン・レトリーバーは優しいだけではなく、飼い主に忠実で愛情深く、楽しさも持ち合わせています。
人と一緒にいることが大好きで頭のよい犬種なので、介助犬・盲導犬・セラピー犬としても活躍しています。犬とたくさん触れ合って一緒に遊びたい人には、ぴったりの犬種だといえるでしょう。
体は大柄ですが、非常に優しく、子どもと一緒に育っていくことにも適しています。大型犬といえど、心の優しい犬種であることは、すでに広く知られていることでもありますよね。
日本でお迎えするには少し窮屈だと感じることもあるかもしれませんので、長めの散歩時間でストレスを発散してあげると良いでしょう。
温厚で知的、気配りもできる
主人に気に入られるよう努力するほど
大人しいためあまり吠えない
能力は高くなく、運動不足になりがち
その他情報
原産地 | スコットランド |
犬種グループ | 8G:7グループ以外の鳥猟犬 |
大きさ | 大型 |
平均寿命 | 10歳~12歳 |
なりやすい病気 | 股関節形成不全,耳血腫,甲状腺機能低下症,悪性リンパ腫 |
参考価格 | 10万円~30万円 |
被毛
抜け毛 | 多い |
毛質 | ダブルコート |
毛色 | ゴールド,クリーム |
歴史とルーツ|レトリーバーとしての役割
ゴールデン・レトリーバーの歴史は、19世紀半ばのスコットランドに遡ります。当時の貴族たちは、鳥猟において撃ち落とした獲物を水辺や茂みから回収(レトリーブ)する能力に長けた犬を求めていました。
そこで、ツイードマウス卿という人物が、イエローのウェイビーコーテッド・レトリーバーとツイード・スパニエルを交配させたのが始まりとされています。その後、アイリッシュ・セッターやブラッドハウンドなどの犬種も交配され、現在のゴールデン・レトリーバーの基礎が築かれました。
彼らの名前にもある「レトリーバー」は、「回収する」という意味を持ち、その名の通り、優れた嗅覚と柔らかな口(ソフトマウス)で獲物を傷つけずに回収する能力に特化して作出されました。
この生まれ持った回収本能は、現代のゴールデン・レトリーバーにも色濃く残っており、ボールやフリスビー遊びが好きなのもそのためです。彼らの温和で賢い性格は、このレトリーバーとしての役割を果たす上で非常に重要でした。
ゴールデン・レトリーバーの平均的な寿命とギネス記録
ゴールデン・レトリーバーの平均的な寿命は、一般的に10歳から12歳と言われています。大型犬としては比較的長寿な部類に入りますが、個体差や遺伝、飼育環境、日々の健康管理によって大きく変動します。近年では、医療の進歩や質の高いドッグフードの普及により、平均寿命が延びる傾向にあります。
- バランスの取れた食事:栄養バランスの取れた高品質なドッグフードを与え、肥満を防ぐことが重要です。
- 適切な運動:毎日十分な運動を行い、心身の健康を保ちましょう。
- 定期的な健康診断:病気の早期発見・早期治療のため、年に一度は健康診断を受けましょう。
- ストレスの少ない環境:穏やかな性格を保てるよう、ストレスの少ない家庭環境を整えることも大切です。
世界的に見ると、ゴールデン・レトリーバーの長寿記録として、アメリカで20歳まで生きた「オーガスト(Augie)」という犬が知られています。これは、平均寿命をはるかに超える驚異的な記録であり、飼い主の献身的なケアと愛情が、犬の寿命を延ばす上でいかに重要であるかを示しています。
適切なケアと深い愛情をもって接することで、愛犬とのかけがえのない時間を少しでも長く過ごせるよう努めましょう。
身体的特徴と被毛のケア
ゴールデン・レトリーバーは、その美しい外見も大きな魅力の一つです。彼らの身体的特徴と、特徴的な被毛を健康に保つための日々のお手入れ方法を理解しておきましょう。
体格と体重の目安
ゴールデン・レトリーバーは、大型犬に分類される犬種であり、しっかりとした骨格と筋肉質な体つきが特徴です。
項目 | 男の子 | 女の子 |
---|---|---|
体高(肩高) | 56cm~61cm | 51cm~56cm |
体重 | 29kg~34kg | 24kg~29kg |
上記はあくまで目安であり、個体差があります。重要なのは、標準的な範囲内で愛犬の体格に合った適正体重を維持することです。
肥満は、関節疾患や心臓病など、さまざまな病気のリスクを高めます。定期的に体重を測定し、肋骨が触れる程度の適切な体型を保つよう、食事量と運動量を管理しましょう。
成長期には、骨や関節に負担をかけすぎないよう、特に体重管理に注意が必要です。
美しい被毛の種類
ゴールデン・レトリーバーの最も特徴的な身体的魅力の一つは、その名の通り黄金色の美しい被毛です。彼らの被毛には主に2つの種類があります。
- スムースコート(平坦毛):やや短く、まっすぐな被毛で、水辺での活動に適しています。
- ウェイビーコート(波状毛):わずかに波打った被毛で、多くのゴールデン・レトリーバーに見られます。
どちらのタイプも、上毛(トップコート)は水を弾く硬い毛、下毛(アンダーコート)は保温性に優れた柔らかい毛からなるダブルコート構造です。このダブルコートは、寒さや水から体を守る役割を果たしますが、その分、日々のお手入れが欠かせません。
日々のお手入れのポイント
- 毎日のブラッシング:抜け毛が多く、特に換毛期(春と秋)には大量の毛が抜けるため、毎日念入りなブラッシングが必要です。スリッカーブラシやピンブラシ、コームなどを使い分け、毛玉やもつれを防ぎ、皮膚の通気性を保ちましょう。
- 定期的なシャンプー:月に1回程度、または汚れが目立つ際に、犬用シャンプーでシャンプーしましょう。シャンプー後はしっかりと乾かし、皮膚病の予防に努めます。
- 耳掃除:垂れ耳で通気性が悪く、外耳炎になりやすい傾向があるため耳掃除が必要。週に1回程度、耳の中をチェックし、専用のクリーナーで優しく拭き取りましょう。
- 足裏のケア:足裏の毛が伸びすぎると滑りやすくなったり、汚れが溜まったりするため、定期的にカットしましょう。爪切りも忘れずに行います。
日々の丁寧な被毛ケアは、美しい見た目を保つだけでなく、皮膚病の早期発見や血行促進にも繋がります。
ゴールデン・レトリーバーの性格と飼い主との相性

ゴールデン・レトリーバーが世界中で愛される最大の理由は、その素晴らしい性格にあります。彼らは「優しさ」「賢さ」「友好的」といった言葉がぴったりの犬種であり、これらの特性が家庭犬として非常に適しています。
しかし、その性格を十分に理解し、適切に接することで、飼い主との間に強い信頼関係を築き、より豊かな共同生活を送ることができます。
ここでは、ゴールデン・レトリーバーの性格の秘密や学習能力の高さ、子どもや他のペットとの共存、そしてどんな飼い主さんが彼らと相性が良いのかを解説します。
穏やかで友好的な性格の秘密
ゴールデン・レトリーバーは、その穏やかで友好的な性格が最大の特徴であり、大きな魅力となっています。攻撃性が非常に低く、誰に対してもフレンドリーに接することができます。
人懐っこさ
見知らぬ人や初めて会う犬にも積極的に近づき、尻尾を振って挨拶をします。これは、レトリーバーとして人間と共に働くために、人間への高い信頼性と協調性を持つように作出されてきた歴史的背景も影響しています。
忍耐力と寛容さ
子どもに対しても非常に忍耐強く、多少乱暴に扱われてもめったに怒ることはありません。そのため、小さな子どもがいる家庭でも安心して迎え入れることができます。
忠誠心
飼い主に対しては深い愛情と強い忠誠心を示します。家族の一員として認められることを喜び、常に飼い主のそばにいたいと願います。
遊び好き
穏やかなだけでなく、遊ぶことも大好きです。特にボール遊びや水遊びなど、レトリーバーとしての本能を満たす遊びを喜びます。
彼らのこの温厚な性格は、適切な社会化と愛情深い飼育環境によってさらに引き出されます。しかし、社会化不足や孤独な時間が長いと、分離不安や問題行動に繋がることもあるため注意が必要です。
賢さと学習能力の高さ
ゴールデン・レトリーバーは、その賢さと高い学習能力でも知られています。新しいことを学ぶのが得意で、飼い主の指示をよく理解し、吸収するスピードが速い傾向があります。
訓練性能の高さ
- ワーキングドッグとしての活躍:盲導犬、聴導犬、介助犬、セラピー犬、災害救助犬など、多岐にわたる分野で活躍できるのは、その並外れた賢さと訓練性能の高さゆえです。
- 飼い主への意欲:飼い主を喜ばせたいという「Will to please」の精神が強く、積極的に指示に従おうとします。これが訓練の大きな助けとなります。
しつけのしやすさ
子犬の頃から基本的なしつけや社会化トレーニングを始めることで、様々な状況に対応できる良きパートナーへと成長します。ポジティブ・強化(褒めて伸ばす)の手法が特に有効です。
知的な刺激の必要性
賢い犬種であるからこそ、適切な知的刺激を与えることが重要です。単調な生活は退屈やストレスに繋がり、問題行動の原因となることがあります。知育玩具や新しい芸を教えることで、彼らの知的好奇心を満たしてあげましょう。
賢さは、飼い主にとって大きな喜びであると同時に、適切なトレーニングと知的刺激を与える責任も伴います。
子どもや他のペットとの共存について
ゴールデン・レトリーバーは、その優しく穏やかな性格から、子どもや他のペットとの共存にも非常に適した犬種として知られています。
子どもとの相性
- 忍耐力:小さな子どもが多少乱暴に接しても、滅多に怒ったり噛みついたりすることはなく、辛抱強く対応できます。これはゴールデン・レトリーバーの大きな魅力であり、家庭犬として非常に高く評価される点です。
- 遊び相手:子どもたちの良き遊び相手となり、一緒に成長していくことができます。ただし、どんなに穏やかな犬でも、子どもと犬だけで遊ばせるのは避け、大人が常に目を離さないようにしましょう。犬への適切な接し方を子どもに教えることも大切です。
他のペットとの相性
- 友好的:他の犬や猫、小動物などに対しても友好的に接する傾向があります。多頭飼いもしやすい犬種と言えるでしょう。
- 社会化:子犬の頃からさまざまな動物と触れ合わせる社会化を行うことで、より協調性のある犬に育ちます。
- 個体差:ただし、個体によっては他の動物との相性があるため、新しいペットを迎え入れる際には、慎重に様子を見る必要があります。特に大型犬であるため、小動物との接触には注意が必要です。
ゴールデン・レトリーバーは、家族の一員として、子どもから大人、そして他のペットとも良好な関係を築ける、理想的なパートナーとなり得る犬種です。
こんな飼い主さんにおすすめ!相性の良い人の特徴
ゴールデン・レトリーバーは素晴らしい犬種ですが、その特性を理解し、彼らが幸せに暮らせる環境を提供できる飼い主さんであるかが非常に重要です。
以下のような特徴を持つ飼い主さんは、ゴールデン・レトリーバーと良い関係を築ける可能性が高いでしょう。
十分な運動時間を提供できる人
- ゴールデン・レトリーバーは活動的で、毎日十分な運動量を必要とします。毎日の散歩はもちろん、ドッグランや水遊びなど、体を動かす時間を確保できる人が向いています。
- 「朝晩の散歩を欠かさず行ける」「休日は一緒にアウトドアを楽しみたい」といったライフスタイルの人には最適です。
しつけやトレーニングに意欲的な人
- 賢い犬種であるからこそ、適切な社会化としつけが不可欠です。子犬期からのしつけに根気強く取り組める人、そして生涯にわたって知的刺激を与え続けられる人が理想的です。
- 褒めて伸ばすポジティブトレーニングに興味がある人。
犬とのスキンシップやコミュニケーションを大切にする人
- ゴールデン・レトリーバーは非常に人懐っこく、飼い主との密なコミュニケーションを求めます。毎日たっぷりスキンシップを取り、愛情を注げる人が向いています。
- 家族の一員として、室内で共に過ごしたいと考える人。
大型犬の飼育経験がある、または十分な知識がある人
- 大型犬特有の病気や、飼育にかかる費用(食費、医療費など)を理解し、責任を持って対応できる経済力と覚悟が必要です。
- 清潔な飼育環境を維持できる人。
上記の特徴に当てはまる方は、ゴールデン・レトリーバーと最高のパートナーシップを築き、輝く日々を送ることができるでしょう。彼らの特性を理解し、生涯にわたる責任を果たせる覚悟が重要です。
ゴールデン・レトリーバーの飼い方|迎え入れから日々のケアまで

ゴールデン・レトリーバーとの生活は、飼い主にとってかけがえのない喜びをもたらしますが、その大きな体と活動的な性質から、適切な飼い方と日々のケアが非常に重要になります。
子犬を迎え入れる準備から、健康で快適な生活を送るための食事、運動、そして環境づくりまで、ゴールデン・レトリーバーを飼育する上で知っておきたいポイントを網羅的に解説します。愛犬との絆を深め、共に幸せな時間を過ごすために、ぜひ参考にしてください。
子犬の選び方とブリーダー・保護団体について
ゴールデン・レトリーバーの子犬を迎え入れる際、どこから迎えるかという選択は、その後の愛犬の健康や性格に大きく影響します。信頼できるブリーダーや保護団体を選ぶことが何よりも重要です。
迎え入れ | 特徴 |
---|---|
ブリーダー | 特定の犬種の繁殖・育成に特化。犬舎の見学が可能で、親犬や兄弟犬の様子、飼育環境を直接確認できる。 遺伝的疾患への対策や、健康管理、社会化についてブリーダーから直接詳細な説明を受けられることが多い。 |
保護団体(シェルター) | さまざまな理由で飼育放棄された犬や迷子犬を保護し、新しい家族との出会いをサポートする団体。 子犬だけでなく、成犬や老犬も多く、過去の経緯や性格をスタッフから詳しく聞ける。 譲渡費用はワクチン接種や不妊手術費用などに充てられる。 マッチングを重視するため、何度か面会が必要な場合もある。 |
子犬を選ぶ際は、見た目の可愛さだけでなく、親犬の性格や健康状態、ブリーダーや団体の飼育環境を必ず確認しましょう。
可能であれば、実際に足を運び、子犬が活発で健康そうか、人懐っこいかなどを自分の目で確かめることが大切です。
必要な飼育環境と準備するもの
ゴールデン・レトリーバーを家庭に迎えるにあたり、彼らが快適に、そして安全に暮らせるよう、適切な飼育環境を整え、必要なものを事前に準備しておくことが不可欠です。大型犬ならではの特性を考慮した準備を心がけましょう。
ゴールデン・レトリーバーはその大きな体格から、十分な広さのある生活空間が必要です。室内飼育が基本となりますが、彼らがリラックスして過ごせるスペースを確保しましょう。
生活スペースの確保
愛犬が体を伸ばして横になれる広さのケージやクレートを用意しましょう。これは安心して休めるプライベートな空間であり、しつけの際にも役立ちます。
室内を自由に動き回れる十分なスペースも必要です。家具の配置を見直し、犬が通りやすい動線を確保しましょう。
安全対策の徹底
- 誤飲防止:子犬は何でも口に入れてしまう習性があります。電気コード、小さな飾り物、人間の薬、植物、洗剤などは、犬が届かない場所にしまうか、カバーなどで保護しましょう。
- 転倒防止:滑りやすいフローリングは、大型犬の関節に負担をかけ、転倒の原因にもなります。滑り止めマットやカーペットを敷くなどして対策をしましょう。
- 脱走防止:玄関や窓からの脱走を防ぐため、ゲートの設置や、開閉に注意を払うことが重要です。庭がある場合は、フェンスの高さや強度を再確認しましょう。
- 高い場所からの落下防止:ベランダや窓からの転落事故を防ぐため、十分な高さの柵やネットを設置し、犬を一人にしないようにしましょう。
愛犬が安全に暮らせる環境を整えることは、事故や怪我の予防に繋がり、飼い主の安心にも繋がります。
夏の暑さ対策
- 室温: エアコンなどを活用し、25℃前後を保つように心がけましょう。留守番中も熱中症にならないよう、エアコンをつけたままにするなどの対策が必要です。
- 湿度: 除湿器などを使い、湿度を50〜60%程度に保ちましょう。
- 冷却グッズ: クールマットや冷感ベッド、凍らせたペットボトルをタオルで巻いたものなどを活用し、体を冷やせる場所を用意してあげましょう。
- 散歩時間: 涼しい早朝や夜遅くに行い、日中の暑い時間帯は避けてください。
冬の寒さ対策
室内飼育であれば基本的には問題ありませんが、暖房器具で空気が乾燥しすぎないよう、加湿器の利用も検討しましょう。直接ストーブやヒーターに近づきすぎないよう、安全柵などで対策をしてください。
犬は人間よりも地面に近い場所で生活しているため、夏場は特に地面からの照り返しの熱も考慮する必要があります。年間を通して快適な環境を提供することで、熱中症や体調不良のリスクを減らし、愛犬の健康を守ることができます。
毎日の食事と栄養管理のポイント
ゴールデン・レトリーバーの健康を維持し、成長をサポートするためには、毎日の食事と栄養管理が非常に重要です。適切なフードの選択と与え方を心がけましょう。
高品質なドッグフードの選択
総合栄養食(総合栄養食基準・AAFCO基準)もしくはFEDIAF基準と表示された、犬の成長段階(子犬用、成犬用、シニア犬用)に合った高品質なフードを選びましょう。
ゴールデン・レトリーバーは遺伝的に関節疾患になりやすいため、関節の健康をサポートする成分(グルコサミン、コンドロイチンなど)が含まれたフードを選ぶのも良いでしょう。
アレルギー体質の子には、特定のアレルゲンを含まないフード(グレインフリーなど)も検討できます。
適切な量の管理と肥満防止
パッケージに記載されている給与量はあくまで目安です。愛犬の活動量や体質に合わせて量を調整し、適正体重を維持するようにしましょう。
肥満は関節への負担を増大させ、様々な病気のリスクを高めます。おやつは与えすぎないようにし、与える際はカロリーを考慮しましょう。
- 食事回数:子犬期は消化器官が未発達なため、少量ずつ1日3〜4回に分けて与え、成長とともに1日2回に減らしていきましょう。
- 水分の確保:常に新鮮な水をたっぷりと用意し、いつでも飲めるようにしておきましょう。ウェットフードを混ぜるなどして、水分摂取量を増やす工夫も有効です。
食事は愛犬の健康の土台となります。定期的に獣医さんと相談し、愛犬に最適な食事プランを立てましょう。
十分な運動量の確保と遊び方
ゴールデン・レトリーバーは元々猟犬として活躍していた犬種であり、非常に活動的で、十分な運動量を必要とします。毎日の適切な運動は、彼らの身体的健康だけでなく、精神的な安定にとっても不可欠です。
理想的な散歩時間と回数
ゴールデン・レトリーバーは毎日の散歩が欠かせません。ただ歩くだけでなく、適度に走らせたり、匂いを嗅がせたりする時間を設けましょう。
ライフステージ | 時間 | 内容 |
---|---|---|
成犬 | 1回あたり30分〜1時間以上を、1日2回行うのが理想的です。 | ただ歩くだけでなく、ジョギングを取り入れたり、公園でボール遊びをしたりと、メリハリのある散歩を心がけましょう。 |
子犬 | 1回15分程度を複数回に分けて行うのがおすすめです。 | 過度な運動は成長期の関節に負担をかけるため、獣医と相談しながら適切な運動量を調整しましょう。 |
公園や河川敷など、リードを外して自由に走らせられるドッグランも活用しましょう。ただし、他の犬とのトラブルには十分注意し、公共のルールを守ってください。
夏の暑い時期は早朝や夜遅くの涼しい時間帯を選び、冬は日中の暖かい時間帯を選びましょう。雨の日や悪天候の日は、室内での遊びやトレーニングで運動不足を補う工夫が必要です。
運動不足はストレスや肥満、問題行動の原因となるため、ゴールデン・レトリーバーとの生活では、運動時間の確保が非常に重要です。
レトリーバー特性を活かした遊び(水遊び、レトリーブなど)
ゴールデン・レトリーバーは、その名の通り「回収する」というレトリーブの特性を強く持っています。このレトリーバー特性を活かした遊びは、彼らを心身ともに満足させ、ストレス解消にも繋がります。
- 水遊び:ゴールデン・レトリーバーは水を愛する犬種で、水泳は全身運動になり、関節への負担も少ないため、非常に効果的な運動です。
- レトリーブ(取ってこい)遊び:ボールやフリスビー、おもちゃなどを投げ、愛犬に持ってこさせる遊びです。彼らの回収本能を満たし、知的な刺激にもなります。
- ノーズワーク(嗅覚を使った遊び):おやつやおもちゃを隠し、それを探させる遊びです。嗅覚を存分に使うことで、集中力や思考力を養い、精神的な満足感を得られます。
- アジリティや服従訓練:本格的なドッグスポーツに挑戦するのも良いでしょう。飼い主との共同作業を通じて、さらに絆を深めることができます。
これらの遊びは、単なる運動だけでなく、愛犬とのコミュニケーションを深め、信頼関係を築く上でも非常に役立ちます。
ゴールデン・レトリーバーのしつけの基本とコツ

ゴールデン・レトリーバーは非常に賢く、学習能力が高い犬種であるため、子犬の頃からの適切なしつけが非常に重要です。
彼らの温厚な性格を最大限に引き出し、社会性のある良きパートナーとして共に暮らすためには、一貫したトレーニングとポジティブなアプローチが欠かせません。
ここでは、社会化の重要性から基本的なコマンド、問題行動の予防、そしてトイレトレーニングの成功の秘訣まで、ゴールデン・レトリーバーのしつけの基本とコツを解説します。
子犬期から始める社会化と基本的なコマンド
子犬期(生後3週齢〜12週齢頃)は、犬の性格形成において最も重要な時期であり、この時期の社会化がその後の犬生を大きく左右します。
ゴールデン・レトリーバーの持つ協調性を伸ばすためにも、様々な経験を積ませることが大切です。
社会化の重要性
- 人との交流:家族以外のさまざまな年齢層の人々(子ども、高齢者など)と触れ合わせ、人に対する良い印象を植え付けましょう。
- 犬との交流:ワクチン接種が済んだら、パピークラスに参加したり、穏やかな成犬と触れ合わせたりして、犬同士の適切なコミュニケーションを学ばせましょう。
- さまざまな環境・音に慣らす: 散歩を通じて、車の音、自転車、工事の音、知らない場所の匂いなど、日常生活で遭遇するさまざまな刺激に少しずつ慣らしていきましょう。
基本的なコマンドの習得
- 子犬の頃から、褒めて伸ばすポジティブトレーニングで基本的なコマンドを教えましょう。
- 「おすわり」「ふせ」「待て」「おいで」「ちょうだい」などのコマンドは、日常生活だけでなく、緊急時にも役立ちます。
- 短い時間(5〜10分程度)で、遊び感覚で楽しく教えることが大切です。成功したら大いに褒め、ご褒美を与えましょう。
子犬期の社会化と基本的なしつけは、問題行動を予防し、飼い主と愛犬の間に強い信頼関係を築く土台となります。
褒めて伸ばすポジティブトレーニング
ゴールデン・レトリーバーは賢く、飼い主を喜ばせたいという気持ちが強いため、「褒めて伸ばすポジティブトレーニング」が非常に効果的です。
罰や体罰は、犬との信頼関係を損ね、学習意欲を低下させるだけでなく、問題行動を悪化させる可能性もあります。
ポジティブトレーニングの基本
- 成功を褒める:愛犬が望ましい行動をした瞬間に、「Good!」「よし!」などの明確な言葉で褒め、すぐにおやつや好きなおもちゃ、撫でるなどの報酬を与えましょう。
- タイミングが重要:褒めるタイミングが遅れると、犬は何に対して褒められたのか理解できません。望ましい行動をした「直後」に報酬を与えることが大切です。
- 強制しない:犬に無理やり行動をさせようとせず、自発的に行動するように促す環境を整えましょう。
クリッカートレーニング
特定の音が「褒められる合図」となるクリッカーを用いることで、より正確なタイミングで犬に「正解」を伝えることができます。これは特に複雑な芸を教える際に有効です。
一貫性
家族全員で同じコマンドと褒め方で接し、一貫した態度でトレーニングを行うことが重要です。そうすることで、犬は混乱せず、スムーズに学習できます。
ポジティブトレーニングは、愛犬とのコミュニケーションを円滑にし、楽しくしつけを進めるための最適な方法です。
問題行動の予防と対処法(噛み癖、飛びつきなど)
ゴールデン・レトリーバーは温厚な性格ですが、適切なトレーニングや社会化が行われないと、噛み癖や飛びつきなどの問題行動が出てしまうこともあります。これらの行動は、子犬期からの予防と、一貫した対処が非常に重要です。
噛み癖の予防と対処
- 子犬の甘噛み: 子犬期は歯が生え変わる時期で、甘噛みがよく見られます。噛まれたら「痛い!」と声を出して遊びを中断し、犬が落ち着いたら再開しましょう。
- おもちゃを与える: 噛んで良いもの(犬用のおもちゃ)と、噛んではいけないもの(手や家具など)を明確に区別させましょう。
- 原因の特定: 成犬になって噛み癖が出る場合、ストレス、運動不足、不安、恐怖などが原因の可能性があります。原因を特定し、それを取り除くことが重要です。
- 無視: 噛み癖がエスカレートする場合は、一度その場を離れて犬を無視することで、「噛んでも良いことはない」と学習させましょう。
飛びつきの予防と対処
- 無視する: 興奮して人に飛びついてきた場合、目を合わせず、体を背けるなどして完全に無視します。犬が落ち着いてから褒めてあげましょう。
- コマンドを教える: 「おすわり」や「ふせ」のコマンドで犬を落ち着かせる訓練をしましょう。
- 子犬期からの練習: 子犬の頃から、人が来ても飛びつかないように練習させることが大切です。
問題行動は、犬からのSOSであることも少なくありません。根気強く、愛情を持って対処し、改善が見られない場合は専門のドッグトレーナーや獣医行動診療科に相談することも検討しましょう。
トイレトレーニングの成功の秘訣
ゴールデン・レトリーバーのトイレトレーニングは、しつけの中でも特に重要な項目の一つです。
大型犬であるため、失敗すると飼い主の負担が大きくなることもありますが、正しい方法と一貫性を持って取り組めば必ず成功できます。
① トイレの場所を固定する
犬が落ち着いて用を足せる、静かで安心できる場所にトイレトレーとシートを設置し、場所を変えないようにしましょう。
広々としたゴールデン・レトリーバーにとって十分なサイズのトイレトレーを用意してください。
② 適切なタイミングで誘導する
- 起きがけ:寝起きは尿意・便意があるため、すぐにトイレに連れて行きましょう。
- 食後:食後数分〜20分以内に連れて行くのが効果的です。
- 遊びの後:興奮した後は排泄しやすいため、遊びの区切りに連れて行きましょう。
- ケージから出した時:ケージ内で排泄を我慢していることがあるため、出したらすぐにトイレへ誘導しましょう。
③ 成功したら大いに褒める
トイレで成功したら、その場で大げさに褒め、ご褒美を与えましょう。犬は「ここで排泄すると良いことがある」と学習します。
おやつだけでなく、優しく撫でる、短い遊びをするなど、犬が喜ぶ報酬を用意しましょう。
④ 失敗しても叱らない
失敗した場合は、決して叱らないでください。叱ると犬は排泄自体を悪いことだと認識し、隠れて排泄したり、飼い主の見ていないところで粗相をするようになったりします。
黙って片付け、消臭スプレーなどで匂いを完全に消し去りましょう。
⑤ 日中のケージ(クレート)トレーニング
犬は自分の寝床を汚すことを嫌がる習性があります。日中、目を離す際はケージやクレートに入れておくことで、排泄を我慢することを覚えさせ、トイレシートで排泄するように誘導しやすくなります。
⑥ 根気強く、一貫して
トイレトレーニングは時間がかかることもありますが、飼い主が一貫した態度で根気強く続けることが成功の鍵です。家族全員で同じルールで接しましょう。
子犬のうちは失敗することもありますが、焦らず、褒めて伸ばすことを意識して取り組んでください。
ゴールデン・レトリーバーが注意したい病気と健康管理

ゴールデン・レトリーバーは比較的丈夫な犬種ですが、遺伝的な要因や犬種特有の性質から、いくつか注意しておきたい病気があります。
これらの病気を早期に発見し、適切に管理することで、愛犬が長く健康で快適な生活を送れるようサポートできます。
ここでは、ゴールデン・レトリーバーに多い病気とその症状、予防策、そして日々の健康管理と獣医さんとの連携の重要性について詳しく解説します。
股関節形成不全・肘関節形成不全
大型犬であるゴールデン・レトリーバーにとって、股関節形成不全と肘関節形成不全は特に注意すべき遺伝性疾患です。これらの疾患は、関節が正常に形成されないことで痛みや炎症を引き起こし、最終的には関節炎へと進行する可能性があります。
- 股関節形成不全:大腿骨頭と骨盤の受け皿(寛骨臼)がかみ合わず、関節に緩みが生じる病気です。
- 肘関節形成不全:肘関節を構成する骨(上腕骨、橈骨、尺骨)の成長に異常が生じ、関節の適合性が悪くなる病気です。
症状の例
- 子犬期から若年期にかけて、立ち上がりにくい、散歩を嫌がる、跛行、腰を振るように歩くなどの症状が見られます。
- 階段の上り下りを嫌がる、特定の姿勢をとるのを嫌がる。
- 運動後に痛みが顕著になる。
予防と対策
- 信頼できるブリーダーからの迎え入れ:親犬が遺伝性疾患の検査をクリアしているか確認することが非常に重要です。
- 適切な体重管理:肥満は関節への負担を増大させるため、子犬期から適正体重を維持しましょう。
- 過度な運動の制限:成長期(特に生後4〜10か月)の過度なジャンプや激しい運動は、関節に大きな負担をかけるため避けましょう。
- 栄養補助食品:獣医と相談の上、関節の健康をサポートするサプリメント(グルコサミン、コンドロイチンなど)の利用も検討できます。
- 早期発見:わずかな跛行でも見逃さず、早期に獣医さんに相談し、適切な診断と治療を受けることが大切です。
これらの疾患は、早期発見と適切な管理によって、症状の進行を遅らせ、愛犬の生活の質を向上させることが可能です。
がん(癌)の発症リスクと早期発見
残念ながら、ゴールデン・レトリーバーは他の犬種に比べてがん(癌)の発症リスクが高いことが知られています。特に「血管肉腫」や「リンパ腫」、「肥満細胞腫」などが好発します。早期発見・早期治療が、完治や延命の鍵となります。
好発するがんの種類
- 血管肉腫:血管の内皮細胞から発生する悪性腫瘍で、脾臓、心臓、肝臓など内臓に発生することが多く、進行が速い特徴があります。
- リンパ腫:リンパ球のがんで、全身のリンパ節が腫れるほか、消化器や皮膚などさまざまな場所に発生します。
- 肥満細胞腫:皮膚にできることが多い腫瘍ですが、内臓にも発生します。良性から悪性までさまざまです。
早期発見のためのチェックポイント
- しこりの有無:体の表面にしこりがないか、日々ボディチェックを行いましょう。特にしこりが急に大きくなる、形が変わる、出血するなどがあれば要注意です。
- 食欲・元気の変化:食欲がない、水を飲む量が変わった、元気がない、疲れやすいなど、普段と違う様子はないか。
- 体重の変化:急激な体重減少や増加がないか。
- 排泄の変化:尿や便の色・形・回数に異常がないか。
- 呼吸の変化:咳が出る、呼吸が苦しそうなど。
月に一度は全身を触ってしこりの有無を確認する「おうち健康チェック」を習慣にしましょう。どんな小さな変化でも見逃さず、気になることがあればすぐに獣医さんに相談することが、愛犬の命を守る上で非常に重要です。
皮膚疾患(アトピー性皮膚炎、膿皮症など)
豊かな被毛を持つゴールデン・レトリーバーは、その被毛ゆえに皮膚疾患にかかりやすい傾向があります。特にアトピー性皮膚炎や膿皮症、脂漏症などがよく見られます。
アトピー性皮膚炎
特定の環境アレルゲン(花粉、ハウスダスト、ダニなど)に対する過剰な免疫反応によって引き起こされる慢性的な皮膚炎です。
症状は強い痒み、皮膚の赤み、湿疹、フケ、脱毛など。体を掻きむしったり、舐めたりすることで、皮膚が二次感染を起こしやすくなります。
膿皮症
皮膚のブドウ球菌などの細菌が異常増殖することで起こる細菌性皮膚炎です。
症状は痒み、皮膚の赤み、膿疱(膿の入ったブツブツ)、かさぶた、脱毛など。アトピー性皮膚炎の二次感染として併発することも多いです。
脂漏症
皮膚の皮脂の分泌異常により、皮膚がべたついたり(脂性)、乾燥してフケが出たり(乾性)する疾患です。
症状は皮膚のベタつき、体臭、フケ、皮膚の炎症など。
予防と対策
- 毎日のブラッシング: 死毛や汚れを取り除き、皮膚の通気性を保ちましょう。
- 適切なシャンプー:犬の皮膚に合ったシャンプーを選び、定期的に洗い、しっかりと乾かしましょう。洗いすぎは皮膚を乾燥させる原因にもなります。
- アレルゲンの特定と対策:アレルギーが疑われる場合は、獣医さんと相談してアレルゲンを特定し、除去や軽減に努めましょう。
- ノミ・ダニ予防:外部寄生虫も皮膚炎の原因となるため、通年で予防薬を投与しましょう。
- 栄養管理:皮膚の健康をサポートする栄養素(オメガ3脂肪酸など)が含まれたフードやサプリメントも有効です。
- 早期治療:痒がったり、皮膚に異常が見られたら、自己判断せずに早期に獣医さんに相談しましょう。
皮膚疾患は慢性化しやすい傾向があるため、日々のケアと早期発見が非常に重要です。
その他注意したい病気と予防策
ゴールデン・レトリーバーは、前述の関節疾患や皮膚疾患、がんに加えて、いくつかの病気にも注意が必要です。これらの病気を理解し、適切な予防策を講じることで、愛犬の健康リスクを軽減できます。
眼疾患
進行性網膜萎縮症(PRA):遺伝性の病気で、徐々に視力が失われ、最終的に失明に至る可能性があります。初期症状に気づきにくいため、定期的な眼科検診が重要です。
白内障:加齢とともに発症することが多いですが、若年性白内障の場合もあります。視力低下や目の濁りが症状です。
心臓病
大動脈弁狭窄症:大動脈の出口が狭くなることで、心臓に負担がかかる病気です。初期は無症状ですが、進行すると呼吸困難や失神などを引き起こします。
甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンの分泌が低下する病気で、活動性の低下、体重増加、脱毛、皮膚の乾燥などの症状が見られます。
胃拡張捻転症候群
大型犬に多い緊急性の高い病気です。食後に胃がねじれることで、血液循環が悪くなり、命に関わる状態になります。食後の激しい運動を避ける、食事を少量ずつ複数回に分けるなどの予防策が重要です。
一般的な予防策
- 定期的な健康診断:定期的な獣医さんによる健康チェックは、これらの病気の早期発見に繋がります。
- 適切な体重管理と食事:肥満は多くの病気のリスクを高めます。
- ストレス軽減:ストレスは免疫力を低下させ、病気への抵抗力を弱めます。
- 遺伝子検査:迎え入れる前に、遺伝性疾患のリスクを評価するために遺伝子検査を受けているブリーダーを選ぶことも有効です。
これらの病気について知識を持つことで、愛犬の異変にいち早く気づき、適切な対応を取ることができます。
定期的な健康チェックと獣医との連携
愛犬のゴールデン・レトリーバーが健康で長生きするためには、定期的な健康チェックと獣医との密な連携が欠かせません。
日々の飼い主さんによる観察と、専門家による定期的な検査を組み合わせることで、病気の早期発見・早期治療に繋がり、結果的に愛犬の負担を減らすことができます。
自宅での日々(週)の健康チェック
- 食欲・飲水量: いつもと比べて食欲がない、水を飲む量が変わったなど。
- 排泄物: 尿や便の色、形、量、回数に異常はないか。
- 体重: 定期的に体重を測り、急激な増減がないか確認しましょう。
- 体全体: 撫でながらしこりや腫れがないか、皮膚の赤みや脱毛がないか、耳や目の異常がないかなどをチェックします。
- 歯と歯茎: 口臭、歯石、歯茎の腫れや出血がないか確認しましょう。
- 行動: 元気がない、歩き方がおかしい、特定の場所を気にするなど、普段と違う行動がないか。
獣医による定期検診
- 年に1〜2回: 健康な成犬でも、年に1〜2回は獣医さんによる健康診断(身体検査、血液検査、尿検査など)を受けましょう。
- 高齢犬の場合: 7〜8歳以上のシニア犬は、半年に1回程度の検診が推奨されます。
- ワクチン接種・フィラリア予防・ノミダニ予防: これらは病気から愛犬を守るための重要な予防策であり、獣医さんの指示に従って定期的に行いましょう。
日々の観察で異変に気づいたら、どんな些細なことでもかかりつけの獣医さんに相談することが大切です。かかりつけの獣医と信頼関係を築き、愛犬の健康状態を共有することで、より的確なアドバイスや治療を受けることができます。
ゴールデン・レトリーバーのライフステージ別ケア

ゴールデン・レトリーバーは、その一生を通して、成長段階に応じた異なるケアが必要です。
子犬期、成犬期、そして老犬期というそれぞれのライフステージにおいて、身体的・精神的な変化に適した食事、運動、健康管理を行うことで、愛犬が快適に、そして幸せに過ごせるようサポートできます。
ここでは、ゴールデン・レトリーバーの各ライフステージにおけるケアのポイントを詳しく解説します。
子犬期(~1歳):成長期の特別なケア
ゴールデン・レトリーバーの子犬期(生後約1歳まで)は、心身ともに最も急速に成長する時期であり、特別なケアが必要です。この時期の過ごし方が、その後の犬生に大きく影響します。
社会化の徹底
生後3週齢〜12週齢頃の「社会化期」は特に重要です。人、犬、さまざまな音や環境に積極的に触れさせ、ポジティブな経験を積ませましょう。パピークラスへの参加は、社会化と基本的なしつけを学ぶのに非常に有効です。
栄養管理
子犬用の高品質なフードを、1日に3〜4回に分けて与えましょう。急速な成長をサポートするための適切な栄養バランスが必要です。
骨や関節に負担をかけないよう、過剰な栄養摂取による急激な体重増加には注意が必要です。
運動
成長期の骨や関節はデリケートなため、激しい運動は避けましょう。短い散歩や室内での遊びを中心に、体を動かす機会を与えます。獣医さんと相談しながら、適切な運動量を調整してください。
しつけとトレーニング
トイレトレーニング、甘噛み、飛びつきなどの基本的なしつけを根気強く行いましょう。褒めて伸ばすポジティブトレーニングを徹底し、飼い主との信頼関係を築きます。
健康管理
混合ワクチン接種、狂犬病予防接種、フィラリア予防、ノミダニ予防を獣医さんの指示に従って行いましょう。
子犬特有の病気(パルボウイルス感染症など)にも注意し、異変があればすぐに獣医さんに相談してください。
子犬期にしっかりとした土台を作ることで、健康的で社会性のある成犬へと成長します。
成犬期(1歳~7歳):活動的な時期の健康維持
ゴールデン・レトリーバーの成犬期(約1歳〜7歳)は、体が最も活動的で体力もある時期です。この時期の適切なケアは、病気の予防と健康維持に繋がります。
運動
毎日十分な運動量を確保することが不可欠です。1日2回、各30分〜1時間以上の散歩に加え、ドッグランや水遊びなどで思い切り体を動かす機会を与えましょう。十分な運動は、肥満防止だけでなく、ストレス解消や問題行動の予防にも繋がります。
食事
成犬用の総合栄養食を、愛犬の活動量や体質に合わせて適切な量を与えましょう。肥満にならないよう、体重管理は常に意識してください。関節の健康をサポートする成分を含むフードを選ぶのも良いでしょう。
しつけと脳の活性化
基本的なしつけを継続し、必要に応じて新しい芸を教えたり、知育玩具を与えたりして、脳の活性化を促しましょう。アジリティなどのドッグスポーツに挑戦するのも、心身の健康維持に役立ちます。
定期的な健康チェック
年に1回の健康診断は欠かさず受けましょう。血液検査や尿検査、身体検査などを通して、病気の早期発見に努めます。皮膚や被毛、耳、歯、爪などの日々のケアも継続し、異常がないかチェックしましょう。
予防医療
フィラリア予防、ノミダニ予防、狂犬病予防接種、混合ワクチン接種を定期的に行いましょう。
成犬期は、愛犬との絆を深め、共にさまざまな活動を楽しめる充実した時期です。適切なケアを続けることで、健康で幸せな日々を送ることができます。
老犬期(8歳~):シニア期の生活と介護
ゴールデン・レトリーバーは、一般的に8歳頃から老犬期に入るとされています。この時期になると、体力や代謝機能が低下し、様々な体の変化や病気のリスクが高まるため、シニア期に合わせた特別なケアと介護が必要になります。
食事
運動量が減り、代謝が落ちるため、シニア犬用の低カロリーで消化しやすいフードに切り替えましょう。
関節や腎臓、心臓の健康に配慮した療法食が必要になる場合もありますので、獣医さんと相談して選びましょう。
食欲が落ちた場合は、温めたり、ウェットフードを混ぜたりするなど、嗜好性を高める工夫も有効です。
運動
散歩の回数や時間は減らさず、距離を短くしたり、歩くスピードをゆっくりにしたりするなど、愛犬の体力に合わせて調整しましょう。無理のない範囲で体を動かすことが大切です。関節に負担の少ない水泳などもおすすめです。
住環境の整備
滑りやすい床にはマットを敷く、段差をなくす、階段にスロープを設置するなど、転倒防止や足腰への負担軽減のための工夫が必要です。
寝床は体が冷えないよう、クッション性のある暖かいものを用意しましょう。
健康管理と定期検診
病気の早期発見・早期治療のため、半年に1回は獣医さんによる健康診断を受けましょう。
関節炎による痛みの管理、視力や聴力の低下、認知機能の低下など、老犬特有の症状に注意し、獣医さんと連携して適切なケアを行います。
排泄の失敗が増えることもありますので、排泄補助や清潔を保つケアも必要になります。
心のケア
視力や聴力が衰えることで不安を感じやすくなるため、これまで以上に優しく接し、安心させてあげましょう。
コミュニケーションを密にとり、アイコンタクトや声かけを大切にしてください。
老犬期は、愛犬のペースに寄り添い、体と心の両面からきめ細やかなケアを行うことが、彼らが最期まで穏やかに過ごすために非常に重要です。
まとめ:ゴールデン・レトリーバーとの輝く日々を送るために
ゴールデン・レトリーバーは、その優しく賢い性格と美しい外見で、世界中の人々を魅了し続ける素晴らしい犬種です。彼らは家族の一員として深い愛情を注ぎ、共に過ごす時間すべてを輝かしいものにしてくれるでしょう。
しかし、その愛情深い性格ゆえに、飼い主には大きな責任が伴います。十分な運動量の確保、適切な食事と栄養管理、そして何よりも一貫した愛情深いしつけと社会化は、彼らが心身ともに健康で幸せに暮らすために不可欠です。
また、遺伝的に注意すべき病気や、各ライフステージに応じたケアの知識を持つことで、愛犬の小さな変化にも気づき、適切なサポートを提供できます。
ゴールデン・レトリーバーとの生活は、喜びや感動に満ちたものです。日々のケアを怠らず、愛犬とのコミュニケーションを大切にすることで、互いに信頼し合い、かけがえのないパートナーシップを築けるでしょう。
この記事が、これからゴールデン・レトリーバーを迎えたいと願う方々、そしてすでに共に暮らしている飼い主の皆さまにとって、愛犬との「黄金の日々」をより豊かにするための助けとなれば幸いです。
ゴールデン・レトリーバーの理解度チェック
この記事の執筆者
nademo編集部
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