犬の病気・健康

犬も花粉症になるため注意が必要!主な症状・対策・予防法

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人間にとってとてもつらい花粉症ですが、犬も花粉症になります。

現在の日本ではさまざまな植物の花粉がほぼ1年中飛散していますが、特定の季節のみに症状が出る場合は愛犬の花粉症を疑う必要があるかもしれません。
この記事では犬の花粉症の主な症状や、対策・予防法などについて詳しくご紹介しています。

ぜひ参考にして愛犬を不快な花粉症から守ってあげましょう。

この記事の結論

  • 花粉症になるのは人間だけではなく、犬も花粉症になることがある
  • 犬の花粉症は植物の花粉をアレルゲンとした皮膚のアレルギー症状がほとんど
  • アレルギー検査を受けるなど適切な予防と対策を実施する
  • 要因となる花粉と食べ物との交差反応にも注意する

三浦 優子

担当執筆者

三浦 優子

第一種動物取扱業(訓練)/犬の栄養管理士アドバンス/JKC愛犬飼育管理士

自身の飼育するビーグル犬が噛み犬でしつけに大変苦労した経験から長年の憧れだったドッグトレーナーの許可を2022年に取得、ドッグトレーナーとして起業。
現在は出張訓練をメインとし、自身の犬、生徒さんの犬と訓練競技やノーズワークなどに取り組む。

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犬も花粉症になることがある

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悩んでいる人がとても多い人間の花粉症ですが、医学的な正式名称は「季節性アレルギー鼻炎」で、植物の花粉がアレルゲンとなり発症するアレルギー症状です。

人間が花粉症に苦しんでいる時期に、愛犬がくしゃみをしたり体を痒がったりしているのを見たことがあるかもしれません。

実は、犬も花粉が要因となって体調を崩すことがあるのです。

症状は人によっても犬によってもさまざまで、花粉症になる原因の花粉もさまざまです。

正確には花粉によるアレルギー症状

人間の体内に花粉が繰り返し進入すると、これを排除するために免疫システムによって「IgE抗体」という免疫タンパク質が作り出されます。

「IgE抗体」が作られたあと、さらに花粉が体内に進入してくると、「IgE抗体」は「マスト細胞(肥満細胞)」と合体し、ヒスタミンなどの炎症性物質を放出し始めます。

これらの炎症性物質が体内で作用し、花粉を体内から排除しようとします。

人間の場合「IgE抗体」と合体する「マスト細胞(肥満細胞)」が鼻や目の粘膜の周辺に多く分布しているため、人間の花粉症はくしゃみや鼻水、目の痒みなどの症状が多く見られます。

そのため、花粉をくしゃみで吹き飛ばす、鼻を詰まらせて花粉を体内に進入させないようにする、鼻水や涙で洗い流してしまうなどの辛い花粉症のアレルギー症状となってあらわれるのです。

犬の場合は鼻や目ではなく、皮膚にアレルギー症状が起こります。

花粉はさまざまな種類が年中、飛んでいる

出典:環境省 Ⅱ . 主な花粉と飛散時期

花粉症の原因として広く知られているスギ花粉は、春をピークとしてほぼ1年中飛散しています。

ヒノキ科の植物の花粉の飛散は冬から初夏、イネ科は春から秋、ブタクサ属は夏から冬と、地域によって異なることもあります。

ただ、現在の日本ではさまざまな植物の花粉が1年中飛散しているといって良いでしょう。

愛犬の花粉症を疑った場合、春だけに注目せず、年間を通していつ症状があらわれているのかを観察してください。

観察やアレルギー検査によって愛犬が反応している植物が特定できれば、その花粉に対しての予防法や取るべき対策もはっきりとしてくるでしょう。

犬の花粉症の原因

「IgE抗体」と「マスト細胞(肥満細胞)」が合体し、花粉症の要因となる炎症性物質を発生させるわけですが、犬の場合「マスト細胞」は皮膚に多く分布しています。

そのため、犬は花粉症になると皮膚にアレルギー反応が出やすくなり、体の皮膚の赤味、痒みや発疹、フケや皮膚のべたつき、耳の中などの痒みなどが症状として現れます。

人間の場合は「マスト細胞(肥満細胞)」が鼻や目の粘膜周辺に多く分布しているので、くしゃみや鼻水、目の痒みなどが花粉症の顕著な症状としてあらわれます。

獣医によると、犬の場合は「花粉症」と呼ぶことはあまりなく、花粉を含む環境アレルゲンを要因とした「アトピー性皮膚炎」と診断することが多いそうです。

犬のアトピー性皮膚炎は、花粉やハウスダストなどの環境アレルゲンが原因となる場合が多いです。

さらに食事内容や個体の持つ皮膚のバリア機能、他の生活環境要因などが複雑に関わり合って起こると考えられています。

犬の花粉症の症状

犬の花粉症、いわゆるアトピー性皮膚炎の主な症状は、皮膚のアレルギー症状です。

そのため痒みを感じることはもちろんのこと、そのほかにも以下のような症状が見られます。

症状

花粉症の犬は痒みを感じ、しきりに顔周りや脇、内股や指の間などを搔いたり、舐めたり、家具や壁などに体を擦りつけたりします。

その部分の皮膚をチェックすると赤く変化していることが多く、さらに搔いたり舐めたりすることでますます皮膚の状態が悪くなってしまうのです。

耳を気にして搔いている場合は、耳の奥や入り口が赤くなっていたり、異常な臭いがすることもあります。

愛犬のアトピー性皮膚炎は花粉以外の要因によって起こる場合もありますので、よく観察して要因を判断することが大切です。

症状と花粉の季節を照らし合わせる

ハウスダストが要因となってアトピー性皮膚炎が起きている場合は、1年を通して症状が発生します。

ただ、例えば春のみに症状があらわれるなど、症状と季節が関連している場合は花粉症を疑う必要があります。

また、人間の花粉症の主な症状であるくしゃみや鼻水、目の痒みなどを花粉症の犬が訴えることは珍しいのです。

鼻に刺激を受けて反射的に発生したくしゃみであればすぐに治まるのが普通ですが、くしゃみが長期間続く場合は花粉症以外の疾患を疑うべきでしょう。

歯周病が原因となることもある

中高齢の愛犬の場合、長期間続くくしゃみは歯周病が要因である場合もあります。

上あごの犬歯が歯周病になると、鼻に近い根の部分が炎症を起こし、くしゃみが出るようになります。

他にもケンネルコフや鼻腔内に腫瘍がある、ハウスダストやダニなどのアレルギーの場合もありますので、軽視せず獣医師の診察を受けましょう。

犬の花粉症対策・予防方法

犬の花粉症対策としては、基本的な人間の花粉症対策と同じようなものです。

物理的に花粉を避けることや、ついた花粉を生活空間に持ち込まないよう、落としておくことが中心になります。

アレルギー検査を受ける

愛犬に花粉症を疑うような症状が出た場合、要因となるアレルゲンを特定するためにアレルギー検査を受けてみるのも良いでしょう。

アレルゲンが特定できれば、その植物を避けることで症状の改善が期待できますし、より効果的な治療が行える可能性があります。

現在、犬に対して最も一般的に行われているアレルギー検査は「アレルゲン特異的IgE検査」です。

IgEは免疫グロブリンの一種で、体内に進入していきたアレルゲンに対して働きかけて体を守ってくれる抗体とされ、特に気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎、結膜炎、じんましんなどのI型アレルギーと深いかかわりを持っていると言われています。

IgEは体内で個々のアレルゲンに対して個別に作られるので、体が反応して症状を引き起こしているアレルゲンが何なのかを調べることが可能なのです。

「アレルゲン特異的IgE検査」は血液を用いて行うので、必要な処置は採血のみです。

愛犬の負担が少なく比較的手軽に行える検査ですので、花粉症を疑った場合は一度受けてみると安心できるでしょう。

花粉の多い時間帯から散歩時間をずらす

愛犬を花粉にさらさないように、屋外に出る時間帯を工夫するのもひとつの対策・予防方法です。

自然物である花粉は、1日のうちの時間帯によって飛散量が異なります。

例えば春に多く飛散するスギ花粉やヒノキ花粉は、陽が昇って気温が上がるとスギ林から花粉が飛散し始め、正午前後に花粉が都市部に到達し、上空に舞い上がった花粉は日没後に地上に降りてきます。

このことから、11時~14時前後と日没後の17時~19時前後が都市部での花粉飛散がピークとなるため、この時間帯の散歩は避けた方が良いということになります。

また、最高気温が高めの日、雨の翌日の晴れた日、晴れて風の強い日、湿度が低くからりと乾燥した日などは一般的に花粉の飛散量が多いとされています。

このような日は散歩を取りやめるなど、花粉の飛び方をよく調べたうえで行動を判断するようにしてください。

服を着用させる

愛犬に服を着せて散歩に行き、帰宅したら玄関に入る前に服を脱がせれば、体への花粉の付着を軽減させることができますし、自宅内への花粉の持ち込みも防ぐことができます。

犬の服の素材は花粉が付着して取り除きにくいニットやタオル地などは避け、ポリエステルなどのつるりとした質感の生地で作られたものを選ぶと良いでしょう。

花粉の時期だけに服を着せようとすると、気慣れないために愛犬が嫌がったりする場合もありますので、花粉以外の季節にも時おり服を着用させるなど、服に慣らすことも大切です。

脱がせた犬の服は屋外でしっかりと花粉を払い落してから室内に入るようにし、専用の洗剤で洗濯して清潔に保つようにしてください。

植物の多いルートを避ける

花粉の飛散量が多い時期は、原因となる植物が多く植えられているルートを避けて散歩するのもひとつの対策です。

樹木の多い公園や遊歩道などは避け、街中や住宅街の散歩に切り替えてみましょう。

散歩ルートを変えることで普段会わない犬仲間に出会えたり、愛犬も見慣れぬ風景に新鮮な刺激を受けるなど、副次的な効果も期待できます。

シャンプーの回数を増やす

愛犬の体に付着した花粉を確実に落とすには、シャンプーで洗い流すのが一番です。

花粉の飛散が多い時期は、普段よりもシャンプーの回数を増やして対策しましょう。

シャンプーの回数を増やしたことによって、皮膚が乾燥するなどかえって不調が出る子もいます。

愛犬の体調や皮膚の状態に合わせて、頻度を調整するようにしましょう。

シャンプーそのものをできるだけ皮膚に優しい成分で作られたものに変更するのも良いでしょう。

帰宅後は花粉を落としてから室内に入る

基本の花粉症対策として、愛犬が生活する室内に花粉を持ち込まないことが大切です。

散歩や外出から帰宅したら、愛犬のブラッシングや着ていた服を脱がせるなどの行為は屋外で行い、花粉を落としてから室内に入るようにしましょう。

一緒に散歩に出かけた飼い主さんも衣服に付着した花粉を屋外で落としてから室内に入るようにし、室内への花粉の持ち込みを極力防ぎましょう。

花粉除去用の空気清浄機を使う

最近の空気清浄機は高機能化が進み、タバコの煙や嫌なニオイだけでなく花粉やハウスダストなどの空気中のアレルゲン物質除去にも一役買ってくれます。

家庭用の空気清浄機の多くが、ファンが空気を吸い込み、内蔵されたエアーフィルターが花粉やその他の物質を収集し除去するファン集塵式が採用されています。

ファン集塵式空気清浄機には、花粉よりもさらに小さな物質を逃さない品質のエアーフィルターが採用されていることがほとんどなので、確実な花粉除去効果が期待できます。

室内への花粉進入は完全には避けられないのが現状ですので、空気清浄機を使って快適な室内環境を保ってあげてください。

空気清浄機の効果を最大限に活かすために、部屋の大きさに合ったサイズの製品を選びましょう。

人間用の花粉症薬を飲ませるのはNG

動物病院で処方される犬用の薬の多くが人間用の薬と同様の成分で作られているそうです。

しかし、成分が同じだからといって、人間用の薬を愛犬に飲ませるのは絶対にやめましょう。

例え成分が同じでも、動物用の薬は量などを慎重に計算して処方されています。

人間にとっては副作用が現れない薬であっても、犬に飲ませると重篤な副作用が出る薬もあります。

安易に自己判断して、愛犬に人間用の薬を飲ませることはとても危険です。

犬の花粉症は交差反応にも注意する

花粉症のような症状が出るとき、実は花粉だけが原因でないケースもあるのです。

日常的な食事の中にも可能性はあり、交差反応という反応性によって同じような症状が起こることもあります。

交差反応によって野菜や果物でもアレルギーの原因に

交差反応とは、あるアレルゲンにアレルギー反応を持つ犬の場合、そのアレルゲンと種の近い動植物にも同様のアレルギー反応を示すことをいいます。

ブタクサの花粉にアレルギー反応を示す花粉症の犬は、メロンやスイカ、バナナ、レタス、りんごなどの食べ物にもアレルギー反応を示す場合がありますので、これらの食べ物を与える場合は注意が必要です。

以前は問題なく食べられていたとしても、ある日を境に反応を示すようになることもあります。

愛犬が花粉症と診断されたら、要因となる花粉と交差性のある他の食べ物についても把握し、注意して与える、または一切与えないなどの判断をする必要があります。

主な花粉と食べ物の交差反応アレルゲン類

交差反応アレルゲン類食べ物
ブタクサメロン、スイカ、バナナ、レタス、りんご など
スギトマト など
ハンノキりんご、パセリ、洋梨、桃 など
ヨモギにんじん、セロリ、りんご、メロン、キウイ、スイカ など
カバノキりんご、セロリ、トマト、キウイ、さくらんぼ、ほうれん草 など

花粉症の要因となる樹木と交差反応を示しやすい食品の組合せを一部ご紹介します。

積極的にフルーツや野菜を与えるということはないと思いますが、ドッグフードの一部に含まれている可能性もあります。

また、手作りごはんを与えている場合には、特にこれらの食材に注意しなければいけません。

花粉症になりやすい犬種の特徴

花粉症によるアトピー性皮膚炎などの皮膚トラブルが起こりやすい犬の特徴や犬種にはどのようなものがあるのでしょうか。

好発する犬の年齢は1歳~3歳と、若い月齢の犬が発症しやすい傾向となっています。

犬種としては下記のような犬種が発症しやすいと考えられています。

もともと皮膚が乾燥していたり逆に脂っぽかったり、水分と油分のバランスが取れていないと皮膚トラブルが起こりやすいです。

これらは皮膚のバリア機能が低下している状況なので、花粉やハウスダストなどのアレルゲンが進入しやすくなり、アトピー性皮膚炎を発症しやすくなります。

また、すでに食物アレルギーを発症しているなど、アレルギー反応が出やすい犬種や個体は花粉症にもなりやすいと考えられています。

この記事の執筆者

三浦 優子

執筆者情報

三浦 優子

ライター/第一種動物取扱業(訓練)/犬の栄養管理士アドバンス/JKC愛犬飼育管理士

現在はビーグル犬2頭を飼育。
犬好きが高じたことと、自身の飼育するビーグル犬が噛み犬でしつけに大変苦労した経験から長年の憧れだったドッグトレーナーの許可を2022年に取得、ドッグトレーナーとして起業。
現在は出張訓練をメインとし、自身の犬、生徒さんの犬と訓練競技やノーズワークなどに取り組む。
自身のビーグル犬は訓練に向いた犬種ではないが、訓練競技会において理事長賞などの賞歴多数。

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