胴長短足でがっしり体型が特徴的な、ウェルシュ・コーギー・カーディガン。明るくて飼い主さんに愛情深く、遊ぶことが大好きです。
ウェルシュ・コーギー・ペンブロークと見た目がそっくりで同一犬種だった時期がありますが、今は別の犬種として扱われています。
本記事では日本では滅多に見かけない犬種、ウェルシュ・コーギー・カーディガンの魅力についてお伝えします。
この記事の結論
- 穏やかで明るい性格だが、警戒心が強い一面もある
- 3000年以上の歴史があり、牧畜犬として活躍していた犬種である
- ウェルシュ・コーギー・ペンブロークと似ているが、別の犬種で登録されている
- 日本では飼育頭数が少なく、お迎えが困難な希少な犬種
目次
ウェルシュ・コーギー・カーディガンの特徴

ウェルシュ・コーギー・カーディガンといえば、胴が長く足が短い体型が特徴的。穏やかな性格で、飼い主さんにも従順な性格の持ち主です。
犬種名にもなっている「ウェルシュ」は「ウェールズの」という意味を持ち、ウェールズ原産であることがわかるでしょう。
胴長短足であるため小型犬にも見られますが、とてもがっしりした体格なので重さのある犬種です。
ウェルシュ・コーギー・ペンブロークと非常によく似ており、牧畜犬として働いていた点は同じですが、実はルーツは異なります。
明るく賢い
飼い主に忠実だが警戒心が強い
鳴き声は大きめ
活動的で遊び好き
その他情報
原産地 | イギリス |
犬種グループ | 1G:牧羊犬・牧畜犬 |
大きさ | 中型 |
平均寿命 | 12歳~15歳 |
なりやすい病気 | 椎間板ヘルニア,変性性脊髄症,股関節形成不全 |
参考価格 | 27万円~32万円 |
被毛
抜け毛 | 多い |
毛質 | ダブルコート |
毛色 | ブルーマール,ブリンドル,レッド,セーブル,ブリンドルポイント(トライカラー),レッドポイント(トライカラー) |
ウェルシュ・コーギー・カーディガンの誕生の歴史
ウェルシュ・コーギー・カーディガンは、姿形が似ているウェルシュ・コーギー・ペンブロークよりも古い歴史があります。
紀元前1200年頃に中央ヨーロッパのケルト族によりイギリスに持ち込まれたとされ、祖先はミニチュア・ダックスフンドと同じといわれています。牛などの家畜のかかとに噛み付いて家畜を移動させる、牧畜犬として活躍していました。
もとはペンブロークと同じ犬種として扱われていましたが、1934年にKC(ケネルクラブ)が別の犬種として登録。翌年の1935年には、AKC(アメリカンケネルクラブ)でも犬種として登録されています。
そして1933年、後にイギリス国王となるジョージ6世が、宮廷でカーディガンを飼育したことをキッカケに広く知られるようになりました。
ウェルシュ・コーギー・カーディガンの身体的特徴
ウェルシュ・コーギー・カーディガンは、牧畜犬として活躍していた犬種だけあって骨太でがっちりした筋肉質な体をしています。
短いながらも太い足で長い胴を支えており、ダックスフンドなどと同様に胴長であることがわかります。
ピンと立っている耳は大きくマズルも長いため、顔はやや大きく感じられるでしょう。フサフサした長い尻尾も特徴的です。
ウェルシュ・コーギー・カーディガンのサイズ(体高・体重)
体高 | 30cm |
体重 | 男の子:14kg~17kg 女の子:11kg~15kg |
ウェルシュ・コーギー・カーディガンの体高と体重は表の通りで、中型犬に分類されます。
男の子と女の子で体高に大きな差はなく、体重はやや男の子の方が重い傾向に。
足は短いですが上から見ると横幅の厚みがしっかりとあって、筋肉質であることがわかります。
ウェルシュ・コーギー・カーディガンの毛色・被毛
- ブルーマール
- ブリンドル
- レッド
- セーブル
- ブリンドルポイント(トライカラー)
- レッドポイント(トライカラー)
ジャパンケネルクラブでは、さまざまな毛色が認められています。インターネット上では、頭や尻尾の先、足先が白いタイプをよく見かけますが、ホワイトマーキングはあってもなくても問題ありません。
しかし、体と頭部に白が多いことは認められておらず、濃い赤褐色(レバー)と薄い色も望ましくないとされています。短毛のダブルコートですが、尻尾の被毛はフサフサと長いです。
ウェルシュ・コーギー・カーディガンの運動能力
牛の足を噛んで動きを制御する牧畜犬だったため、運動能力に優れています。見た目とは裏腹に俊敏で体力もあり、多くの運動量が必要です。
ボール投げをして遊んだり、アジリティなどのドッグスポーツで思い切り運動させてあげるといいでしょう。
ウェルシュ・コーギー・カーディガンの平均寿命
ウェルシュ・コーギー・カーディガンの平均寿命は、12歳~15歳だといわれています。個体差はありますが、犬の平均寿命よりもやや長い犬種でしょう。
犬の寿命は、食事や運動など生活環境によっても大きく変わってきます。長生きしてもらうためには、飼い主さんが常日頃から愛犬の健康面を意識してお世話してあげることが大切です。
ウェルシュ・コーギー・カーディガンの注意したい病気
椎間板ヘルニア | 椎間板が変形して脊髄を圧迫し、痛みを伴う |
変性性脊髄症 | 痛みを伴わずに後肢から前肢にかけてゆっくりと麻痺が進行する脊髄の病気 |
股関節形成不全 | 関節の骨が変形し、股関節が噛み合わなくなる病気 |
進行性網膜萎縮症 | 網膜に異常が起こり、進行により視力が低下する |
椎間板ヘルニア(ついかんばんへるにあ)は胴長の犬種がかかりやすく、肥満になることでリスクが高まるので、食事管理と運動の徹底は必須です。
変性性脊髄症(へんせいせいせきずいしょう)はコーギーに発症例が多く見られる病気で、発症後は痛みがなく、ゆっくりと麻痺が進行して3年以内に亡くなります。
残念なことに原因が不明なだけでなく、有効な治療法も見つかっていません。少しでも歩き方や足の様子がおかしいと感じたら、すぐに動物病院を受診することが肝要です。
同様に関節系疾患である股関節形成不全(こかんせつけいせいふぜん)、眼疾患である進行性網膜萎縮症(しんこうせいもうまくいしゅくしょう)にも注意しましょう。
ウェルシュ・コーギー・カーディガンとペンブロークの違いは?
ウェルシュ・コーギーには、ウェルシュ・コーギー・カーディガンとウェルシュ・コーギー・ペンブロークの2種類が存在します。名前が似ていて混同されやすいですが、それぞれに異なる特徴があります。
ウェルシュ・コーギー・カーディガン | ウェルシュ・コーギー・ペンブローク | |
---|---|---|
しっぽ | 長くてふさふさしている | 生まれつき短い、または断尾されている |
耳の形 | 大きく丸みを帯びている | 先が尖っている |
体格 | ペンブロークよりやや大きく、骨格がしっかりしている | カーディガンよりやや小さい |
性質 | 穏やかで落ち着きがある | 明るく活発で遊び好き |
気質 | 飼い主に従順で協調性が高い | 独立心が強く、頑固な一面も |
起源 | ウェールズのカーディガンシャー地方 | ウェールズのペンブロークシャー地方 |
歴史的背景 | 牧牛犬として長い歴史を持つ | スウェーデンから持ち込まれた犬種がルーツとされる |
これらの違いを理解することで、それぞれの犬種の個性をより深く知ることができます。
カーディガンは穏やかで従順、ペンブロークは明るく活発という性格的な違いが、飼い主のライフスタイルに合った犬種を選ぶ上で重要なポイントとなります。
ウェルシュ・コーギー・カーディガンの性格・習性

ウェルシュ・コーギー・カーディガンは、活発で穏やかな性格が特徴です。飼い主さんには忠実ですが、知らない人や犬に対しては警戒心を示す一面も。
また牧畜犬であったことから、走る人や物に対して吠えたり追いかけたりすることもあります。
穏やかで飼い主さんに忠実
ウェルシュ・コーギー・カーディガンは穏やかで落ち着いた性格をしており、のんびりした面も持っています。
運動をするときはしっかりと運動しますが、飼い主さんと一緒にソファに座ってゆったりした時間を過ごすことも好き。
飼い主さんには忠実で愛情深く、一緒に過ごすことが大好きです。賢く利口な犬種なので、きちんと信頼関係を築ければ、さほど苦労することなくしつけができるでしょう。
活発で遊ぶことが好き
牧畜犬として活躍していたときは、一日中走り回れるほどスタミナが豊富だったウェルシュ・コーギー・カーディガン。
活発で遊ぶことが大好きな犬種で、見かけによらず元気に走り回る姿に驚くかもしれません。牧畜犬の性質と好奇心旺盛な性格から、動くものに反応して追いかけたりすることも。
ガッチリした体で力も強いので、散歩のときに急に引っ張られてリードを離さないよう注意が必要です。
警戒心が強い一面もある
飼い主さんに忠実な一方、知らない人や犬には警戒心が強い一面があり、場合によっては攻撃的になることも。
動くものに対して追いかけ回したり吠えたりすることもあるため、多頭飼いには向きません。
ドッグランなど外出先では、トラブル防止のためにも飼い主さんが制御できるようにしつけておく必要があります。
ウェルシュ・コーギー・カーディガンを飼うのに向いている人の特徴

ウェルシュ・コーギー・カーディガンは、どのような人がお世話をするのに適しているのでしょうか。
一緒に暮らしていくうえで、特に抑えておきたいポイントを含めて3つご紹介します。
散歩や一緒に運動する時間を確保できる人
ウェルシュ・コーギー・カーディガンは、遊んだり運動したり体を動かすことが大好きな犬種です。
十分な運動をさせてあげないと、ストレスになるほか肥満にもつながります。
毎日の散歩や室内で一緒に遊んであげる時間を確保できる人は向いている一方で、日頃なかなか時間を取れない人は不向きかもしれません。
お手入れをこまめにしてあげられる人
ウェルシュ・コーギー・カーディガンは短毛で抜け毛が多いため、こまめな被毛のケアは必須になります。
また、歯の健康維持のための歯磨きや、毎日のトイレ掃除(交換)も必要です。
いずれも愛犬と暮らしていく上で欠かせないことで、苦痛に感じることなくこなせる人は適してるといえます。
しつけをしっかりと行える人
ウェルシュ・コーギー・カーディガンは、物覚えが良く飼い主さんにも従順なことから、比較的しつけがしやすい犬種です。
しかし、賢いがゆえに間違ったことも覚えてしまいます。間違ったことを指摘しないまま育つと、トラブルの元にも。
甘やかさずにダメなものはダメとしっかり教えないと、わがままに育つ可能性があります。子犬の頃から、責任を持ってしつけられる人は向いているでしょう。
ウェルシュ・コーギー・カーディガンの飼い方

愛犬を迎え入れたら、運動・しつけ・体のお手入れ・食事など、すべて飼い主さんが行ってあげなければいけません。
ここでは、ウェルシュ・コーギー・カーディガンと快適に暮らすための、ポイントについて解説します。
散歩は約1時間を1日2回が目安

ウェルシュ・コーギー・カーディガンは運動量が豊富で、さらに体力もある犬種なので毎日の散歩は欠かせません。
1日2回、1回30分~60分程度の散歩が必要です。運動不足になると、ストレスや肥満になる恐れがあるので注意しましょう。
ウェルシュ・コーギー・カーディガンなどの胴長犬種が肥満になると、より腰に負担がかかるようになるため危険です。
散歩のほかにも、ドッグランやプールなどで存分に遊ばせてあげるのもおすすめですよ。
噛み癖や吠え癖がつかないようしつけを徹底する

牛や羊の足を噛む牧畜犬の名残りから、人の足を噛んだり、警戒心から吠えたり追いかけたりすることがあります。
ほかの人や犬に対して噛む、吠える行為をしてしまうとトラブルになりかねません。
噛み癖や吠え癖は一度ついてしまうと直すのが非常に大変になるので、迎え入れたら早い段階でしつけを行いましょう。
頭がいい犬種なので、飼い主さんがリードして適切にしつけてあげれば要望に応えてくれますよ。
高所からの飛び降り禁止対策

胴長体型のウェルシュ・コーギー・カーディガンは、高所から飛び降りて着地する際に腰に負担がかかりやすく、怪我をしたり椎間板ヘルニアになりやすいです。
跳躍力のある犬種なので、ソファやベッドなどを昇り降りしないようにしつける必要があります。
また、階段など段差があるところを上り下りすることでも足腰に負担がかかります。
ソファやベッドをロータイプにしたり、床を足腰にやさしい素材にするなどの工夫をすることで、愛犬への負担を軽減できますよ。
シャンプーの目安は月1~2回

愛犬をシャンプーすることは、皮膚の病気や体臭予防につながります。汚れや臭いに応じて、月に1~2回を目安にシャンプーをしましょう。
毎週シャンプーすることは、肌バリア機能が低下して皮膚病にかかりやすくなるのでNGです。より綺麗にしてあげるのであれば、トリミングサロンの活用もおすすめ。
基本的にカットが必要ない犬種ですが、素人では見落としてしまいがちな細部まで丁寧に汚れを洗い流してくれるほか、コーギー特有のかわいい桃尻(お尻)カットをしてくれますよ。
週に2~3回のブラッシング

ウェルシュ・コーギー・カーディガンはダブルコートで抜け毛が多く、ブラッシングをしっかり行えばカットの必要がない犬種です。
週に2~3回を目安にブラッシングし、より多くの毛が抜ける換毛期は毎日行いましょう。
ブラッシングは皮膚や被毛を清潔に保つほか、皮膚や体の異常を早期発見することにも役立ちます。
歯磨きは子犬の頃から習慣化させる

愛犬の健康のためにも歯磨きはできるだけ毎日、最低でも3日に1回は行いましょう。歯磨きを行わないと歯垢・歯石が溜まり、歯周病の原因となってしまいます。
歯周病が進行していくとさらに悪化していき、歯槽膿漏や細菌が内臓にまで達することもあるほどの病気です。
また、歯磨きは新しい体験を受け入れやすい子犬期から練習を始めると、その後もスムーズに歯磨きを習慣化させることができますよ。
肥満予防のできる低カロリーフードを選ぶ

ドッグフードにはさまざまな種類がありますが、主食には主食として与えられるドッグフードを選ばなければいけません。
主食には水とフードのみで必要な栄養バランスで食事できる総合栄養食や、総合栄養食基準などで作られているドッグフードを与えましょう。
また、犬は「子犬、成犬、高齢犬」と成長段階によって、必要とするエネルギーの量が異なります。
必要な栄養やエネルギーをしっかり摂れるように、愛犬の年齢に合わせてフードを切り替えることも大切です。
肥満にならないよう体重管理をする
ウェルシュ・コーギー・カーディガンは肥満になりやすいです。肥満になると腰や足腰を痛めるリスクが高まるので、飼い主さんがしっかりと体重管理を行ってあげなければいけません。
肥満度の測定は、ボディ・コンディション・スコアを参考にしてください。
運動不足にならないよう、散歩や遊ぶ時間をしっかりと確保し、おやつの与えすぎにも注意しましょう。
食事はパッケージに記載されている量を目安に与え、より的確な量・回数を与えるのであれば、以下の給与量計算機をご活用ください。
活動係数
愛犬の1日あたりのフードの量
g
2回に分けて与える場合 g/1回
3回に分けて与える場合 g/1回
4回に分けて与える場合 g/1回
愛犬の1日あたりに必要なカロリー
kcal
おすすめのドッグフード・アイテム
人間が食べられる材料を使用しているモグワン。主原料はタンパク質が豊富なチキン生肉と生サーモンで、厳選された野菜やフルーツも配合しています。
グレインフリー(穀物不使用)なので、穀物アレルギーの子でも食べられる点もポイントです。
大きさ約1cmのドーナツ型の粒で、真ん中に穴が空いており、小型犬でも食べやすい設計になっています。
ファーミネーターは、内側に生えるアンダーコートケアに優れた効果を発揮するペットブラシです。
やさしくブラッシングするだけで、皮膚を保護するトップコートを傷めずに不要な毛を取り除きます。
抜けた毛もワンプッシュで除去できて、ブラッシング効率もアップします。
ウェルシュ・コーギー・カーディガンの価格

ウェルシュ・コーギー・カーディガンの平均価格は27万円~35万円です。
しかし、国内で飼育・販売されているコーギー種のほとんどがペンブロークといわれており、ペットショップで出会える可能性は低いでしょう。
ブリーダーや里親でのお迎え情報を見かけることも非常に少なく、入手しにくい犬種といえます。
希少な犬種なので、お迎えを希望するのであればブリーダーさんや里親募集サイトをこまめにチェックしてみるといいでしょう。
ウェルシュ・コーギー・カーディガンの理解度チェック
この記事の執筆者
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