無毛(ヘアレス)の猫種が存在することは少しずつ知られてきていますが、中でもまだ知られていないであろう猫種がドウェルフです。
広く知られているスフィンクスなどと比べても、まだまだ認知度がなく、これからといった可愛らしい猫種。
そんなドウェルフの魅力について、特徴や性格を中心に詳しくご紹介していきます。
この記事の結論
- ドウェルフはとても小柄で、体重は最大でも4kg程度の猫種
- 誕生してからまもなく、まだ十数年程度の歴史しかない
- マンチカンのように手足が短くスフィンクスのように無毛、アメリカンカールのように耳はカールしている
- 被毛がないためブラッシングではなく、ウェットティッシュ等でのお手入れが必要
ドウェルフの特徴

ドウェルフは無毛の猫種や小柄な猫種をかけあわせて誕生した、比較的新しい猫種です。
原産国はアメリカで、大きくなっても体重が4kg程度と非常に小柄な猫であることがわかります。
特徴的なのは無毛であることと、交配時に採用されたアメリカンカールのカールした耳。
名前の由来は小人を指す「dwarf(ドワーフ)」と、特徴的な耳の「elf(エルフ)」からとって名付けられています。
人懐っこく友好的な性格
とても人懐っこい
ほとんど鳴くことはない
運動神経がよく、遊びを好む
その他情報
原産地 | アメリカ合衆国 |
猫種公認団体 | TDCA |
大きさ | 小型 |
平均寿命 | 12歳~15歳 |
なりやすい病気 | 皮膚病,漏斗胸 |
参考価格 | 15万円~30万円 |
被毛
抜け毛 | ない |
毛質 | 被毛なし |
毛色 | クリーム,ホワイト,ブルー&ホワイト |
毛の長さ | 被毛なし |
ドウェルフの誕生の歴史
ドウェルフは誕生からまだ十数年といった非常に浅い歴史の猫種で、まだまだ知られていないこともたくさんあります。
誕生の際にしては、マンチカン、スフィンクス、アメリカンカールといった猫種が採用され、これらの特徴を持って生まれました。
誕生したのはアメリカのアーカンソー州で、ブリーダーのステファニー・オズボーン氏によって作出されました。生まれたのが2008年ということもあって認知度はまだなく、TICAやLOOFには実験品種として登録されています。
それぞれ特徴を持つ猫種が作出にあたって採用されているため、今でも論争のある猫として海外では知られています。
ドウェルフの身体的特徴
身体的な特徴としては、やはり無毛であるという点が一番大きく、ついでカールした大きな耳です。
無毛は交配時に採用されたスフィンクスから引き継いでおり、カールした耳はアメリカンカールから。
この2点が特に目立った特徴とも言えるポイントで、見た目でわかりやすいポイントではないでしょうか。
ドウェルフのサイズ(体高・体重)
体高 | 15cm~17cm |
体重 | 2kg~4kg |
成猫になっても子猫と同程度の体高・体重とされているのが、ドウェルフの特徴です。
体高は大きくなっても20cmに満たないほどで、体重も4kg程度が上限だと言われています。子猫でも到達するサイズ感ということで、まさに小人のような猫ですね。
ドウェルフの毛色・被毛
ドウェルフは無毛であるため、被毛はありません。皮膚の色は肌色ですが、ややグレーがかった色や、濃いめのグレーなども見られます。
ドウェルフの運動能力
運動能力が特別高いというわけではありませんが、活発に動き回ることを好みます。
マンチカンの短い足も受け継いでいるので、高い段差などには注意が必要。猫なのでがんばって飛び乗ろうとしますが、体は小さいので飼い主さんが見ていてあげる必要もあります。
ドウェルフの性格・習性
見た目こそどこか怖いイメージを持つ人もいるかもしれませんが、実際には優しい心の持ち主です。そんなドウェルフの性格について、大きく2つにわけてご紹介します。
社交性が高く人懐っこい
こんな見た目をしていますが、実はとても社交性が高く、誰とでも仲良くなれる猫種です。
人懐っこい一面も持ち合わせているので、猫同士だけでなく小さな子どもとも仲良くなれます。
お迎え初日こそはよそよそしい一面も見られるかもしれませんが、人懐っこさはすぐにわかるほどでしょう。
好奇心旺盛で活発
小さい体ではありますが、好奇心旺盛で活発に活動するので、飼い主さんは目が離せないでしょう。
子猫と同程度の体のサイズ感でもあるため、目線次第では足元に突然現れることも。
元気なことは良いことですが、被毛を持たないドウェルフにとっては、室内でケガをする場所も多くなっているため注意が必要です。
ドウェルフの平均寿命
ドウェルフはまだ新しい猫種なので、正確な平均寿命などはわかっていません。ただ、一部では12歳~15歳程度だと言われており、長くても平均寿命程度であると言われています。
どちらかと言えばやや短い程度の寿命だということも理解し、その上でお迎えすることをおすすめします。
ドウェルフの注意したい病気
ドウェルフはどちらかと言えば体が丈夫な猫種だと言われていますが、まだ情報は少ない猫種です。
中でも無毛であることによる皮膚病はもちろんのこと、漏斗胸(ろうときょう)や肥大型心筋症(ひだいがたしんきんしょう)には注意が必要。
特に皮膚の異常には気付きやすいはずなので、日頃からのケアが大切です。
ドウェルフの見分け方
無毛の猫種はドウェルフ以外にもたくさん存在しており、以下のような猫種が似ています。
いずれも非常に似ている猫種ばかりで、見分けるには耳のカールがひとつのポイントになります。
体のサイズもドウェルフは小さい方ですが、見た目だけで見分けるのは難しいでしょう。
ドウェルフと繋がりのある猫種
マンチカン

北アメリカを原産国とするマンチカンは、短い足が特徴的な猫種として知られています。
小型が人気の日本においても非常に人気が高く、犬種でいうダックスフンドやコーギーのような見た目です。
ドウェルフの短い足はこのマンチカンから引き継いでいると思われ、可愛らしい見た目の特徴にもなっています。
穏やかで甘えん坊
好奇心旺盛で人懐こい
鳴き声は基本的に小さい
活発で運動能力が高い
その他情報
原産地 | アメリカ合衆国 |
猫種公認団体 | TICA |
大きさ | 小型 |
平均寿命 | 11歳~12歳 |
なりやすい病気 | 椎間板ヘルニア,関節炎,毛球症,猫伝染性腹膜炎 |
参考価格 | 6万円~50万円 |
被毛
抜け毛 | 多い |
毛質 | ダブルコート |
毛色 | レッド,クリーム,ブラウン,ホワイト,ブルー,シルバー,ブラック,キャリコ |
毛の長さ | 短毛or長毛 |
スフィンクス

見た目で言えばドウェルフに非常によく似ているのが、スフィンクスではないでしょうか。
ほとんど見分けるのが難しいほど似ているのは、無毛であるという点が大きなポイントに。
元気いっぱいで人懐っこい性格なども、スフィンクスから受け継いでいる点が大きいでしょう。
元気で甘えん坊な性格
好奇心旺盛で人懐っこい
それなりに鳴くことがある
運動神経が抜群
その他情報
原産地 | カナダ |
猫種公認団体 | CFA,FIFe,GCCF,TICA |
大きさ | 中型 |
平均寿命 | 12歳~14歳 |
なりやすい病気 | 耳疥癬症,皮膚病,肥大型心筋症 |
参考価格 | 30万円~50万円 |
被毛
抜け毛 | ない |
毛質 | 被毛なし |
毛色 | ホワイト,ブラック,ブルー,キャリコ,タビー,ブルークリーム&ホワイト,ブラック&ホワイト |
毛の長さ | 被毛なし |
アメリカンカール

マンチカンやスフィンクスと比べると、ドウェルフに面影がないアメリカンカール。
ただ、アメリカンカールの特徴でもある、カールした耳はそのままドウェルフの特徴になっています。
優性遺伝ではありますが、アメリカンカール自体でもカールした耳を持つのは約半数と言われています。
活発な性格で好奇心が強い
縄張り意識が弱く、友好的
鳴くことは少ない
平均的な運動量
その他情報
原産地 | アメリカ合衆国 |
猫種公認団体 | CFA,FIFe,TICA |
大きさ | 小型 |
平均寿命 | 13歳~15歳 |
なりやすい病気 | 外耳炎,毛球症,進行性網膜萎縮症(PRA),下部尿路疾患 |
参考価格 | 10万円~30万円 |
被毛
抜け毛 | 少ないor多い |
毛質 | シングルコートorダブルコート |
毛色 | レッドタビー&ホワイト,シルバータビー&ホワイト,ブラウンタビー&ホワイト,クリーム&ホワイト,ブルー&ホワイト,ブルーパッチドタビー,クリームタビー,ブルータビー,カメオタビー&ホワイト,ホワイト |
毛の長さ | 短毛or長毛 |
ドウェルフを飼うのに向いている人の特徴

ドウェルフをお迎えする前に、どんな人が相性良いのか確認してみましょう。
あくまで目安程度ですが、ドウェルフの特徴を理解してお迎えすることが大切です。
お手入れに時間をかけられる人
ドウェルフ最大の特徴でもある無毛は、他の猫よりも違ったお手入れが必要になります。
通常であればブラシを使ったブラッシングだけで良いものの、ドウェルフにはブラシが適していません。
ウェットティッシュを使ったお手入れや、定期的なお風呂などが必要になる点は、それだけの時間が必要になります。
すでに多頭飼いをしている人
人懐っこく他の動物とも仲良くできるドウェルフですが、寂しがりやな一面も持ち合わせています。
依存度がとても高いわけではないものの、留守にすることがある人だと適していません。
ただ、すでに先住猫がいるご家庭や他の動物がいる場合には、適しているケースもあります。
あくまで相性には個体差があるので、多頭飼いなら何でも良いというわけではありません。
小さい子どもがいる人
先住猫や他の動物だけでなく、小さい子どもがいるご家庭においてもドウェルフは適しています。
遊び相手になってくれるだけでなく、子猫から一緒に育っていき、社会性を育むこともできます。
気性が荒いわけでもありませんので、小さい子どもがいても相性が良い猫種だと言えます。
ドウェルフの価格

ドウェルフは現在のところ、まだ珍しい猫種とされています。そのため日本国内でブリーダーを見つけるのは難易度が高く、海外からの輸入が一般的となっています。
個体価格こそ15万円~30万円程度ではありますが、輸入手数料等を加味すると倍程度の費用がかかってきます。
まだまだ珍しい猫種ではありますので、今後少しずつでも日本国内でお迎えできる機会が増えてくるといいですね。
ドウェルフの飼い方

ドウェルフをお迎えするとなったら、次のポイントに気をつけてみましょう。
特に注意してお迎えしたい飼い方のポイントを、いくつかにわけてまとめてみました。
被毛を持たないため、皮膚のお手入れを丁寧に行う

通常の猫であれば被毛をキレイに保つため、週に何度かブラッシングをします。
しかしドウェルフは被毛を持たない無毛なので、皮膚のお手入れ方法がやや異なる点に注意しましょう。
ブラシを使ったブラッシングでは皮膚を傷めてしまう可能性がありますので、基本的には拭くだけでOK。
汚れている場所や皮脂など、適度にウェットティッシュを使って拭き取ってあげましょう。濡れたらきちんと乾いたタオルで拭き取ることも忘れずに。
一般的な猫より、お風呂が重要になる
猫は水を嫌がるというのが一般的ですが、ドウェルフはブラッシングができない以上、お風呂も重要です。
定期的にウェットティッシュなどを使った拭き取りは大事ですが、お風呂に入れてあげることで効率的に清潔を保てます。
お風呂の回数は他の猫種よりも圧倒的に多く、週に1回程度が目安とされています。
寒さや暑さに弱いため、日光や室温を徹底管理する
被毛を持たないために、寒さにも暑さにも弱いというのがドウェルフの特徴です。
室温を適切に管理し、25℃前後を維持できるようにしてあげなければいけません。
また、直射日光にも注意が必要。日焼けをしてしまったり、場合によっては火傷する可能性もあります。
家具やおもちゃで皮膚を傷つけないようカバーしておく
皮膚が被毛によって守られていないため、家具などにぶつかるとそれだけでケガをすることもあります。
特に完全室内飼いが基本になっている今、家具から飛び降りたときや走り回ったときにぶつかることもあるでしょう。
ぶつかるとそれだけでケガをする可能性も高いため、服を着せたり家具の角にはカバーをつけておくといった対策が必要になります。
カロリー消費が多いため、動物性タンパク質を中心とした食事にする

体温調節が難しい無毛のドウェルフは、カロリー消費が他の猫種よりも高いと言われています。
体重に対する目安量を食べていても、もしかしたら痩せてきてしまうかもしれないので、よく注意して観察してあげてください。
痩せてきているようであれば量が足りていませんので、量を食べられないなら高カロリー食への変更が必要。
いずれにしても体の基礎を作ることになる、動物性タンパク質中心の食事にしましょう。
おすすめのキャットフード3選
スタンダードな総合栄養食として、日常使いがしやすいキャットフードがこちら。
ニュートロはペットショップや大型モールのペットショップなどでも売られており、入手しやすいのが特徴。
ニュートロの中でもワイルドレシピシリーズは、肉食の猫が野生時から食べていた食事に近づけたレシピとなっています。
魚好きの子や、食物アレルギーが気になる子に、新鮮なタンパク質を。
ナウフレッシュのキャットフードは、フレッシュミート100%で、3種類の主要タンパク源で構成されています。
人間でもわかるほど香りがしっかりとしており、食いつきがよく食べ飽きが少ないことでも知られています。
動物性原材料を約80%使用した、チキン・鴨・サーモン・マスなどで作られたジャガーキャットフード。
新鮮な動物性タンパク源がたっぷり含まれており、驚くほどの食いつきが期待できます。日頃からよく運動し、エネルギーがたくさん必要な子におすすめです。
おすすめのアイテム・グッズ
被毛を持たないドウェルフは、ブラシを使ったブラッシングではなくウェットティッシュで拭くというのが一般的。
ただ、人間用のウェットティッシュは、除菌ができるようにアルコールを含むものがたくさんあります。
赤ちゃん用のノンアルコールなら使えますが、ペット用ならより安心です。
室内で活発に走り回ることが多い子にとって、フローリングは足腰を痛める原因になります。
ドウェルフも同様で、なおかつ被毛を持たないため滑って転んだときにもケガをしないような対策が必要。
まずは基本的なフローリング対策から、必要に応じた対策を少しずつ行いましょう。
被毛のある子ならばどこでも寝やすいものですが、被毛を持たないと肌に直接影響を与えます。
可能ならばこうしたペット用ベッドを使うことで、体への負担を減らすことが大切。
ペット用ベッドも種類があり、その子によって好みが分かれるので相性の良いものを探しましょう。
ドウェルフの理解度チェック
この記事の執筆者
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