現在では犬の飼育頭数を上回り、横ばいや微増という、日本における猫の飼育頭数。
多頭飼いされている世帯も多く、猫との生活に憧れている人も少なくないのではないでしょうか。
もし「猫を飼いたい」と思ったら、簡単にお迎えする方法がある一方で、新しく家族を迎える覚悟も必要です。
どんな覚悟が必要なのか、心構えからお迎えの良い点、大変な点などを、詳しくまとめました。
この記事の結論
- 猫は長ければ20年以上、生きてくれるので終生飼養を理解してからお迎えする
- 薄明薄暮性という特性により、夜間帯に元気になることもある
- 猫を飼うのにかかる生涯経費は、約150万円程度である
- 子猫の殺処分数が非常に多く、保護犬の約4倍の保護猫がいる
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目次
猫を飼うということは命を預かるということ
犬に比べて野良猫などもまだ一般的であるため、「猫のお世話は飼い主さんが行うもの」という認識が薄い人もいるでしょう。
もちろん野生で生きていくこともできますが、危険なこともたくさんあり、生きていくのは簡単ではありません。
その点、飼われている猫は適切な飼養さえ行われていれば、長く健康的に生きていくことができます。
新しく猫をお迎えするということは、『命を預かる』ということであり、何があっても飼い主さんの責任になります。
手軽にお迎えできる場所もまだたくさんありますが、命を預かることは簡単な覚悟ではないでしょう。
良いことも大変なこともある
一度も猫をお迎えしたことがない人は、たまに会う猫の良い面が多く見えてしまうもの。
もちろん、愛猫との生活は楽しいものですが、実際にお世話をするとなれば大変なこともたくさんあります。
その大変さもあらかじめ理解しておき、その上でお迎えをする覚悟が必要になるのです。
良い面はもちろんのこと、大変なところや苦労するところについても、事前に把握しておきましょう。
終生飼養が飼い主の責務
とても大事なことですが、平成25年9月1日より動物愛護管理法が改正されて、ペットの終生飼養について明示されています。
終生飼養とは「動物がその命を終えるまで、適切に飼養すること」で、飼い主さんや動物取扱業者は動物がその命を終えるまで適切に飼養しなければなりません。
同時に都道府県等の保健所についても、適切な理由がない限りは、引き取りを拒否できるようになっています。
引き取りできる頭数も上限があるため、一定数を超えると殺処分に。動物は殺されるために生まれてきたわけではありません。どんな動物も、飼い主さんが命を握っているのです。
参考:環境省 動物愛護管理法
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年齢によっては飼えないこともある
猫の平均寿命は最新の調査でも15歳を超えてくるようになっており、長ければ20歳にもなります。
平均寿命は年々と上昇傾向にあり、20年近くを一緒に生きていくことになるため、特に高齢者は飼えなくなる可能性もあるでしょう。
だからといって終生飼養は飼い主さんの責務。年老いたからといって簡単に手放すこともできませんよね。
猫は薄明薄暮性の特性がある
犬とは違って猫特有の特性でもあるのが、薄明薄暮性といって「明け方や夕方に活動的になる」動物です。
日中には寝ることが多く、その一方で寝る時間の早い方だと、猫が元気な時間帯にちょうどあたるのです。
人間のように、夜になったら寝るというものでもないため、場合によっては睡眠を妨げられる可能性も。
また、猫は睡眠時間がとても長く、14時間~16時間程度は寝る動物。長ければ20時間ほど寝ることもあるので、ほとんどコミュニケーションを取ることができない可能性もあります。
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猫を飼うことによるメリット
猫をお迎えするということは、魅力的な面がたくさんあるからそうした決断をするはず。
メリットというよりも、猫が家に居ることの魅力について詳しくお伝えします。
毎日の癒やしになる
お仕事から家に帰ってきたとき、お風呂から上がったときなど、きっと扉の前で待っていてくれるでしょう。
それが日々の癒やしになるもので、体や心の疲れも吹き飛ぶような嬉しさを感じられるはず。
実際に猫をお迎えするきっかけになった第一の理由が「日々の生活に癒やしや安らぎが欲しいと思ったから」という理由になっています。
多くの方が猫に対して癒やしを求めており、癒やされるであろうことを期待しています。
生活が楽しくなる
猫は基本的に完全室内飼いとなり、特別なことがない限りは外に出ることがありません。
特にインドア派の方にとっては、特別散歩に行く必要もないため、室内での生活がとても楽しくなります。
おもちゃ遊びも室内ですし、キャットタワーやキャットウォークなどを設置すれば、写真撮影の機会もたくさん増えますね。
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殺処分の可能性から救える
猫をお迎えする方法はその多くが無償譲渡となっており、野良猫や友人・知人からの譲渡とされています。
お迎え方法の50%以上がペットショップである犬と比べてもこの割合は非常に多く、救助を必要としている子たちがきちんとお迎えされています。
しかしそれでもまだ殺処分数は約4倍ほどで、特に子猫の殺処分数は半分以上。
生まれてすぐに殺されてしまうことが多い猫を、新しい飼い主さんの手によって救うことができます。
参考:環境省 犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況
猫を飼うことによるデメリット
猫をお迎えすることは良いことばかりではなく、ときには大変なこともあります。
これを理解しておかないと、実際に飼い始めてから「こんなはずじゃなかった」と思ってしまうことに。
後悔しないためにも、知っておくべきことをご紹介します。
お金がかかる
猫をお迎えすれば当然、お世話をしていく上でさまざまな費用がかかってきます。
さまざまな調査結果があるものの、一生涯にかかる費用は約150万円程度だと言われています。
平均寿命が約15歳ですから、年間10万円程度が発生し、毎月1万円弱が必要になるということを覚えておきましょう。
特に医療費などは突然の出費になり、高額にもなりやすいため注意が必要です。
できないこと・うまくいかないことも増える
猫は犬のようにしつけがうまくできるわけではなく、そもそもイタズラできないような環境を構築する必要があります。
とは言ってもそれも簡単なことではなく、対策が完全であるとは限りませんし、必ずうまくいくわけでもありません。
また、猫は成猫であれば1泊2日程度のお留守番が可能だと言われていますが、それ以上の外泊は難しいです。
旅行好きの方は特に注意が必要ですし、危険なものを口に入れないよう、対策をしておく必要もあります。
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必ずお別れが訪れる
寿命を全うしたらお別れです。一度お迎えしたら、必ずいつかはお別れが訪れるもの。
長く一緒にいればそれだけ辛さも増しますし、失った悲しみはきっといつまでも続いてしまうでしょう。
お迎えをしなければお別れもありませんが、お迎えをするということは、必ず最期があります。
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猫を飼うのにかかる費用
猫をお迎えするとなったときにかかる費用は、いくつかの支出項目に分けられます。
必要なのは有償譲渡時に必要な生体費用だけでなく、愛猫が快適に過ごせる環境が必要です。
初期費用
ペットショップやブリーダー経由の有償譲渡では、15万円~20万円程度が平均的な費用感です。
どのようなルートでお迎えするかにもよりますが、無償譲渡であれば費用がかからないこともありますし、数万円程度で済むこともあります。
対してグッズ類はケージを始め、キャットフードやトイレ、猫砂などが必要になります。
キャットフードや猫砂などは一生涯必要になり、都度買い足す必要があるものなので、次の生涯費用にも掲載しています。
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生涯費用(年間費用)
基本的に必要となる支出項目は上記の通りで、キャットフードや猫砂などは常に買い足しが必要になります。
爪とぎやケアグッズはなくなったり、古くなってしまったときに買い替える程度でOK。
医療費は都度必要になるもので、病気や治療内容によっては高額になる可能性もあります。
保険代は犬に比べてやや安くなっており、2,000円~3,000円程度であることが多いですが、プランによってはより高くなることも。
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猫を飼う方法(出会い方)
猫をお迎えする前のルートは犬と同じで、大きく分けると3種類+1程度です。
保護猫(譲渡会等)
nademoでもっともおすすめしたい出会い方は、譲渡会などを通じて保護猫をお迎えするということです。
各都道府県が運営する保健所などにも保護猫は存在し、お迎えすることによって殺処分の可能性から救うことができます。
特に猫は保護される猫が多く、その多くが子猫とされており、なおかつ殺処分される子たちも半数以上が子猫という状況。
成熟個体であっても幼齢個体であっても、保護猫をお迎えするということで人の手によって救える命があるのです。
後述のペットショップやブリーダーを経由すれば望みの猫種と出会えるかもしれませんが、特定の猫種がいないなら無償譲渡の選択をおすすめします。
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里親募集サイト
保護猫とはやや異なりますが、こちらも無償譲渡であることが多く、子猫でお迎えできることも多いです。
里親募集サイトは保護団体が行っていたり、一企業が運営していることもあり、利便性はそれぞれ異なります。
一般的に個人間でのやり取りとなってしまうため、中にはトラブルが発生することもあるでしょう。
しかし、無償譲渡であることが多く、インターネットを使って探すこともできるため、より多くの子に出会えます。
ペットショップ
昔からもっとも一般的で、今なお利用されている方も多いのが、ペットショップではないでしょうか。
すでに猫をお迎えしている人は、ふらっとペットショップに立ち寄って、そこで運命的な出会いをしたという方も多いはず。
子猫の割合も多いですが、あくまで生体販売されているため、価格は他に比べて高くなりやすいです。
ブリーダー(キャッテリー)
流通ルートのもっとも上流に位置しているブリーダー(キャッテリー)は、お迎えしたい猫種が決まっているときに理想的なお迎え場所です。
ここからペットショップに流れていくこともありますし、最近では飼い主さんが直接連絡を取ってお迎えすることもできます。
ブリーダーサイトも運営されているので、インターネットを使って手軽に連絡が取り合えるようになっています。
猫を飼い始める前の準備
猫を飼い始めるときには、どの子になるか決まってから準備しても遅くありません。
ただ、保護猫を譲渡してもらうときには先に準備が必要なこともあるので、事前に確認してみましょう。
愛猫が過ごすための環境を作る
もっとも大事な愛猫の過ごすスペースは、家を自由に動ける猫であっても用意しておくのがおすすめ。
どこがその子のスペースであるのか、どこならリラックスできる場所なのかを覚えてもらうことができます。
特にトイレの場所については頻繁に動かしてはトイレ失敗の原因にもなりますので、場所は固定しておくほうが良いです。
猫は野性的な面が残っている子だと、襲われたときにいつでも起き上がれるよう寝づらい場所で寝ることもあります。ベッドは必要に応じて用意してあげるだけで問題ありません。
イタズラ・ケガをしないための環境を作る
犬のように適切なしつけが難しい猫は、悪気なくイタズラをしてしまうことがあるため、事前の対策が必要。
入ると危険なキッチン周りやお風呂周り、食べてはいけないものがある場所への侵入対策などを行っておきます。
上下運動が得意な子だとカーテンレールにも登ってしまうことがあるので、適切な歩道を作ってあげるか、降りやすいステップを作ってあげる必要もあります。
ただ、どれだけ対策しても完璧にはできません。体に害がないならば、ある程度は許容する心持ちでいると良いです。
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想定される予算の確保
猫はそこまでお金のかかる動物ではないものの、小動物などと比べれば大きなお金がかかってきます。
日常的に必要となるキャットフードや猫砂はもちろんのこと、突然の高額出費になりやすい医療費についても注意が必要。
ペット保険に加入していれば負担を抑えることができる一方で、毎月の保険料の支払いが必要になります。
何にどれくらいの費用がかかるかは事前に把握しておき、予算を確保しておくと良いです。
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お世話・お手入れの方法を覚える
猫には特別なしつけが必要ないため、覚えることがたくさんあるわけではありません。
ですが、日々のお世話は必要になりますし、お手入れは飼い主さんがしなければならないこと。
食事の管理やトイレの管理、歯磨きや耳掃除にブラッシング、などの日常的なお世話のやり方は理解しておきましょう。
嫌がって逃げてしまうようなこともありますので、そんなときにもどうすればよいか、確認しておくのが良いでしょう。
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猫を飼い始めてからすべきこと
猫をお迎えしてからしなければいけないことは、たくさんあるわけではありません。
まずは家に慣れてもらうことから始めて、日々の体調をチェックしていくことが、飼い主さんのすべきことです。
ワクチン接種
猫のワクチンは犬の狂犬病ワクチンのような、義務化されているワクチンはありません。
しかし、ワクチン接種は重大な病気を予防するために効果的で、接種しておくことで安心できる面も大きいです。
特に感染すると重症化しやすく、感染が拡大しやすい病気を予防できるコアワクチンは全ての猫に推奨されています。
ワクチンの種類はもう1種類あり、ノンコアワクチンと呼ばれるもので、特に外出する機会の多い子には推奨されています。
- 猫白血球ウイルス感染症(FeLV)
- 猫クラミジア感染症
- 猫免疫不全ウイルス感染症(FIV、猫エイズ)
罹患すると致死率が高い病原体も多いため、いずれにしてもワクチンは接種しておくと安心です。
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毎日のお世話
毎日の食事を用意したり、トイレ掃除をするというのは、定期的でもなく毎日必要になること。
被毛の長さによってはブラッシングが毎日必要なこともありますし、歯磨きも毎日行うことが推奨されています。
お世話の内容は多くなく、適切にコミュニケーションを取り、遊んであげることも重要なこと。
散歩に行かない分、自宅でできることをしてあげるようにしましょう。
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しつけ・トレーニング
やろうと思ってできるしつけは多くなく、大半がイタズラを防止するための対策になります。
事前対策さえできていれば過度なしつけは必要なく、特に大変なトイレは自然と使えるようになるもの。
必要な準備さえしておけば難しくないので、事前の準備がとても重要である、と覚えておきましょう。
何に興味を持つのか、何に気をつけなければいけないのかは個体差があるため、一緒に生活しながら見極めていく必要があります。
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この記事の執筆者
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