愛犬がくしゃみや咳をしているのを見て「風邪かな?」と気になったことのある飼い主さんもいることでしょう。
私たち人間にとって風邪は身近な病気のひとつですが、犬の風邪はどんな症状なのか、どのように治療するのか気になりますよね。
そこで今回は、犬の風邪の特徴や治療方法、風邪の予防法についてご紹介します。
風邪と見間違いやすい病気についても解説するので、愛犬家の皆さんはぜひ最後まで読んでみてくださいね。
この記事の結論
- 犬の風邪の代表は「ケンネルコフ」という感染症
- 多くの感染症は、混合ワクチン接種によって予防できる
- 風邪とよく似ている症状の病気も多数存在するため、自己判断は危険
- 人間用の風邪薬では悪化する危険性もあるため、犬に使用するのは絶対NG
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目次
犬の風邪はどんなもの?
犬の風邪とはどんなものか、そもそも犬も風邪をひくのか、疑問に感じたことのある人も多いのではないでしょうか。
まず、犬も人間同様に風邪をひくことがありますし、風邪をひくと人間と同じような症状が見られるようになります。
ただ、人間の場合は市販薬もたくさんありますし、安静にして寝ていれば数日で治ってしまうことが多いです。
一方で愛犬が風をひいてしまった場合、人間と同じように考えてしまうのは危険だと言えます。
まずは犬の風邪がどんなものなのか、人間への感染はあり得るのかについて解説します。
犬の風邪は主に感染症の「ケンネルコフ」を指す
犬の風邪は、主に感染症のひとつであるケンネルコフを指します。
伝染性の気管支炎の総称であり、ウイルスや細菌に感染することで発症します。
どのようなウイルスが原因となるかは後ほど詳しく解説するので、参考にしてみてください。
ケンネルコフの主な症状は咳。生後6週間~6か月の子犬がもっともかかりやすいとされています。
咳が続く場合は、動物病院を受診しましょう。
犬の風邪は人にはうつらない
犬などの動物から人間へ感染する「人畜共通感染症」がありますが、基本的に犬の風邪は人間にうつることはありません。
人間の風邪が犬へうつる心配もないため、安心して愛犬の看病をしてあげてくださいね。
犬と人のあいだでの感染は考えられませんが、犬同士は風邪がうつってしまい感染力も強いため、多頭飼いをしている場合には注意が必要です。
多頭飼いしているときに愛犬が風邪になると、生活空間を隔離する必要があります。
犬の風邪「ケンネルコフ」とは
犬の風邪の代表であるケンネルコフ(犬伝染性気管気管支炎)。
「ケンネル=犬舎」「コフ=咳」という意味があり、その名のとおり咳が主な症状の気管支炎です。
「犬舎で発生する咳」といわれるように感染力が非常に強く、ペットホテルやドッグランなど複数の犬が集まる場所で感染が広がりやすいといわれています。
主な感染経路は、くしゃみや咳などによる飛沫感染や、舐めあったり噛んでしまった接触感染です。
風邪の症状がある場合はペットホテルやドッグランの利用は避け、また、症状のある犬との接触は避けるようにしましょう。
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ケンネルコフの主な症状
ケンネルコフでは「咳、鼻水、吐き気」などを引き起こすため、元気消失や食欲不振などが見られるようになります。
ただ、軽度の場合は症状が重くないことも多く、比較的元気であることも多いです。
中には自然に治るものもありますが、安心のためにも一度、動物病院を受診しておくのが良いでしょう。
ケンネルコフを引き起こす原因
ケンネルコフは、主に以下のようなウイルス・細菌によって引き起こされます。
- 犬アデノウイルス2型感染症
- 犬パラインフルエンザウイルス感染症
- 犬ヘルペスウイルス感染症
- 犬ジステンパーウイルス感染症
- ボルデテラ・ブロンキセプチカ(気管支敗血症菌) など
これらのウイルス・細菌は、定期的なワクチン接種により予防が可能です。
毎年忘れずにワクチンを接種し、愛犬の健康を守りましょう。
犬の風邪の主な症状
人間の風邪の症状といえば、咳・発熱・鼻水などが思いつきますよね。
犬の場合、よく似た症状もあれば、人間の風邪とは少し症状や様子が異なることもあります。
犬の風邪の症状を把握し、なにか変わった様子があれば早めに気がついてあげられるとよいですよね。
ここでは、犬が風邪をひいた際の代表的な症状についてご紹介します。
咳
犬の咳は人間の咳と様子が異なります。
犬の咳の場合は喉の奥になにかものがつかえ、吐き出そうとするような咳が見受けられます。
咳といえば「コンコン」「ケフケフ」といった音を想像しますが、犬の咳は「カハッ」「ガーガー」という音がし、吐き気と咳の見分けがつかないことも。
特に飼い始めたばかりでは気付きにくいと思いますので、動物病院で確認してもらうのが良いでしょう。
くしゃみ
人間の風邪と同様に、犬が風邪をひいた際にはくしゃみの症状も見受けられます。
くしゃみが長く続くと鼻水に血が混ざることもあるので、よく様子を確認しておきましょう。
犬の風邪は飛沫によって感染するため、くしゃみによってほかの犬へ風邪を移したり移されててしまったりする可能性があり、注意が必要です。
風邪の症状が見られるときには、ほかの健康的な犬との接触を避けるようにしましょう。
鼻水
くしゃみだけでなく、鼻水も風邪の代表的な症状です。
特に鼻腔で細菌の感染がある場合は、粘り気が強く膿を含んだ鼻水が出ることも。
鼻腔の炎症が強い場合には、鼻血が出る場合もあります。
粘性のある鼻水により鼻が詰まってしまうと、匂いを感じづらくなり食欲が落ちてしまうこともあるので、様子を見て早めに動物病院を受診しましょう。
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目やに
咳・くしゃみ・鼻水といった呼吸器系の症状のほかに、目やにの量が増えることも特徴です。
目やにの量が多くなると瞼がくっついてしまい、目が開けづらくなることがあります。
濡れたガーゼなどで目周りを拭き、動物病院で適切な処置を受けましょう。
目の周りの皮膚は非常にデリケートなため、ゴシゴシとこすらずに優しく拭いてあげてくださいね。
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発熱
犬の風邪の場合も、人間と同様に発熱を伴う場合があります。
もともと犬は人間より体温が高く、平熱は38℃前後ですが、発熱時は39℃~40℃まで体温が上がることも。
耳や足の付け根が熱かったり、普段よりも元気がなく怠そうにしている場合は発熱の可能性が考えられます。
体温を自分で測るためには工夫と慣れが必要なので、事前にやり方を知っておくのが良いでしょう。
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下痢
風邪をひくとお腹の調子が悪くなり、うんちがゆるくなったり下痢をしたりする場合もあります。
症状が重い場合は下痢が長引き、脱水症状を引き起こすおそれがあるので、注意が必要です。
うんちの状態をよく確認し、血便が見られる場合や、2日~3日しても治まらないようであれば動物病院を受診しましょう。
嘔吐や食欲不振・元気がないなどほかの症状もあれば、ためらわずすぐに病院へ行くのがおすすめです。
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嘔吐
風邪の際には嘔吐の症状が出ることもあります。下痢と同様に、嘔吐も続くと脱水症状を引き起こします。
食べてもすぐに戻してしまうようだと十分な栄養が摂取できず、免疫力・体力の低下も考えられます。
特にまだ体を作っている段階の子犬や、十分な体力がないシニア犬についてはより一層の注意が必要。
嘔吐や下痢の症状がある際は早めに獣医師に相談し、適切な治療を受けましょう。
元気喪失・食欲不振
風邪により発熱や胃腸の調子が崩れることで元気がなくなったり、鼻水・鼻詰まりでニオイの判別がしにくくなることから食欲不振を引き起こします。
ごはんを食べられないことで体力や免疫力が低下することも考えられるため、注意が必要です。
病気によって食欲がないのであれば、多少の工夫で食欲が戻るようなことも少ないです。
元気消失・食欲不振の症状は、風邪以外にもほかの病気やストレスなどが原因の場合もあるため、動物病院で検査を受けてみましょう。
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犬の症状によっては風邪以外の病気の可能性も
「風邪かな?」と様子をみていたら、実は「別の病気が隠れていた!」ということも。
風邪と症状がよく似ている病気の場合、見分けるのが難しいと感じますよね。
ここでは、風邪と間違いやすい犬の病気について解説します。
中には重症化しやすい病気や命の危険を伴う病気もあるため、本記事を参考にしていただき、なるべく早い段階で治療を開始できるよう注意しましょう。
副鼻腔炎
副鼻腔炎(ふくびくうえん)とは、鼻の奥にある副鼻腔という器官で炎症が発生する病気。
初期段階はサラサラとした鼻水が出ますが、悪化すると粘り気のあるドロッとした鼻水がでます。膿を含んだ鼻水や、鼻血が出ることも。
鼻が詰まり、ニオイが判別しにくくなったり呼吸が浅くなることもあります。
風邪の症状と間違いやすいですが、鼻水の症状が長引いたり鼻水に膿・血が混ざることがあれば、動物病院で検査を受けましょう。
歯周病
歯周病(ししゅうびょう)といえば口腔内の病気のイメージですが、くしゃみや鼻水など風邪とよく似た症状が出ることも。
口内環境の悪化により、口腔と鼻腔を隔てる骨が溶けて繋がってしまうことで、膿を含んだ鼻水やくしゃみといった症状が出ます。
鼻水やくしゃみのほかに、口臭や歯茎の腫れ、歯の黄ばみなどの症状があれば、歯周病を疑いましょう。
人間にとっては歯周病とはそれほど大事に感じにくいですが、犬の歯周病は最悪、命の危険も考えられる病気です。
気になる症状があれば、早めに動物病院に相談してみてくださいね。
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気管虚脱
気管虚脱(きかんきょだつ)とは、気管を作っている軟骨や筋肉が弱くなり、呼吸運動に合わせて気管の一部が潰れてしまう病気。
気道が狭くなることで呼吸が苦しくなり「ゼーゼー」「ガーガー」といった呼吸音になるのが特徴です。
原因は遺伝・炎症・栄養などさまざまなことが考えられますが、リードを引っ張った際の首輪による気管支の圧迫や、吠えすぎ、肥満などが原因になることもあります。
小型犬に多く見られますが、全犬種で注意が必要です。
一度気道が潰れてしまうと、もとに戻すには外科手術が必要となります。
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犬ジステンパー
犬ジステンパーとは、3歳未満の若い犬によく見られる病気であり、人間のはしかウイルスによく例えられます。
母親からもらった抗体が薄れていく子犬の時期に、もっとも感染の危険性が高くなります。
感染初期には発熱の症状が出ることが多く、感染してしまうと致死率が50%~90%と非常に高い病気です。
恐ろしい病気ではありますが、混合ワクチンにより予防が可能です。
毎年忘れずに混合ワクチンを接種し、感染を予防しましょう。
フィラリア感染症
フィラリア感染症は、蚊を介して心臓・肺動脈に寄生虫が住み着いてしまう病気です。
発症すると咳・食欲不振・呼吸が苦しそうになるといった症状が見受けられ、一度感染すると駆虫・治療が難しく、放置すると死に至ることも。
フィラリア症には予防薬の服用が有効です。
特に蚊が活発に活動する時期(4月~12月頃)には予防薬を服用し、感染をしっかり予防しましょう。
予防薬の処方については、かかりつけの動物病院に相談してみてくださいね。
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心臓病
先天性・後天性と原因はさまざまですが、心機能が低下することで酸素不足になり、咳や息切れ、食欲不振やふらつきなどの症状が出ます。
初期症状として、咳のほか、疲れやすくなりお散歩の途中で座り込むなど、運動を嫌がり寝ている時間が長くなるのが特徴です。
小型犬に多くみられるのが、心臓の4つの弁の中で血液を送り出す僧帽弁の異常により、血液が逆流してしまう僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)という病気。
大型犬に多くみられるのが、心筋症(拡張型心筋症・肥大型心筋症)という心臓の筋肉に異常が見られる病気です。
どちらもシニア期に多くみられる病気で、完治は難しく、進行すると失神や呼吸困難などの発作や、腹水や肺水腫を引き起こしやすくなり、突然死の危険性もあります。
日々の観察も大切ですが、早期発見により症状を遅らせることができるため、シニア期を迎える頃からは、定期的に心臓の検査を受けましょう。
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肺水腫
肺水腫(はいすいしゅ)とは肺に水が溜まってしまう病気であり、危篤な状態です。
心臓病を持つ犬の重度の症状として現れることが多いですが、稀に心臓病とは別の原因があることも。
いずれにしても、緊急性が高い症状といえます。
肺に水が溜まると、ハァハァと苦しそうに呼吸をしたり、咳の症状が見受けられます。
歯茎や舌が紫色になる「チアノーゼ」といった症状があれば、風邪の咳ではなく心臓に問題がある可能性が高いため、ただちに動物病院を受診してください。
肺炎(はいえん)
ウイルス・細菌などの病原体が感染することにより、肺に炎症が起こる病気。
また、食べ物を誤嚥することで生じる誤嚥性肺炎もあります。
犬の風邪の代表であるケンネルコフが悪化して肺炎を引き起こすこともあり、発熱・咳・鼻水・元気消失など、風邪とよく似た症状が現れます。
症状が続くようであれば、早めに動物病院に相談しましょう。
犬の風邪の対処法・予防法
風邪を早く治すことも重要ですが、なにより風邪をひかないに越したことはありませんよね。
人間の場合は手洗い・うがいやマスクの着用で風邪を予防しますが、犬はどのように風邪を予防すればよいのでしょうか?
ここでは、犬の風邪予防について解説します。
定期的にワクチンを接種する
犬の風邪の多くは、ウイルスや細菌への感染が原因です。
風邪の原因となるウイルス・細菌はワクチンで予防できるものが多いため、定期的にワクチンを接種しましょう。
ワクチンには接種を強く推奨されるコアワクチン、生活環境や居住地域によって接種が進められるノンコアワクチンが存在します。
地域によって流行っている感染症も異なるため、迷った際にはかかりつけの獣医師に相談し、どのワクチンを接種するか決めましょう。
栄養バランスの整った食事を与える
犬の人間と同様に、日頃から栄養バランスのとれた食事を心がけ、免疫力をしっかりとつけることで、風邪予防につながります。
毎日の食事には、ライフステージや犬種にあった主食となるドッグフードを与えましょう。
総合栄養食との記載があるもの、総合栄養食基準で作られているものなら、フードと水飲みで必要な栄養素を摂取することができますよ。
おやつの与えすぎには注意し、しつけのご褒美やコミュニケーションのツールとして与えるようにしましょう。
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室内の温度・湿度管理を行う
急激な寒暖差により、体調を崩してしまうこともあります。
以下を目安に、エアコン・加湿器などを使用して室温・湿度を調整しましょう。
目安室温 | 25℃前後 |
目安湿度 | 50%前後 |
特に乾燥はウイルスの動きを活発にします。冬場は湿度が簡単に低下するので、湿度維持を心がけましょう。
上記の室温・湿度はあくまで目安なので、愛犬の様子を見ながら調整してあげてくださいね。
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風邪の症状が出ている犬に近づかない
犬の風邪の代表であるケンネルコフは、感染力が非常に強いのが特徴。風邪の症状がある犬の近くには、愛犬を近づけないことが大切です。
特に多頭飼いをしている場合は、どちらか一方の犬が風邪を引くと、もう一方の犬に感染してしまう可能性が非常に高いです。
生活スペースを分けるなど、なるべく犬同士の接触を避け、食器やケージなどはしっかりと消毒をしましょう。
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ストレスを溜めない生活環境を作る
人間もストレスが溜まると体調に悪影響を及ぼしますが、犬にも同じことがいえます。
十分な運動やコミュニケーションを心がけ、ストレスが溜まらないよう日頃から意識しましょう。
休日など時間が取れるときには散歩のルートを変えたり、ドッグランなどで思い切り走らせてあげると気分転換になりますよ。
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愛犬に風邪の症状が現れたらまずは動物病院へ
愛犬に風邪の症状が見られたら、早めに動物病院へ相談しましょう。
風邪の原因がウイルスであれば対症療法、細菌が原因であれば抗菌薬による治療が基本となります。
風邪の症状を放置すると重症化してしまうこともあり、特に体力のない子犬・シニア犬は注意が必要です。
咳・くしゃみなど症状が出ている際にスマホなどで動画を撮影し、獣医師さんに見せると状況を伝えやすく便利です。
その場合、なるべく色々な角度から撮影したり音声もしっかり入るようにしたり、様子がよく分かるよう意識してみてくださいね。
すぐに動物病院で受診すべき風邪の症状
以下のような症状が見受けられる際には、早めに動物病院を受診しましょう。
動物病院を受診すべ症状
- 咳の回数が増える
- 咳が長時間続いている
- 常に呼吸が荒く苦しそう
- 発熱
- 下痢が続く
- 嘔吐の回数が多い
- 舌や歯茎の色が紫色でチアノーゼを起こしている
- 咳をすると色のついた痰(たん)が出る
- 色のついた鼻水が出る
- 鼻血を出す
- 食欲がない
- 元気がなくぐったりしている など
咳があまりにも続いたり、舌が紫色になるチアノーゼといった症状が出ていたりする際には、ただの風邪でなくほかの病気が隠れている可能性が考えられます。
また、下痢や嘔吐が続く場合は、大腸炎や胃腸炎、胃潰瘍などの可能性にあり、脱水症状の危険も。
普段と違う様子が見られたら、様子を見続けるのではなく、早めに動物病院を受診し検査・治療を受けましょう。
子犬やシニア犬は重症化のリスクがあるので要注意
免疫力が低い子犬や体力が低下しているシニア犬は、風邪が重症化しやすい傾向があります。
特に下痢や嘔吐の症状があると急激に体力を消耗してしまいます。
脱水症状を引き起こしたり、食欲不振が原因で低血糖症を起こしたりと、命の危険に関わることも。
また、一度症状が落ち着いたように見えてもぶり返すおそれもあるので、経過をよく観察しておきましょう。
犬に人間用の風邪薬は使用しない
愛犬が風邪をひいた場合、症状を少しでも軽くしようと風邪薬を与えたくなるかもしれません。
ですが、人間用の風邪薬は、絶対に犬に与えてはいけません。
犬と人間では摂取してよい成分が異なり、人間の風邪薬を摂取すると腎臓や消化器に障害をもたらす可能性があります。
中毒や胃潰瘍を引き起こすおそれがあるので、決して与えないようにしてください。
残念ながら、犬用の市販の風邪薬はありません。
動物病院で適切な治療を受け、必要な薬を処方してもらってください。
犬の風邪の症状(サイン)を把握し、予防と早期発見に努めよう
具合が悪い際にも、犬は言葉で飼い主さんに状況を伝えることはできません。
そのため、飼い主さんが愛犬の異変をなるべく早く見抜いてあげる必要があります。
もちろん、風邪などの感染症を引き起こさないよう、ワクチン接種などの予防も重要です。
愛犬の健康を維持するため、普段からしっかりと様子をみて、すぐに愛犬の異変に気づけるように心がけましょう。
この記事の執筆者
nademo編集部
編集部
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