ピンと立った耳とくるんと巻いた尻尾が特徴的な北海道犬。厳しい自然環境で育まれた力強い体と、飼い主には忠実なその姿から、天然記念物にも指定されています。
ソフトバンクのCMでおなじみの「お父さん犬」のモデルとしても有名ですね。しかし、「北海道犬はどんな性格?」「飼育する上で気をつけることは?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
この記事では、北海道犬の性格や特徴、適切な飼い方、健康管理のポイントまで、飼い主さんが知りたい情報をすべてまとめました。北海道犬との暮らしをより豊かにするために、ぜひ参考にしてください。
この記事の結論
- 北海道犬はその名の通り北海道を中心として活躍してきた、日本が原産の狩猟犬
- 日本犬らしく忠誠心が強いうえに、飼い主さんに従順な性格でもある
- 飼い主さん以外には警戒心や敵対心が強いため注意が必要
- 運動量が非常に多いため、散歩時間や散歩強度の確保は必要不可欠
目次
北海道犬ってどんな犬?基本情報と特徴

日本犬特有の忠誠心を持ち、北海道の先住民に狩猟犬として飼育されていた北海道犬。北海道犬の見た目は同じ日本が原産の柴犬に似ていますが、柴犬より体格は大きめな犬種です。
厳しい自然環境で育まれた歴史を持ち、天然記念物にも指定されています。精悍な顔つきと、ピンと立った耳、くるんと巻いた尻尾が特徴的です。
このセクションでは、北海道犬の基本的な情報から、その歴史的背景、そして彼らが持つ独特の魅力について深く掘り下げていきます。
飼い主に従順で忠実
飼い主さん以外には警戒心が強い
警戒心が強く吠えやすい
持久力がある
その他情報
原産地 | 日本 |
犬種グループ | 5G:原始的な犬・スピッツ |
大きさ | 中型 |
平均寿命 | 13歳~15歳 |
なりやすい病気 | 白内障,熱中症,コリーアイ症候群(コリー眼異常),皮膚疾患,変性性脊髄症 |
参考価格 | 20万円前後 |
被毛
抜け毛 | 多い |
毛質 | ダブルコート |
毛色 | 胡麻,虎,赤,黒,黒褐色,白 |
北海道犬の基本情報(性格・体高・平均寿命)
勇敢で忠実!飼い主には甘えん坊な一面も
北海道犬は、勇敢で警戒心が強く、飼い主には忠実な性格をしています。家族を守ろうとする意識が強く、見知らぬ人には簡単になつきません。
しかし、心を許した飼い主さんには甘えん坊な一面を見せ、遊び好きな可愛らしい表情を見せることもあります。
賢く状況判断能力に優れている反面、頑固な一面もあるため、子犬の頃から一貫性のあるしつけが重要です。
二重の被毛と精悍な体つき
北海道犬の最大の特徴は、厳しい寒さに耐えるための二重の被毛です。硬いオーバーコートと柔らかいアンダーコートが密生しており、防寒・防水性に優れています。
毛色は白、赤、黒、虎毛などがあり、特に白は「お父さん犬」のモデルとしても有名です。
がっしりとした精悍な体つきをしており、ピンと立った三角の耳と、くるんと巻いた尻尾も彼らの魅力です。
成犬の体高と体重、平均寿命は?
北海道犬は中型犬に分類されます。成犬になった際の体高と体重、そして平均寿命の目安は以下の通りです。
項目 | 男の子 | 女の子 |
---|---|---|
体高 | 約48.5cm~51.5cm | 約45.5cm~48.5cm |
体重 | 約20kg~30kg | 約15kg~25kg |
平均寿命 | 約13~15歳 | 約13~15歳 |
これらの数値はあくまで目安であり、個体差があります。健康的な生活を送ることで、平均寿命を上回ることも十分に可能です。
北海道犬の歴史と天然記念物指定について
厳しい自然で育まれた歴史とルーツ
北海道犬のルーツは、アイヌ民族が飼育していた犬にあるとされています。彼らは、アイヌ犬として熊や鹿などの狩猟犬、番犬として活躍してきました。
北海道の厳しい寒さや深い雪の中でも活動できる強靭な体と、獲物を追いかける優れた能力は、この歴史の中で育まれたものです。
天然記念物「北海道犬」として指定された理由
1937年、北海道犬は国の天然記念物に指定されました。これは、彼らが純粋な日本犬の血統を保ち、日本の文化や歴史と深く結びついていることが評価されたためです。
また、その力強さと優れた能力、そしてアイヌ民族との歴史的な関係性が、貴重な存在として認められた理由でもあります。
北海道犬の飼い方と日常のケア

北海道犬を飼うことは、彼らの忠実で勇敢なパートナーシップを得る素晴らしい経験です。しかし、その特性を理解し、適切な飼育を行うことが、お互いが幸せに暮らすために不可欠です。
このセクションでは、しつけの方法、豊富な運動量を満たすための工夫、食事、そして日々のお手入れ方法について、実践的なアドバイスをご紹介します。
正しいしつけ方と社会化のポイント
賢く頑固な性格に合わせたしつけのコツ
北海道犬は賢く、飼い主との上下関係をはっきりと認識します。そのため、しつけは子犬の頃から一貫した態度で教え込むことが重要です。
また、頑固な一面もあるため、叱るよりも褒めて伸ばす方法が効果的です。褒め言葉やご褒美を上手に使い、ポジティブな経験をたくさんさせてあげましょう。
社会化トレーニングの重要性
北海道犬は警戒心が強いため、子犬期の社会化トレーニングは非常に重要です。
さまざまな人や犬、場所、音に慣れさせてあげることが、成犬になってからの無駄吠えや攻撃的な行動を防ぐために役立ちます。
社会化期には、散歩の途中で色々な人や犬と触れ合わせる機会を設けたり、ドッグランに連れて行ったりして、多くの刺激に触れさせてあげましょう。
豊富な運動量を満たすための方法
散歩だけでは足りない?必要な運動量
北海道犬は、もともと狩猟犬として活動していたため、非常に豊富な運動量を必要とします。毎日の散歩は1日2回、それぞれ1時間以上は確保したいところです。
ただ歩くだけではなく、時には走らせたり、遊びを取り入れたりして、彼らの運動欲求を十分に満たしてあげましょう。運動不足はストレスや問題行動の原因となります。
北海道犬におすすめの遊びや運動
北海道犬におすすめの遊びや運動は、彼らの本能を刺激するようなものが良いでしょう。
- ボールやフリスビー遊び:広い場所で思いっきり走らせてあげられます。
- 知育玩具:賢い彼らの知的好奇心を満たせます。
- 登山やハイキング:体力があるので、飼い主さんと一緒にアウトドアを楽しめます。
これらの遊びを通して、心身ともに健康を保ち、飼い主さんとの絆も深まります。
健康的で美しい体をつくる食事
年齢や運動量に合わせたドッグフードの選び方
北海道犬の健康を保つためには、年齢や運動量に合わせた食事管理が欠かせません。
子犬期には成長に必要な栄養素をバランス良く摂取できる高タンパク・高カロリーのフードを。成犬期には、活動量に見合った適切なカロリーのフードを選びましょう。
特に注意したいシニア期には、消化吸収に優れ、関節ケア成分などが配合されたフードがおすすめです。
良質な被毛を保つための食事管理
北海道犬の美しい二重の被毛を保つためには、食事からもケアしてあげることが大切です。
良質なタンパク質やオメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸を含むフードを選ぶことで、皮膚の健康維持や被毛のツヤを保つことができます。
また、アレルギーによる皮膚トラブルも考えられるため、特定の食材にアレルギーがないか確認することも重要です。
抜け毛対策とお手入れ方法
日々のブラッシングと定期的なシャンプー
北海道犬は、特に換毛期に大量の毛が抜けます。抜け毛対策として、毎日1回はブラッシングを行うことをおすすめします。
スリッカーブラシや獣毛ブラシを使って、硬いオーバーコートと柔らかいアンダーコートを丁寧に梳いてあげましょう。
シャンプーは月に1回程度で十分です。頻繁に洗いすぎると、皮膚の乾燥や被毛の油分を奪ってしまうことがあります。
耳掃除やデンタルケアのポイント
北海道犬のお手入れには、耳掃除とデンタルケアも欠かせません。耳の中が蒸れやすいため、週に1回は耳の中をチェックし、汚れが目立つ場合はペット用のイヤークリーナーを使って優しく拭き取ってあげましょう。
また、歯周病予防のために、子犬の頃から歯磨きを習慣づけることが大切です。歯ブラシや歯磨きシートを使って、毎日歯を磨いてあげましょう。
北海道犬の健康管理とかかりやすい病気

北海道犬は一般的に丈夫な犬種ですが、注意すべき病気がいくつかあります。こうした病気を予防することは、愛犬の長寿につながることでしょう。
このセクションでは、彼らが特に気をつけたい病気とその予防法、そして日々の健康チェックの重要性について詳しく解説します。
病気の早期発見・早期治療のためにも、飼い主さんが正しい知識を身につけ、愛犬の様子を日頃からよく観察することが大切です。
注意すべき病気と病気のサイン
かかりやすい病気
北海道犬は皮膚疾患や関節の病気にかかりやすい傾向が見られます。皮膚疾患では、アレルギー性皮膚炎や膿皮症などが比較的多く、かゆみや赤み、脱毛などの症状が現れます。
また、大型犬に多い股関節形成不全や膝蓋骨脱臼といった関節の病気にも注意が必要です。
これらの病気は遺伝的な要因も大きいため、ブリーダーから迎える際には親犬の健康状態を確認することが重要です。
関節の病気や皮膚疾患の予防と対策
北海道犬の関節の病気を予防するには、子犬期に過度な運動をさせないことや、急な階段の上り下りを避けることが重要です。
また、滑りやすい床にはマットを敷くなどの工夫をして、足腰への負担を軽減してあげましょう。
皮膚疾患の予防には、毎日のブラッシングで皮膚を清潔に保つことと、バランスの取れた食事を心がけることが大切です。アレルギーがある場合は、アレルゲンとなる食材を避ける食事管理も有効です。
飼い主が知っておくべき病気のサイン
北海道犬が体調を崩しているサインには、以下のようなものがあります。
- 足を引きずる、歩き方がおかしい:関節の病気の可能性があります。
- 体を痒がる、皮膚に赤みがある:皮膚疾患やアレルギーが考えられます。
- 食欲不振、元気がない:さまざまな病気の初期症状として現れることがあります。
- 水を飲む量や排尿の回数が増えた:腎臓や泌尿器系の病気のサインかもしれません。
- 咳や呼吸が荒い:心臓病や呼吸器系の病気の可能性があります。
これらのサインが見られた場合は、早めに動物病院を受診してください。
日々の健康チェックと動物病院との付き合い方
自宅でできる簡単な健康チェックリスト
自宅で毎日できる簡単な健康チェックを習慣化することで、病気の早期発見につながります。
- 目やに、涙:目やにが多かったり、涙が流れていないか
- 耳:耳垢の量やにおい、赤みがないか
- 歯茎:歯茎の色や口臭がないか
- 被毛・皮膚:フケや皮膚の赤み、脱毛がないか
- 体重:定期的に体重を量り、急激な増減がないか
このチェックリストを参考に、日頃から愛犬の様子をよく観察してあげましょう。
定期的な健康診断の重要性
北海道犬は、かかりやすい病気がいくつかあるため、定期的な健康診断が非常に重要です。特に血液検査や尿検査は、体の内部の状態を知る上で欠かせません。
年に一度は健康診断を受けさせ、獣医師と相談しながら日々の生活習慣を改善していくことで、病気の予防につながります。
北海道犬に関するQ&A
このセクションでは、北海道犬を家族に迎えることを検討している方からよく寄せられる疑問にお答えします。彼らの性格や、初心者でも飼えるのか、そして迎え入れる方法について、分かりやすく解説します。
北海道犬は性別で性格は違う?
北海道犬の男の子と女の子では、一般的に以下のような性格の傾向が見られます。
- 男の子:女の子に比べて、より勇敢で力強い性格の子が多い傾向にあります。マーキングやマウンティングなどの行動が見られることもあります。
- 女の子:男の子に比べて、より落ち着いていて穏やかな性格の子が多い傾向にあります。
ただし、これらはあくまで傾向であり、育った環境や個体差が大きく影響します。
どちらの性別でも、北海道犬は賢く愛情深い犬種なので、一貫性のあるしつけと十分な愛情を持って接してあげることが大切です。
北海道犬は初心者でも飼える?
北海道犬は賢く、飼い主には忠実ですが、初心者には少し難易度が高い犬種と言えるかもしれません。その理由は以下の通りです。
- 豊富な運動量:毎日1時間以上の散歩が必須で、運動不足になるとストレスを溜めやすい。
- 頑固な一面:一貫性のあるしつけが必要で、甘やかしすぎると主従関係が崩れる可能性がある。
- 警戒心の強さ:子犬期の社会化トレーニングをしっかり行わないと、見知らぬ人や犬に吠えたりすることがある。
犬を飼うことに慣れていて、十分な時間と体力がある方には、最高のパートナーになってくれるでしょう。
北海道犬を家族に迎えるには?
北海道犬を家族に迎える方法は、主に「ブリーダーから迎える」と「里親になる」の2つがあります。
- ブリーダーから迎える:両親犬の健康状態や性格、飼育環境などを確認できるため、安心して子犬を迎えることができます。
- 里親になる:保護団体や譲渡会を通じて、北海道犬の里親になることができます。成犬を迎えることが多いため、性格がある程度分かった上で迎えられるのがメリットです。
どちらの方法でも、北海道犬を迎え入れる前には、飼育環境やライフスタイルが彼らのニーズに合っているか、十分に検討することが大切です。
北海道犬の理解度チェック
この記事の執筆者
ライター
男の子のプクくんと女の子のユキちゃんは社交的、陽気な性格で毎日とっても可愛く癒されます。
すべての犬種を愛しておりますが、ビション・フリーゼの見た目や性格が特に大好きです。
愛犬家のみなさまに喜んでいただけるような役立つ情報発信を心がけています。よろしくお願いいたします!
nademo編集部
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