猫の歩き方がおかしい原因や、症状から考えられる具体的な外傷や病気の種類など、飼い主さんが気になる情報をまとめました。
外傷のみならず、目や耳といった意外な病気から猫はおかしい歩き方をする場合があり、命にかかわる重大な病気の可能性もあるため気をつけなければなりません。
愛猫の歩き方に異常を感じる飼い主さんのため、おかしいかどうかを判断するための確認方法や、知っておくべき対処法についても解説。
高齢のシニア猫のみならず、猫の歩行異常は子猫から元気な成猫まで起こり得るため、未然に防ぐための対策方法や猫種によって発症しやすい疾患の知識も学んでおくと安心です。
この記事の結論
- 猫の歩き方がおかしくなる原因は主に6つあり、命にかかわる危険性もある
- ケガや骨折・ねんざなどの外傷のほかにも、脳や目や耳の病気などで歩き方がおかしくなる場合がある
- 日常生活では事前に予防対策を行い、常日頃から歩き方がおかしいかどうかを確認する
- 歩行異常は比較的対策が可能で、猫種によって起こりやすいトラブルもある
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目次
愛猫の歩き方がおかしいならすぐ動物病院へ
愛猫の歩き方がおかしいと感じたら、迷わずすぐに動物病院へ連れて行きましょう。
猫の歩行がおかしい要因の多くは早急な処置が必要で、命にかかわるケースもあります。
歩き方がおかしいと手足をケガしていると思いがちですが、重大な病気を患っている可能性もあり、軽はずみに触れたり動かしたりして、自分で処置しようとしてはいけません。
取り返しのつかない事態になって後悔しないよう、痛みや苦しみを訴えることができない愛猫のためにも、飼い主さんがしっかりとサポートしてあげることが大切です。
猫の歩き方がおかしい原因
歩き方がおかしいと思われる原因には、考えられやすい外傷や病気だけでなく、視力や老化が影響している可能性もあります。
歩き方がおかしいというだけで、併発している症状が見られれば、原因の特定もしやすくなるでしょう。
猫の歩き方がおかしい原因は主に6つあるため、きっかけや症状として発症する具体的な原因について解説します。
外傷
猫は骨折や脱臼、関節炎、ケガなどによる外傷によって歩き方に異変が生じることがあります。
足を地面につけずびっこを引いたり、足を庇うような仕草をしたりするケースがあります。
事故やガラスや鉄くずなどの破片や植物のトゲによる外傷のほか、室内飼いでも高所からの転落やドアに挟まったり、多頭飼いにより猫同士のケンカしたりと、原因は多種多様です。
外飼いであれば外傷のリスクは特に高いのですが、完全室内飼いでも注意したいポイントは複数あるのです。
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老化
猫は高齢になると筋肉や関節の衰えによって足腰が弱くなり、後ろ足に力が入らずにふらふらしたり、ジャンプができなくなったり、歩き方がおかしい状態になる場合があります。
シニア猫とは大体11歳以降の猫のことをいい、11歳~14歳が高齢期、15歳以上になると老齢期となり、老猫は歩けなくなって介護が必要になるケースも少なくありません。
平均寿命が長くなってきている一方で、高齢の猫も増えてきているため老化の理解が必要です。
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視力の悪化
そもそも猫は視力が弱く、人間でいうと0.1~0.2ぐらいしか見えていません。
ですが、加齢や負傷、何らかの病気によって目が見えなくなり、まっすぐ歩けなくなる場合があります。
物にぶつかるなど歩き方がおかしくなり、恐怖心から身動きをしなくなる猫もいて、見た目に異常がない視力の低下は飼い主さんがそもそもの病気の発症に気づきにくいです。
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遺伝性疾患
猫は遺伝性疾患が少ないためレアケースではありますが、生まれつきの遺伝によって、骨や軟骨など関節に変形や痛みが生じている場合があります。
歩行に障害のある遺伝性疾患は特定の猫種に見受けられる傾向にあり、発症自体を防ぐことは難しい一方で、治療による緩和は可能です。
一生涯、付き合っていく可能性のある病気でもあるので、飼い主さんのケアがとても大切です。
関節疾患
関節疾患では腫れや痛みを伴うため、おかしい歩き方をすることがあります。さらに、走ったりジャンプしたりといった激しい行動を避けるようにもなります。
グルーミングによって自分で痛い場所を舐めることで、四肢に脱毛が見受けられることもあります。
飼い主さんとしては日々のお手入れでチェックし、特定の部位を痛がるようなら注意しましょう。
脳神経疾患
脳神経疾患には猫種や年齢を問わず発症する病気があり、歩幅が短いことや足のかかとが地面に着くベタ足での歩行のほか、同じ場所をぐるぐると回る旋回行動など症状はさまざまです。
四肢の麻痺や痙攣、嘔吐や失神を伴う場合もあり、脳の疾患は病気以外にも、ウイルスや感染症が原因で脳や神経に障害をきたしている場合もあります。
ただ、歩き方に異常が出るだけというケースは少ないので、併発している症状の確認も必要です。
猫の歩き方がおかしいときに考えられる病気
愛猫の歩き方がおかしいときに考えられる病気の種類について、症状や治療方法を解説します。
歩行以外に見受けられるほかの症状についてもご紹介します。
骨折、ねんざ
通常ではないおかしい方向に曲がっている場合は骨折している可能性が高いです。内出血や腫れを伴う場合もあります。
ねんざの場合、足を引きずり一部が腫れていることが多く、歩行異常だけではなく腫れ方からも判別できることがあります。
ただ、骨折やねんざによる猫の状態には個体差があり、全く動かないことや食欲が無くなる猫もいるため見極めは簡単ではありません。
骨折しているかどうかはレントゲンのX線によって判断し、ねんざなら冷却や安静にすることで数日で回復しますが、骨折は年齢やほかの症状から治療法を決定する流れです。
皮膚の外から固定するギプスや指先の骨折など、軽度な場合は自然治癒する場合もあります。ただ、骨折の状態によっては外科的な手術など、長期的な治療が必要なケースもあります。
股関節形成不全
猫の股関節形成不全(こかんせつけいせいふぜん)の原因は明らかにされていませんが、遺伝による先天的な要素が高いと言われています。
骨盤の構造によって起こる股関節の脱臼のことをいい、特定の猫種に見られるのが特徴です。
腰をくねくねとお尻を振って歩くモンローウォークや、うさぎのように後ろ足を揃えてジャンプするような歩き方をする猫は、股関節形成不全の可能性があります。
そのほか、足を触れられると嫌がったり階段の昇降やジャンプが苦手だったり、運動や猫らしい遊びをしないようだと疑われることになります。
股関節形成不全は歩き方がおかしいだけなら体重や運動の制限だけで済みますが、痛みや歩行への障害がある場合は、鎮痛剤の処方やレーザー治療など外科手術を要します。
膝蓋骨脱臼
膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)はパテラとも呼ばれ、後ろ足の膝の関節にあるお皿が大腿骨の下にあるくぼみの部分から外れてしまうことをいい、猫では特定の猫種に見受けらる傾向にある症状です。
びっこを引いたりスキップをしたりと、おかしい歩き方をするほか、スコ座り(おやじ座り)と呼ばれる寛いだ座り方をする場合にも膝蓋骨脱臼などの可能性があります。
膝蓋骨脱臼は遺伝からくる先天性の場合のほか、高所からのジャンプや物がぶつかった衝撃によっても発症し、痛みから足をかばうような動作をしがちです。
軽度の場合はギブスによる固定やリハビリ、痛み止めなどの内服薬や、体重と運動の制限によって経過観察をしますが、根本的な改善には外科手術が必要となります。
椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアとは、背骨の椎骨の間でクッションの役割をしている椎間板が変形して歪み、正常な位置から飛び出してしまっている状態のことをいいます。
ふらついたり足を引きずったりする歩行をするほか、激しい痛みから動かなくなったり排泄ができなくなったりしたら、椎間板ヘルニアの可能性があります。
椎間板ヘルニアは事故や落下による衝撃だけではなく、加齢による椎間板が劣化や、肥満による背骨への負担によっても引き起こされます。
治療は軽度なら鎮痛剤などの処方により安静にして経過観察をしますが、重度になると手術となり、圧迫排尿やカテーテルでの排泄補助も必要となります。
肥大型心筋症
肥大型心筋症(ひだいがたしんきんしょう)とは、左心室の筋肉が厚く肥大化し、全身に血液がうまく流れなくなってしまう病気のことをいい、心臓病の中で最も多い病気です。
特に中高齢の猫に多く、進行すると呼吸が荒くなって息苦しさから口呼吸をしたり、運動量の低下や食欲の低下など、さまざまな症状が現れます。
肥大型心筋症が原因で歩き方がおかしい場合は血栓による症状が考えられ、血栓が血管に詰まるとショック症状を引き起こし、致死率が高いため気をつけなければなりません。
しかし完治することは不可能なため、治療は症状の進行度合いに応じて症状の進行を遅らせることと、血栓塞栓症を予防することを目的とした内科的な緩和治療となります。
関節炎
12歳以上のシニア猫の90%は関節炎を患っていると言われており、加齢とともに足腰が弱くなってきます。
そうなると歩き方がおかしい状態になったり、高所への移動や運動をためらうようになります。
一方で、関節炎は若い猫も発症する場合があります。本来猫には適切な食事と運動が必要ですが、室内飼育でよくあるのが肥満による足への負担です。
そのほか、栄養不足や免疫異常などの病気によっても関節炎は引き起こされ、一般的に痛みや炎症を改善する薬やサプリメントによる投与治療を行います。
関節が変形や損傷している重度の場合は外科的な手術を行う場合もあり、長期的な治療が必要となるケースもあるため、関節炎は早期発見による治療が大切です。
白内障、緑内障
視力の低下によってふらついたり物にぶつかったりなど、おかしい歩き方をする場合があります。
特に知名度が高いのは白内障と緑内障で、人間がかかる目の病気と同じです。
白内障は水晶体が白く濁って視力の低下や失明を引き起こすことがあり、緑内障は眼圧が上がることで視神経に障害が生じて視野が狭くなったり欠けたりします。
早期治療により回復する白内障に対して、緑内障は痛みや眼圧を緩和する治療が中心となり、緑内障が危険と言われているのは失明の可能性が高く、失った視力は戻らないことです。
12歳以上のシニア猫は白内障にかかる可能性が高まり、緑内障を引き起こす場合もあるため、歩き方の原因が視力にある場合は気をつけなければなりません。
脳炎、脳腫瘍
脳炎や脳腫瘍といった脳の疾患で歩行に異常が生じる場合があり、脳炎はウイルスや細菌、真菌、寄生虫などが主な原因である一方、脳腫瘍は原因が明らかにされていません。
歩き方がおかしくなったり旋回運動をしたりするほか、脳炎や脳腫瘍では食欲不振や痙攣などさまざまな症状を引き起こし、脳炎では熱が出るケースが多いのが特徴です。
治療は脳炎なら病原体に合わせた抗生剤などを使用し、非感染性や自己免疫疾患ではステロイド剤で炎症を抑え、脳腫瘍では外科手術と放射線療法や化学療法を行うのが一般的です。
いずれも命にかかわる重大な病気で、重篤化しないよう早急に処置する必要があります。歩き方以外の平常時と違うおかしい症状には注意しましょう。
内耳炎、中耳炎
内耳炎や中耳炎によって旋回行動をする場合があり、悪化すると平衡感覚に支障が出ます。
その結果、真っ直ぐ歩けなくなることや倒れてしまう場合があり、嘔吐などの症状も生じます。
内耳炎と中耳炎の違いは炎症の範囲にあり、一般的に中耳炎の悪化によって中耳と内耳の間にある骨に穴があきます。内耳にまで炎症が広がると、内耳炎になる仕組みです。
いずれも痛みを伴うため、頭を頻繁に振ったり耳を搔いたりする仕草のほか、耳を後ろに倒していたり首を傾けたりする姿が見受けられ、耳に触れるのを嫌がります。
原因の多くが細菌感染であるため、抗生剤などの内服薬をはじめ、度合いによっては長期的な治療や外科的治療が必要になるケースもあります。
熱中症
猫は基本的に肉球でしか汗をかけず体温調整が苦手なため、高温多湿な環境に長時間いると高体温や脱水によって熱中症になります。
熱中症になると口呼吸をしたり足元がふらついたり、悪化すると嘔吐や下痢、ぐったりとして痙攣などの症状が現れ、意識を失った状態では命の危険性もあります。
応急措置としては、タオルで巻いた保冷剤で太い血管のある首と脇、足の付け根を冷やし、濡れたタオルで体を包んで扇風機の風など体を冷やし、誤嚥に注意して水を飲ませます。
猫種によっても異なりますが、一般的に猫は温度20~28℃・湿度50~60%が適度のため、熱中症を防ぐにはエアコンによる室温調整と水分補給に気をつけることが大切です。
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愛猫の歩き方がおかしいかどうかの確認方法
愛猫の歩き方が通常の猫と比較しておかしいかどうかを確認するには、6つの判断基準となるポイントがあります。
特徴的な歩き方によって考えられる傾向を解説します。
まっすぐ歩かない
ケガなどをしていないのにもかかわらず、まっすぐ歩けない場合は、脳や神経に異常が生じている危険性があります。
三半規管の発達により平衡感覚に優れているはずの猫がバランス感覚を保てなくなるのには、犬に多く見られる前庭疾患の可能性も考えられるため注意が必要です。
また、平衡感覚や方向感覚に不可欠なヒゲが切れたり抜けてたりしていると、猫はまっすぐ歩けずに物にぶつかりやすくなります。
足を引きずっている
ある日突然、愛猫が足を引きずったり、びっこを引いている場合、外傷や骨・関節・筋肉の異常など、多くが外科的な要因と考えられます。
しかし、血栓症や癌など、想定外のリスクを抱えている可能性もあるほか、肉球が腫れてしまう皮膚の病気などもあるため、しっかりと原因を確認して処置することが大切です。
なお、生後6か月を過ぎた発情期の猫は、ほふく前進のように平べったくなって床を這うような低姿勢で歩きます。普段と違う鳴き方もしますが、病気やケガの心配はありません。
足の裏をつけずに歩く
ほかの症状が特になく足の裏を地面につけずに歩く場合、足をケガをしている可能性が高いため、骨折やねんざ、脱臼などが考えられます。
屋外に出る子なら切り傷やトゲが刺さっている場合や、長らく足のお手入れをしていない子なら肉球が肌荒れをしている場合もあります。
爪切りができていないと伸びすぎてしまい、爪が床にあたったり肉球に食い込んだり、割れて痛みを発症する可能性もあるでしょう。
フラフラしている
猫がフラフラしているのには、筋力の低下や外傷、低血糖や尿毒症や貧血、感染症や有害なものを口にしてした中毒症など、あらゆる病気や原因が考えられます。
最新の調査結果によると、猫飼育者の不安は全年齢で「腎臓病」となっていますが、猫の発症率が高く、命にもかかわる慢性腎臓病(腎不全)も歩行に影響を及ぼす病気です。
回復には迅速な緊急措置と精密検査による適切な処置が重要なため、早急に動物病院を頼ってください。
出典:愛犬・愛猫の健康状態に関する調査(アイペット損害保険)
歩くことを嫌がる
猫はもともと睡眠時間が長く、高齢になると一日のほとんどを寝て過ごす場合もあり、飼い主さんの呼びかけが聞こえていても歩くのを嫌がる猫は多いです。
また、具合が悪いときやケガをしているときのほか、機嫌が悪いときやストレスを感じている場合も動かなくなるため、飲食や排泄をはじめ、ほかの症状にも注目しましょう。
怒りっぽい子は甲状腺ホルモンの病気の可能性やストレスによって病気になる場合もあるため、気になる様子や症状は獣医師へ相談するのが最良といえます。
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地面に足をつけず浮かせたまま
愛猫が地面に足をつけずに浮かせたままにしているときは、目に見える傷がなくても痛みがある可能性が高いです。
当然のことですが、足をつけない状態は普通ではありません。打撲やねんざ、骨折、関節炎などが考えられるでしょう。
両足を浮かせたまま歩くお尻歩きをしたり、しきりにお尻を舐めたりするときは、肛門腺が詰まっているなどの肛門嚢の異常や、便秘や下痢、寄生虫などが原因の場合もあります。
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愛猫の歩き方がおかしいときの対処法
愛猫の歩き方がおかしいと感じたならば、下手に様子を見ることなく病院へ行くことが大切。
無理してそのまま遊ばせてしまうと、症状がより悪化してしまう可能性もあります。
それどころか、できる限り安静にさせておかないといけないので、早めに受診できるように準備しておくと良いです。
すぐに動物病院へ行く
歩行にかかわる外傷や病気は応急処置と適切な治療が必要なため、愛猫の歩き方がおかしいときは、すぐに動物病院へ行って診察をしてもらうことが大切です。
室内飼いであっても丸一日じっとしていることは猫にとって辛いもので、いずれは「遊んで!」と訴えかけてくるでしょう。
一刻を争う危険な状態も多いため、様子見するという判断をする際も、必ず獣医師の指示やアドバイスに従って決めるようにしてください。
できる限り動かなくていいように安静にさせる
歩き方に問題のある子は、できる限り動かなくていいように安静にさせることが悪化を防ぐ大事なポイント。
無理に運動させたり動かしたりすることなく、速やかにクレートやキャリーバッグへ入れて動物病院へ連れて行きます。
治療期間中は基本的に静かで落ち着ける場所へケージを配置し、快適な寝床とトイレ、足腰に負担のかからない食器台や脚付きのフードボウルを用意してレイアウトします。
ただし、病状やケージのサイズ、ほかのペットとの兼ね合いなどによっては一部屋を確保した方が安心な場合もあるため、獣医師へ相談してください。
愛猫の足腰を守る予防策
足腰を守ることは、歩行異常をできる限り防ぐひとつの手段になります。
完全室内飼いが基本になっている猫にとって、その場所は一生を過ごすことになる可能性の高い場所。
寝ていることが多い猫ですが、運動もたっぷりしたい子は多いので、ストレスなく過ごせる環境を整えてあげましょう。
滑りづらい床に変える
猫にとってフローリングなどの滑りやすい床は足腰に負担がかかりやすく、滑りやすいため危険です。
健康で元気な子ほど走り回ってケガをしやすいので、ツルツル滑るフローリングのままはNG。
日常でよく過ごしているスペースへは、爪が引っ掛かりにくいカーペットやジョイント式のマットを敷き、特にキャットタワーの周辺へは万一の転落に備えてあげてください。
最近ではペット用フローリングなどもあるため、購入物件であればフローリングの張り替えもおすすめです。
階段やソファなどの段差を低くする
自由気ままに過ごしたい猫にとって、自宅の中には危険な場所が多くあり、特に高齢になると足腰への負担が大きくなります。
階段には階段用の滑り止めマット、ソファやベッドには犬猫用のペットステップを設置するなど、大好きな飼い主さんと一緒に過ごしやすいように工夫をしてあげましょう。
上下運動が好きなのである程度の運動ができる環境は必要ですが、必要以上に高いところから飛び降りる回数を減らすことが大切です。
肥満を予防する
肥満の子は足腰への負担や病気のリスクが高くなり、死に直結するような事態も引き起こします。
これを回避するためには飼い主さんによるケアや管理がとても大切で、毎日のフードの品質と量や適度な運動習慣が必要。
2022年のアメリカにおけるペット肥満調査では、太りすぎや肥満の犬猫が増加傾向にあると言われています。
犬は約59%、猫は約61%が太りすぎ、または肥満に分類されることが発表されています。
近年は猫が好む液状フードや液状おやつの種類も豊富になりましたが、猫は基本的に体重によって1日に必要なカロリー量があるため、オーバーしないように気をつけてください。
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肉球のケアや爪切りを徹底する
猫の肉球には、体温調節と滑り止めやクッションの役割がありますが、硬化・角質化によって足腰への衝撃を受けやすく、高齢猫はひび・あかぎれにより感染症を起こしやすいです。
これを防ぐためには、舐めても害のないペット専用の肉球クリームを塗ることで保湿効果を高めてあげます。
また、肉球を柔らかくすることができるため、特に乾燥しやすい冬場は念入りにお手入れしましょう。
爪も同様で、引っ掛かったり滑ったりする原因や細菌などによるトラブルを防止するため、3週間から1か月のペースを目安にカットしてお手入れをします。
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サプリメントで予防する
猫用のサプリメントは手軽に入手できるため、食事で補給できない栄養素はサプリメントで補うのもひとつの方法として有効的です。
足腰に役立つ栄養素について解説しますので、どうぞ参考になさってください。ただし、過剰摂取は健康の妨げにもなるため、サプリメントは必ず用量を守ってください。
ビタミンD | 健康的な骨の発達と維持に必要な一方、体内では生成できない |
ビタミンA | 健康的な成長と発達に役立ち、視力や免疫機能を維持するためにも必要な栄養素 |
ビタミンB1 | 体内で生成できず猫が欠乏しやすい栄養素で、神経系の機能を正常に保つために役立つ |
カルシウム | 丈夫な歯や骨格をつくる大切な成分で、特に子猫や妊娠中の猫に必要な栄養素 |
ビタミンE | 骨格と筋肉の成長を助け、体内の血行を良くして、老化防止にも役立つ栄養素 |
サプリメントは適量を守り摂取することで、予防効果の期待ができます。
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歩行異常が起こりやすい猫種
歩行異常については、体に特徴のある子たちが起こりやすいです。
次のような猫種は歩行異常だけでなく、その他の病気の注意も必要なため、よく観察してケアしてあげましょう。
病気 | 特徴 | 猫種 |
---|---|---|
椎間板ヘルニア | 胴が長い | マンチカン メインクーン バンビーノ ジェネッタ など |
股関節形成不全 | 大型猫 | メインクーン バーマン など |
骨折、脱臼 | 運動量が多い | バーマン トンキニーズ デボンレックス など |
肥大型心筋症 | 遺伝性 | サイベリアン スコティッシュフォールド スフィンクス ペルシャ メインクーン ラグドール ラガマフィン など |
歩行異常が起こる外傷や病気は、猫種によって傾向があるため、分かりやすいように一覧形式でご紹介します。
愛猫の品種が該当する場合は、未然対策としてもぜひご活用ください。
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