猫の病気・健康

猫の抜け毛が多いのは危険?抜け毛の原因と適切な対策方法

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猫の抜け毛が多いのは危険?抜け毛の原因と適切な対策方法

初めて猫をお迎えした飼い主さんが最初に頭を悩ませることと言えば、愛猫の抜け毛ではないでしょうか?

カーペットやソファ、クッション、寝具、洋服など、至る所に愛猫の毛が付いて、外出前には粘着式クリーナーでのコロコロ儀式が欠かせないほど。

でも、ある日急に抜け毛が増えると、病気かなと心配になってしまいますよね。

そこで今回は、猫の抜け毛の原因と対策などについてご紹介します。

この記事の結論

  • 猫の抜け毛が増える原因は換毛期、ブラッシング不足、ストレス、栄養不足…と、さまざま
  • 愛猫の抜け毛を放置すると病気の原因になり、人間の健康にも悪影響を与えかねない
  • 猫の抜け毛の原因が病気なのか、自然な生え変わりなのか迷ったら、まずは獣医師に相談を
  • 猫には被毛の生え方のタイプ、猫種、個体によって抜け毛の多い少ないがある

楠 涼

担当執筆者

楠 涼

ライター

3歳の頃、TVアニメで黄色い魔法のカバンを持った幸せの猫・FELIX君に出逢い、恋心を抱く。
現在、“在宅部長”こと2代目保護猫と暮らしながら、nademoの記事を書かせていただいています

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猫の抜け毛が多くなる理由

猫

猫の被毛には、トップコート(上毛)とアンダーコート(下毛)の二重構造のダブルコート、アンダーコートのないシングルコートの2タイプがあります。

毛足の長さで長毛種と短毛種の違いがありますが、長毛種、短毛種、それぞれの中にダブルコートとシングルコートがいます。

また、日本の家庭で飼われている猫の約8割がミックスや雑種だそうで、そのほとんどがダブルコートです。

一般的にダブルコートのほうが抜け毛が多いと言われていますが、必ずしもそうとは限りません。

愛猫の抜け毛が増えるのは、以下の原因が考えられます。

換毛期

一般的に猫の換毛期は年2回、冬毛から夏毛に生え変わる春(3月頃)と、夏毛から冬毛に生え変わる秋(11月頃)とされています。

ダブルコートの場合、春はアンダーコートが減って通気性がアップし、秋は寒さから身を守るためアンダーコートが増えてモフモフ感が増します。

換毛期に抜け毛が増えるのは順調に生え変わりが行われているためで、むしろ健康な証拠ですから、心配はいりません。

ブラッシング不足

猫は新陳代謝によって自然に毛が抜け替わる動物です。ブラッシングをしないと、抜けた毛が被毛の中に蓄積し、からまってしまいます。

からまった毛は毛玉となり、毛玉はさらに毛をからませ、抜け毛を増やす原因となります。

ブラッシングで古い毛を取り除き、皮膚の血行が促されると、新しい毛の成長が促進されますが、ブラッシングをしないと健康的なサイクルが滞ってしまいます。

また、 ブラッシングを定期的に行うことで、家の中に散らばる抜け毛の量を減らすことができます。

ストレス

緊張や恐怖など、強いストレスを受けると、心を落ち着かせようとグルーミングする習性が猫にはあります。

そのため、過度なストレスは過剰なグルーミングの原因となり、体の一部が禿げ上がるほど舐めてしまい、ときには皮膚から出血してしまうこともあります。

「舐め壊し」「舐性皮膚炎(しせいひふえん)」と呼ばれ、皮膚治療とともにエリザベスカラーや猫用皮膚保護服でグルーミングさせない工夫が必要です。

心因性脱毛症とも呼ばれ、愛猫に局所の脱毛や不規則な円形脱毛が見られたらすぐに動物病院で検査を受け、ストレスの原因を取り除きましょう。

栄養不足

猫が美しい毛並みやトラブルのない健康的な皮膚を保つには、高品質なタンパク質(アミノ酸)を十分に摂取する必要があります。

また、ビタミンAやビタミンEも被毛の健康を保つために欠かせない栄養素で、不足すると抜け毛が増えることがあります。

これらの栄養をバランスよく摂取するには、毎日の主食に総合栄養食を選ぶこと。そして、体型やライフステージに合った量の食事を与えることです。

老化

老人になると脱毛が増えたり、髪が痩せたりしますが、猫も同様です。

加齢によりホルモンバランスが崩れたり、栄養が吸収しにくくなったりするためで、毛がパサついて艶がなくなり、皮膚もハリが失われたりします。

できるだけ頻繁にやさしくブラッシングして艶となめらかさを保つようにして、乾燥しやすい冬は加湿器などで湿度調節し、保温を心がけてあげましょう。

病気

抜け毛が多いだけでなく、元気がない、食欲がない、1日に何回もあるいは数日続けて嘔吐する、軟便、便秘…などがあればすぐ動物病院へ。

抜け毛が多量に増える原因として考えられる病気の主なものは、以下のとおりです。

  • アレルギー性皮膚炎
  • アトピー性皮膚炎
  • 日光過敏症
  • 疥癬症(ヒゼンダニ症)
  • ノミアレルギー性皮膚炎
  • 皮膚糸状菌症
  • 毛包虫症
  • 尾腺炎(スタッドテイル) など

病気の種類もさまざまですし、病気の原因もさまざまです。自己判断は難しいので、専門家に診てもらいましょう。

猫の多い抜け毛を放置するとどうなる?

猫の抜け毛を放置した場合、最も恐れるべきは愛猫が「毛球症(もうきゅうしょう/ヘアボール)」になってしまうことでしょう。

毛球症とは猫がグルーミングの際に抜け毛を飲み込み、胃腸内で次第に大きな球状になって、嘔吐や排泄では排出できなくなってしまう病気のことです。

放っておくと命に関わる窒息や腸閉塞を起こす可能性があり、治療には全身麻酔を伴う外科手術が必要となります。

頻繁に嘔吐を繰り返して食欲不振になったり、便秘やお腹が膨らんできたりしたら、すぐ動物病院へ。

軽度の初期症状であれば、毛球除去剤の投薬、あるいは毛球症用の療法食や毛玉を排泄しやすくするサプリメントを与えるなどの治療法が選択されます。

そのほかにも、愛猫の抜け毛を放っておくと以下のようなリスクがあります。

ノミやダニが発生しやすくなる

外に出る愛猫や散歩中の愛犬の体にノミが付き、家内に持ち込まれることがあります。ノミを連れて来るのは飼い主さんやご家族も例外ではありません。

室内のホコリが溜まる場所には、必ずダニが生息しています。愛猫から抜け落ちた毛も、ダニの住処となります。

噛まれれば致死率は約6%~30%と恐れられているマダニも、家の中に持ち込まれるとカーペット、布団、ソファ、畳、床の抜け毛に身を潜めます。

ノミやダニが発生すると、皮膚病や感染症の原因となり、さらに愛猫の抜け毛が増える悪循環を生みます。

ときには慢性的な疾病の原因や命に関わることにもなりかねないので、徹底的に駆除しましょう。

毛玉ができやすくなる

猫は自分でグルーミングしますが、それだけだと毛玉ができやすくなってしまいます。

抜け毛がうまくからめ取れないためで、抜け毛が毛と毛の間でからまって毛玉になってしまうのです。

定期的にブラッシングすることで毛玉は予防できます。

また、できてしまった毛玉は皮膚を傷つけないよう気をつけながらハサミの先で上から十文字に切り分け、コームの先で丁寧にほぐします。

それでも毛玉がうまくほどけない場合は無理にほぐそうとせず、毛玉の部分だけハサミで切り取りましょう。

病気や脱毛の原因になる

ホルモン異常や感染症、アレルギー性の病気などが原因で猫の抜け毛が増えることがある一方、抜け毛の放置により健康上の問題が起こることもあります。

グルーミングで愛猫が抜け毛を飲み込めば胃炎や食道炎を起こすこともあり、毛球症を発症して外科手術が必要になるリスクもあります。

床に落ちた抜け毛にはダニやノミ、花粉などが付着し、カビや細菌などが発生すると、愛猫だけでなく飼い主さんやご家族の健康も損ないかねません。

愛猫の抜け毛を見過ごしたり放っておいたりすると、健康に不安をきたしてしまう良からぬスパイラルを生んでしまうのです。

猫の抜け毛が異常に多い場合は、獣医師に相談して原因を特定し、適切な対策を取ることが何より重要と言えるでしょう。

猫アレルギーの原因になる

猫の抜け毛自体が直接的に猫アレルギーの原因となることはありません。

ですが、猫アレルギーは主に猫の唾液や皮膚から分泌されるタンパク質の一種である、『Fel d 1』というアレルゲンによって引き起こされます。

Fel d 1は猫の体全体に存在し、特に口周りの腺から分泌され、毛皮に付着しています。

そして、毛皮の被毛が抜け毛となって放散されると、付着しているアレルゲンが室内に広がり、アレルギー反応を引き起こす要因になることがあります。

また、抜け毛が部屋のダストやカーペットなどに付着し、その中にアレルゲンが混入している場合もあります。

そのため、猫の抜け毛が空気中に広がることで、猫アレルギーの症状が発症することがあるのです。

猫の抜け毛が多い際に考えられる病気

では、換毛期の猫の抜け毛と病気による猫の抜け毛は、どういう違いがあるのでしょう?

換毛期の猫は抜け毛の量が増え、ときには飲み込んだ抜け毛を吐いたりしますが、健康上では特に問題ありません。

それに対して、病気による猫の抜け毛は、他の症状と合わせて考える必要があります。

例えば、皮膚の痒みや炎症、体重減少、行動の変化などが同時に見られることがあります。

また、通常の換毛期の範囲を超えて抜け毛の量が異常に多かったり、毛の質が劣ったりしている場合があります。

そういう場合はすぐ動物病院へ。

病気による抜け毛が疑われる場合、獣医師は血液検査、皮膚検査、X線などの診断手段を用いて病因を特定します。

抜け毛の原因としてよくある疾病は以下のとおりです。

副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)

副腎皮質機能亢進症の猫は、毛の質が変化しやすくなることがあります。

毛が薄くなり、生え変わりが乱れるというのが典型的で、それに伴って抜け毛が増加し、通常の換毛期とは異なる異常な量だったりします。

例えば頻繁に毛が抜け、毛の量が極端に減少する、毛が不規則に抜けるなどといった症状がみられる場合です。

抜け毛以外にも、食欲亢進、体重増加、皮膚の色素沈着、筋肉の萎縮、尿崩症といったさまざまな症状を引き起こす可能性があります。

動物病院では血液検査や尿検査などが行われ、過剰なコルチゾール(副腎皮質ホルモン)の検出が確認されます。

副腎腫瘍が原因の場合もあり、過剰な副腎皮質刺激ホルモンの抑制を目的とした治療が行われます。

皮膚炎

抜け毛が増える理由として最も多いのが、皮膚の健康が損なわれること。そしてそれに対する猫の反応によって、さらに抜け毛が促進されます。

具体的な原因は下記のとおりです。

  • 皮膚の炎症と損傷
  • 痒みと掻きむしり
  • 過剰なグルーミング
  • 皮脂の分泌異常
  • 細菌や真菌による感染症

また、よくある皮膚炎の疾病としては、以下が考えられます。

アレルギー性皮膚炎

アレルギー性皮膚炎は、猫が特定のアレルゲン(アレルギーを引き起こす物質)に対して過敏に反応することで発生する皮膚の炎症です。

主な原因は食物アレルギーで、特定の食材に対するアレルギー反応により皮膚炎を発症し、抜け毛が引き起こされます。

一般的なアレルゲンとして牛肉、鶏肉、魚、乳製品、小麦などがありますが、個体によってアレルゲンは異なります。

花粉、ダニ、カビ、ハウスダストなどに対するアレルギー反応といった、環境アレルギーが原因の場合もあります。

ノミの唾液に含まれる物質に対するノミアレルギーは強い痒みと炎症、発疹や赤みが生じ、猫が頻繁に掻いたり舐めたりするため脱毛します。

動物病院では獣医師による問診と身体検査が行われ、アレルギーの特定には食事制限試験、皮膚テスト、血液検査などが用いられます。

食物アレルギーの場合はアレルゲンを含まない食事に変更し、環境アレルギーの場合はアレルゲンの回避や薬物療法、免疫療法が行われます。

ノミアレルギーの場合は、ノミ駆除薬や環境の清掃が必要です。

アトピー性皮膚炎

猫のアトピー性皮膚炎は、環境中のアレルゲンに対する免疫系の過敏反応によって引き起こされる慢性的な皮膚炎です。

アトピー性皮膚炎の主な原因(環境アレルゲン)は、以下のとおりです。

  • 花粉(草や木の花粉)
  • ハウスダストやダニ
  • カビやカビの胞子
  • その他の空気中の微粒子

アトピー性皮膚炎は遺伝的な要因が強く、特定の猫種や子孫関係に多く見られます。

痒みが最も一般的な症状で、猫が頻繁に掻いたり舐めたりする原因となります。

また、皮膚に赤みや発疹が生じ、猫が過度に掻きむしることで毛が抜け、薄毛やハゲた部分ができます。

皮膚が乾燥し、慢性的な炎症によって厚くなることもあります。

掻き傷や舐めすぎによる皮膚の損傷から、細菌や真菌の二次感染が起こりやすく、注意しなければいけません。

動物病院では皮膚テスト(インターデルマルテスト)や血液検査、他の皮膚疾患の除外検査によってアレルゲンを特定します。

アレルゲンの特定後、そのアレルゲンを避けるように環境の調整が指導され、抗ヒスタミン薬やステロイド(経口薬や外用薬)で痒みや炎症を軽減します。

免疫抑制薬(シクロスポリン)も使用されることがあり、アレルゲン特異的免疫療法(アレルゲンに対するワクチン療法)が行われることもあります。

マラセチア皮膚炎

猫のマラセチア皮膚炎は、動物や人間の皮膚に常在する酵母菌・マラセチアが異常に増殖することによって引き起こされます。

マラセチアは脂質を栄養源としており、皮脂腺が多い猫の部位(耳、顔、首、腹部、しっぽの付け根など)に多く存在します。

病気やストレス、栄養不良などにより免疫力が低下すると、マラセチアが異常に増殖しやすくなります。

また、湿度が高く温かい環境や、皮脂腺の活発な活動により皮脂が過剰に分泌されると、マラセチアの繁殖を助長します。

痒み、赤みや炎症、脱毛のほか、特有の臭いが皮膚から発生したり、皮膚がべたついたりフケが多くなることがあります。

動物病院では顕微鏡検査や培養検査を行い、マラセチアの増殖を抑える抗真菌薬の投与、また基礎疾患がある場合はその治療も並行して行われます。

寄生虫

猫の抜け毛はさまざまな原因で起こりますが、寄生虫もその一因となることがあります。

猫の抜け毛に関連する寄生虫は、以下のようなものが考えられます。

  • ノミ(フリース)
  • ミミヒゼンダニ
  • 皮膚ヒゼンダニ(疥癬ダニ)
  • 回虫や鉤虫(こうちゅう)
  • 真菌(リングワーム)

寄生虫の関与が疑われる場合は、まず獣医師に相談し、正確な診断を受けることが重要です。

獣医師は問診や触診の後、被毛と皮膚の検査、便検査、血液検査、PCR検査などを行います。

寄生虫が原因であると特定されたら、原因となる寄生虫に適した駆虫薬などが投与されます。

また、ノミやダニを防ぐために、猫の寝床や周囲の環境を清潔に保つこと。そして寄生虫の再発を防ぐために、定期的に健康チェックを行うことが大切です。

過度なグルーミング

過度なグルーミングは猫が通常の範囲を超えて自分の体を舐める行為であり、動物や人間のさまざまな要因によって引き起こされます。

  • ストレスや不安
  • アレルギー
  • 皮膚の異常(皮膚炎、ノミ、ダニなどの寄生虫感染、真菌感染など)
  • 強迫性障害や自己刺激性による問題行動

抜け毛や脱毛に繋がり皮膚を損傷し、感染症や毛球症を発症してしまうこともあります。

動物病院では獣医師による全身の視診と触診、皮膚検査や血液検査、行動の問題性を評価するための問診が行われ、原因が特定されます。

原因に応じて食事の見直し、抗ヒスタミン薬やステロイド、駆虫薬、抗生物質や抗真菌薬の投与、ストレス管理などの指導が行われます。

猫の抜け毛で病院を受診する判断基準

愛猫の抜け毛が増えたとき、飼い主さんは「換毛期などによる通常の生理的な抜け毛なのか、それとも病気の兆候なのか」と迷いますよね。

自宅でケア可能か、動物病院で治療が必要か、急いで受診したほうがいいのか、診察や治療のコストはどうか…と、迷いどころはいろいろ。

まずは愛猫を観察して抜け毛の状態や量、日付や症状の変化を記録してみましょう。

痒み、赤み、脱毛などがなければ様子見

愛猫の抜け毛の状況が以下のようなら、自宅での飼い主さんによるケアで対応できる範囲でしょう。

原因対処法
換毛期や季節の変化毎日のブラッシングで余分な毛を取り除きましょう。
軽度のストレス猫が安心できるスペースを確保してストレスが解消されれば、抜け毛も次第に減少する場合があります。
栄養状態が良好で健康自然な抜け毛の可能性が高いので、適切な給餌や給水、温湿度管理、衛生管理などの適切なケアを続けましょう。
一時的な体調の変化気温変化による一時的な抜け毛増加なら、観察を続け、症状が続かない場合や他の異常が見られない場合は特に心配はいりません。
加齢による自然な抜け毛高齢猫に適した栄養バランスの良い食事を提供し、定期的なブラッシングを行いましょう。

あくまでも参考程度にとどめておき、気になる様子があれば動物病院へ行きましょう。

明らかな異変がある場合には病院を受診する

猫の抜け毛が増えた場合、以下のような症状や状況が見られた場合は、速やかに獣医師に相談することが重要です。

  • 皮膚が見えるほどの脱毛
  • 肌の赤み
  • 常に同じ箇所を掻いている
  • 常に同じ箇所を舐めている
  • 皮膚が黒ずんでいる
  • 異臭がする
  • 分泌物が出ている

受診後も獣医師が処方する薬や治療計画をしっかりと守ることが肝心です。

愛猫の抜け毛が増えて動物病院へ連れて行くかどうか迷う場合も、早めに受診することで潜在的な健康問題を早期に発見でき、適切な治療が受けられます。

異常を感じた場合、まずはかかりつけの獣医師に相談してアドバイスをもらいましょう。

猫の抜け毛の対策方法

特に病気などの心配がない猫の抜け毛対策なら、家庭でできる効果的な方法として以下にご紹介する6つの習慣を心がけましょう。

また、健康チェックと定期的なケアも重要です。健康状態が良好なら被毛も良好なコンディションを保てます。

猫の健康を定期的にチェックし、早期に健康問題を発見するために獣医師の定期健康診断を受けましょう。

一般的な定期検診の目安は、子猫や健康な成猫なら年に1回、シニア猫や持病のある猫は半年に1回以上です。

ブラッシング

愛猫の抜け毛対策の基本は、適切なブラッシング方法と頻度です。

短毛種はゴム製やソフトブリッスルのブラシを用い、週に1回~2回程度のブラッシングを行います。

一方、長毛種におすすめなのはメタルピンブラシやスリッカーブラシで、ブラッシングは毎日してあげましょう。

基本的な手順としては、まず逆毛に対してやさしくブラッシングし、次に背中、腹部、尻尾の周りなど、毛が抜けやすい部位を特に丁寧にブラッシングします。

また、ブラシの清潔を保つことも大切。ブラッシングの前後に毛を取り除いて、ときには拭いたり洗ったりしましょう。

シャンプー

基本的には猫にシャンプーを無理に行う必要はありません。

むしろ、頻繁なシャンプーは猫の皮膚や被毛に負担をかける可能性があり、猫の被毛は水を弾きにくく乾きにくいので風邪を引いてしまうリスクがあります。

健康な猫の抜け毛が気になる場合は、多くても月に1回程度のシャンプーを。皮脂や汚れを取り除き、被毛の清潔を保つことができます。

特に臭いが気になる場合や、皮膚トラブルがある場合は獣医師の指示に従いましょう。

皮膚病やアレルギーがある場合は、特定の治療を目的としたシャンプー剤と頻度が必要になることもあります。

トリミング

愛猫の抜け毛対策としてトリミングは効果的な方法のひとつですが、猫の種類や個体によって効果が異なります。

特に長毛種の場合、定期的なトリミングによって余分な毛を取り除き、毛玉や抜け毛の問題を軽減できます。とりわけ換毛期のトリミングは効果的です。

夏場などの暑い季節にはトリミングすることで体温調整をサポートし、長毛を短くすることで熱中症などのリスクを軽減できます。

毛の成長スピードや抜け毛の状態など、個体によって適切なトリミングの頻度は異なりますが、一般的には1か月~3か月に1回が目安です。

一般的なペットサロンでの基本的なトリミング(バス、ブラッシング、爪切りなど)は、5,000円~10,000円程度が相場となっています。

被毛のカットやスタイリングが含まれると、5,000円~15,000円程度かかることがあります。

ペット用の空気清浄機を置く

ペット用の空気清浄機は猫の抜け毛やペットの臭いを取り除くのに効果的ですが、完全に解決してくれると過剰な期待をしてはいけません。

空気清浄機に期待できる効果は、具体的には以下のような点です。

  • 空気中に浮遊する抜け毛やフケの除去
  • 臭いの軽減
  • アレルゲンの除去

空気清浄機の効果を最大限に引き出すには、適切なフィルターかどうかが重要。抜け毛やアレルゲンを取り除く機能の有無を購入前にチェックしましょう。

フィルターの掃除などのメンテナンスを怠ると機能や効果が半減してしまいますので、フィルターは定期的に交換する必要があります。

服を着させる

愛猫に服を着させることで抜け毛対策としての効果がいくつか期待できますが、すべての猫にとって効果があるとは限りません。

服でボディの被毛を覆うことで、綿埃となる抜け毛の量を減らす効果があります。特に長毛種や換毛期の抜け毛が多い季節には有効です。

冬季などの寒い時期には保温効果も期待でき、特に老齢の猫や体調の弱い猫にとって、体温の維持は健康な皮膚や被毛を保つのに役立ちます。

また、日差しが強くなる季節は、紫外線の刺激から肌や被毛を保護してくれます。

愛猫のウェアは定期的に洗濯して清潔を保ちましょう。

ただし、服を着ることがストレスになる猫には逆効果です。ストレスでむしろ抜け毛が増えてしまう場合もあります。

フードの変更

愛猫の抜け毛が増えた原因として、栄養バランスの問題が考えられる場合はフードを変える必要があるかもしれません。

例えばタンパク質や脂肪、ビタミン類の不足が抜け毛の増加に関連している場合があります。

また、フードに含まれる一定の食材や添加物に対して、愛猫がアレルギー反応を示している可能性もあります。

キャットフードの保存状態や賞味期限もチェックしてみる必要がありますし、フードの品質劣化が抜け毛の原因になっている可能性も考えられます。

愛猫の年齢や健康状態の変化で、必要な栄養やエネルギー量が異なっている可能性もあります。

ただし、いきなりフードを変えると軟便になったり便秘になってしまったりと、体調不良を起こしてしまうことも。

フードを変えるときは、10日間ほどをかけてじっくりと時間をかけて切り替えましょう。

猫の抜け毛に使いたいおすすめグッズ

猫の抜け毛対策に役立つ、便利なアイテムや効果的なグッズがあるのでご紹介します。

特に抜け毛が激しくなくても、愛猫の日頃のお手入れや衛生管理のために揃えておきたい必需品ばかりです。

現代のペット市場には多種多様な商品がありますから、どれをセレクトしたらいいか迷ってしまいますよね。

そんなときは、かかりつけの獣医師、ペットショップやトリミングサロンのスタッフに相談するのもおすすめです。

ブラシ

ブラシの種類別に使う順番

以上は、一般的に猫のブラッシングに用いられるブラシやコームの種類です。

また、以下のようなツールも愛猫の抜け毛を取り除くのに効果的です。

ソフトブラシ日常的なブラッシングに適した柔らかいブラシで、敏感な肌にもやさしいタッチです。毛並みを整える効果もあります。
ワイドトゥースコーム抜け毛やからまった毛を効果的に取り除くのに適しています。特に長毛種の猫には、毛玉を防ぐために定期的に使用すると良いでしょう。

猫ごとに使う必要のないものもありますので、あくまで参考程度におさえておきましょう。

スリッカーブラシ

猫の被毛を整えながら、抜け毛を効果的に取り除くのに適しています。

先端にはしご状の歯があり、ブラシを被毛に垂直に当てて軽く押してから引きます。

毛並みの逆方向から徐々に引き出すと、抜け毛やフケを取り除けます。

特に長毛種の場合は毛の根本からブラッシングしていくと効果的です。ただし、強く押し付けることは避け、猫の肌にやさしく行うようにします。

ラバーブラシ

柔らかく毛に吸い付くように当たるクシがゴムやシリコン製のラバーブラシは、特に抜け毛を取り除くのに効果的です。

手袋型や手に持つタイプがあり、手袋型の場合、手に装着して毛並みを撫でるようにして使用します。

手に持つタイプの場合は、猫の被毛に平行に保ちながら使用します。

スクラッチャーブラシ

有名なファーミネーターを始めとするスクラッチャーブラシは、主にアンダーコートを取り除くのに適しています。

毛がダブルコートになっている子におすすめで、シングルコートの子に対しては必要ありません。

換毛期にごっそり抜ける抜け毛処理として向いていますが、その一方で使うのはやや難易度が高いブラシ。

抜けていない毛までも処理してしまわないよう、注意して扱う必要があります。

シャンプー

猫の皮膚や被毛はとてもデリケート。強い洗浄成分や香料が含まれているシャンプーは避け、低刺激性の成分配合のシャンプーを選びましょう。

猫の皮膚はわずかに酸性を帯びていて、弱酸性のシャンプーが適しています。pHバランスが合わないと、皮膚トラブルを引き起こす可能性があるのです。

できるだけ天然成分配合のシャンプーを選び、猫の皮膚や被毛にトラブルを起こしやすい合成添加物が含まれていないか確認しましょう。

洗浄力が適切でありながら、すすぎやすいシャンプーを。シャンプー剤が愛猫の毛や肌に残っていると、抜け毛トラブルの原因になります。

抜け毛やフケが気になる場合は、抑制効果のあるシャンプーも販売されています。猫の抜け毛や皮膚の状態に応じて、獣医師に相談して選びましょう。

猫の落ちた抜け毛の掃除方法

あるアンケート調査では、愛猫をお迎えしてから頻繁にやるようになった家事は「掃除」と答えた飼い主さんが多かったとか。

また、日本最大級のママ向け情報サイト「ママスタ」による1,800人超のママたちが選ぶ嫌いな家事の第1位は「掃除」だったそうです。

ただでさえ面倒で大変な掃除ですが、愛猫の抜け毛対策&予防として不可欠な家事。できれば効率よくやりたいですよね。

手早く楽に効果的にできる方法と、抜け毛掃除に役立つグッズをご紹介します。

①掃除機よりもコロコロで吸着する

ソファやクッション、布製品に付着した猫の毛を効果的に掃除するには、まず粘着テープやローラーブラシで表面の汚れを取り除いておくことです。

クッションカバーや寝具カバー、愛猫用の布製品は毎週洗濯しましょう。

抜け毛が付きにくくなるペットの布製品専用の洗剤や柔軟剤もありますので、使ってみてください。

②上から下へと掃除をしていく

上から下へ掃除することで、掃除作業が効率的に進みます。

まず、高い場所から始めて抜け毛やホコリを床面に集めてから、掃除機で吸い取ることで重複作業を避け、清掃を迅速に行うことができます。

特に猫がよくくつろぐ場所は高い位置にあることが多いので、より効果的で徹底的な掃除が行えます。

③下に落ちた抜け毛は掃除機で

床に集まった抜け毛やホコリは、掃除機で一気に吸い取りましょう。部屋の隅に溜まったホコリはダニや雑菌の住処になりますので、お見逃しなく。

掃除機は引き掛けがいいのか、押し掛けがいいのか迷うところですが、実は往復させるのが正解。押すときにゴミを集め、引くときに吸うからです。

押すときよりゆっくりと引き、短く押し引きしながら後ろに下がるようにして掃除機をかけるのがコツです。

ペットの抜け毛対策として有名なメーカーとしては、日本のPanasonicに加えてイギリスのダイソンや、アメリカのSharkNinjaなどです。

抜け毛の多い猫種

抜け毛が多いとされる猫種は、一般的に長毛種とダブルコートと言われています。

長毛の猫種は長くて密な被毛が特徴で、換毛期には特に抜け毛が目立ちます。

ダブルコートの猫種は被毛がアンダーコートとトップコートの二層構造で、保温性や防水性が高い一方、生え変わりが頻繁なため抜け毛が多くなります。

また、毛周期が比較的短い猫種は頻繁に毛の生え変わりが起こるため、抜け毛が多い傾向があります。

抜け毛の量は遺伝的な要因にも影響され、特定の猫種内でも血統の違いや個体差によって、抜け毛の量が異なることもあります。

サイベリアン

サイベリアンはロシア原産の猫種です。寒冷地での生活に適応した、密度が高い三層構造被毛を持っています。

外側は防水性のある長いガードヘア、断熱効果のある中間のアウターヘア、防寒性の高いアンダーコートで構成されています。尻尾は長くフサフサしています。

毛周期は比較的活発で、一年を通じて定期的に毛が生え変わります。特に春と秋の換毛期には抜け毛が増加します。

性格が穏やかで家庭向きの猫とされており、被毛の美しさや抜け毛の多さを考慮して飼育する際には、定期的なブラッシングや適切なケアが重要です。

愛情深く、飼い主に従順

好奇心旺盛で人によく懐く

あまり鳴かない

優れた運動能力を持つ

 その他情報

原産国 ロシア
猫種公認団体 CFA,FIFe,GCCF,TICA
大きさ 大型
平均寿命 14歳~15歳
なりやすい病気 ピルビン酸キナーゼ欠乏症,尿路結石症,猫風邪,肥大型心筋症,慢性腎臓病
参考価格 10万円~90万円
       

被毛

抜け毛 多い
毛質 トリプルコート
毛色 ブラック,ブラウン,ホワイト,シルバー,ゴールド,クリーム,ブルー,レッド
毛の長さ 長毛

体高

男の子23cm~25cm
女の子23cm~25cm

体重

男の子7.5kg~12kg
女の子6.5kg~10kg

スコティッシュフォールド

スコティッシュフォールドは特有の折れた耳を持つ愛らしい猫種です。頭部は丸く目は大きく、顔の表情は愛嬌があります。

性格は非常に穏やかでやさしく、知的で愛情深い、社交的で好奇心が強くて遊び好き。ほかの猫やペット、そして人間とも上手に付き合うことができます。

短毛種と長毛種の両方が存在し、毛色や柄は多様でさまざまなバリエーションがあり、毛質や密度が高くしっかりとしています。

特に冬季や春先などの季節には、毛の生え変わりが活発に行われるため、抜け毛が増える傾向があります。

温厚で気ままな性格

人には懐きやすい

あまり鳴かない

運動量は少ない

 その他情報

原産国 スコットランド
猫種公認団体 CFA,TICA
大きさ 中型
平均寿命 10歳~13歳
なりやすい病気 骨軟骨形成異常,外耳炎,肥大型心筋症,尿路結石症,多発性嚢胞腎
参考価格 6万円~45万円
       

被毛

抜け毛 多い
毛質 ダブルコート
毛色 ホワイト,レッド,ブルー,ブラック,ブラウンタビー
毛の長さ 短毛or長毛

体高

男の子20cm~27cm
女の子20cm~27cm

体重

男の子3kg~6kg
女の子3kg~6kg

ノルウェージャンフォレストキャット

ノルウェージャンフォレストキャットは北欧原産の長毛種の猫です。

筋肉質で力強い体つきで中型~大型の体格に、三角形の顔と大きく立った耳。被毛は密で豊か、特に首から胸にかけてのたてがみが特徴的です。

ダブルコートの被毛は寒冷地での適応性が高く、外側の防水性のある長い上毛と、内側の柔らかく密な下毛で構成され、抜け毛が多い一因となっています。

密度が高い被毛は冬季にはさらに厚くなります。春や秋になると毛の生え変わりが盛んになり、抜け毛が増える傾向となります。

臆病だが甘えん坊

とても人懐っこい

たまに鳴く程度

駆け回るほど運動能力が高い

 その他情報

原産国 ノルウェー
猫種公認団体 CFA,FIFe,GCCF,TICA
大きさ 大型
平均寿命 12歳~13歳
なりやすい病気 糖尿病,白内障,毛球症,熱中症,グリコーゲン貯蔵症,眼瞼内反症,尿路結石症
参考価格 20万円前後
       

被毛

抜け毛 多い
毛質 ダブルコート,トリプルコート
毛色 ブラック,ブルー,ホワイト,ブラウン,シルバー,ブルー,レッド,クリーム,ブラウンタビー&ホワイト,オレンジタビー&ホワイト
毛の長さ 長毛

体高

男の子40cm前後
女の子40cm前後

体重

男の子4.5kg~7kg
女の子3.5kg~5.5kg

ペルシャ

ペルシャは長毛種の代表的な猫です。

小顔で丸みを帯びた頭部と、大きくまん丸の大きな目で鼻筋は短く、顔はぺったりとした鼻ぺちゃの印象。体格は小型~中型で骨太な筋肉質です。

被毛は外側の長い上毛と内側の柔らかく密な下毛で構成されたダブルコートで、顔周りや尾の先にはフサフサした毛があります。

非常に豊かで密度が高い被毛は、冬季にはさらに毛が厚くなります。毛の生え変わりも盛んで、抜け毛が多い傾向があります。

毛玉やからまりを防ぐため、定期的なブラッシングが欠かせません。ブラッシングを怠ると、抜け毛が散乱しやすくなります。

とても大人しい性格

適度な距離感で懐く

鳴くことが少ない

運動神経がよくない

 その他情報

原産国 イラン
猫種公認団体 CFA,FIFe,GCCF,TICA
大きさ 中型
平均寿命 16歳~18歳
なりやすい病気 眼瞼内反症,流涙症,多発性嚢胞腎,潰瘍性口内炎,肥大型心筋症,過敏性皮膚炎,尿路結石症
参考価格 10万円~40万円
       

被毛

抜け毛 多い
毛質 ダブルコート
毛色 ソリッド,ヒマラヤン,タビー,パーティーカラー,シルバー&ゴールデン,スモーク&シェーデット,キャリコ&バイカラー
毛の長さ 長毛

体高

男の子25cm~30cm
女の子25cm~30cm

体重

男の子3kg~5.5kg
女の子3kg~5kg

マンチカン

マンチカンは短い四肢が特徴的な猫種で、「マンチカン立ち」と呼ばれる後ろ足で立つポーズも可愛らしく人気です。

体格は中型~小型で筋肉質、顔は丸く頭部もまん丸で、耳は比較的大きめです。目は大きくて丸い印象を与えます。

長毛種と短毛種がいて、どちらも被毛は密度が高くなめらかで艶があります。長毛種は短毛種と比べると抜け毛の量は多めです。

ただし、長毛種も短毛種も春秋の換毛期には抜け毛が増えますので、長毛種は1日2回、短毛種は1日1回を目安にブラッシングしてあげましょう。

穏やかで甘えん坊

好奇心旺盛で人懐こい

鳴き声は基本的に小さい

活発で運動能力が高い

 その他情報

原産国 アメリカ合衆国
猫種公認団体 TICA
大きさ 小型
平均寿命 11歳~12歳
なりやすい病気 椎間板ヘルニア,関節炎,毛球症,猫伝染性腹膜炎
参考価格 6万円~50万円
       

被毛

抜け毛 多い
毛質 ダブルコート
毛色 レッド,クリーム,ブラウン,ホワイト,ブルー,シルバー,ブラック,キャリコ
毛の長さ 短毛or長毛

体高

男の子16cm~20cm
女の子16cm~20cm

体重

男の子3kg~4.5kg
女の子2.5kg~3.5kg

メインクーン

メインクーンはビッグで力強い体格と特徴的な耳や尾を持つ猫種です。

筋肉質で力強い外見が特徴で、成猫の体重は男の子で6kg~8kg、女の子で4kg~6kg、大型~特大型のボディサイズで、最大の猫種とされています。

顔は大きくまん丸で丸みを帯びた形状をしており、目は大きくて表情豊か。耳は比較的大きめで立っています。

被毛は中長毛のダブルコートで外側の被毛は防水性があり、毛の密度が高く、抜け毛の量が多い傾向にあります。

季節が変化すると毛の生え変わりが盛んに行われます。冬季には特に毛が厚くなり、春先になると抜け毛が増加する傾向があります。

温厚で従順な性格

適応力が高く人懐こい

あまり鳴かない

優れた運動能力を持つ

 その他情報

原産国 アメリカ合衆国
猫種公認団体 CFA,FIFe,GCCF,TICA
大きさ 大型
平均寿命 11歳~14歳
なりやすい病気 股関節形成不全,ピルビン酸キナーゼ欠乏症,尿路結石症,肥大型心筋症,慢性腎臓病
参考価格 10万円~30万円
       

被毛

抜け毛 多い
毛質 シングルコート
毛色 ブラック,ホワイト,レッド,ブルー,シルバー,クリーム
毛の長さ 長毛

体高

男の子27cm~30cm
女の子27cm~30cm

体重

男の子6kg~8kg
女の子4kg~6kg

アメリカンショートヘア

アメリカンショートヘアはその名の通りアメリカ原産の短毛種の猫です。

体格は中型~大型、筋肉質で力強い外見が特徴でがっしりとした体は全体的にバランスが取れ、プロポーション自慢の猫と言っていいでしょう。

顔は丸みを帯びた三角形で、頭部は中程度の大きさです。目は大きくてやや丸く表情豊か。耳は中程度の大きさで、立っています。

被毛は短毛で密度が高く、滑らかで艶のある毛質です。

普段は抜け毛が少ない猫種ですが、春と秋の換毛期には抜け毛が増加する傾向があります。この時期にはブラッシングなどのケアがより重要になります。

活発でフレンドリーな性格

適応力が高く人懐こい

鳴き声は基本的に小さい

すぐれた運動能力を持つ

 その他情報

原産国 アメリカ合衆国
猫種公認団体 TICA,CFA
大きさ 中型
平均寿命 12歳~13歳
なりやすい病気 肥大型心筋症,尿路結石症,糖尿病
参考価格 6万円~40万円
       

被毛

抜け毛 多い
毛質 ダブルコート
毛色 シルバータビー,ブラウンタビー,レッドタビー,ブルータビー,クリームタビー,カメオタビー,パッチドタビー,バイカラー,トッティー
毛の長さ 短毛

体高

男の子24cm~25cm
女の子24cm~25cm

体重

男の子4kg~7kg
女の子3kg~6kg

ソマリ

ソマリはアフリカ原産の猫種です。中型の体格で筋肉質でしなやかな体つきをしています。

顔は先細りの三角形で、耳は大きく立っています。目は大きく、瞳の色はブライトアンバー(明るい琥珀色)が一般的。

被毛は中長毛で密度が高く、シルクのように滑らかな質感。首から胸にかけてたてがみがあり、尾はフサフサとしたブラシ状の形をしています。

毛色は「ルディ」と呼ばれる、ウォームトーンの茶色やレッドの体色に黒いストライプが入ったものが特徴的ですが、さまざまな毛色が認められます。

中長毛で密度が高く豊かな毛量のため、季節の変化や毛の成長周期に応じて抜け毛が多くなる傾向があります。

被毛がからまりやすく、定期的なブラッシングが必要です。ブラッシングを怠ると抜け毛が増えます。

明るく活発な正確

悪戯好きで甘えん坊

鳴いても静かな鳴き声

活発なので運動量も多い

 その他情報

原産国 アメリカ合衆国
猫種公認団体 CFA,FIFe,GCCF,TICA
大きさ 中型
平均寿命 10歳~15歳
なりやすい病気 重症筋無力症,嚥下障害,巨大食道症,皮膚疾患,慢性腎不全,尿路結石症
参考価格 15万円~40万円
       

被毛

抜け毛 多い
毛質 ダブルコート
毛色 レッド,ブルー,ルディ,フォーン
毛の長さ 長毛

体高

男の子23cm~26cm
女の子23cm~26cm

体重

男の子3.5kg~5kg
女の子3.5kg~5kg

抜け毛の少ない猫種

抜け毛が少ないとされる猫種は、一般的に短毛種とシングルコートとされています。

短毛種は被毛が短いため、抜け毛があっても目立ちにくいという特徴があります。

毛の密度が低いシングルコートは、毛量が少ないため抜け毛が散乱しにくく、アンダーコートがないため季節の変化による生え変わりも少なめです。

一部の猫種は特殊な毛質を持っていて、抜け毛が少ない要因になっていることがあります。

特定の血統や家系の猫種で、抜け毛の量が少ないこともあります。遺伝的な要因によるもので、純血種や品種改良された猫種に多く見られます。

スフィンクス

スフィンクスは特異な外見と抜け毛の少なさで知られる猫種です。

無毛のタイプもいますが、体全体にはわずかな短毛が生えていて、特に顔や耳の周り、尾先には短い毛が生えており、ほとんどがごく短い毛で覆われています。

皮膚は柔らかくシルクのように滑らかで、体温が高いため、触ると温かさを感じることができます。

皮膚が露出している部分が多く毛の量が極端に少ないため、抜け毛そのものがほとんどありません。

毛の成長サイクルが他の猫種と異なり、抜け毛のサイクルが早く毛が散らばることが少ないため、アレルギー反応が少ないという特性もあります。

そのため、猫アレルギーが気になる人にも適した猫種として人気があります。

元気で甘えん坊な性格

好奇心旺盛で人懐っこい

それなりに鳴くことがある

運動神経が抜群

 その他情報

原産国 カナダ
猫種公認団体 CFA,FIFe,GCCF,TICA
大きさ 中型
平均寿命 12歳~14歳
なりやすい病気 耳疥癬症,皮膚病,肥大型心筋症
参考価格 30万円~50万円
       

被毛

抜け毛 ない
毛質 被毛なし
毛色 ホワイト,ブラック,ブルー,キャリコ,タビー,ブルークリーム&ホワイト,ブラック&ホワイト
毛の長さ 被毛なし

体高

男の子24cm~26cm
女の子24cm~26cm

体重

男の子3kg~6kg
女の子2.5kg~4kg

ピーターボールド

ピーターボールドはロシア原産の比較的新しい猫種です。

皮膚の露出部分が多いのが特徴で、被毛は非常に薄くて短毛でほぼ無毛の個体もいます。

皮膚は柔らかくなめらかで艶があり、触れると温かさを感じることができます。皮膚の色はさまざまで、ピンク、黒、灰色などがあります。

生まれつき毛が少なく無毛に近いため、抜け毛そのものが少なく掃除の負担も軽くて済みます。

ブラッシングや毛のケアは比較的簡単ですが、皮膚の保湿が重要で皮膚の健康を保つためのケアは必要です。

抜け毛の少なさから、猫アレルギーが気になる人にも適した猫種とされています。

陽気な性格で活発でもある

とても人懐こく社交的

鳴き声は大きくないが、アピールはある

筋肉質で運動能力が高い

 その他情報

原産国 ロシア
猫種公認団体 TICA,FIFe
大きさ 中型
平均寿命 13歳~15歳
なりやすい病気 皮膚病,熱中症,特発性膀胱炎
参考価格 35万円~70万円
       

被毛

抜け毛 ない
毛質 被毛なし
毛色 チョコレート,フォーン,ブラック,ライラック,ベロア,ブラッシュ
毛の長さ 被毛なし

体高

男の子20cm~35cm
女の子20cm~35cm

体重

男の子3kg~5kg
女の子2.5kg~4.5kg

ブリティッシュショートヘア

ブリティッシュショートヘアはグレートブリテン島原産とされていて、穏やかな性格とずんぐりむっくりな外見で人気の猫種です。

被毛は短く密度が高く豊かな毛並みを持っています。毛質はしっかりとした感触で、比較的硬めの毛が特徴です。

毛色は多彩ですが、代表的なのはブルー。その他、クリーム、白、ブラック、チョコレート、タビーなども存在します。

短毛で密度が高く毛が抜けにくいため、抜け毛が比較的少ない猫種です。

毛の成長サイクルが他の猫種よりもゆっくりで生え変わりも遅いため、毛が抜ける頻度が低く、抜け毛の量が少ないという特徴があります。

愛情深くて寛容な性格

飼い主には懐くことが多い

ほとんど鳴かない

運動能力はとても高い

 その他情報

原産国 イギリス
猫種公認団体 CFA,FIFe,GCCF,TICA
大きさ 中型
平均寿命 15歳~20歳
なりやすい病気 肥満,尿路結石症,肥大型心筋症,新生子溶血,糖尿病,皮膚病
参考価格 6万円~40万円
       

被毛

抜け毛 少ない
毛質 ダブルコート
毛色 ブルー,ブルータビー,ブルーソリッド,ブルーゴールデンシェーデッド,クリーム&ホワイト
毛の長さ 短毛

体高

男の子23cm~25cm
女の子23cm~25cm

体重

男の子4kg~7kg
女の子3kg~5kg

ラグドール

ラグドール(ragdoll)とは英語でぬいぐるみの意味で、その名の通り抱き上げられるとぬいぐるみのようにリラックスして体を預ける性質を持つ猫種です。

ボディサイズは大型でありながら性格は愛情深く、非常に温和で穏やか。比較的控えめであまり騒ぐことがありません。

ただし、環境の変化に敏感に反応することがあり、ストレスを抱えやすい一面もあります。

被毛は密度が中程度で、長さも中くらいから長めです。毛質はしっとりとしており、滑らかな質感。胸や尾の先にはフサフサとした毛があります。

すべすべした毛質はからまりにくいため、抜け毛が少ないという特徴があります。

穏やかで従順な性格の持ち主

優しく人慣れしてくれる

無駄に鳴くことはない

運動神経はあまりよくない

 その他情報

原産国 アメリカ合衆国
猫種公認団体 CFA,FIFe,GCCF,TICA
大きさ 大型
平均寿命 14歳~16歳
なりやすい病気 肥大型心筋症,尿路結石症,熱中症,皮膚炎
参考価格 10万円~70万円
       

被毛

抜け毛 少ない
毛質 ダブルコート
毛色 クリーム,ブルー,レッド,チョコレート,シナモン,シール,フォーン,ライラック
毛の長さ 長毛

体高

男の子27cm~29cm
女の子27cm~29cm

体重

男の子4.5kg~9kg
女の子4kg~6kg

ロシアンブルー

ロシアンブルーは鮮やかな銀青色の被毛と穏やかな性格で人気の猫種です。

被毛は中毛で短めの毛並み、密度も中程度で非常に繊細でしなやかな質感。顔や耳、尾先には密度が高く、しっとりとした毛が生えています。

毛の色合いは銀青色が特徴的ですが、体色は青灰色のバリエーションがあります。

しなやかで比較的密度が高い被毛のため抜け毛になりにくく、滑らかな質感なので毛がからまりにくい特性があります。

毛の成長サイクルが他の猫種よりもゆっくりで毛が抜ける頻度が少なく、抜け毛そのものが少ないとされています。

活発で甘えたがりな性格

飼い主に忠実で懐きやすい

ほとんど鳴かない

運動量は平均以上に多い

 その他情報

原産国 ロシア
猫種公認団体 CFA,FIFe,GCCF,TICA
大きさ 中型
平均寿命 10歳~13歳
なりやすい病気 尿路結石症,尿毒症,関節疾患,糖尿病
参考価格 10万円~35万円
       

被毛

抜け毛 少ない
毛質 ダブルコート
毛色 ブルー,ブルーポイント,ホワイト,ブラック
毛の長さ 短毛

体高

男の子25cm~27cm
女の子25cm~27cm

体重

男の子3kg~5kg
女の子3kg~5kg

ラガマフィン

ラガマフィンはラグドールとアメリカンショートヘアを交配することで作出された、比較的新しい猫種です。

被毛は半長毛、手触りの良い柔らかさとしなやかさのある毛質で、からみにくい特性があります。

毛の密度は中程度で豊かな毛並み、首回りや尾先には特にフサフサとした毛が生えています。

毛色やパターンは多彩ですが、シール、ブルー、クリームといったトラディショナルなカラーが一般的です。ポイントカラーやバイカラーなども見られます。

毛がからみにくいため、ブラッシングをしても毛が抜けにくい特性があります。

毛の成長サイクルが他の猫種よりも遅めで、生え変わりもゆっくりしているため、抜け毛そのものが少ないという特徴があります。

温厚でおとなしい性格

甘えん坊で人懐っこい

ほとんど鳴かない

比較的運動量は控えめ

 その他情報

原産国 アメリカ合衆国
猫種公認団体 CFA,GCCF
大きさ 大型
平均寿命 10歳~13歳
なりやすい病気 肥大型心筋症,毛球症,尿路結石症,皮膚病
参考価格 10万円~35万円
       

被毛

抜け毛 少ない
毛質 ダブルコート
毛色 クリーム,グレー,ブルー,レッド,チョコレート,フォーン,ライラック,シナモン
毛の長さ 長毛

体高

男の子45cm~60cm
女の子45cm~60cm

体重

男の子4.5kg~9kg
女の子4.5kg~9kg

エキゾチックショートヘア

エキゾチックショートヘアは、ペルシャとアメリカンショートヘアを交配して作出された猫種です。

被毛は短めで密度が高く、しっかりとした質感で毛量が多いです。柔らかくてしっとりとした手触りで、からまりにくい特性があります。

そのためブラッシングをしても抜け毛は少なめで、比較的被毛のお手入れは楽です。

ただし、短い鼻と丸い顔立ちのため涙管が狭く涙目になりやすい弱点があります。

涙やけ防止シートなどで目の周りの被毛を毎日拭いてあげましょう。

人懐っこく温厚な性格

適応能力が高く懐きやすい

鳴くことは少ない

おとなしく運動量が少ない

 その他情報

原産国 アメリカ合衆国
猫種公認団体 CFA,FIFe,GCCF,TICA
大きさ 超小型
平均寿命 10歳~13歳
なりやすい病気 流涙症,短頭種気道症候群,多発性嚢胞腎,慢性腎臓病
参考価格 15万円~30万円前後
       

被毛

抜け毛 少ない
毛質 ダブルコート
毛色 ブルー,ブラウン,クリーム,レッド,ブラック,シルバー,トーティー,シール
毛の長さ 短毛

体高

男の子24cm~27cm
女の子24cm~27cm

体重

男の子3kg~7kg
女の子3kg~5kg

バンビーノ

バンビーノはスフィンクスとマンチカンを交配し、作出された比較的新しい猫種です。

バンビーノとはイタリア語で赤ちゃんや幼児を指すように、小さな体躯と短い脚が特徴的。その割にがっしりとした体つきをしています。

被毛はスフィンクスに似た無毛またはごく短い毛で、皮膚が露出している部分が多く、抜け毛そのものが少ない特性があります。

ただし、肌のケアが重要で、乾燥や日光から保護する必要があります。

フレンドリーで明るい性格

人見知りをあまりせず懐きやすい

それなりに鳴くことがある

運動欲求が強くよく動く

 その他情報

原産国 アメリカ合衆国
猫種公認団体 TICA
大きさ 小型
平均寿命 12歳〜14歳
なりやすい病気 皮膚病,椎間板ヘルニア
参考価格 19万円~30万円前後
       

被毛

抜け毛 ない
毛質 被毛なし
毛色 クリーム,ブラック
毛の長さ 短毛

体高

男の子17.7cm~20cm
女の子17.7cm~20cm

体重

男の子2.2kg~4kg
女の子2.2kg~4kg

この記事の執筆者

KENTAROU MATSUBAYASHI

執筆者情報

楠 涼

ライター

3歳の頃、TVアニメで黄色い魔法のカバンを持った幸せの猫・FELIX君に出逢い、恋心を抱く。
現在、“在宅部長”こと2代目保護猫と暮らしながら、nademoの記事を書かせていただいています。
また、キャットヘルスケアアドバイザー資格取得にチャレンジ中ですので、皆様の愛猫の健康生活に役立つ情報をお届けしてまいりたいと存じます。

nademo編集部

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