ペット保険のアニコム損害保険株式会社「人気犬種ランキング2023」で、1位を獲得したのは今年もやっぱりトイ・プードル!14年間連続トップのダントツ人気です。
そんなトイ・プードルの原型、ご先祖様と言えばスタンダード・プードル。
プードル好きな人でも、スタンダード・プードルには出会ったことがない、という人も少なくないのではないでしょうか。
トイ・プードルの倍以上の大きさながら、性格はほとんど変わらないスタンダード・プードルの魅力をお伝えします。
この記事の結論
- プードル6種類の中で最もサイズが大きく歴史が古いといわれている
- 飼い主さんに愛情深く友好的な性格で、多頭飼育にも向いている犬種
- 平均寿命は12歳〜15歳で、大型犬の平均寿命よりやや長生き
- ブラッシングやトリミング、耳や涙やけのケアなどは欠かさず行う
目次
スタンダード・プードルの特徴

プードルと聞いて、まずイメージするのが独特のスタイリッシュなトリミングでしょう。
スタンダード・プードルならではの長い手足や尻尾を活かしたボンボンのようなカットや、お姫様のようにリボンをあしらったウェーブヘアなど。その優雅な容姿はフランスの貴婦人たちからも愛されました。
見た目のおしゃれさだけではなく聡明な犬種としても知られており、別名フレンチ・プードルとも呼ばれています。
また、プードルの中ではもっともボディサイズが大きく、歴史も古いといわれています。
アメリカの学会が知能指数テストをしたところ、プードルはボーダー・コリーに次ぐ知能の高さだったそうです。
明るく温厚で有効的
知能が高く、人に懐きやすい
神経質な面もあるため、たまに吠えることも
運動神経がよく、十分な運動を欲する
その他情報
原産地 | フランス |
犬種グループ | 9G:愛玩犬 |
大きさ | 大型 |
平均寿命 | 12歳〜15歳 |
なりやすい病気 | 副腎皮質機能低下症,胃拡張捻転症候群,皮膚疾患 |
参考価格 | 20万円~30万円 |
被毛
抜け毛 | 少ない |
毛質 | シングルコート |
毛色 | ブラック,ホワイト,レッド,ブルー,グレー,ブラウン,アプリコット,クリーム,シルバー |
スタンダード・プードルの身体的特徴
体長と体高が同じぐらいで手足は長く、大きい体とは対象的に尻尾は短めです。
被毛がモコモコしていることから手足が太く見えますが、実は思ったよりも細いことに驚くでしょう。
耳は大きく垂れていることも、スタンダード・プードルの特徴のひとつです。
スタンダード・プードルのサイズ(体高・体重)
体高 | 45cm~62cm |
体重 | 10kg~20kg |
純粋犬種の犬籍登録や血統書発行を行うJKCは、スタンダード・プードルの体高を45cm~60cm(+2cmまで許容)としています。
成犬時の標準的な体重は10kg~20kg程度。一般的に大型犬は25kg以上なので、プードルの中では最も大型ですが、犬全体で見ると中型犬に分類されます。
プードルは全部で6種類
プードルの種類は大きい順に、スタンダード・プードル、ミディアム・プードル、ミニチュア・プードル、トイ・プードルの4種類が基本。
これにプラスして、タイニー・プードルやティーカップ・プードルなど、より小さいプードルも知られています。
種類 | 体高 | 公認状況 |
---|---|---|
スタンダード・プードル | 45cm~60cm(+2cmまで許容) | JKC公認 |
ミディアム・プードル | 35cm~45cm | JKC公認 |
ミニチュア・プードル | 28cm~35cm | JKC公認 |
トイ・プードル | 24cm~28cm(-1cmまで許容) | JKC公認 |
タイニー・プードル | - | JKC非公認 |
ティーカップ・プードル | - | JKC非公認 |
スタンダード・プードルは体高45cm~60cm(+2cmまで許容)、ミディアム・プードル35cm~45cm、ミニチュア・プードル28cm~35cm、トイ・プードル24cm~28cm(-1cmまで許容)です。
さらに小さいタイニー・プードルやティーカップ・プードルもいますが、犬の品種認定を行う一般社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)には公認されていません。
スタンダード・プードルの毛色と被毛
毛色は単色が理想とされており、JKCではブラック、ホワイト、ブラウン、グレー、フォーン(子鹿のようなやや明るい茶)を代表色としています。主な毛色は以下のとおりです。
- ブラック
- ホワイト
- レッド
- ブルー(青みがかった灰色)
- グレー
- ブラウン
- アプリコット(アンズの果実のような黄赤色)
- クリーム(ミルクティーのような淡い黄赤色)
- シルバー(毛の根元が白っぽいブラックの毛色)
スタンダード・プードルの平均寿命
スタンダード・プードルの寿命は12歳~15歳で、アメリカには最高齢28歳の子もいるそうですから、中・大型犬では比較的長生きと言えるでしょう。
スタンダード・プードルの注意したい病気
スタンダード・プードルには遺伝的な持病が少なく、丈夫な犬種と言われています。ただし、プードル全体がかかりやすい以下の疾病やケガには注意しなければいけません。
副腎皮質機能低下症 | 免疫系やストレスに作用するホルモンを分泌する副腎の機能が低下し、食欲低下や嘔吐などを引き起こす |
副腎皮質機能亢進症 | 副腎から分泌されるホルモンの過剰な分泌により、多飲や多尿、脱毛を引き起こす |
胃拡張胃捻転症候群 | 胃が大量のガスで膨れてねじれる病気で、大量のよだれがでたり吐きたそうなのに吐けないといった症状が現れる |
骨折 | 外部からの力によって、骨にヒビが入ったり折れて損傷してしまう |
愛犬の様子がいつもと違う、ちょっと変だなと思ったら、迷わずすぐ動物病院へ連れて行きましょう。8歳以降の中・高齢世代になったら、半年~1年に一度は健康診断してもらうことをおすすめします。
副腎皮質機能低下症
副腎皮質から分泌されるホルモンが少なくなってしまうことで発症する、副腎皮質機能低下症(ふくじんひしつきのうていかしょう)別名アジソン病。
血液量が減って心臓が弱り、糖や脂肪の代謝が衰え、最も特徴的な症状としてはストレスに耐えられなくなり、進行すると虚脱状態の発作を起こします。
残念ながら完治することはなく、一度発症すると投薬などの治療が一生涯必要です。
副腎皮質機能亢進症
アジソン病とは逆に、副腎皮質から分泌されるホルモンが過剰になることで発症する、副腎皮質機能亢進症(ふくじんひしつきのうこうしんしょう)別名クッシング症候群。
ゆっくりと進行する病気のため初期症状が見逃されやすいのですが、食欲増進や多飲多尿によりお腹が大きくなって動きも鈍ります。
肥満のため息切れすることもあり、最も特徴的な症状としては体の両側に左右対称の脱毛が見られることです。
クッシング症候群も一度発症すると完治が難しい疾患ですが、副腎腫瘍が原因の場合、外科的手術で快癒を目指せることもあります。
胃拡張胃捻転症候群
一気食いなどによって急激に胃が膨らむことで起こるのが胃拡張、胃内部のガスの急な膨張などで胃がねじれるのが胃捻転です。これらをあわせて胃拡張胃捻転症候群(いかくちょういねんてんしょうこうぐん)といいます。
食べ過ぎなどと言って侮るなかれ、ショック症状を引き起こしたり愛犬の命を脅かすこともある急性疾患で、緊急治療が必要となります。
食後数時間以内に愛犬が突然落ち着かなくなり、よだれを垂らしたり、空吐きしたり、腹部を舐めるなどしたら、すぐ動物病院へ連れて行きましょう。
骨折
体が小さく華奢なトイ・プードルに比べると、スタンダード・プードルは骨が丈夫です。
けれど、プードル族は他の犬種に比べて骨折や関節炎を起こしやすいので、散歩や外出の際に注意しなければいけません。
高所から飛び降りたり、ジャンプしたときに足を滑らせたりして、骨折や脱臼するケースが多くあります。
また、愛犬が足を引きずるような動作をしたら関節炎の疑いがありますので、すぐ獣医さんへ。
スタンダード・プードルの登録頭数
ジャパンケネルクラブによる血統登録・血統証明書が発行された犬種別犬籍登録頭数によると、スタンダード・プードルの登録頭数は約2,000匹。
ジャパンケネルクラブでは、プードルの大きさに関わらず「プードル」で登録されているため、全134犬種のうち1位にランクインされています。
プードルの中では「トイ・プードル」が一番多いですが、スタンダード・プードルの愛情深くフレンドリーな性格から、登録頭数は年々増えています。
スタンダード・プードルの性格や習性

スタンダード・プードルは体が大きいだけで、性格はトイ・プードルやミニチュア・プードルと変わりありません。
飼い主さんや家族に対してとても愛情深く、好奇心旺盛でフレンドリー。お子さんのいるご家庭や多頭飼育にも向いています。
そのエレガントな外見だけでなく、非常に魅力的で独特な性格と習性を持っています。彼らは単なる美しい犬ではなく、飼い主にとって最高のパートナーとなりうる資質を秘めています。
非常に賢く、学習能力が高い
スタンダード・プードルの最大の特徴の一つは、そのずば抜けた賢さです。全犬種の中でもトップクラスの知能を持つとされ、新しいことを学ぶのが非常に得意です。
高い学習スピードと応用力
新しいコマンドや芸を驚くほど早く習得します。例えば、基本的な「おすわり」「待て」「伏せ」といったコマンドはもちろんのこと、複雑なアジリティ(障害物競争)の指示や、「物を取ってくる」「電気を消す」といった実用的な芸も難なく覚えることができます。一度覚えたことは忘れにくく、状況に応じて応用する能力にも長けています。
問題解決能力の高さ
知育玩具(フードパズルなど)を与えると、仕組みをすぐに理解し、中のフードを取り出すことができます。
また、飼い主が戸棚に隠したおやつを見つけ出すために、自分で扉を開ける工夫をするなど、高い問題解決能力を発揮することも珍しくありません。これは、彼らが単に指示に従うだけでなく、自ら考えて行動する能力を持っている証拠です。
環境への適応力
賢さゆえに、新しい環境や状況にも比較的早く適応できます。しつけやトレーニングもしやすいため、初めて大型犬を飼う方でも、真剣に取り組めば十分に飼いこなせる犬種と言えるでしょう。
愛情深く、飼い主に忠実
スタンダード・プードルは、非常に愛情深く、飼い主や家族に対して強い忠誠心を抱きます。
「人」が大好きな甘えん坊
彼らは「人」と一緒にいることを心から喜び、常に飼い主のそばにいたがります。大型犬でありながら、膝の上に乗ってくることを好んだり、常に飼い主の行動を追っていたりする甘えん坊な一面も持ち合わせています。
一人で長時間留守番させることには不向きで、分離不安になる可能性もあるため注意が必要です。
共感力と感受性の高さ
飼い主の感情を敏感に察知し、悲しんでいる時はそっと寄り添い、喜んでいる時は一緒に跳ね回るなど、共感する能力に優れています。感受性が高いため、叱る際は厳しくしすぎず、ポジティブな方法でしつけることが重要です。
他のペットや子どもとの相性
適切な社会化がなされていれば、他の犬や猫、そして子どもに対しても友好的で穏やかに接することができます。遊び好きで優しい性格のため、子どもがいる家庭でも良き遊び相手、家族の一員となるでしょう。
活発で運動を好む
元々水猟犬として活躍していた歴史を持つスタンダード・プードルは、非常に活発で運動を好む習性があります。
豊富な運動量が必要
毎日、最低でも1回1時間程度の散歩を2回、またはそれ以上の運動量を確保することが理想的です。
ただ歩くだけでなく、広い場所での自由運動(オフリード)や、ボール遊び、フリスビー、アジリティなど、体を思い切り動かせる時間が必要です。
水遊びが大好き
水猟犬のルーツを持つため、水遊びが大好きな子が多いです。夏場の水遊びや、湖畔での散歩など、水に触れる機会を与えてあげることで、彼らの満足度は大きく高まるでしょう。
運動不足による問題行動
十分な運動量が確保できないと、ストレスから無駄吠え、家具の破壊、イタズラなどの問題行動を引き起こす可能性があります。知能が高く体力もあるため、発散できないエネルギーがマイナスな方向に向かいやすいのです。
抜け毛が少なく、被毛の手入れは必須
スタンダード・プードルは、シングルコートで抜け毛が非常に少ないという特徴があります。アレルギーを持つ人でも飼いやすい犬種として知られています。
トリミングが不可欠
しかし、その代わり毛が伸び続けるため、定期的なトリミングが不可欠です。月に1回程度は専門のトリマーによるカットが必要です。トリミングを怠ると、毛玉ができやすく、皮膚病の原因になったり、衛生的でなくなったりします。
毎日のブラッシング
トリミングと合わせて、自宅での毎日のブラッシングも欠かせません。毛が絡まるのを防ぎ、皮膚の健康を保つためにも、こまめなケアが必要です。
スタンダード・プードルは、賢さ、愛情深さ、そして活発さを兼ね備えた、非常に魅力的な犬種です。特性を理解し、適切な運動、しつけ、そして愛情を注ぐことで、かけがえのない家族の一員となってくれるでしょう。
スタンダード・プードルの飼育費用はどのくらい?

スタンダード・プードルを家族に迎える際、初期費用だけでなく、日々の生活にかかるランニングコストを把握しておくことは非常に重要です。
大型犬であるスタンダード・プードルは、小型犬に比べて食費や医療費、特に被毛の手入れにかかる費用が高くなる傾向があります。
ここでは、年間・生涯にかかる具体的な費用内訳の目安を解説し、より詳細なシミュレーションができるようにします。
スタンダード・プードルの価格相場
スタンダード・プードルの価格相場は約20万円~70万円と幅広く、平均価格は30万円台ほどです。優勝経験のあるショードッグを輩出しているブリーダーの子犬は高値傾向にあり、90万円近くする場合もあります。
ネット上ではスタンダード・プードルの里親募集を見かけるようになり、譲渡会に登場することもありますので、検索してみてはいかがでしょう。
あなたと生涯のパートナーとなるスタンダード・プードルとの良い出会いを、nademo編集部も願っております。
年間にかかる費用内訳の目安
スタンダード・プードルの年間飼育費用は、フードの質やトリミングの頻度、健康状態によって大きく変動しますが、平均して30万円~50万円程度を目安とすると良いでしょう。
フード代
年間約10万円~15万円 大型犬であるスタンダード・プードルは、消費カロリーが多く、高品質なフードを大量に消費します。
- 目安: 1kgあたり1,000円~2,000円程度のプレミアムフードを月に5kg~10kg消費すると仮定すると、年間で約6万円~12万円。おやつ代を含めるとさらに高くなります。
- ポイント: 活動量や体質に合わせた高品質なフードを選ぶことが、健康維持の基本です。
トリミング代
年間約8万円~18万円 スタンダード・プードルは抜け毛が少ないですが、被毛が伸び続けるため、定期的なトリミングが不可欠です。毛玉防止や皮膚病予防のためにも、プロのトリマーによる手入れが必須となります。
- 目安: 1回あたり8,000円~15,000円程度。月に1回のペースでトリミングに出す場合、年間で約9.6万円~18万円かかります。カットの内容やサロンによって料金は変動します。
- ポイント: 自宅でのブラッシングを毎日行うことで、毛玉の発生を抑え、トリミング代を節約できる可能性もあります。
医療費(予防医療・健康診断)
年間約5万円~10万円:健康なスタンダード・プードルでも、予防医療は欠かせません。
- 目安:
- 混合ワクチン接種: 年1回、約6,000円~10,000円。
- 狂犬病予防接種: 年1回、約3,500円(登録料含む)。
- フィラリア予防薬: 月1回、年間約10,000円~20,000円(体重による)。
- ノミ・ダニ予防薬: 月1回、年間約10,000円~20,000円。
- 健康診断: 年1回、約5,000円~20,000円(検査内容による)。
- ポイント: 病気になった場合の治療費は別途高額になる可能性があります。若いうちから医療保険への加入を検討することも重要です。
おもちゃ・消耗品代
年間約2万円~5万円 おもちゃ、シャンプー、ブラシ、トイレシート、消臭剤、リード、首輪、ベッドなど、日常的に必要となる消耗品やグッズです。
- 目安: 大型犬は消耗品も大型になりがちで、特に噛む力が強いため、おもちゃの買い替え頻度が高くなることもあります。
医療保険料
年間約4万円~8万円(任意) 予期せぬ病気やケガに備える医療保険は、万が一の際の高額な治療費負担を軽減してくれます。
- 目安: 補償内容や加入する年齢によって大きく異なりますが、年間で4万円~8万円程度の保険料がかかります。
- ポイント: 加入は任意ですが、大型犬は手術費用が高額になるケースも多いため、検討をおすすめします。
その他雑費(しつけ教室、ペットホテル、光熱費増など)
年間約1万円~5万円 しつけ教室やドッグランの利用料、ペットホテルやペットシッター代、大型犬を飼うことによる光熱費(特に夏場のエアコン代)の増加なども考慮に入れる必要があります。
生涯にかかる費用の目安
スタンダード・プードルの平均寿命は約12年~15年とされています。この寿命を全うするまでの生涯費用は、上記の年間費用を基に計算すると、約360万円~750万円にも上る可能性があります。
これはあくまで目安であり、病気や災害など、予測できない出費が発生する可能性もあります。特に老犬になると、医療費が増加する傾向があるため、余裕を持った資金計画が重要です。
費用のシミュレーションと準備のポイント
- 予算計画: スタンダード・プードルを迎え入れる前に、これらの費用を考慮した詳細な予算計画を立てましょう。
- 貯蓄: 万が一の医療費や予期せぬ出費に備えて、常に一定額の貯蓄をしておくことをおすすめします。
- ライフスタイルの見直し: 愛犬の飼育は経済的な負担だけでなく、時間や労力も必要となります。
スタンダード・プードルとの生活は、費用がかかる一方で、それ以上の喜びや感動を与えてくれることでしょう。計画的な準備を行い、愛犬との素晴らしい日々をスタートさせてください。
スタンダード・プードルの飼い方

スタンダード・プードルは中・大型犬の部類に入りますが、外飼いには向かず、室内飼い向きです。
ただし、動くぬいぐるみと称される可愛い見かけによらず運動量が多いので、十分なスペースの確保と散歩量を要します。
また、定期的なトリミングや毎日のブラッシングも必要ですから、お手入れやしつけに時間をかけられる飼い主さん向けと言えるでしょう。
しつけは子犬期から始める

スタンダード・プードルは非常に賢く、飼い主さんに従順でしつけやすい犬種です。
しつけは早ければ早いほど良く、トイレトレーニングや愛犬の寝床であるクレートへ行くハウストレーニングはお迎えしたその日から始めましょう。
特に「社会化期」と呼ばれる生後3週齢~12週齢の子犬は、日常生活の中で出会うさまざまな「音、物、人、環境」などに慣れさせる適齢期です。
この時期に飼い主さんが口、耳、手足、尻尾などに触ることや抱っこに慣れておくと、動物病院やトリミングサロンへ行く際もスムーズでしょう。
中・大型犬が快適に過ごせる環境を用意

フワフワとした巻き毛を持つスタンダード・プードルですが、実はシングルコートで寒さに弱いため、室内飼いがおすすめ。
温湿度管理をしっかりして、段差につまずいたり床で滑ったりしないよう配慮。過ごしやすいスペースを確保してあげましょう。
寝床として用意してあげるクレートは、立ったときに頭のてっぺんが天井につかない高さと鼻先からお尻までの体長+5cmの奥行きがあること。
また、子どもや自分より小さな犬種にも優しく、すぐに慣れますが、寂しがり屋なのでひとりのお留守番は苦手です。
散歩は1日30分~1時間程度

子犬のお散歩デビューは、最初のワクチンプログラムが終了してから2週間後が目安。免疫力がつくのに2週間ほどかかるからです。
お散歩デビューの前に、名前を呼んだら来る、「まて」「おいで」「お座り」などのコマンドトレーニングを身に着けさせておきましょう。
子犬のうちは1回15分~20分くらいのお散歩から始め、徐々に時間と距離を延ばし、成犬になったら1日2回、1回30分~1時間程度を目安にします。
運動不足によるストレスは無駄吠えや噛み癖などの問題行動の原因になるので、お散歩に行けない日もかくれんぼなどの室内遊びを工夫しましょう。
寒い季節の散歩は防寒対策が必要
スタンダード・プードルは寒さに弱い犬種なので、寒い季節は防寒対策が必要です。
散歩に連れて行く際は冬用の防寒服を着せて、日の出ている比較的暖かい時間帯を選びましょう。
また愛犬が寒さで震えている場合は早めに切り上げ、室内で遊んであげるのが良いでしょう。
大きなドッグランやプールもおすすめ
運動能力の高いスタンダード・プードルは、ドッグランで思い切り駆け回るのも大好き。
ドッグスポーツ可能な運動場があれば、キャッチボール、フリスビー、フライングディスクなどで飼い主さんやご家族と楽しく遊ぶこともできます。
かつて水猟犬として活躍していたスタンダード・プードルは泳ぎが得意な子も多く、夏は犬用プールで水浴びやスイミングを満喫。
旅行先でカヌー遊びなどを、飼い主さんと一緒に体験するスタンダード・プードルもいるようですよ。
毛玉ができないようこまめにブラッシングを行う

モコモコの被毛が特徴のスタンダード・プードルですが、触れると意外に硬い毛質をしています。
シングルコートなので抜け毛は少なめですが、毛が絡みやすく毛玉ができやすいので毎日ブラッシングしてあげましょう。
お散歩から帰ってきたら、毛のほつれを少しずつ解くようにして、皮膚を傷めないようやさしく全身をブラッシングします。
お風呂は月1回程度が目安

スタンダード・プードルのシャンプーは皮膚病予防のためにも月1回、毛が絡まりやすい子なら2週間~3週間に1回を目安に行いましょう。
シャンプー剤はアミノ酸系の低刺激なものがおすすめ。よく泡立てて肌をやさしくマッサージするように洗い、すすぎ残しがないよう注意して。
濡れたままでは風邪をひいてしまうため、しっかりと洗ったあとにはタオルドライ。そして体が冷えないうちにすぐ、ドライヤーでしっかりと乾かします。
骨折しないよう滑りにくい床材の工夫を

元気で運動好きなスタンダード・プードルは、特に子犬や若いうちは室内でも駆け回ったりすることがあります。
床材がフローリングなどで滑りやすいと、転倒して骨折や脱臼をしないとも限りません。
裏に滑り止めの付いたカーペットなどを敷いて対策しましょう。ジョイントマットなら、汚れた部分だけ洗えるので便利です。
好奇心旺盛なので誤飲事故に注意する

スタンダード・プードルは好奇心旺盛な性格で、動くものや落ちているものを口に入れて確認する場合があります。
特に子犬期は好奇心により何にでも口に入れてしまうため、誤飲事故には注意が必要。小さなものは特に注意して管理しなければいけません。
しつけを行い予防するのも大事ですが、誤飲させないためにも室内に常にキレイな状態を保ち、口に入れやすい小物類は愛犬の手の届かない場所にしっかり保管しておきましょう。
定期的なトリミングが必要
スタンダード・プードルは放っておくとどんどん毛が伸び続け、毛玉ができてしまうので、月1回を目安にトリミングしましょう。
定番のスタイル「コンチネンタル・クリップ」は、水猟犬時代に泳ぎのじゃまになる顔周りはカットし、冷えを防ぐため手足の毛を残したのが始まりとか。
ご自宅で飼い主さん自らカットされる方もいますが、サロンでトリマーさんに流行りのカットをしてもらうのも楽しみのひとつですね。
こまめに耳・涙やけケアをする

垂れ耳で、しかも毛量の多いスタンダード・プードルは、炎症や感染症による外耳炎を起こしやすく注意が必要です。
外耳炎を予防するには、飼い主さんによる愛犬のこまめな耳のチェックとお掃除が欠かせません。
耳の中を傷つけないよう、見える範囲で良いので耳の内側をやさしく拭く程度でOK。
スタンダード・プードルはトイ・プードルほど鼻涙管が狭くはないので涙やけになりにくいですが、毛玉防止のため目や口周りの汚れも拭いてあげましょう。
フードは成長に合わせて与える

一般的に、体重が4kg~5kgより軽ければ超小型犬、10kg未満なら小型犬、10kg~25kgが中型犬、25kg以上が大型犬とされています。
トイ・プードルの平均体重は3kg~4kgなので超小型犬、5kg~8kgのミニチュア・プードルは小型犬、8kg~15kgのミディアム・プードルは中型犬。
そして、本記事の主役スタンダード・プードルも、体重25kg以下であれば中型犬ということになります。
中には25kg以上、体高60cm以上になる子もいますので、愛犬のボディサイズと成長期に適したフードを選んであげましょう。
スタンダード・プードルにおすすめのドッグフード・アイテム
スタンダード・プードルの歴史

起源は明らかではありませんが、古くから中央アジア、ポルトガル、ギリシャ、モロッコ、ロシアなどに広く分布していた犬が祖先と考えられます。
長い時間をかけて各地の犬と交配しながらヨーロッパを縦断し、ドイツを経由して原産国フランスへ到達する頃、現在の原型ができたという説が有力です。
16世紀までは現在のスタンダード・プードルよりサイズが大きく、荷役を引く使役犬や鴨猟の水猟犬とされてきました。
17世紀に入る頃にはさまざまなサイズのプードルが存在し、フランス上流階級で愛玩犬としてもてはやされました。
日本への上陸は意外にも古く、江戸時代の1870年頃、オランダ人が長崎の出島に連れてきたのが最初だとか。
1950年代終わり頃から家庭犬として普及し、その頃に流行したマスコットは「昭和レトロ プードル」として今も人気を博しています。
スタンダード・プードルの理解度チェック
この記事の執筆者
nademo編集部
編集部
「いつまでも どこまでも」必要な情報を理解するだけではなく、心もお腹も満たされるような日々のために。
&nademo(アンドナデモ)のコンセプトをもとに、飼い主さんとペットが安堵できる時間を演出します。
※ 当コンテンツで紹介する商品は、実際に社内で利用した経験と、ECサイトにおける売れ筋商品・口コミ・商品情報等を基にして、nademo編集部が独自にまとめています。
※ 本記事はnademoが独自に制作しており、メーカー等から商品提供を受けることもありますが、記事内容や紹介する商品の意思決定には一切関与していません。
※ 記事内で紹介した商品を購入すると、売上の一部がnademoに還元されることがあります。
※ 監修者は掲載情報についての監修のみを行っており、掲載している商品の選定はnademo編集部で行っております。
※ 掲載している商品の順番に意図はなく、掲載の順番によってランク付けしているものではありません。